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スノー・エンジェルとブル・マスティフ

Posted by 高見鈴虫 on 17.2015 犬の事情
深夜から降り続いていた雪、
一夜明けてみればまた、ニューヨーク・シティは見渡す限り一面の銀世界。

やれやれ、また雪かきか、と昨日掻いたばかりの舗道の上から、
またまた朝も早くから雪かき三昧の人々。

そんな街中を抜けて、さあ、急げ、と踊りまわるブー君。

駆け込んだのはセントラルパーク。

見渡す限り一面に新雪の降り積もった雪の原は、
はしゃぎまくった犬たちで一杯。

そんな中、見るも麗しい赤いダウンジャケットのおねえさん。

雪の中に倒れこんで、手足をふりふりのスノー・エンジェル。

たとたん、なにを間違えたか犬たち。

そんなお姉さんに向けて一直線。
一挙に襲いかかった。


きゃあ、と悲鳴を上げるおねえさん。

その上から犬と言う犬が一斉に伸しかかっては、
顔から手から、もうしっちゃかめっちゃかに舐め舐め攻撃。

したところ、ぬっと顔を出した土佐犬を思わせる巨大なブルマスティフ、
どけどけ、このオンナは俺のものだ、とばかりに、
やにわに伸しかかっては、いきなり腰をかくかくと振り始めた。

きゃあ、やめて~、と黄色い悲鳴を上げるおねえさん。

がその巨大な犬の体重に押しつぶされて思うがまま。

笑うに笑えず、が、笑うことしかできず、

いい加減に腹の皮がよじれるぐらいに笑い転げた人々が助け起こした頃には、

おねえさん、頭から顔からダウンジャケットから、身体中が犬の涎と雪でぐちゃぐちゃ。

うーん、もう、と思わず人間にするように、そのブルマスティフの横面をぴしゃり。

とした途端、えっへっへ、と笑ったブルマスティフ、

ごめんな、ベイビー、君が魅力的過ぎて、とそのほっぺたにちゅっとキス。

こいつもう、ほんとに~、とその頭を胸に抱え込んでは再び雪の中をごろごろ。

なんとなく、そう、ちょっとエロティック、なんとも淫らな雰囲気。

犬がいれば男なんていらない、という女性が増えているってのが、なんとなく頷けた次第。




プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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