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改めて財布とはつまりは勝負下着であったりする訳か

Posted by 高見鈴虫 on 07.2016 日々之戯言(ヒビノタワゴト)
ふと気づけば、財布がボロボロである。

この財布、一応はVERSACEとある。
ニューヨークに着いた年に、どこぞのアウトレット店で買った覚えがあるのだが、
そうしてみれば、かれこれ20数年、この財布を使い続けていたということになる。
という訳でさすがにボロボロである。
縫い目という縫い目は既に限りなく解けながら、
しかし不思議なことに金とカードを入れるところだけはなんとか体裁を保っていることから、
まあお金落っことしちゃったりしなけりゃいいのかな、と使い続けて既にしばらく経つ。

がしかしこの見るからに年季が入った、というよりは既に倒壊寸前、
まさにぼろんぼろんの財布。
まあそう、この時代、早々とキャッシュを持ち歩くこともなく、
つまりカード一枚で事が足りてしまうわけで、
そんな事情から最近ではほとんどカバンの裏ポケットに突っ込んだまま、
あまり人目に晒す、という機会もない訳なのだが、
ひとたびそれを持ちだした途端、
周囲の人々から、ぬぬぬ!という反応を感じるようにはなった。

という訳でこのボロボロのVERSACEの財布。

いくら他人の目などまったく関係なし!の無手勝流おやじを気取っていても、
さすがに、財布を出す度に、ぬぬぬぬ!と目を見張られるのは、
あまり気持ちの良いものではない。

とそんな訳で、
改めてまた新たな財布を買わねば、とは思っているのだが、
果たしてこの財布。
いったいどんなものを買ったらいいのやら、まるで検討がつかない。



ちゅうわけで、改めて財布である。

気がついて見れば俺は財布なんてものにまったくなにも関心を払っていなかったのだな、
と改めて思い知らされる。

そう、この時代である。
嘗てに比べて、あまり財布、というかキャッシュを持ち歩くことが少なくなってきている。
しかもこの俺、まさに極端なぐらいに金を使うことのない暮らしをしている訳で、
そんな訳で近年、この財布というのを持ち出す機会が極端に減っていてる訳だ。

がそうは言っても財布は必要である。
最近ではキャッシュはない代わりにカードばかりが増え続け、
各種クレジットカードから始まり、キャッシュカードから運転免許から、
云十年前に取得したPADIのライセンスから、
保険の証書から、歯医者の証書から、
かつて通っていたスポーツクラブの会員証から、
それ以前に撮られたであろうかみさんの写真から、
とそれだけで財布はぱんぱん。

さすがに虎の子のコンドームを財布の裏に隠し持つ、
なんてことはもう失くなったが、そんな当時の年輪がくっきりと刻まれているこのボロボロの財布。

これに代わるもの、と考えるに、まずはクレジットカードのスロットが沢山あって、
で、小銭とかはもうあまり持ち歩くこともなくなったのだが、
その分、ジーンズやらの尻のポケットにもすっきりと入るスリム型が望ましい。

とかなんとか考えながら、がしかし、で、どんな財布を選べば良いのやら。

まあそう、その辺りの屋台の平棚で中国製の安いやつでも適当に買ってしまおうか、
とも思うのだが、果たしてこの財布という奴。

たかが財布、されど財布。

もともと縁起担ぎ、なんていうタイプでは更々無いのではあるが、
やはりこの財布、子供じみた中国製の、なんていうと、なんとなくちょっと縁起が悪い、
という様な気もなきにしもあらず。

そう、財布である。始終、どこに行くにも必ず持ち歩くことになる財布である。
時としては命の次に大切、であったりもするこの財布。
IPHONE全盛の世の中であっても、やはりこの財布の地位は燦然としたものがある。

という訳で、はたと考える。
やはり財布である。普段から身につける物なのである。
そこに妥協があると、やはりそこで妥協したのだな、という印象が長くつきまとうことにもなりうる。

とよくよく考えるうちに、そう、財布にだけは妥協を許してはいけない、という気がして来たりもする。

では妥協を許さずに、いったいどんなものを買えば良いのだろうか。

やはりブランドかな、と考えてみる。
自分の一番好きな、というか、許せるブランド、という奴の財布を買えば良いのではないだろうか。
と言いながら、旧財布がベルサーチだったからと言って、俺が別にベルサーチばかりで全身を覆い尽くす、
なんてタイプでは全く無いのであるが、やはりそう、さり気なく、まったくもってさり気なくもさり気なく、
誰も知らないながらも気づく人は気づくかもしれないこのベルサーチの財布。
へえ、あの人、ベルサーチの財布を使ってる、実はそういう人だったのね、
という、まあ、そう、そう言った意味での、まさに勝負下着的な決め物であるところの財布である。

そんな財布、では果たして、どこのブランドの物にしたらよいのだろうか。

という訳で、それとなくアウトレット店なんかを見かける度に、あのぉ、財布はありますか?と探してみたりもしたのだが、
なかなかどうして、少なくとも十枚のクレジットカードを収納できる財布というはなかなか見当たらない。

今更小銭入れはもう必要ない。そんなもので容積を取ってしまうぐらいなら、
まさにカードと紙幣、それだけの超薄型。
がしかし、それが革製であることだけはどうしても譲れず、そして中国製であることだけは避けたい。

そしてそう、いわゆるひとつのブランドである。
果たして俺様が肌身離さず持つ財布の、その勝負下着的な最後の一線であるところの財布、
その財布のブランドとは一体何がしかるべきものなのだろう。

とかなんとか言いながら、しかし、だからといってやれワニ皮だ、蛇革だ、ヤギだ羊だ虎だ麒麟だライオンだ、
なんてのは、絶対の絶対に避けたい。
そう、この俺様である。財布なんてものにわざわざ大枚叩いて、いざその中身はすっからかん、
なんて状態こそは最も恥すべきもの。
つまり、目立たず飾らず、しかしさりげなくも抑えるところはしっかりと押さえた、というまあそんな奴。

という訳で、何の気なしにEBAYなんてサイトで、
本物偽物の危うさの中から、これぞ、と思うやつを探し続けているのだが、
おっと、なんと、ベルサーチが25ドル!であったり(爆、
それとまったく同じ物が、判子だけ変えてアルマーニでもグッチでもヴィトンでも出回っていたり、
見ればみるほどにこのWEBの商用サイト、まさに冗談並みの紛い物のオンパレード。

そんな中、おっと、これは本物!と思いきや、なんと中古である。

中古の財布かあ、と改めて。
いくらなんでも中古の財布っていうのはなあ、と何故かそこにつっかかりがある。
なぜなんだろう、なぜ財布は中古ではいけないのだろうか、と改めて考えるに、
そうつまり財布って下着みたいなものなんだよ、という結論。

さすがにいくらなんでも下着だけは古着という訳にはいかないように、
そう、やっぱり財布だぜ。たかが財布、されど財布。
財布ぐらいは新品で買っても良くないか、と。

と、そんなわけで財布を探し始めてから早半年、すでに年をまたいでしまった今となって、
さすがにそんな財布探しにも飽き飽きとしてきた感がある。

という訳でそう、財布だ。
で、その財布のブランドだ。

で改めて、俺の好きなブランドって奴を考えてみる。

バブルの時期に、それこそ、あれだけやれアルマーニだベルサーチだ、と狂騒した苦い経験から、
ことブランドなんてものにはまったくぜんぜんこだわってない、というのが一つのブランドであった訳なのだが、

という訳で、ふと、自身の姿を改めて振り返ってみる。

ぶっちゃけそこで見つかるのは、まさにユニクロである。

パンツからシャツからワイシャツから、俺が身に着けている物はまさになにからなにまでユニクロ。
そっか、俺って結局そういう人なんだな、と改めて苦笑いしながら、
そしてユニクロ以外は、と見てみれば。

まずズボンはバナリパである。
アイロンがけの必要のないスリムフィットのスラックス。
これを見つけてからはまさにこればかり。
色違いの同じものを既に10本近く所有してはズボンと言えば来る日も来る日もこればかり。

がしかし、だからと言って、
ガキじゃあるまいにバナリパの財布、なんてちょっとあまりに頂けず、
だったらユニクロなら、とも思うがどうもさすがにそこまでは世の中を舐める気にもならない。

で視点を移して靴、となると実はそう、俺はこの歳をこいてもなお、
その足元だけは、REDWINGの鋼鉄入りをどうしても手放さえないでいる。
このREDWING、普段から履くビジネス用のから始まって、
夏用、冬用、雪用、犬の散歩用、街出歩き用、
喧嘩勝負用、パンク・ファッション用、カジュアル風、
深丈、浅丈、黒から茶からと、まさによりどりみどり。
挙句に、
おまえ、一体こんなのいつどんなシチュエーションで履くわけ?
というぐらいに、まさにバイカー・ヘルスエンジェルス御用達、のような物から、
と、靴と言えば鬼の敵のようにREDWING、あるいはその兄貴分のIRISH SETTERばかり。

そっか、REDWINGか、とレッドウイング製の財布を探してみるが、
へえ、REDWING、財布は販売していない、
あるいは、なんだこれっていう日本製、であったり(笑
つまりそう、鋼鉄入りのブーツばかり、ってことなのかな。
ってのも、まあ、そう、頑固一徹職人カタギのREDWING。
財布作らせてもまさかあのゴツゴツの分厚い革に鋼鉄入り、
なんてのだったりしたらそれはそれで面白いとも思うのだが。

で同じように、そう俺的に冬の上っ張りと言えば、これがまたSPEIWAKばかり。
米軍、そして、NYPD御用達の、おしゃれな軍服のブランドなのだが、
やはり残念なことに、このSPIEWAKも財布は製造していないようだ。

という訳で、うーん、なんだろう、と見渡せば、
おっと、そうそう、俺のカバン、実はずっとかの吉田カバンであったりするわけで、
それでは、と吉田カバンを探してみれば、
へええ、となんとも吉田カバン的に見かけチープでありながら
極端に実用性ばかりを突き詰め続けたまさに逸品ばかり。
おお、これなら、と探し初めてみるが、え、これ、まさか、とよくよく見ると、
まさかの偽物、ばかり。

そう、この吉田カバン。WEB上に出回っているのはどれもこれも判で押したように偽物ばかり。

そうなんだよな、と思わず。
世の中まさに、偽物の時代なんだよね、これが。

という訳で改めてこの偽物、つまりはFAKE品である。
実は先に上げたSPIEWAK。
まさに、米国の米国による米国のための、というアメリカの美学の全て、
のような会社であった訳なのだが、
近年になってどういう訳だかその生産ラインを中国に移行、
したとたんにもう目を覆うまでにぼろぼろな訳で、
布地から縫製からデザインから、
お前、まさか、冗談だろう、というぐらいに劣化劣化劣化の嵐。

まあそれを言ったらREDWINGも同じことで、
いつのまにか、REDWINGS、なんてわざわざTYPOを修正したまがい物なんてのまで氾濫する始末。

そう、中国なんて国が資本主義社会に紛れ込んで来てからというもの、
オリジナリティからクオリティからなにもかもが滅茶苦茶。
そしてこのブランドってやつも、まさに泥靴で踏みにじられて痰唾吐かれるぐらいにまで、
世に言うブランドというブランドが片っ端からこの中国製模造品にすり替わってしまったりもしている訳だろう。

という訳でこの吉田カバンも同じことか。

つまりそう、そういう物、やっぱりWEBショッピングやら、アウトレットとかで買っちゃダメなんだよね。つまりはそういうこと。

という訳で、たかが財布一つでつくづく途方にくれてしまっているわけなのだが、

で、そう、一体どうしたら良い訳?と改めて見回す俺の持ち物。

で、ふと目についたネクタイ。
BOSS。
あっそうか、そうそう、俺って最近、BOSSな男、であったりしたんだっけかな。

そう言われて見れば、いま着ているこのジャケット。
これも実はHUGO BOSSであったりする訳で、
まあ、そう、実はこれもEBAYで見つけた廃価品。
確か30ドルとかそのぐらいのものだったと思うのだが、
ダメ元で買ってみたら予想外に着心地がよく、
一度着始めてしまうとまさに毎日そればかり。

で、そう、そしてネクタイはと言えば前出の通り、やはりBOSSばかり。

そっか、BOSSか、と改めて考えてみる。

そう、BOSSであればなんとなくそれなり。
バブリーでもなく、かと言ってバナリパやらに比べてはちょっと大人の香り。
それにまああのネクタイの品質から言っても、
なんとなく財布と言えどもそれなりにちゃんとしたものを作ってくれているであろう筈。

そっか、BOSSかあ、と改めて。
俺ってもしかして、BOSSな人、なんてのになっていたりするわけなのだろうか。

がそう、しかし、改めてこの財布、そのブランド。

がしかし、VERSACEであったり、ARMANIであったり、はなにを今更、という気がしないでもなく、
あるいは、グッチだヴィトンだシャネルだ、なんてのは、なんとなく、ゲゲゲげ、それこそ人に知られたら恥ずかしい、
という感じ。

ちゅうわけで、まあBOSSで良くない?と。

気張らず飾らず、でも抑えるところはちゃんと押さえた、まあつまりもしないおっさんのブランド、ってことで、
なんとなく座りも良さそうな気もしないでもない。

そっか、BOSSかあ。HUGO BOSSねえ。まあそんなものなのかな。

ちゅうわけで、BOSSな男、のBOSSな一品がまた一つ増えそうな塩梅である。



プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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