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グローバルブラック社会の本音と建前

Posted by 高見鈴虫 on 22.2015 とかいぐらし
最近ようやく仕事の見つかった後輩。
良かったじゃねえか、とお座なりなことを言えば、
でもさあ、となんとも微妙な返事をされる。

なんか、ブラックっぽいんですよね、と。

ブラック?ブラック企業?
この空前の人不足の世にあって、いまだにブラック企業?ありえねえだろう、
と答えれば、
あのねえ、と思わず殴られそうな気配である。

今日日、ブラック企業じゃない会社なんて存在しないの、知らないんですか?と。

でもさあ、と俺。

株価はバブルはじけてからの最高値。
冬のボーナスも期待できそう、とか、
日本人、割りとウハウハやってんじゃねえのかよ、と。

としたところ、いきなりいきり立つ後輩。

そんなのはねえ、嘘!と。
嘘、嘘、うそ、ばっかり。

という訳で、なんとなくその後輩の愚痴を聴いてみた。


~~~~~~~~~~

職場の上司から、毎日大変だねえ、と言われる。

勿論大変である。なんと言ってもこの給料なのだから。

まあせいぜい頑張りなよ、というお座なりに済まされる前に、
一度で良いから、どうしてですか?と聞いてみたい気がする。






仰るとおり大変なのですが、私はどうしてこんなに大変なんですか?

仕事が大変かね、と聞かれるだろう。

いや、仕事じゃないですよ。生活が大変なんです、と言ってやる。

いや、それは君の問題だろう、と上司が答える。
君の生活は君の勝手だ、ジコセキニン。
君、ちょっと遊び過ぎじゃないのかね、またまた酒ばかり飲んでるんだろう。
なんてことから、どっかいい店知っているか?なんて風に話をそらせてくるに違いない。

いい子いる店知ってたらこんど教えてくれよ、な。
いやあ、君も隅にはおけないねえ、はっはっは、と。

もちろんすよ。もしかしておごりですか?ごちそうさまっす、
なんて感じで軽く流してしまうのが日本の知恵であった訳なのだろうが、
俺はそういう見え透いた日本の知恵にも疲れきった。

という訳で、このグローバル時代、
日本の知恵、なんていうローカルな慣習は打ち捨てて、

単刀直入に、いや、そうじゃないでしょう、と言ってしまうべきなのだろう。

生活が大変なのはぶっちゃけ給料が安いからです。

なぜ給料が安いか、と言えば、その理由は貴方が一番良く知っている筈。

つまり、俺の生活が大変な理由は、貴方の査定した給料が低すぎるから。

つまり俺の生活が大変な責任はあなた自身にある、ということを、あんたはほんのちょっとでも考えたことがあるのか?

俺を不幸にしているのはあなた自身なんだ。あんたのせいなんだよ。それをちょっとでも考えてことあんのかよ。

なにをバカな、と上司は言うであろう。
それは会社の決めたことで、とまたいつものお座なりをほざく筈だ。

そんな時、あのなあ、と鼻で笑ってやる。

あんたの考えている事は、そうやって自分に責任がかからないように言い訳を考えているだけ。
会社のせい、俺も色々大変で、そもそも君の仕事のレベルが、
そうやって次から次へと言い訳を考えながら、
こいつ、こんな安い給料でよく働けるな、可哀想なやつだ、ぐらいに思っているのだろう。

と同時に、
そうやって給料を下げるための言い訳、あるいは気の利いた理由付けを考えては、
ミスばかりを挙げ連ねて、口の利き方が悪い、態度が悪い、目つきが悪い、社会人としてのうんたら、
となんだかんだとアヤをつけては、結局それを給料を下げる為の理由付けにしている。

なぜそんなことをするか、と言えば、部下の給料を下げると、自分の成績が上がる、
あるいは、下手に部下を可愛がると自分の給料を減らされる、と思っているからだろう。

つまりは自分の既得権益を守る為に部下の頭を踏んづけ、
踏んづけながら、働け働けパフォーマンスを上げろ、と尻を叩かれるばかり。

挙句の果てに、まあ俺も大変でね、と子供の写真などを取り出してはお涙ちょうだいかよ。

うわああ、可愛いですねえ、奥さんお綺麗だから、
などと見え透いたお世辞を言うバカ女のケツを蹴りあげてやりたくなる。

そう、みんな必死なのだ。こんな無能な上司にさえおべんちゃらを言ってちょっとでも給料をあげようとする。
ともすれば、尻でも胸でもちらみさせては下手な誘いに乗ってくればラッキー、ぐらいに思ってる女子社員たち、そんなのばっかりだ。

そんなバカ上司が、またいつもの奴で同じセリフ。
まあ、君、がんばりたまえ。そのがんばりに応じては行く行くは昇進の道も考えていないワケじゃない。

そう、この昇進こそが曲者なのである。

これで下手にアシマネにでもされた日には、
それこそ雀の涙ほどの残業手当も払われなくなり、
しかも責任は二倍、つまりは労働時間も三倍四倍。

挙句に、社員が会社に文句を言うのはお前の管理不足だ、
とばかりにネチネチと嫌味を言われては連日連夜のただ残業、
下手をすれば減給である。

これが一年続くか二年続くか。
三年で生活破綻。
四年で人格破綻。
五年もアシマネやっていれば立派な廃人である。

この会社にはそんなアシマネ廃人がわんさか居るわけで、
あいつら早く辞めねえかな、とは誰からも思われながらも、
必死にバカの振りをしながら会社にしがみついては貴重な財源を食い荒らす。

しかしながら、そんなアシマネへの昇進こそが、
この地獄の悪循環から抜け出す為の唯一の足がかりなのである。

誰もが通ってきた道だ、とバカな上司が言う。
俺もアシマネ時代は大変だったしな。

そんな上司の給料を誰も知らない。
知ってしまったらつくづく腹が立つだろう。あの野郎、なんにもしねえで下にばかり仕事押し付けやがって。
いや、逆だろう、とちょっと物分りの良いアシマネの先輩が言う。
下手に知らねえほうがいいんじゃねえのか?
つまり?
つまり、なんだこの程度かよ、と判っちまったら心底やりきれねえじゃねえか。

これをブラック企業と言うのだろうか。

せめて誰か、自殺でも猟奇殺人でもやらかしてくれれば良いのだが。
ばか、そんなことがあったらそれこそ俺たちも飯の食い上げだ。
それが表沙汰にならねえようにああやってジャーマネが探りを入れて歩いてるんだろが。

なんか、嘗て聞いた、ダム建設現場のタコ部屋の蟻地獄と変わらないですよね。

騙してバスに乗せて山の中の小屋に押し込めて、
やれ布団代だ、メシ代だ、ですべて給料天引き。
挙句に、糞不味いまかない代から、タバコ代から、
いちいち倍がけ三倍がけのとんでもない値段で、
挙句に、夜になったらサイコロ博打に誘い込んで有り金みんな吸い上げちゃう。

で、任期が終わってもすからかん。
無一文でバス降ろされても仕方がないってんで、
地獄と知りながらまた同じバスで現場に戻ることになる、と。

ははは、シャブ漬けにされないだけでもマシだろう。
シャブ食ってる奴も多いんですかね?
シャブなんか食ってちゃやってられない仕事か、
シャブでもなくっちゃやってけない仕事か。

いやあ、全ての資本主義って結局そういう道を辿るんだよ。

安い労賃で、好き放題にこき使って、より大きな収益を出す。
つまりは給料叩いてどれだけこき使うか。
ぶっちゃけあいつらの頭にあるのはそれだけ。

そんなことやってて下手に死なれるとまずいのは山々なんだが、
そのやり過ぎて死んじまった奴をどうやって始末するか、
ってのが一番の問題だったりしてな。
山に埋めちまったり、谷底に投げ捨てちゃったり、
あるいはすべて心筋梗塞。がたがた言われる前に火葬にしちまえ、と。
そんなことを社会的にもみ消されるようになったらまさにタコ部屋。
なんにも変わりはないよな。

資本主義って暴走させるとすべてこのタコ部屋に至る訳でさ。

そんな資本主義の暴走を抑える為にはどうしたら良いか、
ってまたいろんな人が色々考えてきた筈が、
不景気を理由に全てがないがしろ。

挙句に派遣と来たもんだ。

つまりは死んでも誰の責任でもない奴隷を最初から奴隷として雇ってしまえってことだろ?

あるいは下請け。自分の会社をクリーンに保つために全てを下請けに押し付け、
下請けは孫請けに、孫請けはひ孫請けに。

下に行けば行くほど仕事はキツくなり給料は安くなり、
現場いくつも重ねられてもまったく収益が上がらず、
なんてことだから、データの改ざんなんてことでもしなければ食っては行けない、
とそんな事情があるのは誰もが知っているのに
それを誰も言わない。言えない。

誰もが自分よりも下がいる、と下ばかり見ては、
自身のみじんこみたいな既得権益を守るために下の不都合は全て目を瞑る、と。

こんなことやってたらこの国家、破綻するんじゃねえのか?

誰もが誰も、奴隷ばかり。
心の底では心底この会社をこの社会をこの国家を憎みきっている。
なので言われたことしかやらねえ、それ以上のことはなにがあってもやらねえ。
ジャーマネ連中は口先のおべんちゃらだけでだれも仕事の実態を知らない、知る気もない。
仕事はすべて、下に押し付け、押し付けられた下が文句を言わないようにその下を創れと派遣に押し付け、
つまり社員は誰も仕事を知らない。

まるでどこぞの会社のようだが、
つまり潰れた会社はみんなこのスパイラルにはまっただけ。

挙句に、全社員全員派遣にしちまえ、
なんて言うことを派遣会社の怪鳥が言っていたらしいが、
そんな奴が、政府の経済財政政策担当大臣やら元金融担当大臣やらをやっていたんだぞ。
まるで正気の沙汰とは思えない。

そんなキチガイに役職つけちゃってた政府。あるいは、相談役なんてのにしているなんとか党。

全てが全て、正気の沙汰とは思えない。

向かっている先は、タコ部屋かよ。中国以下だな。

そんなキチガイがお手本とするアメリカはもう完全にからんからんだ。

都市部を一歩でも出ればそこはもう永遠の廃墟。
そうやって仕事を失った奴らに、
医者と製薬会社がつるんでは、
抗鬱剤どころか、鎮痛剤と騙してシャブやらヘロインやらを処方してはボロ儲け。
それはまるで棄民だ。
税金稼げない奴は早く死ね、とやっているだけの話だ。

つまりそれがTPPで一挙に流れ込んでくるわけか。

つまるところタコ部屋なんだろ?

奴隷ばかりの国家に、シャブ中が蔓延し、ガキはぐれて強盗を繰り返し、
中学生にもならない女が売春を初め、
そんな世の中を見下ろす雲の上から、
金持ちはそうやって掠め取った金でせっせと海外不動産を買い漁る。

税金はそんなペテン企業の補助金として使い放題。
税金を賄賂が割りに横流しした官僚の天下り先確保という訳か。


~~~~~~~~~~~~~

ねえ、やってらんねえでしょ?

と後輩。

そうかな、と俺。

少なくとも、俺のこの現状よりはずっとましって感じがするんだがな。

マシって言うと?と後輩。

つまり、アメリカの方がずっときついと思うんだよね。
そしてそれは、まさにその暴走に歯止めをかけるのはもう誰の手にも無理。

あぁあ、この糞資本主義、とっととぶっ壊れてくれないかな、と言う後輩。

ばぁか、そうなったらそうなったで、やれなんだかんだと愚痴を続けるのが落ちだろう。

この眼の前の現実を、取り敢えずは今日一日を生き抜くこと、
人生にはそれ以上もそれ以下もねえんだよ。
いい歳こいて甘えたこと考えるな、バカ、と言ってやった。






プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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