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お礼参りのチャンスを待て!

Posted by 高見鈴虫 on 27.2015 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
かみさんの友人の働く日系企業の職場にイジメがあるのだそうだ。

ってことはイジメってのは知恵足らずのガキの専売特許って訳でもないらしいな。

でどんなイジメにあってるわけ、と聞けば、

中傷メールを送られたり、グループ・チャットに一人だけ外されてそこで悪口を言われたり、とか、そんなことらしい。

ああだったら、毎朝会社の前で待ち伏せをされてカツアゲされたり、
非常階段に呼び出されて火の着いたタバコを押し付けられたりとか、
まあそんなことじゃないんだな?だったらいいじゃんか、死ぬわけじゃあるまいし。

と言ったところ、あんたつくづく馬鹿ねえ、と隣りのかみさんにテーブルの下で足を蹴られた。

で、さあ、それをやってるのが実は男の子、っていうか、まあおっさんな訳なんだよね、とのこと。

おっさん連中が寄ってたかって中傷メール出し合って悪口書き込み合ってるって?それは笑わせる。

つまりさあ、日本の男って、すっごく女の子化っていうか、まあそう、おばさん化してるんだよね、とのこと。

そっか、日本人総おばさん化って訳なんだな。まあそう、確かにそういう雰囲気はある。

で、なぜ日本人がおばさん化してしまったのか、と言えば、つまりは無礼講がなくなったからだろ?


無礼講?

つまりほら、昔の日本の会社には無礼講ってものがあってさ、
忘年会やらなにやらの席で、さあ、今日はもう無礼講で行きましょう、
なんていう、つまりはフルーツバスケットがあった訳だろ。
で、まあ、確かにその無礼講の席で本当に無礼講してしまう馬鹿も居なかった筈なのだが、
一応建前上は無礼講とされた以上は、実際に無礼講的な行動が行われたとしても、
誰にも大手を振ってそれを非難することは出来なかったわけで。

という訳で、なにをぐちゃぐちゃ言ってるのか判らないけど、なにが言いたいわけ?

ときかれて、

そうつまりは、うっし、無礼講、となれば、この邪魔なテーブルを片付けて、
で、ここで勝ち抜きプロレス合戦、と行きましょう、
なんて奴が現れる訳でさ。

で、普段からグチグチと細かいことばかりでうるせえ糞上司を、さあ、まずは相手はあんたです、
さあどうぞどうぞ、リングにお上がりください、と引っ張りだしては、カーン、と勝手にゴングを鳴らして、
いきなりウエスタン・ラリアート。

まっさかあ!

いや、まじでそういうことがあった訳で、まあやった奴はもちろん辞めることにはなったが、
あれは面白かった。部長も課長も笑っていたしな。

という訳で、無礼講でなにされるか判らない、と思ったら、そうそうとつまらねえイジメをやらない訳だろう。

とかそんなこと言ったらだ、

俺はそう言えば、学校の先公にくだらねえ説教をくれられるたびに、思わずニヤニヤしちまうところがあってよ。

この糞野郎、卒業式のその日には、いったいどんな目に合わせてやろうか。

ただ、便器で顔を洗わせたり、殴る蹴るの袋叩きなんてだけじゃあ芸がない。面白味が無さ過ぎる。

どうせなら、あの玄関脇の苔だらけの池で泳がせてやろうか。

裸で校庭を走らせてやろうか。

簀巻にして屋上からぶら下げてやろうか。

ああ、くそう、早く卒業式にならねえかなあ。待ちきれないぜ。

とまあ、そういうことを考えては思わずニヤニヤしながら、先公、頑張れ頑張れもっと説教くれろや。
てめえのむかつきスタンプ一冊分集まったら、ボーナスポイントげっとだぜ。
顔中青タンだらけにした末に、すっぽんぽんにして街中を単車の後ろで引きずってやらあ。

とかなんとかさ。

ただ、それがあるから教師は教師で暴走を自粛していたってこともあるわけでさ。

まあしかしそう、
現実には、俺ら不良グループは一切合切、卒業見送りなんてことにされて卒業式は自宅謹慎。
噂の立った教師は学校を休み、校門の前にはパトカーがずらりと並んで、なんてことになった訳でさ。
今考えてもむかつく、というか、あそこでぱーんとしっかりとフィナーレが飾れなかったが為に、
その恨みが後々まで尾を引いちまったってのもあるんだがよ。

つまりそう、卒業式のお礼参りを禁じられた学校では教師が暴走し、
悪戯におばさん的な重箱の隅を突くような管理ばかりを強化させた学校では、
イジメがますます陰湿化してゲーム化して、
で、無礼講の無くなった会社でも、まったく似たようなことが起こっていると。
これつまりは、男の子の唯一絶対の武器である拳による制裁、を奪い去ってしまったことによること。
牙を抜かれた野獣が、自傷行為に及ぶのをまったく同じ理屈だろうが。

全く馬鹿馬鹿しいのにも程があるぜ。

と言った俺に、あんたねえ、と呆れてものも言えない、というかみさん。

卒業式にお礼参りを企むような人とか、
会社の飲み会でプロレスをやりましょう、なんて人は、そもそもいじめられたりしないのよ。
それができない人が、イジメの対象になるんじゃないの。まったく馬鹿ねえ、あんた。

できねえなら、できるようにすればいいじゃねえか。プロレスの練習するとか空手の教室に通うとかさ。
そういう努力をしないで、虐められました、なんて泣き言並べてるのは並べている奴の努力不足。
逝ってよし、ってところだろう。

でもさあ、そういうことを言ってるあなた、会社で虐められない?それこそおばさんの権化みたいな上司とかに?

と聞かれて、まあ確かにな、と。

まあ確かにそういうこともあるかも知れないが、まあ俺には俺の目標がある訳で、
その俺なりの目標に向けて、勝手に突っ走っているわけだから、
周りで誰がなにをしようがあんまり気にしねえってこともあるしな。

その目標ってのはなんなの?

決まってるじゃねえか、強くなること、つまりは仕事覚えることだよ。

仕事覚えてひとりひとり追い抜いて、追い抜くたびに思い切りコケにしてやってさ。
いままで先輩づらしていたぶってくれてありがとうよ。
これからはきっちりと倍返し、三倍返しにさせてもらうぜ。楽しみにしてろよな、とやってやるわけだよ。
面白いぜ、みんな辞めてくけどな。

つくづく馬鹿ねえ、あたしもう帰る、と立ち上がったかみさん。

あっ、おまえ、支払いまだじゃねえか、おい待てよ、俺金持ってねえんだよ。


という訳で、教育的指導だ?イジメだ?くそくらえである。

弱いやつがやられるのはこの世の常。

やられたくなければ、やられないように強くなる以外に生き残る方法はない。

どんな方法を使っても、なんらかの方法を使って、なにかにおいて強くなれば良いのである。

そしていつか、お礼参りで倍返しにしてやるだけの話だ。

喧嘩で勝てなければ勉強をして弁護士にでもなれ。

あるいは歯医者にでもなって、いつかそのいじめっ子が腫れた奥歯に泣きながら現れた時に、
麻酔をしないで引っこ抜いてやればいいじゃねえか。

いじめられっ子のあいつが、登校拒否の間にオンライントレードで一億稼いで、
その金でフェラーリ買って街中をぶっ飛ばしてる、なんてなかなか格好いいじゃねえか。

まあそう、生きてさえいればいつかはきっと、お礼参りのチャンスはある。

目の前のくだらねえ先公に、卒業式でどんなことをしてくれようか、と思っていたように、
その怒りと悲しみ。苛立ちとむかつきと悔しさを糧にして、
なにかで思い切り強くなればいいんだ、それだけの話だろ、と。

ただ、まあくれぐれも下手は踏むなよ、とそれだけは言っておく。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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