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なんとはなしに髭をそり落とした訳だが

Posted by 高見鈴虫 on 03.2015 とかいぐらし   0 comments   0 trackback
という訳で、なんとはなしに髭をそり落とした訳だが、

どうだ、驚いたか、と思えど、実は誰からも、

あ、髭剃ったんだね、の一言が、無い。

ただひとつ言える事は、風が冷たい。



特にこの口の周りから顎から首にかけて、
まさに、そこにばかりに風の冷たいさがきりきりと沁みるようである。

そして、女だ。

髭を剃ってから、明らかに街の女たちの表情が違う。

つまり、そう、ホールド時間がちょっと長くなった、というか、

そうか、髭を伸ばしていた時には、スルーされていた訳ではなく、

うっ!この汚い顔、見たくない、と顔を背けられていたのか、と今更ながらに気付く訳だ。

そっか、やっぱり髭って女たちにとってはかなり微妙なものなんだよな、と今になって思い知る次第で、

つまり似合わない白髪髭を生やした俺に、

なんでこのひと、よりによってこんな汚い髭を生やしているのかしら、まったく理解できない、したくもない、

と思われていたのに違いない。

がそう、髭を剃った弊害はまだある。

髪、そう、髪型である。

髭のあった当時は、そのインパクトがすべてその薄汚い白髪髭に集中していた関係で、
ぶっちゃけ髪などどうでも良かったのではないか。

がしかし、その薄汚い白髪髭が払拭されたいまになって、
次に来るのはこの自由奔放すぎる髪と、そして、髭剃り後に残された赤い被れと肌荒れの痕。

うーん、くそう、髭を剃ったら剃ったで、やることがまた満載か。

俺、はっきりってそれほど自分の顔を鏡で見たがるタイプではない訳で、

あるいは、鏡で自分の姿に魅入るような男が心底嫌いな訳だ。

男のナルシズムは醜い、というよりも、見ていて気味が悪い。

きれいが好きか、汚いが好きか、と言われればもちろんほとんどたいていの人はきれいな方が良い訳で、

確かに同じアジア人でも、未開系の人々はそのいでたちのそこかしこに隙が満載である。

つまりは、その物腰にどれだけの隙があるか、がまさに洗練の度合いな訳で、

そんな都会の洗練競争から、髭は完全におれを部外者として隔離していてくれた訳だ。

という訳で、髭を剃った俺。

改めて髪を切らねば、そうなるとまた眉毛も整えなくてはならない訳で、なによりもこのアトピーの肌荒れをどうにかせねば、な訳である。

男と言えども油断は禁物なのだ。

ああやれやれ、カタギ復帰も楽じゃねえなあ、とため息をつく訳だ。







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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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