Loading…

ジャパン・デイ ~ かっぱえびせんとサッポロ一番

Posted by 高見鈴虫 on 11.2015 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
週末にセントラルパークで「ジャパン・デー」ってな催しがあって、
春の陽射しの中、やれ和太鼓だ盆踊りだAKB48だってな
まあ毎年毎年相も変わらずさっぱり訳の判らないイベントな訳だが、
知人の何人かがボランディアに駆り出されている関係で、
犬の散歩ついでにご挨拶に顔を出して来た訳だ。


で、このジャパンデー。
まあ例年のことながらこのどこか調子っぱずれたイベント、
毎年ながらに色々と思うところはあるのだが、まあ良い。
そう、ニューヨークだ。なんでもありだ、と。

がしかし、ここニューヨークで改めてジャパンというものを垣間見ると、
そこはやはりつくづく「異国」な訳である。

がしかし、そう、
俺達は良い意味でも悪い意味でも、やはりどうしても日本人。
そして日本人である以上、
やはり和太鼓やら盆踊りやらAKB48やら、
あるいはかのアベシンゾーなんてやらの「日本」という十字架からは、
どうしても逃げられない、という訳なのであろうかが、
悲しいことに俺は、そのひとつひとつが、
まさに寒気がするぐらいに大嫌いな訳である。

毎年毎年、このジャパンデーに遭遇するたびに、
そのあまりのおぞましさに思わず総毛立ってしまったりもする訳で、
改めて俺は、何故にこの日本という国の文化がこれほどまでに嫌いなのであろうか、
とつくづく考えさせられてしまうことになる。

がしかし、この調子っぱずれの和太鼓やら盆踊りやらAKBやらアベシンゾーやら、
そんな悪い夢の続きを見せられているような醜悪な風景から、
ふと視線をずらしただけでそこは春のセントラルパーク。
緑の芝生と赤白ピンクに咲き乱れるツヅジとそして花びらの散った桜の残り香。

思わずそんな春の日に当てられながら、
ああ、ここがニューヨークで本当の本当に良かった、
と思い知るわけで、
そんな妙なカルチャーギャップの中で悶々としながらも、
つまりはそう、それがニューヨークという奴なのだ、
とおかしなところで納得をしていたりもするわけだ。

でそんなこんなであらためて凄い人混みである。
しかも中国人ばっかりじゃねえか、
あるいは俺も含めて現地化した日本人ってのはどういう訳か、
中国人に似てくる、というところもあって、
おいてめえ、気をつけろ、俺の犬を蹴飛ばしやがったただじゃおかねえぞ、
と見るからにお知恵の足りなそうな田舎者面に苛立っていたところ、

はいどーぞ、といきなり「EBI-SEN」を手渡された。

EBI-SEN えびせん!

これこそ、まさに、あのカルビーのかっぱえびせん。

思わず一欠片。おおおお、日本だ日本だ、これぞ日本の味だ。
まさに、割りと思い切り本気でかの「かっぱえびせん」の味である。

うーん、やっぱ日本良いよなあ、と関心してしまって、
おい、俺にも一口寄越せ、と恫喝する犬を尻目に、
思わずばりばりと貪り食ってしまった。

ちゅうわけで、家に帰り着いた土曜日の間の抜けた午後。
間の抜けた和太鼓やら盆踊りやらあるいはかっぱえびせんに乗せられた訳でもないのだが、
どういうわけか無性に「インスタントラーメン」が食べたくなった。

インスタントラーメン。

それはまさに幼少の頃から、
日本に居るときにはまさにこればかり、
なにはともあれ、
俺はこのインスタントラーメンを食って育ってきたのだ、
これこそがまさに故郷の味、日本の味そのもの。

改めて言う、
誰がなんと言っても、
日本の味は寿司でも天ぷらでもない。

この、かっぱえびせんとそしてこのインスタントラーメンこそが、
真の日本の味、というやつなのだ。

がしかし、最近、とんと口にすることのなくなったインスタントラーメン。

日本の食卓ではまさに当たり前のように存在するはずのこのインスタントラーメンが、
我が家のキッチンをいくら探しても見つからないのである。
インスタントラーメンがないなんて、おまえ、それでも日本人かよ・・
必死の思いで探しまわった末に、
ようやく台所の戸棚の奥の、非常食の中から、
数年前に買ったと思われるサッポロ一番がひとつ。

おお、サッポロ一番。
まさに日本の誇る世界の味!

その懐かしくも妙な英語の並ぶアンバランスなパッケージに困惑しながらも、
インスタントラーメンと言えば野菜炒め。
お湯を沸かす鍋の隣りでせっせとキャベツを刻んで人参やらゆで卵やらなんてまで作っては、
この日本の味・インスタントラーメンを豪華に食する、ということに相成った訳だ。

で、出来上がったこのインスタントラーメン。
うーん、この匂い、まさに日本の味・・・と思いきや、

正直なところ、一口食ったとたんに、いきなり口がひん曲がった。

なんだ、この、ケミカルな味は。。。

まさに、食品添加物の塊。
120%まるまる純正の、
まるでダイナマイト級の化学調味料の味、なのである。

ここのところすっかりと自然食生活の続いている我が家では、
何から何までオーガニックの無添加、遺伝子組み換え製品は使われておりません、
を徹底して居るわけで、
そんなこんなですっかりと免疫力が落ちていたのか、
この久々に食する日本の味「インスタントラーメン」
そのあまりの凄まじさに、思わず頭がクラクラ。
おいおい、こんなもの食ってまじで大丈夫かよ、
とまさに本気で恐怖を感じるぐらいにまで、
つまりはその日本の味たるインスタントラーメンの毒素に、
すっかりとやられてしまった訳で、
ああ、俺は故郷の味さえも受け付けられないほどに現地化してしまった訳なのだ、
と思う反面、
俺はガキのころからこんなものばっかり食っていた訳か、
といまさらながらに、ぞっとしてしまった訳だ。

とそして、はたと思いついた。
つまりは、MSGハイ、だったんじゃねえのか?

かつて見たあの日本の妙に安定感の失った風景。

電車の中で寝崩れる人々も、
回転間違えたロボットのようなAKBのキンキン声も、
あの妙にクソ意地の悪い慇懃口調から、
ストレスの業火に燃え尽きてしまったような能面顔から、
アトピーに赤く爛れた首筋から、
リスカの跡を隠した長袖のシャツから、
幼気な狂気を秘めたあの喰らい視線から、

その全ては実はまさに、このインスタントラーメンに代表される、
食品添加物にまみれまくったその毒素に犯されきってしまった
まさに、味の素ハイ、の副作用であったのではないのかな。

いまさらながら何故にそんな無茶苦茶が許されてきたのか。
つまりは宣伝広告費によって全ての罪が有耶無耶にされてしまう
あの笑顔のファシズムに席捲されてしまった国。

ちゅうわけで、
和太鼓やら盆踊りやらAKB48やらと、
そして、かっぱえびせんやらインスタントラーメンやらに代表される、
食品添加物てんこ盛りの「うま味」の国・日本。
先のアベシンゾーの演説の印象と相成って、
わが祖国のその姿がまさに遠く遠くガラパゴスの彼方に思われてならないのであった。

友よさらば。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム