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仕事が大変でテロどころではない

Posted by 高見鈴虫 on 01.2015 アメリカ爺時事
パリの例の事件から、
ここニューヨークも非常事態宣言であるらしい。

なのでお前も気をつけろよ、なんてメールを貰ったのだが、
正直に言って、仕事が大変でそれどころではない。

そう言えば彼の911の朝にも、
シニョール、何やらニューヨークがたいへんなことになってますぜ、
なんて騒いでいる奴らに、
うるせえな黙ってろ、俺はそれどころじゃねえんだ!
なんてたってこの俺が三日前に設置完了した筈のワートレのサーバにRDPできねえんだ、
と一人で焦りまくっていたという、
どうにも洒落にならない茶番劇なんてのがあったかなかったか。

という訳でそう、あの911の時にも正直なところ、
テロリスト? 世の中には随分と暇な奴らがいるものだな、
などとちょっと感心していた覚えがある。

のちにそれが世界中がぶったまげてしまうようなビッグ・ビジネス、
つまりはその筋の方々の超ボロ儲け商売の幕開けであった、
などとは露とも知らずに、ではあったのだが。

という訳で、今回に限らず、
俺から言わせれば世界中のほとんどの人々は、
正直言ってテロリストどころではないのである。

敢えて言わせてもらえば、
この地球上の殆どの人々は、
今日一日の仕事を終えるだけで精一杯。

それが資本家の悪巧みであろうが、片棒かつぎであろうが、
悪のスパイラルであろうが、いけいけバリバリであろうが、
小市民であろうが大市民であろうが、
勝ち組であろうが負け組であろうが、
取り敢えずはいま与えられた仕事をこなさなければ家に帰れないし、
金も貰えず飯も食えず家賃も払えない。

もっと身体に良いものを食わなければ、やら、
もっと職場に近い所に引っ越せば、やら、
或いは、
もっと世のため人のためになる仕事がしたい、
などというのは、
取り敢えずは今日という日をクリアして初めて言えること。

ああ、こんな馬鹿げたことをいちいち続けていて何になる、
やら、
もっともっとでかい仕事ででっかく儲けようぜ、
なんてのは、
今日一日の仕事から解放、あるいは見放された、
金持ちのドラ息子の引きこもりや、
あるいは、仕事にあぶれたプー太風情の言うことであって、
この世を支える殆ど全ての人々は、
それが悪循環であろうが、なんだろうが、
身体に良かろうが悪かろうが、
取り敢えずは食えるものを食い、寝れる場所で寝て、
そして明日の仕事に備えなくてはいけない、
というただそれだけの毎日を送っている、筈なのだ。

それが果たしてどれほどの金額なのか、
どれだけ社会的に、世間体的に、
威張れる仕事なのかはさて置いて、
取り敢えずのところ、
例えどんなしみったれた仕事をしているしみったれた輩にも、
そんなしみったれた輩を待っていてくれる、
しみったれた女や男や、あるいはガキや犬ころが居て、
そしてそんなしみったれた輩は、
自身の暮らしがどれだけしみったれているか、
などと思い悩むよりは寧ろ、
そんなしみったれた輩を待っていてくれる
しみったれた女や男や或いはガキや犬ころの、
ほんの何気ない笑顔が見たいだけ、それだけの為に、
損を損と知りながら、悪循環を悪循環と知りながら、
それが例え、世の中の誰一人にも屁とも思われないような仕事であったとしても、
そのささやかな微笑みの為になら、明日もあさってもその先も、
こうして今日一日をクリアするためだけに追い回され続ける、
そんな毎日を続けて行くガッツを得るのである。

そして敢えて言おう。

そんなしみったれた人々のしみったれた暮らしこそが尊いのだ。

そしてそんなしみったれた暮らしを送る輩を、
しみたれていようがなんであろうが、
思い切りに笑顔で迎えてくれる、
そんな家族の愛こそがまさにこの世で最も愛おしいものなのだ。

そのしみったれた人々のしみったれた幸せを誰かがあざ笑った所に、
全ての間違いが発している、と俺は思えてならない。

つまりは、そんなしみったれた人々を、
馬鹿のお人好しとばかりに税金集めのカモとしては、
まさに資源と言うよりは原料として酷使しては使い捨て、
或いは、
そんなしみったれた幸せさえも掴みきれない、とヤケクソになった輩が、
毒食えば皿までとばかりにテロリストに身を投じてしまう。

そんな金持ちのドラ息子の引きこもりや、
あるいは、仕事にあぶれたプー太風情以外の奴らが、
家族とのささやかな団らんのために、
全ての損を損と知りながら引き受けている、
馬鹿でのろまで無益な労働者の人々を、
踏みにじり、或いは、蹂躙する、ようなことだけは、
絶対にあってはならないこと、な筈だ。

という訳で、なんだ?
テロリストのない世界だ?
徹底抗戦だ?
非常事態宣言だ?
聞いてあきれる馬鹿野郎である。

世の中のほとんどの人々は、そんな絵空事のようなことには付き合っている暇はないのである。

本当にテロリストのない世界にしたければ、
世界の富を独占している5%の輩たちからしっかりと税金を取りたれればよい、それだけだ。

或いは、テロリストにでも入るぐらいしかやることのなくなってしまった奴らに、
ちゃんとした家庭が築けるぐらいの収入と夢をもたらす職を与えてやること、それだけである。

という訳で、世界の5%に観たないスーパー金持ちと、
世界の5%に観たないスーパーなテロリストの間のいざこざに、
そのほかほとんど全ての人々が右往左往する、なんて馬鹿馬鹿しくてやってられないだろう。
金持ちもテロリストも、月か火星あたりで勝手にやっていて欲しい、というのが正直なところだ。

あるいは、テロリストだって馬鹿じゃないんだからそれぐらいの理屈は判るだろう。

もしあんたらテロリスト予備軍が、
実は世界の5%の金持ちに雇われている騒動師、
あるいは、世界の5%の金持ちの仲間入りをしたいだけのアホ、だとすれば、
世界の5%の金持ちと一緒に、銀河星の向こうまで飛んでいって欲しい、
普通の人々が望むのはただそれだけだ。

改めて言う。
こんなこといちいち言うのも馬鹿馬鹿しいが、
この世の中は、
5%の金持ちのためのものでも、5%のテロリストのためのものでもない、
その他、掃いて捨てるほどいるであろう、
しみったれたしみったれたしみったれた労働者と、
そしてその家族たちの為にあるのだ。

それ以外のことを言うやつを、絶対に信用してはいけない。

と、それだけは忘れてはいけない、
忘れたところからすべての間違いが生じるってことだろ。

だったらがたがた要らぬこと言ってないでさっさと働け。









プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
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