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カイバル・ロッジのブラウン・シュガー

Posted by 高見鈴虫 on 18.2014 旅の言葉   0 comments   0 trackback
愛死すに参加しようとしていた日本人が捕まったそうだな。
なにを血迷ったか、馬鹿じゃないのか、と口では言っているが、
実は俺にはそれを笑えない過去がある。

懺悔もこめて、俺の経験を記してみようと思う。

遠い遠い昔の話だが、
貧乏旅行の途中、ちょっとした気の迷いで足を踏み入れた戦場でのことだ。
#####



「カイバル・ロッジのブラウン・シュガー」

遠い昔、学生時代の貧乏旅行の途中、ちょっとした気の迷いで、
パキスタンのペシャワールという街を訪れたことがある。

ペシャワールは言わずと知れたパキスタンの北辺境部、
カイバル・ゲートを挟んだアフガニスタンの国境近くの町だ。

ペシャワールはパキスタンにあってしかしパキスタンとは異なる地。
一般的なパキスタン人といわれるウルドゥ系とは違い、
この街は、パシュトゥーンと言われるアフガニスタン系の民族の街であり、
その見た目、顔つきから服装からターバンの巻き方から態度から、
言葉から宗教から文化から社会規定からマナーから、
ありとあらゆるものがウルドゥ系のパキスタンとは異なる。
そう言った意味ではまさにペシャワールはアフガニスタンの一部、
という意味合いの方が強い。

俺がペシャワールを訪れた理由は、ぶっちゃけやべえものを見てみたかったからだ。
せっかくこうして旅に出たのだ。
どうせなら日本にいては決して味わえないものを経験し尽したい。
そんながっついた気持ちのまま、
ドラッグから女からとありとあらゆるものに首をつっこんだ挙句、
日本からもっとも遠いもの、それはやばさ。
どうせならこの世で一番やばいものってのを経験してみたい。
で、この世で一番やばいものと言えば、それは戦争を置いて他にない、
で、その当時、世界で一番やばいところ、と言えば、
エルサルバドルと、南アフリカと、そして、そう、アフガニスタン。

当時、アフガニスタンはソビエトとの戦争の最中にあった。
そしてこのペシャワールこそは、ソビエト軍の侵攻により故郷を追われたアフガン・ゲリラたちの拠点であり、
世界中から義勇軍を気取るボランティア戦士たちの集合場所でもあった。

そんな訳で俺はペシャワールを目指した。

そこであわよくば、ゲリラ部隊に加わり、
カイバル峠の先、アフガニスタンの地に潜入できれば面白そうだな、と思っていた。

若気の至りの度胸試しの行き着く先、馬鹿げたお祭り根性の大間違いの果てであったのだが。

と同時に、その頃まだ日本でも健在であった、戦中派の糞オヤジたち、
あるいは、旧日本軍そのもののいじめ体質がまかり通る体育会。
あるいは、そう、いまのネトウヨではないが、
日本軍は偉かった、などと戯言を吐く時代錯誤のあほ連中への当て付け。

おう、そう言うなら俺がその本ちゃんの戦争とやらをこの目で見てきてやろうじゃねえか、
そこがあんたらの言う、男らしく立派で素晴らしい世界であったとしたら、
俺は頭を丸めてそこで土下座してやるぜ、
と勝手に意地になっていただけの話なのだが。

旅の途中、それなりの聞き込みの結果、
ペシャワールに着いたらまずはカイバル・ロッジを目指せ、
とだけ聞いていた。
全てはそこから始まる。始まらなければインシャ・アッラー。
始まってしまってもインシャ・アッラー。
つまりはまあ、神様まかせ、運まかせ、風まかせ。

そんな俺が、ラホールからの長距離バスを降りたところで、
よお、と声をかけられた謎の男。
確か同じバスに乗っていた男、とは記憶していたのだが、
その見るからにさりげなさ過ぎるあっけらかんとした風体、
擦り切れたアーミージャケットにブルージーンにスニーカー。
どこぞの学生街には山といるうだつのあがらない貧乏学生そのもの。
現地人でもないかわりに、旅行者としての気合いもなにもない、
まさに普通すぎるぐらい普通の若者。
そのあまりの普通さから、まさか旅行者とは思っていなかったのだ。
で、そんな男からいきなり、
カイバル・ロッジに行くんだろ?ならリキシャを一緒にシェアしよう、
と誘われたのだ。

呆気にとられる俺に、謎の男は、大丈夫、場所は俺が知っているから、
と顎をしゃくってそのまますたすたと歩き始めた。

という訳で、その謎の男。
実はニュージーランド人、ジョンという男だったのだが、
よく見ると未知との遭遇に出ていたリチャード・ドレイファスのような奴で、
うだつのあがらない大学院生、といったところなのだが、
よくよく聞いて見ればかつて外人ムジャヒディーンの義勇軍として
アフガン・ゲリラに加わっていたという。

サイトシーイング?観光目的でペシャワール?

とジョンはリキシャの座席に身をのけぞらせて大げさに笑った。
おまえ、ここがどういうところなのか判ってんのか?
戦争だぞ戦争。この街はすでに戦場なんだぞ。

ああ、だからその戦争、と俺は調子にのってまくし立てた。

その戦争を身に来たんだよ。ゲリラに加わってアフガンにも足を伸ばそうと。

それを聴いてジョンはまさに目を丸くした。
おやおや、とんでもない坊主をひっかけちまったな、と言った感じ。
よろしく頼むよ、と俺は改めて握手の手を差し出すが、ジョンはその手を躊躇した。
よろしくって言われてもな。
一緒に行こうぜ。戦争。連れてってよ。
連れてく?おまえをか?
そう、戦争。行ってみたいんだが行った事なくてさ。正直、ノリが良くわからなくて。
グルーヴ?のり?おいおい、とジョンは笑っって気に入ったぜ、と改めて握手の手を差し出してきた。
まあとりあえず、まずはカイバル・ロッジだ。
ああ、知ってると俺は言った。そう聞いてる。
そこであたりをつけて、ゲリラを募集しているオフィスをあたれって。
募集?と聞いてまたジョンが笑った。
おいおい、おまえ、本当に観光気分なんだな。三泊四日の小旅行ってやつか。オプショナルでAKも撃てます、地雷も踏めます、みたいな。
そうそう、それそれ、AK撃ってみたい。地雷も踏んでみたいな。
ははは、とジョンは笑った。地雷なんてどこでも踏めるぞ。そこら中に埋まっているからな。
おお、すげえ、盛り上がってきたぜ。
そう、AKなんていくらでも撃てる。地雷もいくらでも踏める。それがアフガンの戦争だ。

と、そんなこんなで俺達はなんの苦労もなくカイバル・ロッジに辿り着いた。
なんてことはない、インドで良くあるタイプのツーリスト向けの安宿。
さっそく二階のドミトリーに部屋を取ったが、ベッドが20も並んだ部屋に宿泊客は俺とジョンのふたり。
ジョンは宿の人間たちと既に顔見知りで、出会う人々の全てに、
やあ、帰ってきたか、故郷の様子はどうだった?
いや、実はさ、と同じことを何人にも繰り返している様子。

選り取りみどりのベッドの中から、適当に窓際のベッドの上に荷物を降ろして、
タバコを吸いながら開けた窓から町並みを見下ろしていた。
なんてことはない普通の町並み。
ゴミゴミとした砂色の枯れた街。
ラホールに比べてさすがにちょっと寒い。
外壁に囲まれた中庭にうんこ座りで洗いものをする女たち。
干された洗濯物、誰が着るのか極彩色の服の間を走り回るガキども。
早々に始まった夕食の支度。
ナンを焼く香ばしい匂いがどこからか漂ってくる。
夕暮れを過ぎて暗くなってきた空に聞きなれたアザーンが響き渡り、
それにあわせるかのように通りをうろつく野良犬たちが遠吠えを合わせる。
ペシャワールか。ついに着いたな。

ようやく荷物を抱えたジョンが戻ってきた。
靴を履いたままベッドに飛び込み、やあ着いた着いた、とタバコを咥えては、ライター貸せや、と顎をしゃくる。

まあ一週間だな、とジョンが言った。
俺もいろいろやることがあってな、それが片付いたら、一緒にゲリラのオフィスに行こう。
で?
で?ってそう、それから出発さ。
訓練とかあるの?軍事教練みたいな。
そんなものあるか。軍隊じゃないんだぞ。ゲリラだよゲリラ。
ゲリラと軍隊ってなにが違うの?
軍隊は無理やり入れられて嫌々やるもの。ゲリラは好きで戦争やる奴らさ。俺達は自由意志で自分の戦場を戦う。
自由意志で戦争か。格好いいな。
一応5人から多くて10人ぐらいのコマンドで動くんだが、適当なコマンドが見つかればそのまま出発。
その前に武器を仕入れなくっちゃな。
武器?武器って?
ああ、AKなら、まあ47だが、50ドルも出せばそれなりの物が買えるだろ。弾と込みで70ドルぐらいかな。
武器って、自分で買うの?
そりゃそうさ。ゲリラなんだからな。自由意志。武器も自己調達。
はあ。
服装とかは?軍服とか支給されるの?
支給って、だからこれは軍隊じゃねえんだよ。俺たちはゲリラ。つまり自由意志。服装も自由。
ただ、とジョンは俺の格好、つまりは、リーバイスの膝に穴のあいたスリムのジーンズにルー・リードのTシャツと赤いダウンジャケット、それにインドで買ったオレンジ色のクリシュナ・スカーフ、それを上から下までなんでも見直して、やれやと首を振る。
まあ確かに、おまえがその格好でアフガンを歩いていたら、10マイル先からでも撃ち損じる奴はいないだろうがな。
そういうジョンも、ブルージーンにすりきれたネルシャツにスニーカーというぱっとしない大学生そのもの。
まあ一週間ある。明日にでもキサカワニのバジャールで適当なものを探してみようぜ。

とそんな時、窓の下から犬たちの吼え声が響く。
と同時に、バリバリと響く爆音。どこぞで道路工事でも始まったのか、
あるいは大陸横断のハレー野郎でもやってきたのか、
と窓から首を出すと、あのさあ、と背後からいかにも間延びしたジョンの声。
一応、そういう音が聞こえたら、窓から離れたほうがいいんだぜ。まあ人の好き好きだけどさ。
え?と振り返ったところで、まさか、と腹がきゅんと縮まった気がした。

マシンガン?あの音、AKの音?

ああ。そう、AKの音。ガキが遊び半分に野犬でも撃ち殺してるんだろ。弾丸の無駄遣いだ。馬鹿たれが。

ガキが、遊び半分で、野犬を、撃ち殺してる?

ああ、犬には気をつけろ。狂犬病持ってるからな。地雷踏むより、狂犬病のほうが怖いぞ。

と、再び響くババババというハーレーの爆音。確かにそう、あれは銃声・・

思わず窓の下に隠れようとした俺をジョンがケラケラと笑う。そうそう、その調子その調子。

途端に膝が笑い始めた。身体中に鳥肌が走りぬけ、その上にじっとりと汗がにじみはじめる。
これがAKの音?これが銃声という奴・・

いい音だよな、とジョン。こうして改めて聴いてみると実にいい響きだよ、とベッドの上で雑誌を眺めている。
ソルジャーズ・オブ・フォーチュン。表紙にアフガンの文字がでかでかと並んでいる。

さあ、飯でも食いに行くか、とジョンが起き上がった。

飯?飯って言っても、機関銃撃ってるやつがいるんだぜ。

マシンガン?マシンガンなんか誰でも撃ってるさ。

流れ弾にでも当たって、野犬と一緒に撃ち殺されたらどうすんだよ。

野犬と一緒に?なに言ってんだよ。言ってる意味が良くわからねえ。AKは俺達、ゲリラのもの。つまりは友軍だろ。AKの音がしたら、仲間が近くにいる、と思ったほうがいい。あと、RPGな。そう、RPG。まあ、いいさ、この先、うんざりするほど担がされることになるんだ。焦ることはねえさ。

あ、で、そうそう、これもまあ人の好き好きなんだが、なるべく窓際のベッドはやめたほうがいいぞ。まあ一般論ではあるんだがな。そう、なにごともインシャ・アッラーなんだけどさ。


という訳で、灯りの消えたカスバな町並みを、裏通りのバラック、というよりは塹壕のようなカバブ屋で、まるで座布団のような大きさのナンに、まるでレンガのように固いケバブに噛り付く。

道行く人がジョンの姿を認めては、サラーム・アレイコム、と挨拶をしては、現地の言葉で長々と土産話が始まる。
その誰もが、まさに老人からまだ子供のような青年まで、肩には例のAKという年代物のマシンガンをぶら下げているのだ。確かに誰でも持っている。老人から子供まで。道行く男たちの全てがAKをまるでキャンパスの学生がディパックを下げるようにマシンガンを担いでいる。
そのあまりのさりげなさ。そのあまりの緊張のなさが、まさにこの街が戦場の一部であることを伺わせる。
いまさらながらいやはやとんでもないところに来ちまったな、というのが正直なところだった。
そしてそんな俺の目の前にいる、このリチャード・ドレイファス似の見るからにぱっとしない大学院生。

ウルドゥ語が喋れるの?
いや、いまのはファルシーだよ。アラビア語の一種。奴らはパシュトゥーンなんだが、まあ俺のファルシーでもなんとか通じる。そう言えばおまえ、アラビア語、喋れるのか?
いや、あの、まあサラーム、ぐらいなものかな。
ははは、とジョンは笑った。そうそう、俺もそんなものだ、と多分冗談だと思っているんだろか。

とそんなところを、よれよれのトレンチコートに背筋をまるめたひょろりと痩せた青年が通りかかる。
おお、それいけ岩清水!
みるからにどこぞの貧乏学生という感じで、これがそう、グリニッジ・ビレッジや高田馬場であったなら、仕送りが底をついた美大生、と言った感じなのだが、そう、ここはまさにペシャワール、戦場であるはずなのだ。なんでこんな奴がペシャワールにいるんだ、と自分のことは棚に上げて目を見張る俺。

