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おじさん怖かったの~小話集 そのじゅうに 「盗賊ポリス」

Posted by 高見鈴虫 on 19.2015 大人の語る怖い話


まだハーレムがわりとやばかった頃、
事情があって、帰りがかなり遅くなった。
としたところ、地下鉄の駅で、またいつものやつで改札機が故障。
駅の構内に入れない人々が入り口にわいわいと溜まっている。

としたところ、いきなりラテン系の若い男が、
非常用のドアを押し開けて、
さあ、みんな、こっちだ、こっちから入っちゃえ、と言う。

おお、その手があったか、ラッキー、とみんなでぞろぞろと改札を抜けたところ、

いきなり、N-Y-P-D! なんとお巡りのおとり捜査。



で、そのラテン系のお巡りに騙された人々、
はいはい、みなさん、おとなしくそこに並んで並んで、
と次々にチケットを切られている。

あのなあ、おまえ、警察が自ら犯罪を煽っておいて、
罰金を掠め取るなんて、そりゃいったいどういう了見だ、と文句を言えば、

なぬ?おまえ、俺のやることに不満でもあるわけ?といきなり座った目。

こいつ、怪しいぞ、いきなりボディーチェックをされることになったのだが、

ぬううっ~と突如叫び声を上げて飛び退いたお巡り、

ウエポン! 武器所有~、と大声を上げた、その途端、

周囲にいた人々、ベンチで寝ていたホームレスから、
紙コップで小銭をじゃらじゃらやっていたのから、ラップの兄ちゃんから、
いやあやられたなあ、とチケットを貰っていた筈の数人までもが、
いきなり跳ね起きては、手に手に拳銃を構えている。

動くな、撃つぞ、動くな、撃つぞ!撃つぞ!撃つぞ!
と四方八方から拳銃を向けられて、完全なお手上げ状態。

で、ラテン系のお巡り、その手には、
俺が長い旅の頃からずっとお守り代わりにしていた、愛用の飛び出しナイフ。

てめえ、それ返せ、この野郎、と言った途端、

動くな!動くな!撃つぞ!撃つぞ!撃つぞ!の四方八方から大連呼。

中には方膝ついてショットガンなんてものを構えている奴までいる。

なんだてめえ、と思わず罠にかかった野獣モードの俺、

としたところ、いきなり俺の前に飛び出してきたかみさん、

両手を広げて、撃たないで、撃たないで、この人はなんでもない、なんでもないんです。

思わず唖然としたお巡りたち。

という訳で、日本からの観光客ということで、お咎めは無し、ということになったが、
その飛びなしナイフは没収。

えええ、なんで?とまた文句を言えば、
おまえ、本当にいっぺん撃ち殺してやろうか、と拳銃でほっぺたをピタピタされては、
そのお巡り、手の中の飛び出しナイフをかちゃかちゃやりながら、
ラッキー、良い物拾った、かっちー、と満面に笑み。
思わず、このままちょうぱんぶち込んでやろうか、というぐらいにまで腹が立った。

くそったれハーレム。
お巡りが一番たちが悪いってのは、万国共通だな、とブチ切れまくりっていたのだが、
それ以降、NYPDがどれだけ無茶苦茶な人々か、と思い知らされるにあたって、
あの時は実は本当は運が良かったのだな、と思い返した訳だが・・・

あの飛び出しナイフ、宝物だったのに・・

いま思い出しても腹の立つ事件だった。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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