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2016年の正月談義

Posted by 高見鈴虫 on 03.2016 ニューヨーク徒然
そんな訳でようやくの正月である。
日本に里帰りとは行かない分、
こんなニューヨークなんてところに取り残された流民たち、
互いに訪ね合っては各々に持ち寄ったご馳走やらどこぞからの貰い物やらをテーブルに並べては、
思い切り日本人に先祖返りする年に一度のチャンス。

そんな日本人連中の間に取り交わされる様々な情報、あるいはこぼれ話。
まさに、会社を越え業界を越え国境を越え、
あることないこと一切合切を喋りまくる訳で、
機密保全も糞もあったものではないわけだが、
そう、俺達は所詮の現地雇い。

愛社精神どころか、国籍さえもぶっちぎってしまうような、
そんな筋金入りの自由人であるニューヨーク流民たち。

会社の悪口から有りもしない儲け話から遠い日本の近況話から、
止めどもなく溢れ出るお喋りの洪水。

そう、なにがどうあっても、人の口に蓋をすることなど出来るわけがない。

とまあそんな与太話の中でちょっと気になった話題。

やっぱり中国だよなという話。




この時代、好きか嫌いかは別として、
時代はやはり「中華人民共和国」なのである。

それはもう、良いの悪いのとか、嘘だ本当だ、とか、
正しいか正しくないか、とかそういう次元の問題ではない。

もう既に、現実問題として世の資本主義を支えるには、
アメリカだけでは荷が重すぎるのは周知の事実。

つまり行き着く先はいわゆるひとつの中国なのである。

今や完全に世界を席巻、というよりは怒涛の勢いで押し流しつつある中国人。
一人っ子政策を撤廃した今、人口の暴発はまさに必至。
そんな中国人が世界中にゴキブリあるいはイナゴの大群のように押し寄せては、
一瞬のうちに覆い尽くして行く訳で、
その中国人の人間津波を、もはや誰も止めることはできないだろう。

友人のナイジェリア人からも、まさにアフリカ中、見ればみるほどにどこに行っても中国人ばかり。
ニューヨークの高級物件は全て中国人に買い叩かれ、
ヨーロッパのリゾートは中国人で一杯。
パリからローマからロンドンから、どこもかしこも中国人の団体さんが、
それこそ鉄砲水のように押し寄せてくる。

ということで、このすさまじいばかりの人海戦術、
世界はまさにこの中国人に埋め尽くされようとしている訳だ。

そんな状況をつぶさに観てきた国際実業家の方々。

悪いことをは言わない。中国に賭けなさい、と一言。

でもさあ、と思わず。
近年のこの中国バブル崩壊の噂。
株の暴落だ、バブルの暴発だ、地価暴落だ、なんて、悪いニュースばかりじゃないか、と聞けば、
いやいや、そんなこと、まだまだ甘い甘い、と。

あの怒涛のような人津波。
世界各地をスーパー台風の暴風雨のように襲いまくる中国人を、
いったい誰が止められるというのか。

そう、なんだかんだ言って金なのだ。
爆買いではないが、世界でいま「買物がしたい」なんて思っているのは中国人だけ。
物欲なんていう20世紀の遺産をいまだに引きずるっているのは、
世界諸国どこを探してもこの遅れてやって来た共産主義者たちだけ。

世界のよりどこである資本主義は、すてにそんな中国人の強欲に頼る以外、
もはや存続はできないと、まあそういう訳なのである。

そっか、そのうち世界は中国人のものになるんだね、と思わず感無量。

そうそれはすでに現実の世界。

日本のデパートのほとんどが中国人の爆買なくしてはもう経営が成り立たない筈。
そしてそれは日本に限らず、韓国もタイもフィリピンも、
そしてアメリカもヨーロッパもアフリカも同じことなのだ。

好き嫌いは別にして、と言うよりは、どこをどう考えても世界で中国人が好きな奴など、
居るわけがないのだが、そんな中国人なくしては生計が成り立たない、とあれば話は別。

という訳で世界のお客様である中国人さまさま。
この方たちに頼る以外に資本主義存続の道はもう残されていない。

いやいや、でもさあ、とどうしても反論をしたくなってしまう中国嫌いの人々。

でもほら、中国国内でも色々あるわけでさ。
公害が酷くて人が住めるような状態じゃないっていうし。
国内の貧富の差が拡大して不満増大、
少数民族のテロが頻発して、
と、良いニュースなんてなにもない。
そのうちに人民軍が反乱を起こしては、
中国きょーさんとーがぶっ倒れたりしたら?
まさしくそれこそ、かつての清王朝の落日のように、
まさに世界中の列強からずたずたの食い物にされる、
なんて日が来るんじゃないのか?

ははは、と笑う国際派ビジネスマン。

それにしてもだ、今のこの世界から、中国元という通貨が無くなる、ということはまずありえない。

つまり国家は倒れようがなにしようが通貨は残る訳で、
ぶっちゃけ中国人だ、中国共産党だ、なんて誰も屁とも思っちゃいない。
つまりはそう、中国元、あのゴキブリどもの落としていくその金なのだよ。

という訳で、遅かれ早かれ、中国元の時代がやってくる。
あるいは、中国元なしでは、世界経済は成り立たなくなる、と、そういう訳なんだね?

そう。中国元を買っておきなさい。
中国に投資をしておくこと。
つまりは、それもリスクヘッジだ。

だとしたら日本は?とまた間の抜けた質問。

ああ、日本は。。。とはたと口をつぐむ賢者たち。

果たして日本はどうしたら良いのだろうね、とここに来て思わず顔を見合わせる人々。

日本は。。 たぶん、また鎖国するのが一番幸せなんじゃないかと思うんだよね、とぽつり。

それ凄いな、と。そう言えば日本のダチもそんなふうなこと言ってたよ。

青目も金髪も支那も朝鮮もアラブも黒人音楽も知ったことか。
俺はもう何もいらん。外国などいらん。
山間の温泉に浸かりながら、ただ日本の古典を読んで暮らす。それだけで十分。
放っておいてくれ、と。

そう、インターネットで世界の情報だけは入るしさ。
日本が出たければまた出ちゃ言えば良い訳でさ。
好きに出入りできてどこが鎖国か、なんて話もあるけど、
そう、なんというか、もう気分はもう鎖国モードというか、
つまりそう、もう誰も彼も、外国なんて飽々なんだよ、多分。

無理して外国と付き合うのも面倒くさいし、
日本人同士日本語だけでガラパゴス。
身を寄せあっては内輪ネタに花咲かせてればそれで良いんだよ、と。

そっか、日本は鎖国か。
確かにな。
確かに俺も実はそんな気分だったりするんだよね、最近特に。

という訳で俺たち、やはり、英語の壁、というよりは、
まさに日本語包囲網を、ついに脱することができなかった、と、
というわけなんですね。

まあそれでも良いかな。
ピザもハンバーガーもマッケンチーもBBQリブも、
無ければ無いで暮らして行けるし、
金髪娘って言っても、これだけブクブク太って、
問答無用に自意識過剰の知恵足らずのワガママ娘ばかり。

そう、アメリカなんて別になくてもいいかな、って、実は誰もがそう思ってたりして。

そうなんだよ。そう、料理にしたって映画にしたって音楽にしたって、
いまやアメリカが憧れられる要素なんて何一つとしてない訳でさ。
でそれを言ったらヨーロッパだって一緒。

つまり、外人不要論という奴?

そう、まさに、外国から学ぶもの、もうありません、と。
外国の文化、もうお腹いっぱいで食べ過ぎました。
これからはもう放っておいてくださいっていうかさ。
もう一生和食だけで十分です、と。

で中国?

まさか、と。

中国人なんても出入り禁止、っていうか、もう存在しない透明人間。
いないいない、この人達は存在しないって、徹底的に無視してしまえばそれっきり。

そうなんだよね。もう国際交流なんて面倒くさいことはやめにしようと。
もうなにも要らない。放っておいてくれ、と。

日本にはなんでもあるんだしさ。
もう世界なんて要らないっていうかね。
そうそんな感じがしていたんだよね。
お前だってそうだろ?あんただってそうでしょ?

という訳で、なんとなくこれ、
グローバル世界の打ち止めって奴?
という気がしないでもない。

そっか、と一同。

そんな状態で、わざわざアメリカに暮らしている俺たちってなに?という訳で、
そう、この国際化時代。
世界中を良い所取りってところで良くないかな?

でもさ、なんかいまさらそんなことしても、
あんまり得した気分にもならないんだけどね。

これをつまり、文化の飽食、という奴であったりもするのか。。

という訳で、この正月三が日、
えーい、英語なんか喋るのはかったるいぜ、とばかりに、
勝手にどっぷりと日本に浸って過ごしたわけなのであった。


プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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