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思い切り自分を甘やかしたくて下町ロケット

Posted by 高見鈴虫 on 04.2016 読書・映画ねた
そう正月だ。
この日ばかりはもう英語なんぞ金輪際話したくない気分。

という訳で、思い切り自分を甘やかしてみたい、と思っていたのだが、
そう、このニューヨークに置いて、思い切り自分を甘やかす、とは、
まさしく、日本人に立ち返ること。

普段は英語力の妨げになる、と遠ざけている、
日本の本、日本語の会話、そして、そう、日本のテレビ。

ああ、たかが日本、されど日本。

正月ぐらい、誰に気兼ねなく思い切り日本人がしたい訳だ。

という訳で、一年に一度のこの日本人道楽。

この時ばかりは、と考えていたこの企画は、と言えば、

ぶっちゃけ、下町ロケットな訳である。




かの半沢直樹からしばし。

ついにまた、あの日本人による最高のドラマ、という訳で、

正月三が日、パーティの合間を縫っては、
下町ロケット、全十回、心の底から堪能させてもらった。

いやあ、面白かったです。

ほんと、まじで、何度涙が滲んだことか。

が、その後の後味は、と言えば、
なんとなくかつて流行ったあの昭和の叙事詩、

ALWAYS 三丁目の夕日を彷彿とさせるものがあって、

つまりはこれ、みなさん、昭和の良き日に今一度立ち返りませんか?

というテーマだったのかな、なんてことを考えていたのだが、

嘗てのバブルの時代、まさに、そう、全社一丸となって、なんて言葉を旗印に、

二十四時間働けますか、とばかりに、まさに仕事仕事仕事漬け。



でもさ、この佃製作所の人たち、家族はたまったもんじゃないよね、と。

そう、こう言ってはなんだが、日本の何が嫌だったって、
あの満員電車や、体育会的いぢめ体質やら、一億総中流横並び的な不条理やら、とまあいろいろあった訳だが、
ぶっちゃけ俺的には、もっとかみさんと一緒に過ごしたかった、
とまあ、そう、そんな甘えた気分ではやって行けないまさに立憲君主制全体主義的国家であった日本。
一億総猛烈社員化する以外にあの国に存在することは許されなかった訳で、その息苦しさたるやまさに半端ではなかった。

がしかし、そう、この佃製作所のように、身も心も家族も恋人もすべてがすべて会社にまかせてしまったら、
もうそこれこそ24時間、365日、なにひとつ迷うことなく、思い切り、そればかりやっていれば良いわけで、
男にとってはそれに越したことはない、とも言えたりもするのか、と。

そう、実はね、仕事こそが最高の快楽なんですよ。
良い意味でも悪い意味でも、日本人ってそういう人々。

という訳で、下町ロケットか。
凄く良かったよ。そして素直に羨ましかった。
俺もそうやって、何も考えずに一心不乱に仕事がしたいなあ、
と思ったりもしたのだが、そう、このグローバル化社会、
そうそうと日本人ばかりもしていられない事情があって、
ただしかし、そう、日本という国の、
あるいは、昭和という時代のあの美徳、

そういうのだって、あったって良いんじゃないのか、と思い切り開き直った上で、

がんばれ下町工場、日本の復興を、奇跡の経済成長を支えたのは、
まさしくそんな、質実剛健、誠心誠意の根性一直線、
そんな職人根性であったりしたのだろう、と。

つまりは、仲間、働く仲間、つまりは、会社という家族、な訳でさ。

こんなニューヨークなんて場所にいるからなのか、
そのあまりにもの日本らしさが、思わず後光が射しても見えた訳だ。

がんばれ日本、と正月早々、思い切り拳を握りしめてしまった訳であった。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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