Loading…

捨神拾神犬の神

Posted by 高見鈴虫 on 17.2015 とかいぐらし
ようやく仕事が見つかった、というのに、
やはり予想通りろくなものではない。

つまりは日本対応。
ぶっちゃけ、夜勤、な訳である。

あれだけ苦労して資格と取りながら、
どうしてこんなカス仕事を押し付けられねばならぬのだ、
という愚痴をこぼすたびに、

あのなあ、夜勤でも派遣でも、仕事があるだけましだろう、という元同僚たち。

そうなのである。
嘗て、人も羨む一流企業で6桁の給料を稼いでいたあの極楽とんぼたち、
あれからすでに一年余、予想通りというかなんというか、
まだ一人としてまともな仕事につけたものはいない。

いや、状況は尚悪い、という。

あの後、次から次へと、これまでまさにニューヨークを象徴していたような大手企業が、
まるで沈没船から逃げ出すかのような慌ただしさで、
一挙にjこのニューヨークという街から移転を続けているのである。

つまりはそう、人減らし。そしてアウトソーシング、あるいは、地方へのコロケーション。

まあ予想はしていたのだが、いつかそういう日がやってくるだろう、とは予想していたのだが、
まさかそれが俺の身に降りかかろうとは、正直言って予想だにはしていなかった。

という訳で夜勤である。
夜人々の帰り着く時間に出社をし、夜通しをかけて誰もいないオフィスで孤立奮戦。
そして夜明けの街、朝の通勤ラッシュの中で、眠い目を擦りながら帰宅に着くのである。

がそんな中、俺の夜勤暮らしで唯一得をしている輩がいる。

言わずと知れた犬である。

夕方出社の俺が家を出た途端、それとすれ違いにかみさんが帰ってきて、
で、朝にかみさんが出社と一緒に、そのまま夜勤明けの寝ぼけた頭のままに散歩に出る。
つまり、ずっとずっと俺達のどちらかと一緒に入れる訳である。

うひょおお、なんか夢みたい、という我が家の犬。

まあ、昼間の殆どの時間は寝てばかりいる訳で、
がしかし、ソファの上で両手両足おっぴろげては、
まさに、幸せいっぱいで惰眠を貪る姿。

おい、そろそろ散歩行くぞ、と声を掛けても、え?あ、いいよ、あとでマミータと行くから、
などと豪勢なことを言ってみたりもする訳だ。

問訳で、捨てる神あれば拾う神あり。

つまりはそういうことなわけなのね、と自分を納得させる以外に方法はない。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

月別アーカイブ

検索フォーム