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ニューヨーカーの語る、人類史上最高にセクシーな男とは。。

Posted by 高見鈴虫 on 03.2015 ニューヨーク徒然
USOPENの始まったニューヨーク。
このところ職場の仲間たちとも毎日テニスの話ばかりである。

ここニューヨークということもあって、
ほとんど全ての人々が一度ぐらいはテニス観戦、
つまりはUSOPENの会場に足を運んだことがある訳で、

その中には、フェデラーだ、ジョコビッチだ、どころか、
アガシとサンプラスの試合を観た、やら、
エドバーグとマイケル・チェンを観た、やら、
ボリス・ベッカーとイヴァン・レンドルの一騎打ち、
下手をすれば、いまや伝説となりつつある
あの、パトリック・ラフター!を観たことがある、
サイン入りボールも持ってる、なんてことを、平気な顔をして言われると、
ちょっとまじめに首を締めたくもなったりするのだが、

となんだかんだとテニスネタで盛り上がっていた際に、
ふと通りかかったEVPのお偉いさん、
はっはっは、実はわたしは、
マッケンローとビヨン・ボルグの試合を観たのだよ、
と思わず腰が抜けそうなことを言って全員の度肝を抜いては、
はっはっはっは、と高笑いを響かせて去っていく、
なんてことが割りと普通に展開されている訳だ。

さっすがニューヨークだよなあ、と思わず感無量である。

なんて話をドッグランでしていたら、

えっ、あれ、あたしもあるよ、と普段から顔を合わせているレミーままのアリーン。

死んだピーターがああ見えてテニスが好きでね。
USOPENにはよく行ったわよ。

ジョニー・マックとボルグ、
クリス・エヴァートとマルチナ・ナブラチロア、
ベッカーとレンドル、
グラフとモニカ・セラ、
そうねえ、そう言われてみると話題になった試合はほとんど観ていたわねえ。

思わず、んだこのババアは、と思わず目が真ん丸である。

とそう言えば、そこで泥だらけのボールを拾っているチェシーの飼い主のエレンなどは、

ストーンズどころか、ジミ・ヘンドリックスを観た、やら、ジョン・コルトレーンを観た、やらと、
まさにとんでもないことをさらりと言ってしまうもので、
このニューヨーカーたち、まさに世界の歴史のその瞬間に思い切り首を突っ込んでいる輩が実に多い。
という訳で、テニスの話からいきなり急転換してロックスターの話である。

ミック・ジャガー?キース・リチャーズ?
そうねえ、でも、そう言われてみれば、やっぱりわたしはエルヴィスよねえ、とアリーン。

エルヴィス?エルヴィス・コステロ?

なに言ってんのよ、アメリカでエルヴィス、と言えば、プレスリーに決まってるじゃないの。

プレスリー?プレスリーを観たことがあるの?

あるわよ、もちろん。大ファンだったんだから、
と、まさにとんでもない、とんでもない、とんでもないクソババアである。

だったら、と思わず。

もしかして、ビートルズのシェア・スタジアムは?

ビートルズは観なかったけど、ジョン・レノンならねえ、とエレン。

ああ、ジョン・レノンは良く見かけたわねえ。あの鼻の大きなクソ男。

クソ男?

そうよ。あのジョンレノンんでしょ?
クソッタレもくそったれ。凄く嫌な奴だったわよ。

そうねえ、確かにあんまり態度の良い人じゃなかったわよね。

撃たれて死んじゃったからまあいまはあれだけどねえ。

ジョン・レノン。あの男は正真正銘のくそったれよ。物凄く態度が悪かったわ。

とそんな話題を小耳に挟んだ超猛犬・サリーの飼い主のジェニー。

なんだって?なにがジョンレノンだって?笑わせるわよ、とついに大御所の登場である。

このまるでホームレスのババアのような風体ながら、
元はと言えばブロードウエイの大女優。
と同時に、元ベトナム反戦の活動家であり、民主党の顔役でもあるこのジェニー。
毎年彼女の主催するクリスマス・パーティにはまさに、
テレビや映画で観たことのあるひとがうじゃうじゃとやってくる訳だが、

その中でも、うっしっしっし、実はね、と含み笑いをしながらの一撃。

実はわたし、アルフレッド・ヒッチコックとディナーを食べたことあるのよ。
アルフレッド・ヒッチコック。。。。。 それってまさに有名人というよりは歴史上の偉人ではないか。。

それを言ったら、あたしゃあの次期大統領になるかもしれない、なんてことはワニが逆立ちしても絶対にないだろうけど、
あのドナルド・トランプとなら何度でも飯を食ったわよ、ガハハハ、と高笑いのアリーン。

と、そんなとりとめのない話の続く夜更けのドッグラン。
そんな筋金入りのニューヨーカーである三人の魔女に、
♪ダーブル・ダーブル、トイル・アン・トラブル♪
あんたらの会った歴史上の人物のなかで、一番セクシーだった男は誰だ、

と聞いてみたところ、それはねえ、と三人顔を揃えて、うん、と確信の笑い。

それは、ビル、よ。
そう、ビル、決まってるじゃない。
あの人よりも格好良い男は、この世にはいないわよね。

ビル?
ビル・ワイマン?まさか。。ビル・コスビー、ありゃだめだ。ビル・ブラッフォード?なんて知ってるわけ無いし、
ビル・エヴァンス?あれはまざこんだ。ビル・ロビンソンは人間風車、ビル・ゲイツ?あれがセクシーだなんて誰も思わない。

だったら、誰?どのビル?

あんたバカねえ、と三人の魔女。

ビル・クリントンに決まってるじゃないの。

ビル・クリントン。クリントン元大統領?

そうよ。決まってるじゃない。どんなスポーツ選手だって、どんな映画俳優だって、
モデルでもロックンロール・スターでも、この世の男という男の全てを合わせても、
あのビル・クリントンの前ではただの鼻くそよ。

そっかあ、ビル・クリントンかあ。

という訳で、いきなり三人の魔女がわが犬・ブッチを振り返る。

そう、ビル・クリントン。
ブッチ、あんたは、人類史上一番セクシーな男に頭を撫でられたのよ、判ってるの?
このハンサム・ボーイちゃん。

という訳で、
ああ、このブッチの頭をあのビルが撫でたのねえ、
と溜息をつく三人の魔女たちに代わる代わる頭を撫でられながら、
訳もわからずニヤニヤ笑いのブッチ。
んだよ、このばあさんたち、ひとの頭撫でるならなんかおやつくれよな、と早くもおねだりモード。

ってな感じで、いやはや、相変わらずのニューヨークなのである。
そんなとりとめのない話の中に、まさにとんでもない人物がボロボロとこぼれ落ちてくる訳である。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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