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失業ハイパー ~ Can't find my way home ~ 受験あと記

Posted by 高見鈴虫 on 30.2014 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
本番試験の朝、
妙にハツラツとした気分で目が覚めた。
犬の散歩はかみさんに代わってもらって8時起き。
ああ、ついに来てしまったな、とベッドを下りながら長いため息をついた。



いつものように起きたそのままに机に向かうと、
あくびを噛み殺しながら暗記テストシートに朝のノルマ、
プロセスマップとその内容、そして旅について
思い出す限りを殴り書いて行く。
この数ヶ月の間繰り返してきた朝の日課のひとつ。

のだが・・・

やれやれまだまだ全然覚えてねえな。

だがしかし、もう覚えていないではすまねえって。
今日が本番だろが。もうこの先も、後で、もない、筈。
これまでの勉強はすべて、ノートを作ってやら、FLASHCARDを作ってやら、
そうやって、暗記は後でゆっくり、なんて感じで、後回しばかりだったのだが、
いざそれを覚えているか、
つまりはそのノートの作成過程において理解や暗記をしているのか、
というと・・・やはりそれはつまりは最も面倒な暗記の作業を後回しにしていただけなんだよな、
と当然なことにいまさら気づく。
だが、もうネガティブになっている間はない。
今日一番大切なのは取り敢えず自信をつけること。

という訳で、再びプロセスマップに戻って内容を確認しながら、
講師になったつもりでプロセスの基本動作の流れを自分を相手に講義。
これで11時まで。さすがに眠くなってきて、おいおい、大丈夫かよ、と珈琲を淹れる。
なんかやはり足が引き攣っているな、と腰の運動と屈伸運動を続けるが、
このもやもや感がまったく去らない。
朝に犬の散歩に行かなくて正解だったな、と思う。

で、これまでやった試験問題で「X」だったものだけ舐める。
とりあえずサンプルテスト、ルール・オブ・セブンで抜き打ちで7問。
いちおう全問正解で安心するが、すでに記憶にある問題ばかり。
一度やった問題のその答えばかり暗記したって意味ねえんじゃねえか、
とは常々思ってはいるのだが。

なんかそわそわと落ち着かず。だが不思議と気分は良い。

最終確認用のメモを書き出し、それを自分宛てにメール。
ついでに試験心得を書き出して気を落ち着ける。

試験問題は200問。制限時間は4時間。
PC上で四択問題な訳だが、
その問題のほとんどがWORDYなシチュエーション問題。
それを一問約一分のスピードを目安に解き続けなくてはいけない。

米国人でさえもが四苦八苦するこのWORDYな質問の山。
要は速読力な訳なのだが、その質問文、二重否定から始まってひねった物が多く、
罠が各所に仕掛けられている訳で、
そんな試験内容、当然のことながら、英語が母国語でない俺には致命的だ。

暗記するだけでは駄目。内容を十分理解した上で、
与えられた条件内で適切に状況判断を下し、選択肢の中からBESTの解答を選ぶ。
それを一問約一分でこなさなくてはいけない。

そしてその200問の中に、フェイク、つまりは、解答の無い問題、強いては採点に加算されない問題が含まれる。
つまり、いくら考えても解答の得られない問題が紛れ込ませてあるのだ。
そんな馬鹿な、と思うが、つまりはそういうこと、らしい。
つまりは解答がないことを見抜く力。おいおい・・

という訳で、改めてタフな試験である。

自宅で模試をこなすだけでも、四時間の時間を終了した後はぐったりと椅子から立ち上がることもできなくなる。

英語との戦い、知識との戦い、そして時間との戦い。

このあまりにも不利な戦いに敢えて挑戦する俺の唯一の対抗策は、
ひとの二倍三倍の勉強時間、は当然のこと、
気合と根性と集中力、そして、度胸。
つまりはもう、ここまで来れば、精神論に頼る以外に方法は見つからない訳だ。

昨夜、緊張の為が寝付かれず、改めて日米の受験感想記の書き込みを追ってみた。

ほとんどの合格者が、全200問の試験問題を遅くとも2時間半で完了するらしい。
で、残りの一時間半を曖昧問題の熟考とそして見直しに当てる。
で、不合格者に共通するのが、一問一問に時間を取られすぎて全体の時間の配分を誤り、
時間不足の中でパニックに陥った末に、ろくに見直しもできずに憤死というパターン。

試験開始から30分は、頭がポーッとして問題がまるで理解出来なかった。
緊張からか、単純な暗算さえもがおぼつかない状態で。
時間に追われて焦るばかりでまったく思考が働かず。
4時間の間、ただただパニックの中でのたうっていた。

まさか、と思う。
まさかこの俺が、そんな状態になるなど考えられない。

俺はこれまで数限りない本ちゃんのガチンコをこなしてきた男だ。
そのあたりのひよっこ坊ちゃまと一緒にされては困る。

そんな失敗談を読みながら、大丈夫、俺に限ってそんなヘマはしない、と言い聞かせる。

俺は本番に強い。ギグでも試合でもそして喧嘩でも。
その場になったとたんにすっと血が引いてみるみると知覚が冴え渡る。
そう、昔からそうであったではないか。
俺は本番に強い男だ。
ぶっつけ本番のギグをあれだけこなしていたのだ。
そんな俺に限って、たかが試験ごときで舞い上がるなんてヘマをする訳がない。

全然食欲がないがとりあえず昨日の残り物を食う。
ブー君にもご飯をあげて、その後、キッチンで皿を洗いながら、
こんな時に皿を洗ってる俺って何?とは思っているが、
皿を洗っているとなんとなく気が落ち着いてくる。

チャーリー・ワッツは20万人の大群衆の待つハイドパークへと向かう車の中で、
なんとリンゴを剥いていたのだ。
なあに、たかがロックンロールじゃねえか、と鼻で笑いながら。

寒さチェックにタバコを買いに出て72の駅まで。
おつりの1$でロットを買った。
もし試験に落ちたとしても、その時にはこのロットが18億とは言わないまでも、
受験費用ぐらいの金は稼ぎだしてくれるかもしれないじゃねえか、
というお守りのつもりだった。
我ながら良いアイデアだ。
そう、ロットというのはこういう時のためにあるものなのだ。

買ったばかりのタバコを咥えて、改めて仰ぎみる師走の人混み。

どいつもこいつもひとの気も知らないで憂かれ騒ぎやがって。
こいつら誰も俺の戦いなど知ったことではないのだろうな。
この投げやりな孤独こそが都会の心地よさなのだな、と思う。

帰ってシャワーを浴びてついに2時過ぎ。
さすがにブーくんの散歩に履いているトレパンでグラセンに行くのはやばいだろう、
とは思うが、寒かった時やら、また腰が冷えて足が攣り始めたらどうしよう、と考えて、
ユニクロのヒートテックのステテコを履いていく事にした。

という訳でそろそろ出発をしようと思う。
ギグの時にはなるべく早めに会場入りしてその場に身体を十分に慣れさせておくか、
あるいは、ぶっつけ本番、ギリギリ、あるいは遅れて到着してそのままステージに駆け上がるか、
そのどちらかだ。

そんな中、本番に向けてなにを持っていくかはずっと考えていた。
試験会場になるべく早くついてそこの自習室で模擬試験でもできるのであればこなしておいた方が良い。
その時にはやはり普段の勉強道具一式を持っていったほうが良いのだろうか。
あるいは、まさに胸のポケットに鉛筆さして手ぶらで到着、という方が格好は良いのだが。
とそう考えて、やはりもうここまで来てじたばたしてもしょうがない、と必要最低限のものだけ、
試験確認メールのプリントと身分証明書用に、念のためパスポート、とかを詰め、
勉強用の参考書類はもう一切持たないことにした。

という訳で、いざ出陣だ、とは思うが、
誰も見送ってくれる者もいない。
このあまりに呆気ないたった一人の旅立ち。
この静けさ。なんかまるでギグの前、あるいは出張の前みたいだよな、と思う。

赤線から7に出てグラセン。驚くほどスムーズ。
3RDの出口から出てタバコを一本。
場所は3RDと42の角。
ビルの入口にちょっと悩むが、
なんかこのビル前にも来たことあったな、と思う。
こんなところにテストセンターがあるなんて知らなかったぜ。

