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パリからのIMOK

Posted by 高見鈴虫 on 16.2015 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
土曜日の夜更けになって、
たまたま休暇でフランスに滞在中であった友人から、
IMOK のメッセージが届いた。

言わずと知れたパリの事件である。

聞けば聞くほどに陰惨な事件だ。

ロックコンサートの鮨詰めのオールスタンディングの会場で、
無闇矢鱈に機関銃を乱射して自爆?
ありえねえ。

嘗ての友人でも、全米ツアー中に興奮した客が拳銃をぶっ放し、
逃げ惑う客たちを尻目に演奏を続けたら、
終わった後に死ぬほど怒られた、
なんて話を聞いては、
そんな笑えないことに大爆笑をしていたり、
なんてのがまあロッカー冥利という奴なのだが、
機関銃乱射で自爆とは。

ロックが馬鹿の馬鹿による馬鹿のための音楽、とは知ってはいながら、
これはこれは。。。
いくらなんでもやり過ぎ、じゃない、やられ過ぎである。



という訳でその主役たる愛死主である。

まさに世界の目の上のタンコブというよりもすでに悪性の腫瘍と化しているこの愛死主。

がしかし、この愛死主。

黒装束の衣装と言い、新車のTOYOTAでまとめた装備と言い、
なにからなにまでアニメちっくというか、まあ、そう、つまりなんか違う人々である。

これまでテロリスト、と言えば、一種虐げられた者達の代弁者。
まつろわぬ者共の代表であった訳で、
その昔には、嘗てのキューバ革命の雄・チェ・ゲバラやら、
サパティスタ民族解放軍を指揮したマルコス副司令官を例に上げるまでもなく、
なんとなくロックチックに、格好良い存在でもあった筈である。

その後のオサマ。言わずと知れた911の首謀者とされたアルカイダの怪人。

彼にしたって、そのあまりにもハリウッドチックに悪のカリスマ的な風貌やら、
アフガンの岩山の洞窟に暮らす禁欲主義者的なイメージもあって、
そう、つまりは、アメリカの覇権主義の皺寄せを喰って損ばかりを食らい続けてきた、
虐げられた者達の怒れる代弁者、的なところがなきにしもあらず、であった筈である。

がしかし、そう、で、今回のこの愛死主。

そんなこれまでのテロリスト、つまりちょっと見、もしかしたら見方を変えれば
それなりに判らない訳ではない、というか、つまりはアンチテーゼのダーク・ヒーロー足りうる
なんらかの必然性があったり無かったりしたわけだが、
そんななんとなく的なテロリスト像とはかなりはっきりと一線を画する。

つまり、この愛死主。
なにからなにまで何一つとして格好良いところがなんにもない。
ヒーローでもなければ主張や正論さえもなく、
つまりは、徹底的に頭のずれたキチガイ。
誰一人にも何一つとしてなんの弁解もしようもない程に、
一から十まで、ただのアホ、徹底的に宇宙人的なまでに、
訳の判らない悪者の中の悪者、
その辺りでだみ声を上げる、ホームレスの酔っぱらいと大した変わりがないじゃないか。

という訳で、彼らは、共感を求めてはいない。
彼らは、支持者を求めてはいない。
彼らは、同情もシンパシーも、哀憐も、なにひとつしてしてなにも求めていない。

こんなテロリスト、いままだに居なかったよな、と思う。

そう、テロリストと言うからには、そこにはなんらかの目的というか主張がある訳で、
そこにはやはり、アンチの中で生きる反逆者としてのヒロイズム、のようなものが、
確実に存在していた筈なのである。

愛死主にはそれがない。徹底的に頭すっからかん、そんなテロリスト、確かに今までとはまったく違う。

という訳で、なにがそこまで愛死主を別な存在に仕立てあげているのか。

言わずと知れた「銭」である。

愛死主は金を持っているのである。

金持ちのテロリスト?

確かにそんなものはいままでに居なかった。

金を持っているならそもそもテロなどする必要などないではないか。

つまりそう、これまでのテロリストの主張の最もたるものは、
つまりは、貧困に根ざした世の不公平に対するアンチテーゼであった訳なのだが、
そう、そこが、この愛死主があまりにも新しすぎ、そして訳の判らない集団にしているその最もたる理由なのである。

愛死主は金を持っている。
なんと言っても新車のTOYOTAのオンパレード。
最新鋭の武器に、揃いのユニフォームに、
そしてSNSを通じて世界中から公募する義勇兵には高給待遇、
つまり誰彼構わず給料を払って雇い入れ=リクルートしている訳である。

そんなテロリスト、いままでにあったか?
いあやあ、ないない(笑 あるわけ無いって。

という訳でこの愛死主。

なにからなにまで型破りの成金テロリスト集団な訳だが、
その豊富な資金源に物言わせてやることが派手、そしてエグすぎる。
まさに、その行動は一貫してなんの政治的なプロパガンダもなく、
ただただ世界の嫌われ者たらんとしている訳で、
その一分の隙もないほどの徹底的な㋖ぶり。
なんというか、まあ、言ってみれば、
なにからなにまでがハリウッド的であったアルカイダに比べ、
この愛死主、まさにアニメちっくな程に幼稚じみていて、まさにここまでくればファンタージーである。

そう、愛死主の中心にあるのはこのファンタージーなのであろう。

つまり一から十まで徹底的な絵空事、な訳で、そこには現実感などみじんもないわけだが、
しかし、世のアニメおたく的な引きこもりのガキに共通するように、
その身も心もどっぷりとファンタージーに浸れる為のライフライン、
つまりは、そのもっとも現実的な「金づる」をしっかりと掴んでいる訳である。

まったくもっておいおい、だよなあ、と思わず苦笑いである。

嘗てのロッカーたちが、ベトナム反戦から始まるアンチを唱え、
或いは、東西冷戦に向けて果敢に挑み、
あるいは、パンクロッカーたちが、サンディニスタやらサパティスタに深く関与しては、
より社会的・政治的な部分においてのメッセージを送り続けていたのに対し、
そんなロック界からちょっと横道に逸れまくっていたヘビメタという人たち。

いきなり、悪魔崇拝やら、ゾンビーやら、とまったく訳の判らないことを言っていた訳で、
お前ら、新聞ぐらい読めよっていうか、まじ、漢字とか読めるわけ?
という次元のまあ知恵足らずたちの音楽であった訳だが、
そう、この愛死主。
まさにその根本にあるのは実にそのヘビメタ的悪魔信仰的な、
つまりは新聞も読めないアニメオタク的な知恵足らずファンタジー主義とどっこい、という気がして、
まったくもって訳判らない訳である。

という訳で、毎夜毎夜の猛犬パーティ、
集まった口数の減らないユダヤ人達、
つまりはそう、古き良き60年代に、
ベトナム反戦の闘志として華々しい青春を送ったジジババ連中、
そんな奴らが揃いも揃って今回に限っては、

まったくこの愛死主っていったいなんなの?

と呆れ顔を通り越してまさに、オツムてんてん。

とそんな中、事情通を自称するジャーナリスト上がりの皮肉屋氏からきつーい一言。

なにからなにまでが茶番だよな、確かに、と最もな御言葉。

だってさ、考えても見ろよ。

愛死主が金を持っているのはなんでだ?

そう、イラクの油田をぶん盗ったからだろ?
だが、そのイラクの油田、持っているだけじゃあ金にならないよな。
つまり、そのイラクの油田から出た石油を、誰からしらが買っている訳だろ。

愛死主がそれほど危険な存在なのだとすれば、
わざわざ空爆なんてやらないで、
つまりはその愛死主から石油を買って奴らに、
愛死主から石油を買うな、と言えば、それですむことじゃないのか?

まあ確かにそのとおりな訳である。

愛死主、憎し、恐ろしき、との声はヒステリーに響き渡れど、
世界中で、誰一人からも、

で、ところで、愛死主から石油を買ってるのって、いったい誰なの?

