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ダンシング・ウィズ・ザ・エボラ熱

Posted by 高見鈴虫 on 24.2014 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
犬の散歩も終わり、夜の12時も近く、
さあ寝るか、とテレビを消そうとしたところ、
いきなり緊急速報の文字。

EBOLA IN NEW YORK

ついに恐れていたことが起こった。
NYにエボラ上陸である。



ニューヨーク、
この世界中からやってきた人々の犇めき合う、
人種のサラダボールのようなこの都市空間で、
ひとたびそんなものが流行った日には、
街中はおろか、瞬く間に世界中が大混乱となるのは必至。

今回NYで収容された患者は医者である。

ウエスト・ハーレム在住のクレイグ・スペンサー氏。

国境なき医師団として西アフリカでエボラ熱の治療にあたっていた。
帰国後、なんの症状も見られず、
ジョギングをし地下鉄で街に繰り出してはフィアンセとデートにお食事。
発症する前日にはブルックリンにボーリング・パーティに出席。
乗り合いタクシーで帰宅後、一夜開けて目を覚ませば、むむむ。
熱があってお腹がいたい。つまりエボラに大当たり。
という訳で緊急入院した、

ってな話であるわけなのだが、
その第一報が流れたとたん、
一斉に鳴り始める電話、ではないメッセージの着信音。

EBOLA EBOLA EBOLA EBOLA。

テニス仲間がバンド連中が犬の散歩友達が元の会社の同僚が、
一斉にそれもグループメールでEBOLAのメッセージを流し始めている。

と言う訳で、瞬時のうちにNY中を駆け巡るこの「EBOLA」の文字。
まさに今後のEBOLAの大流行を暗示するかのようでもある。

がしかし、どういう訳かみんなどこかしらハイパー、
つまりは不埒なお祭りモードである。

今年のハロウィンのコスチュームはエボラ感染ナースに決定!
ねえ、あしたボーリングに行かない?(笑
エボラ・ウイルスのTシャツを売り出して一儲け。
ラッキー、明日地下鉄すいてるだろうな。
エボラという曲を作ってみたのだが・・
この子犬の名前はエボラちゃんでどうだろう。
製薬会社の株を買い漁れ!

どいつもこいつも不謹慎極まりない。
つまりはそう、ニューヨーカーなのである。

知人連中の中ではもっとも事情通であり常識人でもある、
コロンビア大教授のジェニー、
つまりは、例の超猛犬サリーの飼い主であるのだが、

K の一文字である。

EBOLA! に、OK の返信。なんだそりゃ。

そう、ニューヨーカーは冷めているのである。
どこかにこの騒ぎをせせら笑っているところがある。

日本で言ったら、またいつものマスゴミの空騒ぎでしょ?
という、まったく同じ雰囲気で、
特に事情通に限って、その反応は冷笑的である。

エボラ? はいはい、判った判った。

そんな中で、怒り狂っている奴もいる。

なんなんだ~、この馬鹿医者。
まったく勘弁してくれよ。
よりによって俺とおんなじ地下鉄じゃねえかよ。

いみじくも医者たるものが、
つまりは、エボラの危険性を熟知している筈のこのアフリカ帰りの医者が、
潜伏期間も終わらぬうちから街中を遊び歩いて
地下鉄に乗ってボーリングに出かけて仲間とパーティ。
ありえねえ~。
こいつが相当にパープーなのか、
あるいは、
そう、これ、わざとやっているとしか思えなくない?

わざと?

そう、なんらかの目的があって、あるいは、誰かに金を貰って、
世界中にエボラを流行らせようとしている。

またまた~!だとしたらこれ、立派なテロ行為だぜ。
また2CHじゃないけど、WEBのガセ掲示板の読みすぎだろ~。

いや、そうでなきゃこの医者、超完全なきちがい。まさに人類の敵!


そう、確かにこの医者、やることなすことまさにエボラの宣伝員のように、
まさに、世界中でエボラを流行らせるがためにニューヨークに帰ってきたようなもの。

と、ここに来て、エボラ陰謀説が信憑性を帯びてきている、という訳か。

で、なに、で、この医者、自分でエボラに罹ってなにか徳があるの?

