Loading…

アッパーウエストの招かれざる客たち

Posted by 高見鈴虫 on 12.2015 アメリカ爺時事
週末のドッグラン。
いつもながら、はしゃぎ回ったウィークエンド・ドッグたちで一杯か、と思えば、
ふと見れば、あれ、誰もいない。

おかしいな、だったら、ちょっとボール遊びでもするかな、と思って入り口に向かえば、
なんとその中から、ぞろぞろと犬を引き連れた飼い主たちが出てくるところ。

あれ、皆さん、どうしたの?と聞く俺たちの脇をそそくさと逃げるように去っていく人々。

とそんな中に知った顔を見つけて、たとたん、やばい、入るな入るな、ほら、と振り返るドッグランには、
なんと、見るからにゲットーからやって来た風の、金物ジャラジャラ系の黒人男たちと、
そして釘付の太い鎖を巻きつけた巨大なロットワイラーが二頭。



なんだあいつら、見ない顔だな、という俺に、
やめとけ、関わりあいになるな、さあ、行こう、と手を引かれる始末。

まあたしかにな、と俺。

この期に及んで、黒人がどうの、とは言いたくは無いが、

確かに、あんな見るからに私はギャングでございます、という風情のアホ面が、
ヨダレだらけのロットワイラーを連れていれば、これはなにかあるな、と思わない訳にはいかない訳で。

人種差別がどうの、基本的人権の尊重がどうの、ステレオタイプの偏見がどうの、
というのはやはり自身の身を離れた上での戯言で、

いざ、そんな輩が、実質的に自分の身、は良いにしても、
自身の愛犬の身の危険を課してまでも、
誰もが好き好んで、己の、或いは己の犬の危険を顧みずにそんな類と親交を結びたい、などとは思うものか、と。

という訳で、この迷惑な乱入者たち。

なんだよ、へん、俺達が来た途端に誰も居なくなりやがった、と呆気に取られた風ながら、
俺もすたこらさっさとドッグランを後にする訳である。

あのなあ、兄ちゃん。
あんたらがもし本当に他人に避けられるのが嫌なら、もうちょっとは空気というものを読まんかい、と。
その格好でそんな鎖ジャラジャラのロットワイラーを連れていたら、他人に避けられても当然だろうが、と。
或いはそれを知ってのただの嫌がらせ以外なんでもねえじゃねえか、と。

私はギャングでございますという格好をして夜中にポケットを膨らませてウロウロしていたら、
職質のひとつやふたつ受けるのは当然。
そんな輩が、妙に突っかかってきたり、あるいはいきなりポケットから何かを出そうとしたりしたら、
やられる前にやれ、でいきなりぶっ放されるのも当然だろうが、と。
おまわりにだって家族もいれば自分の身は可愛いもの。
お前がおまわりの立場だったとしても、自分でもそうするだろう、と考えねえかな?

とかなんとか考えながらリバーサイドパークを歩いていれば、
埠頭のたもとのフレンチリビエラ風のリッチなカフェテラス。
トランプタワーに暮らすリッチなヤッピーたちのたまり場のカフェのテーブルのその目の前で、
肩に担いだラジカセ!で大音響でヒップホップをガンガン鳴らしているゲットー色むんむんのこれまた黒人の家族連れの人々。

まったくなあ、と。

黒人。お前らにできることは嫌がらせだけかよ、と。

がしかし、
確かにそれを言ってしまえば、ハーレムのゲットーに観光バスで乗り付けて、
ブランド品に身を包んだ観光客がこれみよがしにホームレスの写真を撮って笑っていたり、
ってのも、まあ、嫌がらせと言えばこれ以上ない嫌がらせなんだろうけどな。

まあどっちもどっち、ということなのかもな。

がしかし、俺はとりあえず、この犬の健全な育英を第一優先に考える上では、
やはりある程度の住み分けは必要、と言わざるを得ない、とは分かりきったこと。

黒人の権利の、人種差別撤廃の、警察の横暴の、と、
歯の浮くような言葉を並べる人権保護論者の方々、
そんな知恵足らずのアホのために、あんたの愛犬が闘犬まがいの狂犬に好き放題に噛み殺される様が見たいのか、
と俺はそう言いたい訳だ。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム