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かみさんの里帰り

Posted by 高見鈴虫 on 23.2015 犬の事情
またまたいきなしかみさんが里帰りをすることになった。

あんなあ、俺が失業中というこの危機的状況の中で、
どういう訳で里帰りなんてことができるわけか、
と言えば、
だって、あんたの仕事が始まっちゃったらそれこそ家を開けられなくなるでしょ?

まあ、そう、そう言われて見ればそのとおり。

というわけで、ブッチ君と俺はお留守番。
かみさんが押入れのスーツケースを出して荷造りを始めたところ、
おろおろとその周りをうろついているかと思えば、
なにがあってもかみさんのそばを片時も離れようとはしない。
としたところ、いきなりクンクンと鼻を鳴らし始めたかと思えば下痢で大騒ぎ。

大丈夫かな。あんまり具合悪そうだったら病院に連れて行ってね、
と言いながらも、そう原因はわかっている。
つまり、そういうことなのだ。

出発当日、早朝に迎えに来た黒塗りのリムジン。
じゃね、とかみさんが乗り込んだ途端にその隣りの席に乗り込んでしまい、
ようやく引き戻せば、走りだしたリムジンの後を追いかけようと無我夢中。
まったく、意地らしいものだ。

でいつものようにパークを散歩して、家に帰って来てからすっと姿が見えない、
と思ったら、玄関のドアの前。
つまりそうやってかみさんの帰りを待つ!ということなのだろうか。

やれやれ、毎度ながらまったく世話が焼けるものだ、
と、空っぽになった部屋の中で途方に暮れている訳である。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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