よお、と英語が聞こえてほっとした。
よおよお、ジョン、帰ったのか、いつ?むこうはどうだった?そう言えば、と挨拶に花が咲く。

で、この人は?といきなり話をふられてどぎまぎしていたところ、

ああ、日本人の、名前はまだ聞いてなかったっけかな。戦争を観光に来たそうだ。オプショナルツアーで地雷も踏んでみたいとさ。

地雷を踏んでみたい?ははは、とその岩清水そっくりの美大生が笑う。

地雷なんてどこでも踏めるさ。そこら中に埋まってるからな。観光で戦争見物か、それやいいや。


という訳で、俺はなんの苦労もなくこうして戦場に着いていた。
走りだしとしては上々、過ぎる。
そんな風にして、次から次へとジョンから紹介されていく人々。
すでに地元のパターン人と見分けがつかないほどに現地化した、つまりはあごひげを蓄えて白いターバンを巻いた連中から、あるいはそう、ジョンや、そして岩清水ことアンディのように、田舎の大学生そのものような奴らまで。
なのだが、話を聞いてみればこれがことごとく義勇兵、つまりはムジャヒディーン、ゲリラ戦士。

そんな連中が、カフェで甘い甘いミルクティをすすっては馬鹿話に笑いころげ、ベッドに寝転がって雑誌、と言ってもSOFだが、を眺めては居眠りをしたりと、あるいはそう、あの強烈なチャラスの香りを漂わせてはぬぼーっとテラスから空ばかり見ていたり、と、まるで戦争という緊迫感がさっぱりない。

でよくよく話を聞いてみれば、そのほとんどが、かつて何らかの理由でアフガニスタンに関わりを持っていた人々で、
ソビエトの侵攻によってカブールを追われた人々。
傭兵の過去どころか、かつては教師、画家、カメラマン、あるいは、俺のようなヒッピー旅行者であったような、
少なくともそれまで、戦争なんてものとはまるで縁の遠かった筈の人々なのだが、
数年前のクリスマスの夜、いきなり叩き起こされて、ソビエトが来た、いますぐ逃げろ。

という訳で、その後の人生を、あの麗しの街・カブールを奪還せんがために、
あるいは、たぶん、そこに残してきた人々、あるいは置き忘れてきた自分自身を取り戻すために、
ムジャヒディーンとしてゲリラ部隊に加わってきたのだった。

という訳で、そんな義勇兵の人々は、ジョンからの紹介されるたびに、
おお、観光で戦争見物か、地雷を踏みたいって?はははは、と一様に笑い転げては、口々にウエルカムとすんなりと俺を迎え入れてくれた。
見物であろうとなんであろうと、部隊に加わってくれるであれば大助かりだ。仲良くやろうぜ。

とまあ、そんな感じでとんとん拍子。
まさになにもかもがまるで安いドラマの筋書き通りのように、あまりにもすんなりと進んでいく。
そしてそれはつまりは、まだ見ぬ本ちゃんの戦場という奴に、日一日と手繰り寄せられていく、という感じでもあった。

という訳で、戦争見物、その準備段階はまさに夢のようなスムーズさ。
いつの間にか街中の外人ムジャヒディーンたちと顔見知りになり、
挨拶のたびにお茶を飲んでは、タバコを分け合ってはチャラスをふかしは、馬鹿話に耽る日々。

俺もそのころにはカイバル・ロッジに山とつまれたSOFを斜め読みしては、
ハインド、つまりはソビエトの軍用ヘリ、ミル24の性能ぐらいはそらで言えるようにもなっていたし、
戦場での現状が、俺が当初持っていた戦争のイメージとはかなりかけ離れたものである、ということも徐々に判りつつあった。

戦争って言っても、ソビエト兵の姿なんかみたことないな、とみなが口をそろえていく。
禿山を歩いて歩いて歩いて、キャンプからキャンプを渡り歩いて。

え?鉄砲撃たないの?
ああ、まあ、撃つときには撃つけど、あんまりそんな状況には陥りたくもないがな。

鉄砲撃たなかったら戦争に勝てないじゃない。

まあそうなんだが、敵は最新鋭ジェットヘリ。こっちはほら、このポンコツのAK一丁だからな。
まともにやっても勝てるわけがない。
スティンガーでもあれば話は別なんだがな、なかなかこっちには回ってこない事情もあって。

じゃあ戦場ではなにをしてるの?

だから言ったろ、歩いてんるんだよ。来る日も来る日も歩いてる。歩いて歩いて歩いて。

なあんだ、そんなものか。

そう、まあ、そう、そんなもんなんだがな。

という訳で、そう、気分はもうムジャヒディーンという奴で、
本ちゃんの戦場に向けての気分が日一日と高まりつつあったのではあるが、
普通であればそのまま、とんとん拍子にゲリラコマンドと共にカイバル・ゲートを越えて、となっている筈が、
いやいや、話はそれほど簡単でなかった、のが、俺がまだこうして息をしていられる理由でもある。

その後、ジョンに連れられて出向いたパシュトゥーン系ゲリラのオフィス、というよりは、なんかただのバスの待合場、みたいなところ。
そこがまさに外人部隊ご用達、とのことで、これまで何人もの義勇軍、
つまりは外人ムジャヒディーンを戦場に送り出してきたところである訳で、
ぶっちゃけ、まあ英語が通じるムジャヒディーンの方々、と。
で、そんな歴戦の勇士たちに紹介される中、
俺の姿を横目で見た面接官の面々。
まさに見るからにツワモノ。
白いターバンにマスクのような髭の剛毛、そして鷹の目を光らせた、
いまさっき最前線から帰ってきたばかりといった風の本ちゃんゲリラ戦士たち、
と思いきや、
なんとなく、そんな気迫から最も程遠い、まさにバス停の前の客引きのおさん、のような方々。
それが、互いに顔を見合わせて、そしてむむむ、と首を傾げた。

で、お前はなにができるんだ?と聞かれた。

実戦の経験は?
重火器の使い方は?
格闘技はなにを?
これまで軍隊というもの経験したことはあるのか?
で、そう、ところで、おまえ、イスラム教徒?

その質問の全てにNOであった俺。

が、いや、鉄砲なら日本で持ったことがある。撃ってはいないけど。
あと、ほら、街の喧嘩ぐらいならよくやってた。

がしかし、あのなあ、と苦笑いで肩を竦められる始末。

もちろん、
いやいや、大丈夫、ぜんぜんOK、こう見えても身が軽いし、度胸も根性もあるし。
だって、ほら、戦争って言ってもどうせ歩いてるだけなんでしょ?
そう、あ、俺、荷物持ちますよ。荷物運びぜんぜんOK。シェルパでもいいから、ね、だからアフガン連れてって、
と粘っては見たものの、

その歴戦のアフガン戦士、の筈が、実はただのバスの客引きのような小汚いおさんたちが、
髭面の顔を歪めて一様に苦笑い。

うーん、お前、実際のところ、ぜんぜん状況がわかっていない、っていうか、
ぶっちゃけ、何しに来たの?ハインドといっしょに記念撮影でもするつもりか?と、笑いはじめる。

あのねえ、ぼく、戦争ってのはさ、基本的に殺し合い、なんだよね。

殺さないと、殺される。殺されないために殺す。つまり、人を殺すことが目的。
で、殺せなければ、自分が殺される、つまり死ぬってこと。

それ、判ってる?

あとね、地雷がそこら中にあってさ、ほら、あの人もあの人もあの人も、
みんなその地雷で吹っ飛ばされて、ああやって片足、あるいは、足なしになっちゃった人たち。

つまり君も、ひとつ間違えばああなっちゃう、いやまあ、大抵の場合、
片足でもなんでも、生きてかえって来れただけでも大幸運。
まさにインシャ・アラー、アラーの思し召し。
で、ちみは、一生をカタワとして過ごすことになっても、それでもいいの?

と言うのも、

実はね、と、語り始める客引きのおさんたち。
寄ってきた人間がいっぺんに話を始めるからなにを言ってるのかさっぱり判らないのではあるが、

実さ、この間、日本からの友軍とか言う人たちがたくさんやってきてね、
そうそう日本人の、
ササガワってな人が寄付をしたいってなことだったんだが、
その日本人たちがさ、
なんていうの、黒人みたいな頭した、
なんかブッダみたいな、
蛇みたいな
ねずみみたいな、
卑屈な目をしたやせっぽち。
そう、痩せっぽち。
こんなやせっぽち、お前みたいな。
で、やっぱりどうにもこうにもぜんぜん使えない人たちでさ。
使えない使えない、ぜんぜん使えない痩せっぽち。

つまりは、日本の行動派右翼の方々がササガワ氏からの要請で応援に駆けつけたのは良いが、
まあぶっちゃけ俺と同じ状態。
だって、日本人でしょ?。
実戦の経験もなく重火器の仕様に長けている訳でもなく、
つまりはまったく使い物にならないただのチンピラ。
そうつまり、普通の日本人。

で、まあ、その困った日本人たち、お断りしたら怒り始めてさ。

なんで、まあ、ちょっと踊りを踊ってもらったわけなんだけど、と言って一斉にゲラゲラと笑う。

踊り?

