Loading…

たかがジャズ だからこそのジャズ

Posted by 高見鈴虫 on 26.2015 音楽ねた
厚かましさだけが取り柄の俺は、
ことジャズのライブに行った際、
気に入ったミュージシャンがいればなんのてらいもなく、
よおよおよお、と訪ねて行くことにしている。

まあ俺のことだから、
それほどまでに気に入るミュージシャンと言うのはおしなべてドラマーな訳で、
古くはあのエルビン・ジョーンズ、あるいはトニー・ウィリアムスなんていう伝説の巨人から始まって、
デニス・チェンバーズからデイブ・ウェックルからダフニス・プリエトから、
そんな人々にさえ、よおよおよお、すっげえ良かったぜ、と握手を求め、思わずハグをして、
全身から滴る汗にびっちょりと浸ってしまったりもする訳である。



とそんな中、やはりどうしても大好きなドラマーってのが居るわけで、
そう、今的には、やはりブライアン・ブレイド、そして、一種その対極に当たるジェフ・バラード。

ギグが跳ねて暫く経って、楽屋から機材の片付けに戻ってきたブライアン・ブレードに、
ステージの袖から、ねえねえ、すごかったよ、こないだウェイン・ショーターにも行ったんだぜ、
ジョシュア・レッドマンとはいつやるの?やっぱりブラッド・メルドーとはもうやりたくない?
なんて話を割りとずけずけとしてしまったり、
或いは、あのジェフ・バラードである。
楽屋口まで訪ねて行っては酔っぱらったお上りさん宜しく、
ジェフ、俺はあんたが好きだ、誰がなんといってもあんたが好きだ、
と、バンマスのブラッド・メルドーやら盟友たるラリー・グランディールやらが
思わず苦笑を浮かべているのも気にも止めず、
ジェフ、俺はあんたが大好きだ、世界で一番好きだ、そのために日本からやってきたんだ、
とかなんとか歯の浮くような大賛美を繰り返しては、
思わずそのまま楽屋に招き入れられて一緒にハッパを回してご酩酊。
ジャズ・ドラマーというよりはそのあたりのチンピラ、
良くて場末のバーテンダーか用心棒、なんていう風情の、
まさに絵に書いたような不良ハゲ親父にさかんに絡みついては、

ねえ、スティックどうやって持ってるの?なんですぐ落とすの?
なんてことまで口走ってメンバー全員が大爆笑、なんてことさえもあって、
まあそう、つまりはニューヨーク。あるいはジャズ。
そうこの街においてジャズなどその程度、あるいはドラマーなんてそんな程度、なのであり、
そしてやはり、だからこそのジャズなのである。


という訳で、ジャズファンの皆さん。
ニューヨークのジャズっていまだにそんな感じです。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム