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あぁあ、フットボールのない世界に行きたいわあ

Posted by 高見鈴虫 on 18.2015 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
NFLのプレイオフである。

まあ今シーズンは正直言って、
ちょっとフットボールでころではなかったのであるが、
ようやく娑婆に戻ってみれば、なんだよこのラインナップ。

ジェッツがいないのはまあ当然のこととしても(笑
ニューヨーク・ジャイアンツも、
ピッツバーグ・スティーラーズも、
フィラデルフィア・イーグルスも、
ついでに言えばサンフランシスコ・49ナーズも、いない。

で、よりによって残ったのが、Tom糞Bradyのペイトリオッツかよ、と。

いったいなにがあったのか、と目を疑うばかりなのだが、

って訳で、なんかあんまりにも興味が無さ過ぎ、
と、せっかく資格勉強が終わったというのに、
ちょっと物足りない1月の土日を過ごしていた俺。



で、 この日曜日

生憎の朝から雨で、土砂降りの中をおしっこだけでも、
と出かけたら、犬の機嫌が斜めを通り越してひっくり返り、
帰って飯も食わずに寝てしまったかと思えば、
呼んでもなにしても見向きもしやがらない。

という訳で、俺もすることもなしにソファで本など読んでいたたのだが、
あ、そうか、そう言えば今週は、NFCとAFCのChampionshipじゃねえか、
と点けたテレビ。

がしかし、なに?シーホークスと、パッカーズ、なんだよそれ、と。

まあシーホークスは去年のスッパボールの覇者でもある訳だが、
ってより、去年のあのブロンコスのペイトン・マニングの
天地がひっくり返る大醜態に助けられたおかげ、
という奴で、正直あんまり興味も無かった。

で、パッカーズ? WHO THE HELL IS PACKERSってなぐあいで、
なんでそもそもこんなチームがプレイオフに?ってぐらいにまで興味がない。

んだよもう、野球と言いNFLといい、アメリカはもう終わっちまったんじゃねえのか、と。

でまあ音を消したままソファで読書続行、となる訳だが、
ふとTVの画面に目をやる度に、おおお、インターセプト。

この試合、シーホークスのQBであるところのラッセル・ウィルソン、
なんと前半だけで3つのインターセプトを食らったそうで、
どういう訳かテレビに目を移すたびにこのインターセプトの映像が飛び込んでくる。

で、前半終わって16対0。
シーホークス、まさにボロボロの大爆笑。

雨に叩かれながら肩をうなだれる髭面のラッセル・ウィルソンがもう、
まさに、ホームレスそのものじゃねえか、と(笑

なんだこいつら、ホームゲームだってのに情けねえ奴だ、と鼻で笑っているうちに、
ハーフタイムの途中でそのまま寝てしまった。

で、ふと犬に起こされて6時過ぎ。

うーん、と背伸びをしながら、雨、やんだぜ、散歩連れてけ、という訳か。

で、なら出かけるか、とふと見たテレビ。

試合終了5分前。

スコアは19対7。

土砂降りの雨の中、
シーホークスの要のリチャード・シャーマンも負傷で欠場。
QBのラッセル・ウィルソン、またもインターセプト、
と他人事ながらも、相変わらず目も当てられないぐらいの大惨事が進行中という奴で、
なんだこれ、なにやってんだこいつら、と大爆笑。

これでなにかの間違えでタッチダウンを取って7点を追加したとしても、
19対14で、勝負はついた、と。

ってことで、もうこれは終わりだな、とは思いながら、
えええ、なんだよ、ってことは、
スーパーボウルは、パッカーズ?

げげげ、なあんだよそれ、と思わずがっくり。

次にあるAFCの試合で、まさかトム糞ブレイディが負ける訳もなく、
えええ、パッカーズVSペッツ?超つまらねえじゃねえか、と思わず超苦笑い。

で思わず、シーホークス、もうちょっとはがんがれや、とも思うが、
いやあ、がいくらなんでもこれじゃもうだめだろう、と、思っていたら、
なんと、QBのラッセル・ウィルソンが自分で走りこんでタッチダウン。

がしかし、これはまあ最後っ屁。
残り2分で、19対14。
なにがあったとしてもパッカーズが逃げ切りがもう見え見えであった訳なのだが、

で、続くオンサイドキック、いきなりのサイドへのチョンキックからを、
事もあろうにパッカーズの86番が手を滑らせて、
その弾かれたボールをシーホークスがリカバー。

ぎゃあああ~!
なんだよこれ、と思わず大絶叫。
そんなことが世の中にあるのか、と!

