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ROCKを葬り去る前に 番外編 「肉の思い出~そして肉天国アメリカへ」

Posted by 高見鈴虫 on 22.2014 ROCKを葬り去る前に ~ 大人のダイエット奮戦記
その後、アメリカに来てから、食うや食わずの貧乏暮らし、とは言いながら、
実は最初の3ヶ月はまさに肉ばかり食べていた。
このアメリカでの苦労をすべてその肉で倍返しだ、という訳だ。






噂に聞いていたがアメリカは肉が安い。
マクドナルドの一食分でまさにフライパンからはみ出そうな牛肉のステーキが買えるのである。
さすがにエバラ焼肉のたれはなかったのだが、
フライパンでジュージュー焼いた肉に塩をふるだけでも十分に肉の旨み、というか甘みが滴り落ちるようで、
親切にしてくれていたコリアン教会のおばはんに持たされた銀しゃりとステーキでまさに腹いっぱい。
ついでに貰った白菜のキムチとステーキのコンビネーションもばっちりで、
もうそれだけでもアメリカに来て良かった、と喜びをかみ締めたものだ。

と言う訳で、今更ながらアメリカは肉の国である。

朝からベーコン。昼にはハンバーガー。夜はステーキアンドエッグ。

それも一枚も二枚でも食べる。好きなだけ食べる。スープの変わりはマカロニアンドチーズ。飲み物はもちろんコーラである。
いやあ、食った食った、の後はアイスクリーム。
まるでバケツのようなアイスクリームを腕に抱えて、サラダ取り用の巨大なスプーンでまさに口いっぱいに頬張ってアイスクリームを食べる。
そしてチップスである。
チップスだけはいつでもどこでも必ずある。
これにチーズとサルサをぶっかけてナッチョスにするわけである。
あるいはポップコーン。これにもやはりチーズのトッピング。
あるいは甘い甘いスポンジケーキ。
上から生クリームをまさに山のようにかけて鼻の頭どころか顔中が生クリームだらけ。
そして極めつけは冷凍食品である。
言わずと知れたホットドッグ。あるいはハンバーガー。そしてピザ。
コーンドッグ、つまりは串にさしたソーセージに衣をつけて揚げたやつ。
これが冷凍食品となって冷凍庫にぎっしりとはいっていて、
ちょっと小腹がすいたときあるいは寝る前、あるいは、小便に起きた、なんて時にこれを電子レンジに放りこんでチン。
熱々のところにケチャップとマスタードをぶっかけて、それをコーラーで流し込む訳である。

そして黒人の友人とつるめば、もうこれはフライドチキンである。
これはもう徹底的というぐらいにフライドチキン。
カラードグリーンが唯一の箸休めで、あとはオクラのフライ。フライド・グリーン・トマト。コーンブレッド。
そしてフライドチキン。

これがもうテーブルの真ん中に山盛り。
好きなだけ喰い尽くしてはそのとなりに骨の山ができるわけだ。
それに加えて南部料理。
忘れてはならないのはオックステールシチューである。
ロジャーのおふくろはオックステールシチュー作りの名人で、いやあうまいうまいと褒め上げたら、
それから毎週、一週間分、まさに大鍋一杯のオックステールシチューを届けてくれるようになった。

と言う訳で、借金まみれて首が回らず、
夜逃げしようにもその足がなし、という極限的な貧乏状態でありながら、
実はアメリカについた直後から見る見ると太り始めた。

が、周りのアメリカ人はまさにデブというよりは球体。まるで地球儀のような体系をしている輩ばかり。
男も女も痩せているのは病人かあるいはジャンキーと決まっていたので、
いきなり20LB増えたからと言って、まだまだ痩せすぎ。
それじゃあ女にもてないぞ、とまじ顔で心配されたものだ。

その後テニスを始めてからは、仕事から帰った後はアパートのテニスコートに集まっては夜間照明の下、
グレートフルデッドを聴きながら夜も更けるまで脇のプールサイドでビールを飲んだりハッパを回したり。

そしてピザ。そしてハンバーガー。そしてナッチョス。

家に着いてからはまたステーキでも焼いて食べようか、となる訳で、
その間についついアイスクリームを食べてしまう訳で、
朝から晩まで食って食って喰いまくってはいついかなるときにもなんらかのもので酔っ払っていた。

さすがにニューヨークに来てからは痩せ始めたものの、
あるいは、そんな暮らしがさすがにやばいと思ってニューヨークに来たところもあったのだが、
ニューヨークはニューヨークでまさにピザ。

このワンスライスといわれる紙皿においたピザ。
これがもっとも安く最もおいしい食べ物。
と言う訳で、ニューヨークに着いてからは徹底的にピザばかりを食べていたら顔中にニキビができて大変なことになった。

と言う訳で改めてアメリカである。

この国の文化は人を腐らせる。
その腐りかたこそがこの国の豊かさの証明、と思っている奴が山ほどいる。

食べたいものを食べたいだけ好きなだけ腹いっぱいに食べて食べて食べつくし、そして徹底的に喰い散らかす。
足りない栄養分は錠剤にしてコーラやビールで飲み下す。

そんな生活に慣れてしまった今、あの名糖のカップに入ったアイスクリームや、
あの茶碗に残った米粒ひとつをしっかりと箸の先でこそげ落とすような文化がちょっと懐かしくなったりもする訳だ。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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