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誰でもなれるドリトル先生 そのに

Posted by 高見鈴虫 on 31.2015 犬の事情
とまあ、そんな話を犬の散歩仲間にするともなしにしていたのだが、
やはり彼らの反応はと言えば、まったまた~、あるいは、
この人、やっぱり失業中のストレスでオツムいかれちゃったんじゃないのか?
というまじで怪訝な表情。

犬と話ができる?

まっさかあ、な訳であるが、そう、その話をしているのがまさに俺、な訳で、
つまりこの訳の分からないおっさんの戯言。

やっぱなあ、パンクロッカーなんてつまりはそんなものだろう、
ヤクのやり過ぎで頭いかれちゃってんだろうな、と勝手に納得されていた訳だが、
それはつまりは、世を欺くためのブラフ。
つまりはこの反知性の時代を生き抜くための隠れ蓑として超反知性的人間を演技しているだけの話なのだ(笑

とそんな時、できますよ、とうちのかみさん。

え?・・・・

と思わずドン引きする散歩仲間たち、とそして俺。

あの~、と散歩仲間たし。
あんたの旦那がちょっと頭のいかれた人だってのはまあ見れば判るんだけど、
あなた、奥さんまで実はそんな人だなんて、それはちょっと信じられない、という訳なのである。



言わずと知れたこの凸凹夫婦である俺達。
人間に潜むその不条理性の具現化であるところのパンクロッカーである俺、と、
俺のその行かれた部分を補う為に、通常人に輪をかけてまさにまとも人の塊りであるかのような我が妻であるところのうちのかみさん。

見るからに現役国立の歩く勉強メガネそのものの超優等生である訳なのだが、
そのかみさんの口から、いきなり、犬と会話をすることが、可能である、というとんでも発言が転がりでたのである。

え?え?え?いまなんとおっしゃられました?と呆気に取られる散歩仲間たち。

はい、できます、といつもながらに、超明快に返事をするかみさん。

私も鳥の会話が判ります、ととんでもないことを言ってしまった訳だ。

その発言に一番驚いたのはまさに俺。

やばいやばい、俺はとりあえずお前までそれをいったらまずい。

いやあの、そう、そうなんだが、それはほら、普通の人達には言ってはいけないことで。

え?なんて?と首を傾げるかみさん。
そんな俺のうろたえを物ともせず、いいえ、できますよ、犬とも猫とも、と確信を込めて断言するかみさん。

わたしも鳥の会話が判ります。

という訳で、ここまで来たら俺も自棄の悪乗り。

いやあの、つまりはそう、
真面目な話、地球にはしっかりと意思ってものがあってですね。
例えば風の囁きっていうのはつまりは木々の枝の揺れる音で、
その葉擦れの音こそがまさに風、つまりは地球の囁き。
犬も猫も鳥も、全ての生命は同じところでつながっている訳で、
そんな生命の囁きに耳を傾ける余裕がちょっとでもあれば、
それは自然と本当に自然に理解できてしまうと、まあ、それだけの話。

そう、地球は生きてるんですよ。私達はその一部。鳥も犬も猫も人間もその一部なんですよ。みーんな同じなんですよ。

あの~、と散歩仲間。

もしかして・・お二人とも、実はそんな、妙な、しんこーしゅーきょーとかに入っていたりとか・・
と思い切りドン引きしては今にも走って逃げ出しそうな人々。

宗教なんかクソだよ。あれは人間の作ったまがい物。つまりは妄想っていうか、でっち上げの詐欺みたいなもの。

神様はここにいますよ。私達自身が神様の一部なんですから。私達ひとりひとりが神様なんですよ。

ねえ、ブーくん、とかみさん。あんたもかみさまの一部なんだよねえ、と頭を撫でられては、そうそう、と嬉しそうにしっぽを振っている。

げげげ、こいつら、まさに基地外夫婦、と目を丸くする散歩仲間。

でもさあ、とその一人。年の功かさすがにちょっと肝が座っているおばはん。

確かにあんたたちとそしてブーくん、なんかまじめに会話が通じているようなところあるよね。

だって、判りますよ。何言ってるか、とか。判りませんか?犬の言ってることって凄くわかりやすいし。

げげげ、と驚く人々。もしかしてまじで㋖な人々?あるいは、Ωの生き残り?

まあなあ、と俺。

まあ確かに、俺もいきなりあんたがそんなことを言い出したら、おっとこいつ本ちゃんのシャブ中?と、きっと思っていただろしな。つまりあんたたちがなにを考えてるかは十分に理解できる、と。

がしかし、と俺。
ぶっちゃけ地球。実はそれが真実。
それを、宗教なんてところで目に見えるように具現化しようとしたところでその本質がすっかり失われてしまった、とそういうこと。

で、なになに、ヨガやったりとか、テニスやったりとか、そういうことしてるとその神様みたいのが判ってきちゃったりする訳?と要らぬくちばしを挟むおばはん。

つまり実はこういう中途半端な神秘主義者もどきが一番真実から遠いところにいたりする人な訳なのだがな。

そう、タイで、と相変わらず生真面目な優等生そのもので胸を張って断言するかみさん。

タイ?タイのアシュラムかなんかに入ってたの?

いやあの実は、と話をはぐらかそうとする俺に、

私達、無人島にいたんですよ。タイの無人島みたいな島に半年も。

無人島に半年?

あれまあ、と目を丸くする人々。

このバカ旦那はともかく、あなたも見かけによらずいろんなことやって来たのねえ。

普通ですよ、とかみさん。誰でも行けるじゃないですか、タイなんて。

カリブにだって手付かずの島はいくらでもあるし、人間の手のついていないところに暮らしていれば神様はかならず降りてくるよ、と俺。

とそんな俺達のところには、次から次へと引きも切らずに犬達が挨拶にやって来る訳で、いつの間にか自身の飼い主のことさえ忘れて後ろから付いてきてしまう犬さえ居る。

この人、本当に世界中どこに行ってもいつも犬を連れてたんですよ、とかみさん。

犬を連れてた?

そう、どこに行ってもどこからともなく犬が現れて、で、ずっと一緒にいるようになるの。

どこに行ってもって?

はい。タイでもインドネシアでもニューヨークでもカリブに行っても、どこに行っても必ず犬がやって来るの。

まるで守護神ね。犬の神様。

そう、そんな感じ。あたしも最初は驚いてたんだけどそのうちに慣れちゃって。

多分、おれ、前世が犬だったんだと思うわ、と呟けば、全員が爆笑。

いや、そう、まじで俺、前は犬だったんだろうな、と思うもんねえ。

だからあんたは犬みたいな人なんだね。犬よりも犬らしい人だもんねえ。

たぶんね、俺はこの世に、そんな犬の気持ちを代弁するために使わされた犬の使徒なんじゃないかって思ったりもする訳でさ。

例の殺処分反対って奴?

反対ってよりも、それは犯罪。犬を殺す権利なんか誰にも無い。この世に生きとし生けるものはみな平等。その大前提を犯す者はすべて犯罪者。地獄に落ちますってより、来世はぜったいに羽斑蚊のボウフラとかオカメミジンコにされると思うよ。

うーん、やっぱり俺、たぶんITなんて仕事しないで、しっかりと犬の救済活動をするべきなんだろうな。

だから、とかみさん。

そんな無力な貧乏人がいくら犬を救おうなんて言ってもだれも聞いてくれないでしょ?犬を救うためにはあんた自身が誰よりも強くなってその力で弱いものを救わなくっちゃダメなんだっていつも言ってるじゃないの。

そうだよな、多分、そう、その通りなんだよな、

なんて会話を目を丸くして聞いている散歩仲間たち。

まあさっぱり判らないけど、あんたたちが理解不能であるってことだけは理解できた、と。

理解不能?なにが?そんなことさえも理解できない奴がいるってことからして俺には理解できない。
下らないゴシップばっかり追いかけてないで、本を読めよ、本を。

あんたそんなこと言って読んでる本って池波正太郎ばっかりじゃないの。早く仕事でも探しなよって言ってるのに。

へーん、仕事なんていくらでもあるさ。昨日からCまた違う資格の勉強始めたもんね。
この資格取れたら給料また倍額だぜ。

とそこまできてやれやれと苦笑いを浮かべる人々。

まったく訳わからん、ということなのだろうが、訳が判らないのはあんたらの方だ、と俺は勝手に思っている。

という訳でみなさん。
神は実在はしませんが、何故かといえばそれはあなた自身の中に内在しているから。
あなた自身が実は神さまの一部。その声を素直に聞くことから初めてみませんか?

まずは半径数キロ以内に誰もいない自然の中に座ってマリファナをゆっくりと吸い込んで、そしてじっと空を見上げてみることです。

きっとなにかが聞こえてくる筈。

そこでただ素直に心が開ければ、自身が神に愛されていること、そして、自身が神の一部であること、それが体現的に理解できる筈なんだけどな。

がしかし、もしも帰ってこれなくなった時にも、
それはそれでそれがあなたの運命、もともとその程度の生命として生まれてきてしまったのだな、
ってことで諦めるだけの度胸ぐらいは着く筈。

では健闘を祈る、

などといってみても、そう、そんなことがわかったからと言って、実にクソの役にも立たないってことだけは確かな訳で、
そんな暇があれば小銭の勘定やら税金のごまかし方でも考えていたほうがなんぼか生産的ってのはあるよな、確かに。

まあそう、所詮この社会はその程度のものだ。そう、その程度の世の中なんだよね、たぶん。


プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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