そう、踊り、ほらこうやって、といきなり地面に向けてAKをぶっ放す。

ほら、こやってこうやって、と一斉に足元を撃たれて思わず飛び上がりながら、

ははは、はいはい、判りました、出直してきま~す、と、
それだけで全身に冷汗どころか、胃袋がせりあがって吐き気がしてくる始末。

という訳で、へいへいの体で追い返された挙句、
カイバル・ロッジの人々からもお悔やみを言われながら、
じゃ、お留守番よろしくね、と荷物番を頼まれてお見送りが専門、
ってなことになってしまった訳だ。

でまあ、そう、そんな訳で、ペシャワールのカイバル・ロッジ。
屈辱といえば屈辱の劣等生気分ではあるのだが、
正直なところ、日一日と戦場での現実が肌身に沁みて来るにつれ、
戦場で死ぬ、ということが実にいったいどんなことであるのか、
徐々にだが、判り始めてきてはいたのだ。
もしかしたら、まさに、この足止めこそがアッラーの思し召し?
つまり、行けなくて正解というやつ?
とは思いながら、なんとなくここまで来て手ぶらで帰るというのもあまりにも情けない。

で、そんな俺、口だけでは、ああ早く前線に行きたい、誰か俺を連れてって、と言いながら、
歴戦の勇者たち、それが俺のやせ我慢であることも千石お見通し。
そんな中、面接で落とされた、という負い目もあってか、
普段からのつっぱりもはったりもすべてかなぐり捨てて、
生まれて初めて、これほど謙虚な気持ちになったことはなかった、というぐらいに、
意地もてらいも捨ててごくごく素直な自分で人々と接する、という稀有な経験をさせてもらった訳なのだが、
まさに生死の狭間の中で生きる人々と共に時間を過ごす中で、
己の心が見る見ると澄み切り、そして研ぎ澄まされていくような妙な感覚も味わっていた。

とそんな中、歴戦の勇士の中でも、ひときわアフガン人からの尊敬を集めるドイツ人のピーター。

ふだんはまさにいまにも蕩けそうな笑顔を浮かべた巨漢の好々爺であるのだが、
そんなピーターがことのほか、俺を可愛がる、というよりは面白がっていたのだろうが、
まあなんだかんだで俺はいつもそのピーターにひっついていた訳だ。

ねえ、死ぬのは怖くないの?と聞いてみる。
ははは、みすみす死にはしないさ、とピーターは笑う。
まあ死にはしないが、死なないつもりではあるが、
まあ死ぬときは死ぬときだしな。いつか死ぬんだろうなとは思っているがね。

ほおお、と思わず目を見張る。

まあでも、人間いつかは死ぬわけでさ。病院のベッドで身体中にチューブを入れられて死ぬか、
あるいは、禿山の頂で木っ端微塵になって天に召されるか、とただそれだけの話だ。たいした違いはないさ。

ただね、死なないための技術ってのがある。
それはまじめに学ばないと駄目だよ。まあ、そう、次の出発までの間に俺がいろいろと教えてやるから。

とまあそんな具合で、ピーターに弟子入り。
その巨大な背中の後ろからヒヨコのようにちょこちょことくっついていたのだが、
なによりピーターと一緒にいると飯やチャイやらが全てタダなのだ。
どこに行っても、周りを取り囲んだ人々からサラーム・アレイコムと挨拶をされて、
さあさあ、こちらへ、と招かれてはチャイ攻勢。
店先に座るだけで目の前には例の座布団のようなナンと熱々のケバブがずらりとならんで、
となる訳で、このただ飯だけでも嬉しい限りではあった。

とそんな中、ふと見れば通りという通りにゴミひとつ落ちていない。
むむむ、いったいどうしたというのか、と思っていると、そうか金曜日の礼拝なんだな。
街中の男たちが総出で、街中のありとあらゆるものを徹底的に磨き上げている。

どうだ、こんなに美しい風景をみたことがないだろう、とピーター。

見ろ、ゴミひとつ、塵ひとつ、髪の毛の一本でさえ落ちていない。

どうだ、インドと比べてみろ。アフガンは美しいだろ。本当に美しい。
この清廉さなんだ。空気が澄んでいる、というか、そう、人々の心が澄んでいる。
それはつまりは正しさ、なんだ。
全ての人々が、己にとって、正しさ、とはなにか、と自問を続けている。
その結果がこれなんだ。これこそが正しい世界なんだ。
まさに、洗われるようじゃないか。

裏通りのモスクの前の通りから、いっさいの汚物と邪念が払われた金曜日。

そこの通りをぎっしりと埋め尽くした人々が、アッラー・アクバルといっせいに平伏す姿。
まさに完璧なマスゲームを見るように、圧巻の風景だった。

無駄なものが何一つとしてない。神と俺と、それだけ。それだけ。それ以上、なにが必要だ?
そう、必要としちゃいけないんだ。神と俺。それだけで十分だ。
正しくあること。正しくあろうとすること。
自分自身に、いつもその正しさの刃をつきつけて、ぎりぎりになるまで自問し続けるんだ。

どうだ、お前も正しくあろうと努力しているか?

♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪

という訳で、今日もカイバル・ロッジの誰かが出征していく。

この街にやってきた時に持ってきた全ての荷物、
そして、パスポートをロッジの主人に預ける。
万が一政府軍、つまりはソビエト側に捕まったときに身元が割れないため、なにからなにまで、
すべてをこのロッジに残していくことになる。

アフガンに行くときにはまさに体ひとつ。
服も、パスポートも、名前さえも持っていくことは許されない。

ロッジの主人は慣れたもので、なんの感慨も見せずに
預けられた荷物を奥の倉庫、そこに山積みになったバックパック、
その一番上に新しいバックパックを積み上げる。

そして、唯一鍵のかかる引き出しを開けて、
そこにぐちゃぐちゃに突っ込まれたままのパスポート、
その中に、預かったパスポートを無造作に放り投げる。

帰って来た日に返すことが約束。
帰ってこなければ、その荷物とパスポートはいつまでもそこに在りつ続ける。

いつか俺のパスポートもここに投げ入れられる日が来るのだろうか。
そして、俺が、そのパスポートを再び手にすることはあるのだろうか。

とふと考えに耽っているそんな時、
今晩の出征を目前にした男たちが、よお、と俺の元を尋ねてくる。

頼みがあるんだが、と男たちは言う。

できれば、最後の最後に、あれを貸して貰えないか?

俺はその時、当時まだ珍しかったソニーのウォークマンを持っていた。
香港やらバンコックやらの街頭で売られている紛い物ではなく、
純正のメイド・イン・ジャパン。

出征を目前にした男たちは、西洋世界との決別の証として、
最後の最後に、思い出の曲、あるいは友人、恋人、あるいは親のメッセージを、
俺のウォークマンで聴いて旅立っていくのだ。

そんなペシャワールでの滞在もいつの間にか長くなり、
そう言えば、あいつ、まだ帰ってこないな、とふと思うことが多くなる。

そんなあいつの荷物が、上に新たに重ねられていく荷物の下になり、
どんどんと埋もれていくのを見るたびに、その下の下の下にある奴は、
いったいいつからああやって主人の帰還を待ち続けているのだろう、と思う。

おそらく、とは誰もが思っていながら決して口には出さない。

そして、忘れられたように積まれるままになっているバックパック。
ロッジの主人はたとえなにがあっても、そのバックパックに手を触れることはない。

奴は帰ってくる。きっと、絶対に、いつか、必ず帰ってくる、そう信じている。

とそうこうするうちに、ピーターの出征の日がやってきた。

友よ、しばしのお別れだ、とウインクするピーター。

俺が帰ってくるまでの間に、なんらかの進展が見られていればいいのだが、
まあ、その時はその時、そうならなかった時にもそうならなかった時。インシャ・アッラーだ。

という訳でそのピーター。
これまで幾度となくそうやって戦場に向かっては奇跡的な生還を果たしてきた猛者の中の猛者である。
出征の前に音楽でも、なんてセンチな気持ちはこれっぽちもないだろう、と思っていたのだが、

実は、頼みがある、といたずらげに笑う。

お前、ストーンズ好きだったよな、と妙なことを言う。

ああ、ストーンズ、大好き。

だったら、ブラウン・シュガー、持ってるか?

ああ、あるよ、もちろん。

それを、その、ちょっと聴かせてくれないかな。

ああ、お安い御用だ、とストーンズのテープ。えっと、どの辺だったけか、と90分テープのA面とB面で早送りと巻き戻し

を繰り返していたところ、

いや、とピーター。やはりやめとく、と笑う。

帰ってきた時に聴くことにするよ。いや、まてよ、やっぱり聴きたいな、いやいや、やめとこう、いや、でもな、とまるで花占いである。

頭だしの終わった俺。

さあ、どっちにする?と手渡したウォークマン。

うん、よし、聴いてみよう。ブラウン・シュガー。もしかすると聞き納めになるかもしれないしな、と縁起でもないことをさらりと言う。
で、いかにも慣れぬ手つきでイアーパッドを両耳につっこんだピーター。

流れ始めた音に目を見張り、にんまりと笑い、肩を揺すり、顎を回し、満面に笑みを浮かべている。

冥土の土産にブラウン・シュガーか。

と、そんなピーター、ふとため息をつくと、まだ音の漏れるウォークマンを俺に手渡し、ありがとう、と顔中をくしゃくしゃにして笑った。

ありがとう。もう十分だ。元気が出たよ。

そしてふうっと長いため息をつき、
そしてピーターはまた新たなる戦場に出立していった。


その後、ピーターのいなくなった手持ち無沙汰の中、
キサカワニの市場の裏手、ふと通りかかった汚い絨毯屋街。
その一角で、思わずぎょっとするほどに日本の友達に似たアリという男に声をかけられた。
ハザラ族。アフガニスタンの少数民族で、モンゴル系。
つまりはかのチンギス汗の元王朝の末裔な訳だが、
ひょんなことからそんなハザラ族の人々と知り合うことになり、
戦士、というよりはむしろ行商人に近い形で峠を越えることになったのだ。