最後のタバコをあっさりと吸い終えて、
受付でサングラスかけたまま写真撮られて2階に上がる。

受付で待たされて待つ間にまた腰が痛くなってきた。

電話中の受付おばさんに、ねえ、まだですか?
と文句を言うが相手にされず。
で、その間にトイレを確認。

金玉こそ縮み上がってはいないものの、やはりどうしても尿切れが悪い。
おいおい、俺がビビってるのか?と自分で自分を笑う。

がしかし、と改めてトイレを見渡す。
これなら始まる前にトイレのどこかにiphone隠しておけるな、とも思うが、
この出歯亀スパイカメラ時代。
たぶんどこかにカメラが設置してあるのだろうとも思う。
カメラ探しはさすがにもうやめておこう。

でまた受付に戻ると誰もいない。
なんか職員と受付のおばさんががやがやと話している。
試験をドタキャンした奴がいたらしい。

で、その最中に、おい、俺の相手はまだかよ、と文句を言うと、
お前、予約は何時だ?と聞かれて、
いや、5時なんだけど、と言えば、
やれやれ、と顔を見合わせて笑われる。

で、開始までの2時間、どこかに自習室とかねえのか?と聞けば、
そんなものはない、と一言。
なので、外で二時間待ってまた帰ってくるか、
あるいは・・・
今受けるか?
いま!?
そう、いま、これから。すぐに。ドタキャンがでて一席空いてるんだ。その気があるなら今すぐにセットアップするぞ。

いま?いますぐに?このまま?

と思わず絶句する。

もしかしたら直前での二時間の中で運命の何問かをピックアップすることができるかもしれない。

あるいは、この寒い中、二時間もの間、
師走の人混みを眺めながらデリの片隅でIPHONEでも眺めている間に、いったいどんな心境の変化が訪れることか。

一か八か、丁か半か、TO BE or NOT TO BE、と考えた瞬間、

えいやあ! いま受けるぞ!と言ってしまう。

とした途端、スタッフの連中の顔がちょっとほころぶ。
本当か?
ああ、READYだ。いますぐに受ける。やってやろうじゃねえか。

とその途端、そんな会話を聞いていたスタッフたちの表情がほっと和んだ。
その視線が、よしよし、その調子だ。お前は受かるぞ、と言っているように感じられる。

うっし、吉兆だ、と気合を淹れる。

と言うことであれば、と、そのまま会場への入場の手続きが始まる。
ガラスの向こうに仕切りで区切られたPC用の席が並んでいる。
どの席も一杯で、赤いヘッドフォンをした奴らがずらりと並んでいる。
年末のこの時期にテストを受けるような奴がこれだけいるなんて。

俺の戦いは誰も知らない、知ったことじゃない、と思っている奴ら。
あんたらもそうだったんだな、となんとなく親近感を覚える。

ロッカーの鍵を渡されてカバンから財布からコートから持っ来たもののすべてを中に入れろと言われる。
で、メタルディテクターで身体検査。
すべてのポケットの中をひっくり返し、芍薬甘草湯やらニコガムやら、
やはり持っては入れない、と言われて、
芍薬甘草湯を一つ飲んでから、ニコガムをふたついっぺんに口に放りこむ。

としたところ、あっ、このひとのテスト長いんだ。4時間コース。
4時間?といまさら驚くスタッフたち。
あんた4時間も試験受けるの?
だが、試験中はロッカー開けれないから食料とか薬とかロッカーの上に出せと言われてバナナと甘草糖を出しておくことにする。

で、さあ、入場としたら、それでもメトロカードと、そしてタバコ屋で買ったロットが出てきて、
これだめ、しまって来て、とロッカーとの間を行ったり来たり。
やはりごまかしてなんか隠して持ち込もうとしても駄目だなと苦笑い。

身分証明用の運転免許と51番の札のついたロッカーの鍵、
そして二本の鉛筆の8枚つづりの赤いメモ用紙を持たされて、
うっし、Lets get down とステージに上がるようにドアの向こうのテストルームに入る。
机の番号は4番
射撃場で使うような赤い消音用のヘッドセットがある。

画面にはすでに俺の名前が出ている。
この名前で問題なければOKをクリック、とあって、
ほい、とやると、チュートリアルが始まる。

なんか安っぽい作りだな。
WIN98の頃から変わってないんじゃねえのか、と笑う。
だがボタンが大きくて判りやすいのはいいのだが。

でそのチュートリアルが15分。
WEBにあった受験記にあったように、そのチュートリアルの間に、
公式とか順番とか思いつく限りのことを書き出して行くのだが、
こんなことはもうすでに暗記済み出し、とは思うのだが・・・
がしかし、実はこの時に書き出しておいた事が後で偉く役に立った。

で、チュートリアルの間に、計算機の使い方と出るが、
やはりあのPCアプリの簡易電卓ソフト。
で、受付のひとに、おーい、と手を上げて、
やっぱ手動の電卓くれ!とリクエストするがずっと待たされる。

ヘッドセットの座りが悪い。
先に口の中に放りこんだニコガムを吐き出して免許証の上におく。
くっそ、また足が攣り始めたな、と思うがもうそんなことを言っている場合ではない。

で、ようやく電卓が届くが、なんだこれ、ボタンの配置がすっげえ旧式な奴。
=を押すところを、間違えてONを押してしまって答えが消えてしまう。おいおい。

とかやっているうちに、123 GO と試験が始まる。

さああ、勝負、とPCの画面に見入った途端、

その一問目・・・??? むむむむむ・・

なんだこれ、もしかして試験の種類間違えてないか?ってなぐらいにまで、
まるっきりちんぷんかんぷん。

あれれれれ、なんだよこの問題、この英語、なんかおかしくねえか?と。

で、その質問文。わずか4行分である訳なのだが、
何度読見返してもどういう訳かその質問の内容が一向に頭に入って来ないのだ。

うへえ、やっぱあのサンプルテストとはかなり違うんだな。

一挙にテンションが上がる。
これが舞い上がるという状況なのか。
ヘッドセットの中に心臓のドキドキ音がガンガンと響く響く。

いやだから、いや、これが、と全身にじむ脂汗。
いやまさか、おい、これって本当に英語かよ、
とかなんとかやってるうちに、ふと見ればなんと最初の一問ですでに3分経過。
えええっ!この時計、進むの早すぎ!
えーい、ままよと、と後回しマークにチェックを入れて、さあ気を撮り直して次だ、と思うのだが、

むむむむ・・・・これもそうだ・・・なにが書いてあるかさっぱり判らねえぞ・・・

とこうしていつのまにか30分。
一問一問、そのそれぞれがなんとも摩訶不思議な呪文を読むようで、つまりは内容が意味をなさない。
その読み込みだけで少なくとも2分、しかもその下にならんだ解答の選択肢さえもが、
果たしてなにが書いてあるのかさっぱり判らないのだ。

これ。。もしかして、家でやっていた模試なんかよりもずっとずっと難しくねえか?・・・

俺、甘かったのかな、とすでに気分は敗戦モード。
くそ、また後回しマークか、と舌打しながらチェックを入れて、
さあ次だ、大丈夫。勝負はこれからだ、と、気を撮り直すのだが、

えええええ、またあ??? またこの訳の判らない問題で・・おいおい、と。

そうこうするうちに10問20問、すべてさっぱり訳がわからないまま、まだ一問さえもまともに解答ができないままに、
ただただ悪戯に時間ばかりが過ぎてゆく。

むむむむこれはかなりヤバイなと苦笑い。
WEBに載っていた失敗談のパターン、まさにそのままじゃねえか。

クソッタレ、と腹が立つのだが、腹が立てば立つほどに思考が虚しく空転を続けるばかり。

まさに試合開始直後から、右から左からとジャブの連打を喰らい、すでにコーナーに追い詰められて滅多打ち状態。

クリンチだ、と思う。ガードを下げるな。クリンチして耐え続けろ。足だ、足を使うんだ。

吐き出しておいたニコガム口に放り込む。
椅子から立ち上がって、腰をひねり、ついでに顎をひねって首の関節をごきりと鳴らす。

クソったれ、この俺がこんなクソ試験にやられて溜まるものか。

髪を掻きむしり、眼鏡をかなぐり捨てて、そしてモニターをぐいと手前に引き寄せて画面に鼻先をくっつけるようにしてがむしゃらに集中を試みる。

焦るな、これは罠だ。心理作戦の術中にまんまとはまっているだけだ、と言い聞かせる。
まずは最後の200問目まで辿り着くことだけを考えろ。
面倒くさい問題はすべて後回し。
とりあえず最後の200問目までで、簡単に拾える問題だけを拾い集めること。
勝負はそれからだ。

と、そんなこんなで、
30問目ぐらいからようやく、あ、これ知ってるぞ、ってな問題が出始めるが、
やはり一問ごとに質問を理解するだけでもやたらと時間を食っている。

やっぱ英語だよな、と改めて思う。
あるいは、英語の質問をいちいち日本語に翻訳して考えてから、その答えをまた英語に翻訳、
という俺の思考回路そのものがこの試験にはかなり不利になるのだが、まあそんなことはすでに承知の上。
そう思って、反射で答えられるようにとサンプルテストばかりやっていたのだが、
やはり質問の内容、あるいは、文体がかなり違って、いつまで経ってもそれに慣れて来ない。

おっ、ラッキー計算問題だ、と思うのだが、それも文体からデータを拾わなくてはならず、
で、この300,000,000ってのは、なにを意味するわけ?と思ってるうちに電卓を打ち損じて、
おいおい、この電卓全然使えねえぞ、と苛立つ。

で、もう、とりあえず、長くかかる問題はそのままMARKを付けて後回しと思うのだが、
そのMARKが次から次へと悪戯に増えていくばかり。
なんだよまだ50問か、やっと75問か、とやりながら、
で、残り時間はあとどのくらい、と思うが、右上の時計、なんか時間の計算さえもがよく判らなくなってる。
おいおい、お前相当バカになってるぞ、と、今更ながらに驚く。
で、ようやく100問目まで来た時点では、すでに二時間を食っていた。

100問で120分?

通常、合格者のほとんどが、全200問を2時間半で解き終える、
そう、俺も家での模擬試験ではそうだった。
だが、それは、すでに知っている問題、つまりは反射で答えられる問題がほとんどの場合、のみ。
まったく知らない問題をやった時には、やはり200問終えたところで3時間は経過していたのだ。

くっそう、甘かったな、と今更ながら歯ぎしりをする。
確かに、意味さえ掴めれば問題そのものはそれほど難しくはない筈なのだ。
模擬試験に比べてひねってある問題が多いが、落ち着いて時間をかければ判る問題ばかり。
なのだが、その質問の仕方、がかなりひねくれているというかなんというか、
つまりは、そうでなくないものの中から最も可能性の高いものと低いもののその共通点はなにか、
とかなのとか。。。
つまりはただ基本条件はなにかってことだろう
と、こんなつまらないところでも二度読み三度読みを繰り返えさせられ、
そしてどんどん時間ばかり食う。
あるいは、これ、俺の英語の読解力の問題、ってだけとも言い切れなくないか、と俺の頭の中までおかしくなってくる。

ああ、これは完全に負けペースじゃねえか、と思う。

よく考えなくてはいけない問題と、あまり考えてはいけない問題がごっちゃになっている、ことは重々承知の上。
そんな撹乱への対策も十分に練ってきたつもりであったのだが。。

くそったれ、甘かったなと今更ながら思う。
つまりは、そう、やはり俺の英語力ではこの試験を突破することはかなり無理があった、ということなのか。。

とまあ、散々の七転八倒の挙句、ここまで来てようやく、なんとなくそのウネウネな文章にも慣れ始めてきた。

ついに120問を過ぎたぐらいからようやくペースが上がり始めた。

判ったわかった、LEASTのEXCEPTな訳だろ。で、結局言いたいのはそういうことだな。

が、しかしながら、やはり設問にひっかかるところが多い。多すぎる。
なんたらチャートやらとあるが、あれ、これ、ダイアグラムじゃなかったっけ?
それってひっかけなの?あるいはそういう呼び方もある訳?
ってな感じで、答えの選択肢からもいちいち悩まされることになる。
で、170問。
普段ならこれぐらいまで来るとまたちょっとドキドキと焦り始めるものなのだが、
この本番では、これまでにあまりにも後回しにした問題が多すぎるんで、
最後に近づいても全然嬉しくない。

だって、この先の問題で何問間違えても、あるいはいままでの後回しの問題で間違えても、
一点は一点、変わらない訳で、なら最後までやることに躍起になるよりも、これまでの後回しの問題を固めたほうが、
とか余計なことを考えだすが、ばか、だから、簡単に拾える問題をとりあえず拾うことが先決、
とか葛藤をしながら、そう言えば、最初にものは試しに模擬試験やったときもこんな感じで、結果は当然のことながら散々だったな、と思う。
ってことは、おいおい、俺はこの半年、まったくなにをやっていたのか、まったく進歩がなかったってことなのか、とさすがに嫌気が差してくる。

くそったれ、と思いながら、おっと、いつのまにか200問。
時計を見ればすでに3時間を経過をしている。

あっ、そうか、家でやってる模試アプリは、この時計の表示が残時間で表示されてたんだ。だからか、とか今更そんなことに気づく。

で、残り時間はあと55分。

REVIEWを押すと、200問の中で、後回しのMARKを付けたもの、MARKを付けて回答はしているもの、とかがずらっと並ぶ。
これも模試アプリ通りか。

で、やり忘れた問題が1問。げげげ、なんで、と見てみれば、あれこの問題知ってる。つまり解答のCHECKをし忘れたってこと?
あり得ねえな、とさすがに苦笑い。

そう、練習と試合は違う。それはテニスでもギグでも、そして受験でも同じこと。
そんなことは骨身にしみている訳なのだが、今更ながら、本番時におけるその能力の劣化ぶりに驚かされる訳だ。

で、後回しマークした問題が、なんと80問。
模試アプリと違って、後回しマークした問題だけをPICKして次々と並べてくれて助かる。

80問を50分で。ってことは一問何秒で答えなくちゃいけないわけ、と思うがもうそんなこと考えている場合ではない。
やばいこれじゃあ見直しぜんぜん終わらねえとまじでてんぱる。

で、驚いたことに、最初の方の20問はその質問さえ覚えてない。
で、改めて解いてみるが、先に多分これかな、とチェックした解答がすべてまったくの検討違い。

で慌てて直し始めたら、これも違うこれも違うで、あらためて最初の三十分間、俺は一体何をやっていたのか。

で、いきなりアクセル全開、もはや前輪が浮いてウィリー状態。
後輪から煙を上げながらの全力走行で問題を解いていって、
50問過ぎたぐらいからようやく問題の概要だけは覚えてるってのが出始めて、
選択肢の中から、これ以外にはない、っていう奴がくっきりと浮いて見えるようになる。

よし、今頃になってようやく調子が出始めてきたぞ、と思うのだが、だが残り時間はあと20分。

ああ、あと何問残っているのか、とそればかりが気になるが、そんなもの数えている時間さえもが惜しい。
くっそくっそくっそくっそ、時間がねえ、時間がねえ、時間がねえ。
が、100問目を過ぎてからはいきなりチェックが減り始めて、
後回し問題の番号がぴょんぴょんと飛び始める。

で、おっと、終わった、と思った時に10分前。
これまでにどうしても判らない問題が20。
で、あやふやなのが30ぐらい。

この中にフェイクがどれだけ含まれてるかが鍵だな、とは思うが、
答えのない問題にいくら悩んでもしかたがない、これもフェイクこれもどうせフェイクだろうとめくら撃ち。
で、あやふや問題をざっと舐めるうちに、おおおおっと、これひっかけじゃねえか、
ってなものをまた何問か拾って、ってことはこれまでの正解だと思ってる中にも、
実はひっかけに騙されているケースがかなりある、ということか、と再び疑心暗鬼。

がしかし、ここまできて自責の迷路に遊んでいる暇もない。

で最後の5分で超面倒でうっちゃった計算問題。
それが解けたのが1分前。

最後の最後にもう一問だけと思って、
うーんと考えて、これやっぱこっち、やったところで Timeout と出て試合終了。

画面はいきなり真っ白になって何も言わず。
まるで俺の頭の中そのもの。エンジンが燃え尽きてスパークしたまま真っ白。
そしてしばらくしてから「計算中」と出る。

あああ、と思わず脱力。

合格最低線が75点として、200問中50問はミスってもOK、としても、
その中でも、正解だと思って騙されたひっかけ問題、あるいはケアレスミスも含めて10問と仮定すると、
どうしても判らない問題が20.
で、あやふや系30のすべて外していたらその時点で不合格な訳で、
あとはフェイク頼み。
つまりは神頼みの運次第という奴か。
いずれにしろ超ギリギリラインっこと。
もしかして最後の一問が人生の別れ道?

とそんなことを思ってる間に、いつのまにか画面にはテストセンターのサーベイが始まっている。

あれ?結果は?とは思いながら、
会場はどうでしたか?
テスト用のPCはどうでしたか?
スタッフの対応はどうでしたか?
とかのまったくどうでもよい質問に、面倒なんで「全て最高」にちゃかちゃかとチェック。

で、はいアンケート終了とやったらいきなり

むむむ?なんだこれ・・

「Conguraturation」の文字・・・・

えっ!?ってことはつまり・・・・

ファンファーレはないにしても
あれ、これってなにテストの結果がってこと?
或いはテストセンターの宣伝とか?
まさかまた、なにかのひっかけ、

Conguraturationっだったら良かったのですが、結果は、残念でした、
やら、
次回にConguraturationとなるためには、下記の講座にお申込みください、
やら。。
とその画面の文字を改めて何度も読み直す。

おいおい、俺はもうすっかり頭がひねくれまくっているぞ・・

としていたら、様子を見に来たテストセンターの女の子にそっと肩を叩かれて、
そして耳元で「おめでとう」と言われた。

え?つまりそれって・・・と顔を合わせて、そしてここまで来てやっと事情が飲み込めた。

つまり、終わったのか?そうか、終わったんだな・・・


バンザイとかタイトタイトとかじゃなく正直、腹が立った。

てめえ手間とらせやがってとモニターに蹴りを入れそうになった。

が、この時間になってもまだまだテストやってる人がずらりといる。

んでテストセンターの女の子に促されてそっと部屋を出て、そしてドアを出たところで改めて握手。

噛んでいたニコガムをゴミ箱に吐き捨てて、
で、ああ、腰が痛え、と身体を捻る。
試験中に足が攣らなくて本当に良かった、とは思いながら、
あ、そういえば、足の痙攣が収まっているな、と思う。

いまだに信じられずに、ねえ結果のプリントとか貰えるの?って聞いたら、
はいはい、いまやってます、とプリントアウトした紙一枚。
小さな文字で、Examination Result : PASS とある。

それにバリデーション押して、はいどうぞ。

なんだよ、これだけ?

受け取ってみればあまりに呆気ない。
まったくもってこの世の中、紙切れ一枚なんだよな、と苦笑い。

で、そのテンスとセンターのひとと記念に写真撮りたいっていったら、
写真はだめよと、と天井のセキュリティーカメラを指差される。
で、しかたなく自撮り。

もうすでに8時を回っていた。
外にでて閑散としたロビーを抜けて転がりでた42丁目。

タバコを一本。うまい、どころか、まったく味がしない。

そのまま師走の人混みを歩き始める。
足は攣らないにしても、腰の痛みはまだ続いている。

久々に見る人混み。
そう言えばここ半年、俺はニューヨークに住んでいながら、
この雑踏の中を歩く、ということがまったくなかったのだな。

改めて見上げるビル街。
もうすでにクリスマスも終わっていたんだっけ。

どこにも寄らず、電話もせず、LEXの入り口からそのまま地下鉄駅の構内に入ったところで、
あ、ロッカーの上に出しておいたバナナを忘れたことに気づく。
で、あ、そう言えばロット。

もしあの1ドルのロットが実はミリオンに化けたとしたら、この合格とどっちがいい?
と自問してみて、やっぱミリオンのロットだなと思っている自分に苦笑い。

地下鉄の席に座るこれ以上無く貧乏臭い人々。

年末のこの時間にぐったりと疲れきったままの人々。
あるいはこれから仕事に向かう人々。
パーティ帰りの酔っぱらいなどひとりもいない。
誰もが疲れきって、そしてまるで崩れ落ちることに必死に耐えているように、
座席の上でひしゃげきっている。

俺も嘗てはそうだった。
そしていまもその通り。

師走のこの時期に、ダウンタウンやらミッドタウンやらのどこぞでは、
まるで映画にあるような豪華絢爛なパーティが繰り広げられ、
シャンパンのシャワーの中にナイトドレスを着た女達が周り続けているその時に、
こうして地下鉄の座席に崩れ落ちたままの人々。

俺たちがこのドブの底から這い上がるには、
ロットに当たるか資格試験に受かる以外に方法はないんだぜ、と改めて思う。

世の中の不平等にいくら文句を言ってもなにも始まらない。

パーティ会場にいる奴らが、いまこうしている時にも地下鉄の座席に崩れ落ちた人々がいるのですよ、
だから皆さん、ここにあるシャンペーンとスモークサーモンを、少しでもそんな人々に分けてあげましょう、
などと、誰が考えているはずもないじゃないか。