というその一言がどこからも聞こえてこない。

だからそれをサウジが買い取って、で、サウジはそれを抱き合わせで売っている訳じゃないのか、と言えば、

ふふーん、本当にそうかな?と皮肉屋氏。

つまりな、金=経済、石油やら株価やらと、
世の中の人命やら、社会正義やらってのが、
これほどまでに離反してしまったことは無かった、ってことなんだよ。

或いはその二枚舌的な構造が、これほどまでに露骨に、
あるいはそう、茶番的なまでにあからさまに露呈してしまったってことはいままでに無かった。
まったく馬鹿馬鹿しいにも程があるってところだ。

という訳で、一同が目が真ん丸。まあ確かにそうだわなあ、と。

で、そう、誰なの、その愛死主から石油を買っている人たちってのは?

つまりほら、愛死主やらのテロリストを支援しているアフリカやらの貧しい国々の、と言えば。

まっさかあ、と笑う皮肉屋氏。

そんな奴らに石油を渡したって、金なんか入る訳ないじゃないか。奴らもそこまで馬鹿じゃない。
っていうか、愛死主の目的は貧民救済でも、経済格差の是正でも、人民の解放でもなんでもない。
彼らの目指しているのは覇権主義なのだ。
つまり、金持ちが、より欲張りにより金持ちになろう、としている、ただそれだけなんだぜ。
そんな奴らがアフリカ救済?笑わせる。

じゃあなんなの?誰が愛死主をサポートしているんだ?

だから、と皮肉屋氏。判らないかなあ。いるだろ、愛死主の他にも、
いきなり転がり込んできたあぶく銭にのぼせ上がって、世界制覇だ、なんてぶちあげている百姓がさ。

え?つまり・・・・ちゃ・い・な? まっさかあ!!

あのなあ、お前が思ってる以上に、あのちゃ・なんとか、はまともなオツムはしていない筈だぞ。
そう、つまりはファンタージー。
イニシエのイスラム帝国も、かの、中華思想も、
そして、まあこう言ってしまうとくどいが、ナチスの第三帝国も、
ぶっちゃけて言えば大して変わらない。

つまりはなんの根拠もないファンタジーそのもの。

そう、で、この時代になってまただ。
同じ次元の奴らが同じ次元のところで、世界新秩序、なんてところに口を挟もうとしているだけの話でさ。

なんか、できすぎと言えば出来過ぎ過ぎなんだが。。。

いまに判るさ。そう、世界のマスメディアがもうちょっとまともになれば、

と言うか、ぶっちゃけ、世界の人々のオツムが、もうちょっと、
少なくともここにいる犬たちぐらいにまで、
ちょっとばかり知恵が回ればってことなんだけどね。

まあ、無理か。そう、無理だろうな。
株価なんだよ、株価。
全ての人類が一番気にしているのは、人命でもテロの恐怖でもなんでもない。
そんな馬鹿げた奴らに自爆テロの起爆装置を握られてしまった世界経済、
その根本にあるのは、まさに株価の動向、それだけなんだよ。

そう、なにからなにまでが馬鹿馬鹿しい。茶番っていうのはそういう意味なんだよ。

なんともまあ。

という訳で、とばっちりを喰った人々には本当にお悔やみの言いようもないが、まったくもって、一から十まで徹底的に馬鹿馬鹿しいってのが俺の感想だな。

という訳で、苦笑いを浮かべて砂を蹴る人々を尻目に、じゃ、また、と犬を呼び寄せて夜道に消えてゆく皮肉屋氏。

なんとなく・・と思わず。
なんとなくそれって、人類の限界という気がするな。人間と言う種の底が開けてしまったというか、
つまりそう、もう人間なんて生き物、この地球からいなくてもよくねえ?と思ってしまったりする訳でさ。

秋風が身に染みる中、思わずくしゃみを一つして、くそったれ、と呟いて今夜の犬の散歩はお開き、となりました、とさ。

おしまい。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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