ハザラ族の人たちとの旅の間、まあまたいろいろとあったのだが、
結局は命からがら、恥の上に恥を塗り重ねて、
生まれてこのかた自分自身、これほどまでに情け無い状態にはなったことがない、
名誉の帰還、どころか、心中はまさにかの沢田教一の撮ったあの写真、
戦火に追われて逃げ惑う全裸の子供たち、そのもの。
この命以外、恥も外聞も誇りも自意識も、すべてをかなぐり捨ててただただ帰り着いた、
とまさにそんな感じ。

という訳でへいへいのていで帰りついたカイバル・ロッジ。
主人から赤いパスポートを手渡されたときにはまさにほろほろと涙が零れ落ちた。

よおよお、帰ってきたか、と走り出てきたジョンから熱烈の歓迎を受け、そう言えばピーターは?と聞くが、

いや、ピーターはまだ帰らない、と言う。

どうだ、一緒に探しに行くか?と聞かれて、思わず、ごめんだ、と言い切った。

もう戦争はごめんだ。
二度とごめんだ。あんなものに二度も三度も行きたがる奴の気が知れない。
もうあんなもの二度と見たくない。もうあんな思いは二度としたくない。
それが日常になってしまっている戦渦の中の人々には本当の本当にすまないが、
俺がつきあえるのはここまでだ。
愛も憎しみも、名誉も勇気も、神様も生も死も、もう知ったことか。
俺は正しくあろう、などとはこれっぽっちも思っちゃいない。
もう奇麗事は十分だ。正しさ?知ったことか。俺はそんなもの、正しさ、なんて一生信じねえぞ。
俺は戦争は嫌だ。ただただ死にたくない。ただただ、それだけだ。

それを聞いたときのジョンの表情。

そう、その通り。その通りなんだよ。戦争は糞だ。誰もがそう思っている。
ただ、そう、お前にもわかるさ。一度一線を越えてしまうと、もう戻るところがなくなっちまうんだよ。

そして俺はカイバル・ロッジを後にした。

バス停まではジョンが見送ってくれた。じゃな、良い旅を。

死ぬなよ、と俺は言った。頼むから死ぬなよな。

人間いつかは死ぬさ、とまた決まり文句で答えるジョン。

インシャ・アラーって奴さ。

そう言えばこれ、とバッグの中からストーンズのテープをジョンに渡した。

これ、ピーターに渡してくれ。B面だ。この間のところでとめてあるからって。

ああ、判った、とジョンは事情もなにも聞かずにすんなりとそれを受け取った。

ピーターが帰ったら、そう伝えるよ。

サラーム・アレイコム。アレイコム・サラーム。

死ぬなよ。お前もな。

ポンコツバスがペシャワールの街を離れ、道端で焼け焦げたままのトラックや、谷底に転落したままのバス、
なんていうペシャワールではごく普通の風景がみるみると遠ざかり、
最後につけたチャラスの酔いから醒め始めた頃、
目の前には再びあのパキスタンの、あるいはインドの、あるいは日常という名のケイオス、
あの末期的な混沌と猥雑が舞い戻ってきた。

それはまさに街のビートという奴で、そうつまりは、ストーンズの象徴する
つまりはセックス・ドラッグス・ロックンロールの世界。

ごみごみざわざわと蠢いく人々。
それこそがまさに人々の営み。
それはまさに、死体の内臓を食い荒らす蛆虫そのもの。
ぐちゃぐちゃと薄汚く意地汚く嘘と汚濁にまみれたどうしようもなく情けない愚民たち、蛆虫たちの世界。

バスの車窓からそんな世界を眺めながら、
ああ、一発やりてえ、と思わず呟いた。
誰でもいい。どんなブスでも婆あでも文句は言わない。
ただただあの女の身体、あの柔らかい肉に包まれて、甘い匂いを胸いっぱいに吸い込みたい。

俺はこっちでいいや、と心底思った。
そう、俺は蛆虫で十分。

正しくあることも、綺麗であることも、シンプルであることも、神との一体感も、なにもかもどうでもいい。

俺はそう、つまりはそういう人間なのだ。

良いもの半分、悪いもの半分。

セックスとドラッグとロックンロールが大好きな、どうしようもなく根性なしの弱虫の蛆虫野郎。
それで十分だ。

セックス・ドラッグス・ロンクンロール。

寝ても覚めても頭のなかはそればかり。
正しさからはもっとも遠いところに生きる人間。
上等じゃねえか、そう、俺は煩悩にまみれて生きるぞ。
腐肉の中で汚濁をすする蛆虫。

人間所詮はそんなものだ。だから愛しいのだ。神なんかいらない。奇麗事など糞食らえだ。

それはまさにブラウン・シュガー。
セックス・ドラッグス・ロックンロールのなにが悪い。放っておいてくれ。

俺は一生、正しくなんかならねえぞ。俺は一生、神様なんて信じないぞ。つまりはそれが俺の正義だ。

俺はいまでもそう思って生きている。







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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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