一億分の一の確率にすがって生きるか、
あるいは、なんとしても自力で這い上がる以外には方法はないのだ。

と、これまで何度も繰り返してきたそんな言葉。

そしてついについに、俺はその賭けに勝った。

しかしながら、正直言ってまったく嬉しくもなんともない。
ただ終わったな、終わってくれたんだな、とそれだけだ。

長かったな、と思う。
それが果たしていつから数えれば良いのか、それさえもわからないぐらいに、
ただただ、長かった、とそう思ってた。

地下鉄を降りて、角のデリでかみさんに花を買おうとするが、
寒さにしなびたままの花束が15ドルと言われてなんか馬鹿馬鹿しくなる。

でバラ一輪で3ドル。
ドアを開けたらかみさんが、えらくびっくりする。

あれ、終わるの10時過ぎじゃなかったの?

いやもう無理なんで、途中で諦めて帰ってきた、
と嘘ついたら、あっそうとそのまま背中を向けて部屋に帰ってしまう。

喜んでいるのは犬ばかり。

わーい、帰ってきた帰ってきた、と盛んに足元で飛び跳ねている。

まあそう、そんなもんだよ。

で、テーブルの上にバラの花を一輪。

なにこれ?

残念賞。

まさか。

え!?もしかして・・・??もしかして・・・?もしかして・・・?

で、改めて事情を話すのだが、それでもやはり半信半疑。

ほらこれとテストセンターで貰った結果を出して、あれホントウだと笑う。

ああ、疲れたと改めてため息をつく。
帰り遅いと思って先にひとりでご飯食べちゃったよ、というがカップラーメンかよ。

という訳で、ようやく立ち上がって、
一番最初にやったことと言えば、PCを立ち上げて、そして、
ストーンズを聴くこと。

どういう訳かこの一週間、ずっとずっとIts Only Rock'n'Rollが聴きたかったのだが、
どういうわけか、聴いたら終わりだ、という気がして、聞かずにおいたのだ。

ああストーンズだ、と改めて思う。ああストーンズだ。ストーンズが帰ってきた。

という訳で、ちょっと元気が出て、
そして、机の周りに山となった勉強資料の印刷、
そのネズミ臭い資料を、全て積み上げて写真を撮って、そしてゴミ箱に持って行った。

ネズ公め、これでせいせいした。

とその直後、ジェニーから電話でドッグランへ。この人が一番喜んでくれた。

俺の戦いは誰も知らない、知ったことではない、とは思いながら、
やはり俺にも身内はいる。

やっほー、やったやった、と喜ぶジェニーを前に、このひとはなぜこんなに喜んでいるのか、とちょっと不思議な気もした。

がしかし、やはりまた足が攣り始めてかみさんと犬を残して先に帰ることにする。

でひとりで帰り着いた部屋。
ガラガラになった棚をみてもまだ実感が湧かない。

冷蔵庫にあった残りものをレンジでチンして食べていたらかみさんと犬が帰ってきた。

食後、普段なら机に向かう所を、そのままソファに寝転んでダラダラ。
このダラダラがなぜか無性に嬉しい。

で、そう言えば、と撮りためたlife below zeroを一挙に観てしまっても寝付かれず。

かみさんもすでにすっかりと普通の暮らしに戻っていて、1時を過ぎて、ねえもう寝ようと促されてベッドへ。
泥のように疲れているのだがなかなか根付かれず。
キャンデークラッシュをやるがなんとも落ち着かないまま。

そして4時も過ぎてから百年の孤独を読み始める。

ここまで来てなんとなくじんわりと嬉しさがこみ上げてくる。
そっか俺はずっとこれがしたかったんだなと気づく。

資格試験に合格した、なんてことよりも、
またこういうことができるようになったというほうが実はずっと嬉しかった。

つまり幸せとは、
夜中までダラダラとビデオ観たりトイレでゲームをやったりベッドで本読んだり、ってことなんだなと思い知る。

帰ってきたな、と思う。
が、もう俺はすでに今朝までの、あるいは、昨日までの、あるいは、去年までの俺ではない。

けっ、それがどうしたんだよ、と思っている。

寝際に、ふと、昔のバンド仲間の顔が浮かんだ。

ギグの後、楽屋までの道でファンにとり囲まれて、おーい、助けてくれ、と嬉しい悲鳴を上げるダチの姿。

俺はあれから、どれだけの迷走を経てきたのだろう。

そしてその迷走はまだまだ、あてど無く続くのだな。

Can't find my way home.....




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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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