で、いきなり息を吹き返したシーホークス、
ここに来て目からウロコのスーパープレイを連発してタッチダウン。
で、フィールドキック、の筈がいきなりコンバージョンのタッチダウン、
とまさに怒涛の勢いで二点追加の19対22。

おおお、奇跡の大勝利、と息を飲んでいたところ、
残り一分で攻撃に出たパッカーズ。プレッシャーをものともせずに駒を進め、
試合終了30秒前にフィールドゴールで同点に追いつく。

ラッセル・ウィルソンもラッセル・ウィルソンなら、
このパッカーズのアーロン・ロジャースもタマだよなあ、と。

その身体、そして、そのメンタル。
まさに鉄人、そして超人。

で延長戦。
先行を握ったのがやはり運を掴んだシーホークス。

延長開始からトントンとあっという間にタッチダウンを決めて、奇跡の逆転勝利。

なんだこりゃ、と思わず床に倒れ伏してしまったぞ。

泣きじゃくるラッセル・ウィルソンに思わず貰い泣きの涙がにじむにじむ。

げげげげ、こんな凄い試合初めて見たっち~!

このたかだか30分の大逆転劇に、まさに全米中の男の子がひっくり返ってしまった訳だ。

という言うわけで、全米中が涙なみだ。

シーホークスの選手たちは当然のこと、土砂降りの雨の中、スタンドを埋め点くしたシアトルの人々、
号泣につぐ号泣。
で、FOXのアナウンサーも解説も涙ぐみ、実況にもなににもなっていない。

で、あ、そう言えばもうAFCの試合始まるな、
とCBSに変えてみれば、そのCBSの解説者たちも鼻をすすっている始末。

いやあ、感動した~。まじで、すっげええ感動した。

いやあそういうことってあるんだよな、本当にあるんだよな、と。

で、既に呆れ果てて、リーシュを付けたままクレイトの中で不貞寝のブー君。

おい、試合終わった、行くぞ、と声をかけても、けっ、知った事か、とプンプンもーど。

いやあ、悪い悪い、とようやく外に出てみれば、雨上がりのニューヨーク。
凍りついたアスファルトが滑る滑るでまるでスケートリンクのよう。

ようやく辿り着いたドッグランで、犬を放してほっとしていたところ、

やはり雨が上がるのを待って犬の散歩に出たご婦人。

いやあ、今日は本当に嫌な天気だったわね、と声をかけてくる。

あなた、日本人?

そうだよ、と答えれば、

いいわよね、私も日本人と結婚してれば良かったわ、と謎の言葉。

テレビを前にしてうんともすんとも言わない旦那に、
ねえ、雨がやんだんだから犬の散歩行ってよ、と声をかければ、

なんとテレビの前のソファに、ご主人とそして息子の二人、
なにも言わずに、ただただ、肩を組んではポロポロの涙を流していたのだそうである。

いい男が、フットボールの試合観て、泣いてんのよ、信じられる?
主人ばかりか、息子二人ともがよ。三人の男がたかがボール投げでポロポロ泣いててさ。
ばかばかしいにも程があるわよねえ。

あーあ、本当にフットボールのない世界に行きたいわあ~。

と、そんなところ、例のテニス仲間のTEDが犬を連れて駆け込んで来て、
おおお、シーホークス観たか観たか?

あのなあ、なにがあったかって言うとだなあ、と説明を初めながら目がうるうる。

ああ判った判った、俺も観てたから、と言いながら俺も思わず目がうるうる。

ねえちょっと、ちょっと、
ねえ、、あんた日本人でしょ?なんで日本人なのにフットボールなのよ。
ふつう日本人って違うでしょ。フットボールなんかから一番遠いところにいるべき人たちでしょ?
違うの?日本人、なんとか言いなさいよ。

というわけでその邪魔のおばはんを思わず振り返る。
日本人であろうがなんであろうが、男であるかぎり、フットボールはフットボールなんだよ!!

という訳で全米を凌駕するこのフットボールという疫病。
全米中、日曜日の午後はまさに国中が脳停止状態。
男という男がまさにテレビの前に釘付けで、なにがあってもまったく無反応のまま、
それがいきなり、怒号を上げては物はなげるテーブルは転がす、のまさに野獣に帰る時。

まったくもう、やり切れないわ。馬鹿馬鹿しい。アメリカなんて最低よ、と踏んだり蹴ったりのおばさん。

あーあ、フットボールのない世界ってこの世にはないの?
あるいは男のいない世界に行きたいわ~、とご立腹のおばさん。

とそんなおばさん、が男たちはまったく相手にせずに、

あのなあ、で、あのパッカーズの86番がさ、とやっていれば、
おおお、みたみた、と寄ってくる男たち。

みな異様に目が輝いて、まさにテンション上がりっぱなし。
野獣の顔つきそのままである。

いやあ、シーホークスやったなあ。
ああ、すごかった、凄い試合だったああ。

これでまた、スーパーボウルの晴れ舞台で、
あの憎きトム糞ブレイディを叩きのめしてくれたらなあ。

と思わず見上げる雨雲の切れ間に、おい、見ろよ、星が出ているぜ。

という訳で、アメリカはやっぱりどこに行ってもそんな感じなのである。

でおれは、そんなアメリカがもちろん大好きなのである。



シーホークス逆転勝利、2年連続でスーパーボウル進出



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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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