Loading…

NAKED AND AFRAID な職探し

Posted by 高見鈴虫 on 20.2015 とかいぐらし


仕事を探し始めた頃、
ああでもないこうでもない、とより好みしては思い悩んでばかりいた時に、
まるで生娘の女子高生になったような気分にさせられた。

その後、
まるで堰を切ったようにかかってくる人材派遣屋の電話に翻弄されながら、
あれもこれも、なんでもいいからアプライして、と言っている時、
まるでおつんでイケイケの実はやりまんお姉さんのような気分にさせられた。

そして、
いつの間にかそんな人派遣屋からの電話もすっかりと鳴りを潜め、
仕方なしにONLINEの求人サイトに自身のレジメをUPLOADしながら、
まるで下着から肌からがすっけすけの透明状態。
売れない娼婦がヤケクソになってこれみよがしに肌を晒しているような、
そんな気分にさせられた。

そんな訳で俺はすでに丸裸である。





WEB上に晒された俺のレジメ。
同じ業界の者なら俺のことはだれでも知っているということか。
昔の同僚から、お客さんから、そんな人々の中からでも、
その気になれば俺のなんでも調べることができるに違いない。

とそうなってから、この時代に生き抜くことの本当の意味での辛辣さを思い知った気がする。

まさに、FULL MONTY というか、そう、NAKED AND AFRAID な気分なのである。

すっぽんぽんか。 もう隠すものも失うものもなにもないというところだろうか。

まるでまな板の上に乗せられた魚のようだな。


という訳で改めて、そんな職探しの段階の中で、
なんとなく女性の気持ちが判ったような気分にもさせられたのだが、

これが職探しならまだしも、生涯就職先相手、つまりは、結婚相手を探している女性たち。

夢見る時を過ぎて花盛りのイケイケ状態から、
いつしか落とし穴に嵌り込んではなんども躓いて裏切られて、
それでも希望を見失わずに果敢なチャレンジを続けては、
そのやる気満々なところに逆に悲しさがにじみ出るようにもなって、
次第に肌の張りも失い小皺が気になり始め、
時の流れの中で現実の世知辛さにしみじみと身を蝕まれつつ、
そうやって日々追い込まれながらもチャンスを探し続ける。

そうか、あのお姉さんたち、あの人達はまさにこんな心境に居たのだな。

女性たちが強くなるわけだ、と思いあたった訳である。

こんな仕事、どうせ無理だよな、という俺に、

え?なんで?駄目で元々でもいってみれば?
もしかしたら面白い話が聞けるかもしれないし、
どんなチャンスがあるかも判らないじゃない。

こんな機会じゃなかったら、そんな人達にも逢えることはもうないかもしれないじゃない?
出会いを楽しむべきよ。そうじゃない?

この女の底知れぬ積極性と、楽観主義。まさに、見習わねば、と思うわけだ。

そう、諦めてはいけないのである。

そして、多少肌を晒したからといって、いちいち傷ついてもいれない訳である。

Naked and Afraid 糞食らえ、と言ったところで、俺はすっかりとおばさん化してきている訳だ。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム