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あっちゃあ、また雪ピーピーだ

Posted by 高見鈴虫 on 09.2015 犬の事情   0 comments   0 trackback
散歩から帰って、足を洗い机に戻ってメールのチェック、
などをしていたら、どうも背後でゴロゴロと音がする。

まるでコーヒーメイカーが水槽に残った水滴を吸い上げるような音。

ズズズズ、ゾゾゾゾゾ。

あれ、珈琲を淹れた覚えはないのだがな。
勝手に珈琲が出来てくれるのは嬉しいが、
作ってもいないのに本当に勝手に珈琲が出来てしまうというのは、
立派なお化け屋敷であってあまりうれしいことではない。

このネズミ屋敷の我が家、ついに化け物まで吸い寄せたか、
と思いきや・・・

そのコーヒーメーカーのゾゾゾ音、音源を探ってみれば、
なんとソファーに寝転ぶ我が犬・ブッチ君であった。




今朝がたから雪嵐に包まれたニューヨーク。
ああ、これは散歩は無理だな、と朝の散歩を諦めて、
11時近くになってようやく晴れ間が射し込み、
という訳で、降ったばかりの新雪に覆われたリバーサイドパークを、
まるで子犬のようにはちゃめちゃに走り回っていたぶっちくん。

その後、帰ってからはご飯も食べずに寝てしまったのだが、
今になって、むむむむ、お腹から天地を揺るがすような轟音を奏で始めた訳だ。

何だお前、どうした?と聞けばきょとんとした顔。
だが、なんとなくその目に力がない。

で、思いつくところがあって、そんな犬のお腹に耳をあててみると・・・

ゴゴゴゴゴゴ、ギュルギュルぎゅる、ぞぞぞぞぞ、と爆音が響いているではないか。

あっちゃあ、また下痢か・・・

ブーくんは冬になると必ず酷い下痢をする。

普段であればクリスマスの前あたり。
一時は血便などが出てしまって、クリスマスのお祭りモードの街並みで断末魔。
犬を抱えて獣医さんに走る、なんて具合になるのが毎年の恒例ではあった。

今年は例年に比べてやや温かい冬。
俺の試験やなにやらで早々と犬の世話ばかりしていた訳でもないのだが、
幸運なことに今年の暮れはそんな下痢騒動からは逃れられていた、と思った矢先である。

新年を迎えたニューヨーク。
ここ数日小雪がチラつき、舗道にはすべり止めの塩が撒かれ始め、
嵐が去ってようやくのぞいた雲の切れ間から差し込む冬の日差しに、
舞い上げられた塩が空を覆って世界が白く霞んで見える。

ニューヨークの冬の風物詩でもある訳だが、

そう、この塩こそが犬の下痢の原因なのである。

ソルトバーン、つまりは塩焼け。

人間と違い靴を履かない犬に取って、この舗道に撒かれた滑り止めの塩こそが天敵。

パウのひび割れやら、指の間やら爪の中にまで染みこんできて、
それが始終、ヒリヒリと痛み始める。

で、その塩に焼かれた足を、犬はぺろぺろと舐めてしまうわけで、
とたんに塩分の取り過ぎ。
しかもすべり止め用に用意された塩である。
食用には到底適さない、劣悪な塩が使われている訳で、
そんな塩をペロペロと舐めてしまったが最後、
この末期的な下痢に襲われる、という訳なのである。

今年、初めての雪が降った際には、
そんな苦い経験からすぐにムーシャーズ・ワックスの四肢に塗りこみ、
そしてお散歩から帰った後は、バスタブに水を貯めて石鹸でゴシゴシ洗う。

そして犬用のブーツ。
これはちょうど風船の形をしたゴムの袋。
そこに足を突っ込んで塩の侵食から守る訳なのだが、
それでも染み出してくる塩水。
帰った後には必ずバスタブで洗浄、と繰り返していたのだが・・

やはり力が足りなかったのか。。

あるいは、空気中に舞う塩分だけでもやられてしまうのか。。

という訳で、ブーくん、元気ないなあ。

普段は憎らしいほどの悪童ぶりに辟易させられている訳だが、
こうして元気のないブーくんを見るといまにも胸が張り裂けて涙が滲んで来てしまう。

おーい、大丈夫かあ、早く良くなっていつもの悪ガキに戻ってくれよ。。。

という訳で、今晩の外出は中止。犬と一緒にいてやることになった。



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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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