つまりそう、製薬会社に金を貰っているとか、
あるいは、エボラを兵器として利用しようとする勢力に、とか、
それでなければ、
治った後に、アメリカン・アイドルとか、それでなければ、
フィアンセと一緒にダンシング・ウィズ・ザ・スターズに出るためにダンスの特訓中。

つまりそう、この医者、たぶん、エボラは完治が可能であることの確証を得ている筈である。

世界中でこれだけ犠牲者を出し続けているエボラ。その特効薬の鍵を既に握っているということか。

道理で、と先のジェニーの言葉が蘇る。

エボラ?問題ないわよ。もうワクチンが開発されている。
こないだ死んだダラスのダンカンさんは、
最初に病院に行ったときに追い返されたから死んじゃったのよ。
あの時点でちゃんと治療を受けていれば、死ぬことはなかった筈。

なぜダンカンさんが追い返されたか、と言えば、
診察でエボラと判らなかったから?
いや、違う。
どうせこんな黒人には治療費を払えないだろう、
とたかを括られた上で見殺しにされたのではないか。

という訳で、改めてこのエボラ陰謀説である。

既にアメリカにはワクチンがあるのである、らしい。
ではなぜそれを今すぐにでもアフリカに送らないのか。
あるいは、なぜそれを世界中に公表しないのか。

意図的にその情報が隠されている、
そして何者かがエボラを有効利用しようとしている、という訳か。

確かにね、と犬の散歩仲間のビリオネアー。

確かに、地球上に人間が増えすぎたってのはあるね。
あまり生きていても意味のない人たち、
あるいは、例の「愛死す」ではないが、
生きているとろくでもないことをしでかしそうにな人たち、
そんな無駄な人間たちの数がちょっと減ってくれたほうが
いろいろと世の中のためにもなるんじゃないのかな。

人間は犬じゃないから金玉切るわけにもいかないしな。
まあ、こんな病気でも流行って無駄な人間を一斉処分した方がいいのさ。
つまり神様の思し召しって訳だな、うんうん。

という訳で、朝からどこの神様だよ、ってなとんでもない発言を聞いた訳だが、
それってまさに、かのアーロン・ルッソの最後っ屁であった、
かのドキュメンタリーでの、ロカフェラー男爵の暴言、そのものではないか、と改めて唖然とする。





もしもこのエボラの特効薬がなんらかの目的を持った組織に握られれば、
それこそまさに夢の薬である。

例えば、
薬代は1000万円。払えない貧乏人は死になさい、やら、
共和党に投票しないと薬あげない、やらやら、
IQいくつ以下の人に薬の用意はない、、やらやらやら、
あるいは、そう、有色人種には、やらやらやらやら。

このエボラによって人間を淘汰することが可能になってくる訳である。

とそんな時、そう、アメリカの大手製薬会社がエボラ協定なるものを結ぶと聞く。
この人類最大の敵に立ち向かうために、今をときめく製薬会社が一致団結して・・・

ファイザーをはじめ、巨大製薬会社がこれまでなにをやってきたか、
知っている人間たちは、そんな絵空事を素直に信じる訳がない。

どうせまた株価操作と、談合の末の利益漁りが目的なんだろう。
まったくこいつら、正真正銘の悪魔だな。

そう、そんな悪魔的製薬会社の悪巧みを知ってか知らずか、
当のアフリカ人たちは巨大製薬会社の援助に懐疑的である。

とそんな時、いきなり降って沸いた極東のガラパゴス島からのニュース。

フジ・フィルムがエボラの特効薬を開発?

つまり、談合破りってことかいね、といきなり慌てふためく製薬カルテルの面々。

なんだこの東洋人の猿、また余計なことをしやがって。早く潰せ、いや、抱き込め!

まあそう、フジ・フィルムにしたって、
別にボランティアでこの薬の研究を続けてきた訳ではないだろう。
その研究費用だって莫大な経費がかかっている筈だしね、

と妄想ばかりがふくらむシャボン玉あわー。

という訳で、いきなりのエボラ・フィーバーのニューヨーク。

市長のデ・ブラシオは、パニックになるな、と呼びかけてはいるが、
誰もそんなこと気にしている風にも見えない。

ただ、街のフリープレスであるAMNY、
EBOLA IN NY の表紙のものが、
いつもよりかなり早めに底を尽いた、というぐらいの話か。

という訳でNYのこのエボラ・フィーバー、
まじでちょっと、嫌な予感がしているのである。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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