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いままで観てきた人の中で一番格好良かった人は誰?

Posted by 高見鈴虫 on 30.2015 音楽ねた
ついこないだのホーム・パーティの席で、
日本のロックファン、なんてガキから、

いままで観てきた人の中で、
一番格好良かった人は誰?、と聞かれて、

思わず、シゲルさん、と答えてしまった。

見るからに遅れてきたビジュアル系のそのガキ、
X-JAPANの誰々とか、ラルクのなんとかさん、とか、
或いは、TMなんちゃらの、、ボーイの、ミスチルの、やら、
ヤザワのショーケンの、なんて、
まあそういう答えを期待していたのだろうが、

俺はそう、実はそういう人ではない。

シゲル?シゲルさんって?

と聞かれて、決まってるじゃねえか、アナーキーの仲野茂だよ、と一言。

まさか、とそのガキ。

どこで聞きかじったのか、俺の経歴をある程度知っていたらしいそのガキが、
憧れの大スターの後光に預かりたい、とでも思っていたのだろうが、
つまりそう、俺はそういう人ではない。

確かに嘗ては、このガキが実際に見たら座り小便をしそうな連中とつるんでいたこともある。
伝説の、やら、今となっては電話どころか、取次さえもして貰えないだろう銀幕の大スター、
あるいはどこぞの大先生、なんてのになっちまった奴らもちらほらいるにはいるが、

だがしかし、そんな連中を全てひっくるめても、

そしてあろうことか、あのローリング・ストーンズやらとくらべても、

やはり俺的には、一番格好良かった人は、まさしく、アナーキーの仲野茂、これを置いて他にはいない。

足が長いの短いの、背が高いの低いの、お肌が綺麗だ、髪の形がどうだ、ファッションセンスがどうだ、
そんなものはすべて、完全にぶっちぎった上で、

仲野茂、あのひとだけは、まさに本気の本気で、超絶に物凄く格好良い人だった。
少なくともあんなだった俺達に、思い切り何かを与えてくれた。

アメリカに来てすぐに、イギー・ポップのギグに行ったことがあったのだが、
イギーはイギーで凄く良かったのだが、やはり、俺的な正直な感想では、

やっぱ、アナーキーだろ、な訳であった。

そう、野音のショーケンも、マジソン・スクエア・ガーデンのストーンズも、
アーヴィンプラザのイギーもローズランドのレニー・クラヴィッツも凄かったが、
やっぱり、新宿ロフトのアナーキーでしょう。あれ以上のライブは絶対にありえない!

えええ、どうして、とまったく納得のできない、というガキ。

シゲルはな、俺達の、まさに俺達の等身大のヒーローだったんだよ。

アイドルでもねえ、スターでもねえ、
ただ、アナーキーのシゲルこそは、
生身の人間として本気の本気で憧れることのできた、
本当の本当に格好良い人だったんだよ。

見た目に騙されちゃいけない。タレントロボットの幻影やら喧伝に騙されちゃいけない。

シゲルはそう歌い続けて、そしてたぶん、いまもあのままの人だ。

そんな奴が他にいるか?シゲルこそは真実なんだよ。
そうあり続けようとしてくれた、類まれな正真正銘のパンカーだった。

と、熱く語るこの糞オヤジを差し置いて、

なーんだ、つまんねえの、とガキはいつの間にか姿を消していた。

ちゅうわけで、現在のロックファンのガキってのは、
ロックってものに全く別のものを見てるのだろう。
つまりは、幻影、つまりはそう、タレント・ロボットなのだな

自ら率先して幻影に騙されようとするガキ。

それこそがまあなんというか、ロックが潰えた一つの象徴的原因であった気がする。

という訳で、日本のロック史上、最初で最後の等身大ヒーローであった仲野茂さん、

誰がなんと言おうと、アナーキーこそは日本一、世界一、
と言い続けることが俺の俺による俺のためのロックであると再認識した次第。

という訳で、最近のガキ? クソッタレ、知った事か。

俺たち最高、YEY アナーキー、俺達こそ真実、の天皇ぴー、どどんどどんどんどーん!

一生やってやらあ、と思っていた訳だ。


プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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