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立ち食いピザこそがニューヨーク体験の真髄

Posted by 高見鈴虫 on 14.2014 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
ニューヨークでもっともポピュラーな食べ物、
と言えば、まさにピザである。

映画などでは街角でホットドック、というイメージが強いが、
正直なところ、実際のニューヨーカーの間では、
街角ベンダーでホットドッグというのはあまり見られない。

という訳で、ニューヨークと言えばピザである。

ビジネス街を除いて、ニューヨーク中、
三歩歩けばピザ屋にあたる。

まあ日本で言うところの立ち食いそば。
あるいは、ラーメン屋と言ったところ。

プレインのチーズ・スライスで2ドル前後。
紙皿に二等辺三角形の熱々のピザ、
これに好みによってペッパー=唐辛子やら胡椒やら、
あるいはにんにくパウダーとかをぶっかけてがぶり、
とやる訳で、競争が激しいせいか、
コストおよびクオリティーの過当競争も厳しく、
つまり、安くて美味い。

ニューヨーカーたちはなにかというとこのピザばかり食べている。

という訳で、、このニューヨークのピザ

座って食べる、なんざピザじゃねえ、というほどに、
やはりそこはマナーに沿って、是非とも立ち食いで頂きたい。

ちょっと小腹が空いたな、と思う時には、
目に付いたピザ屋にステップイン。
おう、兄ちゃん、ワンスライス、と注文して、
よいしょっ!とオーブンから取り出したばかりの大判のピザ、
これをピザカッターでジャキジャキと刻んだ奴、
熱々の三角形を紙の皿に載せて、はい、どうぞ~。
おっと、紙ナプキンも忘れずに。

という訳でこのワンスライス。
そのまま再び雑踏に飲み込まれてそぞろ歩きをしながら、
まずは紙の皿から飛び出した三角形の頂点をがぶり、と行き、
そして紙の皿ごと二つに折る。
で、垂れる油を、あっちっち、とやりながら、サンドイッチの要領で頂く訳で、
コーラと込みで3ドル。ちょっと物足りなければピザもう一枚追加でも5ドル。
これでなかなか腹が一杯になる。

という訳で、ご多分に漏れず俺もニューヨークに着いたばかりの頃は、
このピザ、つまりは「スライス」ばかりを食べていた。

それほど研究熱心なタイプでもないので、
どの店がどれぐらいおいしい、などと地図に寸評を書き込んでいく、
ということもなかったのだが、一緒につるんでいたテキサス人、
つまりはアメリカの地方出身者たちも決まって毎日毎日ピザばかり食っていた

という訳で、そうこうするうちに顔中がニキビだらけ。
身体がなんとなくべとべとと脂ぎっているような気もしてきて、
体臭がねっとりとチーズ臭い、となる訳で、
そう、これもひとつのニューヨークの洗礼。
ニューヨークに来た人間たちが必ず嵌るニューヨークからの最初の一撃な訳である。

そういう俺もすでにニューヨークに数十年。
さすがに最近になってこのスライスを食べることはほとんどなくなった。
理由は、と言えば、もうほとんど夜遊びをしなくなったから、なのだが、
この夜遊びの途中、深夜のピザ屋で頂くワン・スライス、まさに格別。

あるいは、飲み行った帰りに、〆、で食べるこの立ち食いピザの味わい。
まさに、日本での宴会の後に、ラーメン一杯、あるいは立ち食いそば、
のあの感覚そっくりである。

つまりは、ニューヨークでもっとも一般的な、
愛すべき大衆食の筆頭ということなのだろう。

という訳で、先日ダラスから遊びに来ていた友人。
事前に、MUST SEE リスト、なんてのを作ってやって、
その中にお勧めレストランなんてのもしっかりと送ってやったのだが、
帰ってから、サンキュー、ってなメールに、
で、ニューヨークで何を食べた?と聞いてみれば、
PIZZA(LOL の一言。

朝から晩まで、ピザばかりを食いまくって帰ったということか・・

なんだよ、せっかく厳選に厳選を重ねた美味しいもののリスト送ってやったのに。
とは思いながら、

そう、ニューヨークで立ち食いピザも食わずに帰った、というほうが俺のダチとしては失格だ。

一日中を、あっちだこっちだと駆けずり回り、
タイムズ・スクエアでグリニッジ・ビレッジで、ソーホーで、
イースト・ビレッジで、ノーホーで、ブルックリンで、
街行く人々を眺めながら、というよりも、
まさに、街と一体、街に飲み込まれながら頬張るあのピザの味。

それこそが、正真正銘のニューヨークの味、
つまりは、ニューヨーク体験そのもの。
地下鉄のMAPに染み付いたピザの油を見るたびに、
ああ、ニューヨークに居たときはピザばかり食ってたよな、
ってのがまさに、そう、ニューヨーク体験の真髄。

という訳で、ニューヨークのピザ、美味かった、と聞くたびに、
よしよし、心の底からニューヨークを満喫したんだな、と判るわけだ。

逆に言えば、ニューヨークでピザを食べなかった奴、
実はあなたはこの街でもっとも大切なものを見逃して帰ったんですよ、
と、にひひひ、笑い。

偉そうなニューヨーク評なんてのをつづら読みするときにも、
こいつはニューヨークで立ち食いピザを食ったか、どうかがすぐに判る気がする。

つまり、ニューヨークで立ち食いピザさえも食わなかった奴の言うことは、
あまり信用すべきではない、ってことなのです。

という訳で、このニューヨークの立ち食いピザ。
改めて、この立ち食いピザこそが、ニューヨーク体験の真髄である、と断言させていただく。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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