Loading…

おじさんよ、新しい服を買いなさい。もう去年の服など着ている人はいないのだよ

Posted by 高見鈴虫 on 02.2011 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
昔、はどうだったか知らないが、
まったく人間というやつ、
歳をとればとるほどに、訳が分からなくなっていくものだな。

おばさんが例えブスであっても美人でもあっても、それは所詮、おばさんの一形態に過ぎないように、
おじさんには、おじさんである、以外にはなにもない。

ただ、金持ちそうなおばさん、貧乏そうなおばさん、というのはあるなあ、と思った。

多少不細工なおばさんでも、金持ちそうなおばさんはそれなりに幸せそうに見えたりもするし、
ということは、おじさんも然り、なのだろうか。

と、考えてふと、地下鉄の乗客たちを見回してみると・・・

確かにな、こんな地下鉄なんかに揺られている人々は、どいつもこいつも徹底的に貧乏臭い。

ただ、若い子たちがそれほど見苦しくもないのは、

うーん、たぶん、格好にそれなりに気を使っているからなのだろうな、と思う。

俺も含めて、おじさんたちの格好の手の抜き方と言ったらない。

俺でさえこう見えたって、5年10年前までは、ちょっとはおでかけようの服を用意していた筈なのに。

暗い窓に写った俺の姿、と言えば、犬の散歩から直行、つまりまさにホームレス、そのもの。

いったいどうしてしまったのか、とつくづく思うが、
つまるところ、もう面倒なのだ。
格好に気を配ることも、シャツを選ぶことも、人の目を気にすることも、
そう、おじさんは全てがもう面倒なだけなのです。

が、と思わず向かいに座った若いカップルを盗み見るに、
どう考えても、おじさんよりも良い服を身に着けているとも思えないし、
それほどまでにセンスが良い、とも思えない。
少なくとも、このおじさんが一番気合を入れていた頃に比べては格段に安上がりの服装でしかない。

つまりだ、と一言。
若い子達の服は、ただたんに、新しいのだな、と思う。

ああ、そういえば、最近、新しい服などとんと買ってないな。
その最近、というのが、実は、ここ数ヶ月、どころか、ここ数年になるわけで。

高くても、ずっと着れる良いものに大枚叩いたのはずっと昔。

いまやH&Mやらユニクロやら、つまり、安い、かわりに、ワンシーズンで終わりになる、
使い捨ての服、ばかりなのだろうな。

そしておじさんは、ついついそんな服でも、シーズンが終われば綺麗に畳んでしまいこんでしまったりもするのだ。

なんだそうか。つまりはそういうことなのだ。

おじさんよ、箪笥の扉を開き、古い服を捨てなさい。

もう去年の服など着ている人はいないのだよ。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

最新記事

月別アーカイブ

検索フォーム