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おじさん怖かったの~小話集 そのじゅういち 「金縛りで筋トレ」

Posted by 高見鈴虫 on 19.2015 大人の語る怖い話

夜更けに目が覚めると、隣りでかみさんがうなされている。

うちのかみさんはもともと異様に寝付きの良い人で、
ベッドに入ったら5秒もしないうちに口を開けて高いびき。
その後はなにをやっても絶対に目を覚まさない、という人なのだが、
そんなかみさんがうなされるなんて珍しいな、と思っていたら、
なんといきなり俺が金縛りにあった。



おおお、これが金縛りというやつか、とちょっと感動したのだが、
身体が動かない上に、なんとなく、妙な気配が顔のすぐ近くにまで迫ってくる。

何しやがるんだこのやろう、と思えど身体が動かず。
それに加えて、うなされているかみさんが気になって、
思わず、てめえ、この野郎、俺の女になにしやがる、
とベンチプレスの要領で思い切り力を入れた。

その頃、せっせとジムに通っていた関係で、
調度良い、この金縛りで筋トレだ、と思い切り力を込めて、
うりゃ~、とやっていたら、そうこうしていきなりすっと、縛りが解けた。

どんなもんだ、馬鹿野郎、おととい来やがれ、
と思ったが、さすがに全身にぐっしょりと汗。

で、かみさんを見れば、なにごとも無かったかのようにすやすやと寝ている。

額の寝汗を拭いて、キッチンで水を飲み、なんとなくやはり気味が悪くて、
ベッドサイドのランプを点けたまま寝た。

翌朝かみさんに聞いてみると、え?なんのこと?とまったくなにも覚えていなかった。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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