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零下22度のシベリア日和にマティスの切り絵展に行ってきた

Posted by 高見鈴虫 on 01.2015 ニューヨーク徒然   0 comments   0 trackback
土曜日の朝7時。
窓から見下ろす街、なんかえらく寒そうだな。

朝の散歩の前にまず必要なのは気温情報。

IPHONEの天気予報を見れば、華氏12度、つまり摂氏では零下11度。
なんだ、大したことねえな、とそれに騙されると悲劇の始まり。
問題は、FEELS LIKE、つまりは体感温度。
これを見誤るとまじとんでもないことになる。
で、このFEELS LIKE なんと、華氏マイナス7度。
つまり・・・・ これ日本で言えば・・・
げげげっ! なんと零下22度!




という訳でさっそく完全防備。
ヒートテック三枚重ねの上からNorthFaceデナリのフリースジャケット、
でその上からSPIEWAKのコヨーテ毛皮付のN3B。
下はフリースのズボンの上からスキーパンツのやはり二枚重ね。
足元は雪山仕様のメリノウールの靴下にツンドラ仕様のカナダ製バフィンのスノーブーツ。
と、こんな格好でも、表に出たとたんに、ガビーンとぶん殴られたような冷気に思わず頭がボワーン。
犬用のダウンジャケットを着込んだ我が駄犬。
零下22度をものともせずに雪のセントラルパークを駆け回っているかと思えば、
ふとボールを咥えて戻って来て、やばい、帰ろう、とそのまますたすたと勝手に帰り始める。

という訳で早々に散歩を切り上げて間の抜けてしまった朝。

でそう言えば、
このところずっと話題になっていたマティスの切り絵展。
これがそろそろ終わりに近い。
連日に大混雑でろくに見れもしない、とは聞いていたが、
こんな糞寒い中、誰もわざわざ美術館などにはいかないだろう、とばかりに、
さっそくミッドタウンのMOMAに出かけることにしたわけだ。








一般公開時間に先駆け、会員向けに9時半からオープンのこのマティス切り絵展。
この寒さも手伝って余裕の観覧となったのだが、

いやあ、すごく良かった!!!

その発想から発展まで。ひとつのアイデアが時とともに発酵熟成しては変遷を繰り返すその様。
そしてその後の修復作業の過程と、その作業に実際に携わったスタッフが、
観客に囲まれながら修復時のエピソードを披露してる訳で、
まったくなんともMOMAならではの催しである。

でそう、そんなマティスの珠玉の切り絵の数々を巡る中、
あれ、なんか、これ、どこかで見たことないか、と。

そう言えば数年前、ひょっこりとアパートの前で拾ってきた謎の巨大抽象画。

なんかマティスもどき、というか、マティスの真似はしてみたもののやっぱりどこか大きな欠落を抱えている、
としか思えないその謎のパステルカラーの抽象画。
巨大すぎて壁に飾るのも面倒で、そのまま本棚の前に立てかけては、ぶー君のいたずら避け、
つまりは暇に任せてまた本棚の本を床に落としては床一面にページを食いちぎる、という悪い癖から本棚を守るべく、
そんなガード代わりにされていたこの謎の抽象画。
見れば見るたびにやっぱりこれ失敗作というか、天才の真似をしながらやはりなにかが足りない、足りなすぎる。
でその足りないものとはなにか、なんて考えてはいたのだが、
かみさんからは、ねえ、このどうしようもない絵、早く捨ててきてよ。掃除がし辛くて、といつも文句を言われていたのだが、
なんとその謎の抽象画が、事もあろうにマティスの切り絵展のそのハイライトに据えられているではないか。

ええええ、あれ、もしかしてマティスだったの?
げげげげ、そうだ、あの絵はやっぱりマティスであったのだ。

我が家ではなんと、巨匠の名作を、どこぞの無名作家の大失敗作として邪魔者扱い。犬のガードに使っていたということかね。

まったくもっていやはやである。

でもさあ、とかみさん。巨匠と言えども失敗作はあるっていうか。
そうだよね。こうしてみてもやっぱあまり優れているというか、好きかと言われればかなり微妙。

とか言いながら、うーん、やっぱマティス、いいよな~、とにんまり。

で11時を過ぎて混み始めたのもあって、そのままくうううう寒い、とエスキモーの格好のままBOOKOFFへ。
先に見た、大地の子の原作を探しに来たのだが、予想通り、この反中反韓戦争万歳のこのご時勢、
反戦と日中友好を歌ったこの「大地の子」、全四巻すべてが1ドルセールの大特価。
ついでに、その前にみた「凶悪」の原作も1ドルで見つけてうっしっし。

その後シベリア突風に煽られながらぽくぽくと大戸屋へ。
この久々の純日本定食、と言いながら、店の従業員もそしてお客も見事なぐらいに中国人ばかり。
シマホッケどころか、お母さん煮にどぼどぼと醤油をぶっかける中国のかたがたに思わず目が点々、となりながら、
この世界に広がる日本食文化、と言いながら、広がるってことはつまりはいろいろな方向に勝手に進化してく訳であって、
すでに日本食はニホンジンの味覚からはかなーり離れたところにまで進化を遂げてしまっている模様。

という訳でシベリア日和の土曜日。
家に帰り着いた時にはもう身体中がガビガビのかちんこちん。
明日のスーパーボールまではこのままベッドの中で読書三昧、と行きたいところなのだが、
そんな俺の上に飛び乗ってきた我が駄犬、おい、散歩連れてけ、と。

そっか、犬の散歩だよな・・・

と、そうそう寝てばかりは居られないわけで、しぶしぶとまたシベリア服に着替えては、
再び零下22度の世界に舞い戻る俺なのであった。




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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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