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失業ハイパー ~ 紙切れ一枚のCONGRATULATION 笑わせる

Posted by 高見鈴虫 on 29.2014 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
今日、一つの旅が終わった。

ひとの気も知らねえで、世間は勝手に終末騒ぎのまっただ中。
俺の戦いを誰も知らない。知ったことではない、のだろう。
とそんなことを毒づきながら過ごしてきたこの半年+1ヶ月。

4時間の試験が終了した後、
空白のスクリーンに「CONGRATULATION」の文字が浮かんだ時、
思わず何度も見なおしてしまった。

これって、終わったってことなのか?本当にか?




こうして終わって見ればあまりに呆気無く、万歳をするどころか、
CONGRATULATION の文字の浮かんだモニターに蹴りをぶち込みたくなった。

この野郎、手間取らせやがって。

という訳で、6月から半年、
間にワールドカップと錦織のUSOPENを挟んだ分、と一ヶ月追加。
年も押し迫ったこの日に、ようやくこの悶着に決着がついたという訳か。

不思議なぐらいに高揚感とはかけ離れた気分。

帰り道、まだなんの実感も沸かず、今日家を出た時の不機嫌な面そのままに、
地下鉄に揺られ、駅からの途中にかみさんにバラの花を一輪買った。

それでもなお、クソッタレ、と毒づいている俺。

終わっただと、バカヤロウ。笑わせてくれるぜ。

かみさんに結果を報告すると、
なんだ、もうひとりでご飯食べちゃったよ、と言われて苦笑い。
とはいうものの朝からバナナしか食べていないのに食欲はまったくない。

という訳で、旅を終えた俺がまずやったのは、
机の周りに積み上げられた参考書のプリントアウトの山を、
まとめてゴミ箱に叩きこむこと。

そして俺は、大音響でストーンズを聴いた。

ストーンズ。

このあまりにも荒々しく、そしてまるで蕩けるように優しい、
このがさつでいい加減で、そしてまったくもってどうでもいいぐらいに元気に溢れた音。

まるで乾いたスポンジに染みこむように、
そんなストーンズの間の抜けたビートが身体中に満ち満ちて行くのが判る。

帰ってきたぞ、と思う。

そして、寂しかったぜ、とつぶやく。

寂しい?

そう、正直寂しかった。

試験日の決まってからこの一ヶ月の間、
あるいは、実はそのずっとずっと前から、
俺は俺の中からストーンズを敢えて締め出して生きてきたのだ。

なぜ?

そう、反社会的だから。

社会の一員である以上、社会に頭を下げて仲間に入れて頂いている以上、
ストーンズなんていう、麻薬とセックスと暴力を象徴するようなスタイルは控えるべき、
と、そう勝手に決め込んでいたのだ。

という訳で、俺はもう、社会に入れていただく、なんていう謙虚なポーズなど、
取る必要がなくなった。

バカヤロウ、かたぎはもうコリゴリだ、と日本を飛び出てからいったいどれだけの日々が流れたのか。

そして今、ストーンズが帰ってきた。

長い長い旅が終わり、そしていま新たなドアが開き、
長い間閉めきったままだった開かずの間にいきなり風が吹き込むように、
俺はいまストーンズのシャワーに洗われているようだ。

こんな気持でストーンズを聴いたのはいったいどれくらぶりになるのだろう。

これほどみずみずしく響くストーンズを聴けたというだけでも、今回のこのクソ浪人生ぐらしも、
なんとか元がとれたという気がしないでもない。

という訳で、旅は終わった。

ハッピーバースデーと、ハッピーハロウィンと、ハッピー・サンクスギビングと、メリークリスマスが、
いまようやく遅れて届いた筈なのに、やれやれいまだにまったく実感が沸かない。

とにかくしばらくはストーンズを聴いていたい。

ストーンズだけ聴いていたい、とそう思っている。

旅にでようかな、とそんなことを思っている。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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