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すべての希望が潰え去った後にも

Posted by 高見鈴虫 on 10.2015 とかいぐらし
という訳で、
すべての希望が潰え去った後、
傷心の中にまんじりともせずに過ごした夜。

くそったれ、この努力が報われない社会、
とかなんとか、
思わず、胸の内をグーグって見たところ、
ふと転がりだしたこんな言葉。

子供が努力しないのは、努力が報われない社会だから。
子供が勝負しないのは、負けたら終わりの社会だから。
子供が信用しないのは、裏切るのが当然の社会だから。
子供が挑戦しないのは、夢を馬鹿にされる社会だから。
子供が成長しないのは、責任を押し付ける社会だから。

(無断転用ごめんなさい)

そう、まさにこれなんだろうな、と。











と、そんなとき、ふと思い出す数々の面接の席。

そう、あの面接官の中に必ず一人はいた、
あのどうにもビジネス戦士という言葉が徹底的に似合わない、
おぼっちゃま面の、なんというか、アニメ的涙目をしたとっちゃん小僧。

俺のレジメを片手に、はあ、凄いご経歴ですねえ、やら、
いあや、こんな資格をお持ちなんですか、さぞかし御苦労なさったんですねえ、
やらと、お世辞笑いを浮かべながら、
しかししっかりと、口元の端が歪んでいたのは、

明らかに、自分の知らないことを言われるととたんに機嫌の悪くなるタイプ、
或いは、
つまりは、こんな現場あがりの成り上がり野郎に、
おぼっちゃまの特権を奪われてたまるか、という舌打ちか。

あるいは、

このおめでたいおっさん。
この後に及んで、努力が報われるとでも思ってるのか。
無駄なんだよ、家柄と学歴のない奴はなにをやってもさ。
その現実を、思い知らせてやるからそう思え、
なんていう、皮肉な冷笑であったのか。

という訳で、そっか、日本のイギリス病、
まさに、極まれリ、というか、
つくづくとことんどうしようもない世の中になっていたんですなあ、と、
今更ながら関心させられるばかり。

まあしかし、そんなこと今に始まったことではなく、
南米やら中米やらでは、それがもっともっと露骨に残酷にあからさまにまかり通ってしまっている国々を
これでもかと見てきた訳で、
そう、アメリカも日本もつまりは、その程度の国なんだよね、と諦めるしか方法はない、

とつまりはそういうことなのか?


☆☆☆☆☆☆☆☆☆






とかなんとか、愚痴の限りを尽くして朝を迎えた金曜日。
見上げればまさに、罰当たりなほどにスコーンと抜けた夏の青空である。

雲ひとつ無い空から、肌寒いほどに涼やかな風が吹き抜けて来て、
とたんに、さああ、セントラルパークだ、と息せき切って走りだす我が愛犬。

そうだよな、と思わず。

すべての希望が潰え去った後であろうがなんであろうが、
しかし、どんな終末の後にも、明日は必ずやって来てしまうのである。

そしてよりよって、まるで絵に描いたようなあっけらかんとした朝。

少なくともこんな朝に、くだらない愚痴なんか垂れている場合じゃねえよな。

そう、大企業なんて狙おうとした俺が馬鹿だった。
あるいは、会社名やら、タイトルばかりに目の眩んだ俺が馬鹿だった。

家柄と学歴にすがって生きている奴らはそうすれば良い。
俺はそんなものは知ったことじゃねえし、今更気にする柄でもない。

家柄と学歴野郎が、肩書と大企業の看板を振り回すのであれば、
俺は銭。単刀直入に銭だけで世の中を割りきってやろうじゃねえか、と思う。

どんな方法を使っても銭を掴めばそれで上がり。

そう、俺らヤザワ世代の成り上がり思考者は、名声も看板も関係なし。

無手勝流を極めながらどんな方法を使ってでも銭だけを真実として走り続けるしかねえわけだろう、と。

説得するよりは騙せ。
学ぶよりは誤魔化せ。
泣くよりは奪い取れ。
世の中がどうしても努力が報われないようにできているのであれば、
無理矢理にでも報わせてやるのもまた筋だろう。

ちゅうわけで、セントラルパークの芝生の上、
空高くボールを投げあげながら、
やめた、やめた、と高笑い。

馬鹿野郎、学歴だ?大企業だ?肩書だ?

俺はそんなものは屁でもねえ。

貴族社会だ?豪華客船だ?笑わせる。

世の中がどうなろうが俺はそんなもの知ったことじゃねえ。

俺の筋は俺が決める。俺が引き、俺が計り、俺が律し、そして俺は俺なりのやり方で俺の筋を通す。

所詮はヤンキーあがりのバンドマン。

良い子のみなちゃまが、塾通いのお勉強ばかりで、
童貞の臭いちんこを持て余しては、
くちょー、いまに見てろ、良い大学に入って死ぬほどセックスしてやるからな、
とチンカスにまみれて恨み節を募らせていた時に、
俺は単車でかっとんでマッポと追っかけっこしながら、
夜の茅ヶ崎で米軍からくすねたハッパ吸っては、
ライブハウスで汗まみれになってドラムぶっ叩いては、
夜明けの新宿のあの透明な空を見上げて過ごしていたのだ。

そういう俺が今更違う俺になるなんざ、無理も無理。その気もねえって。

ちゅうわけでそう、ここまで堕ちた野良犬であるなら、一生でもその野良犬街道を突っ走ってやる。

改めて思えば、

あの、晴天の霹靂のようにどたきゃんをくれられた米系大企業。

冷静に考えてみれば、あんな仕事そもそもやりたくはなかった訳だろうが。
ただ、これ以上、仕事探すのが面倒だったのと、
あとは、そう、その大企業ってな看板にへらへらしっぽを振っていただけ。

つまりそう、看板に騙されては、これみよがしに金バッチ振り回すアホの真似をしてみたかっただけだろうが、と。

つまりそう、なにがこれほど悔しかったかと言えば、あんな糞会社の糞仕事にさえも見限られたか、という喪失感と、
そして、
そんな会社を宛てにしては、自身の切磋琢磨をサボっていたことに対する自己嫌悪、それだけだろうが、と。

何があっても、俺は俺の筋を通す以上、どんな会社に入ってもなにをやってもやらされても、
通さなくてはいけない俺の筋は変わらないわけだろうが。

つまりそう、あの会社に入れることを宛てにして、もう一つ狙っていた資格の勉強を怠っていた自分自身に対する自虐心、
それ以外にはない訳でさ。

勉強を再開しよう、と思った。
こうなったらもう意地で、できるかぎりの資格を取ってしまおう。
俺にできることはそれだけだ。
自分自身の武器を手に入れること、それだけだ。

やられた、と思ったら負けだ。
やられたんじゃない、自分から怠けてコケただけの話だ。

くそったれ、負け惜しみとでも何でも言え。

ただ俺は、被害者にだけはならねえ。俺は誰にもやられねえ。
俺を倒せるのは俺自身、ただ一人。

全ては俺から始まって俺に終わる。
俺は誰にも縛られねえし、誰にも仕切らせない。
そして俺はそんな俺の一生を俺なりの方法で突っ走って、そして俺なりの方法で勝手におっ死んでやる。

そう、真夜中の藤沢街道を突張してっていたあの頃から、なにも変わっちゃいねえんだ。変える気もねえし、変えちゃいけねえ、と思っている。

くそったれ、笑うなら好きに笑え。俺はただ、ぜったいにこけねえぞ。
負けた、と言うまで喧嘩には負けねえんだ。ばーろー。









プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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