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職を休して旅に出るんだ、と云った友へ

Posted by 高見鈴虫 on 09.2006 旅の言葉


アジア・・・

俺ら時代、出発点はタイだったよ。
旅行というよりは旅。
遊びというよりは修行だったから。

最初にバンコックに入って、まずはヤワラーの中華街へ。
そこで、アジアのドブの底の空気を十分に吸ってから、
インドに向けて出発、と。
それが定番。
つまりバンコックが減圧室の役目をしていた。
或いは予防注射、かな。
詳しくは、谷恒生の「バンコク楽宮ホテル」参照。

タイを経由しないでアジアに入った奴は、
ガイドブックを頁飛ばして写真だけなぞったのと同じ。
なにもみないで高い飯ばかり食わされて、さっさと帰る、と。

タイからインドに入るなら、カルカッタから。

で、サダールストリートの安宿がまた減圧室。
そんな減圧室がインド各都市にあって、
そこでツーリスト同士でだべって終わり。
まあESLのカフェみたいなもの。
大抵のやつは、そんな減圧室ばかりを渡り歩いて、
その雰囲気に満足して帰る。

乞食も見たしちょっと草も喫ったし世界の友達もできたし、と。

その先に行く人々は特殊。
減圧室を出ちゃうとそこは別世界。
まるで川を渡る、って感じなんだけどさ。
行っちゃ駄目だよ。帰ってこれなくなるから。
少なくとも、
そこから帰ってくると、また、
今度は文明社会の中での減圧室が必要になる。

それはなにか?

減圧室の外の世界こそが本物、と思ってしまうということ、かな。
つまり、帰ってきた世界にむかつきまくることになる、と(笑

東京の減圧室、

俺の場合、歌舞伎町ってまあ大久保か、に一年半。
パンパンとかおかまとか安いやくざとか家出娘とか、
そーゆー連中が寄ってたかって、俺の病気を癒してくれたのさ。
まだ治ってない?そうかな・・・(笑)
でもなつかしいなあ。みんなやさしかったなあ。
もう誰も生きてないと思うけどさ。
いまから思うと、旅そのものよりも、
あの歌舞伎町の人々のほうがなんだか懐かしい気がしてる。
あれこそが旅=修行だったんじゃないのかなって、そんな気がしてる。

すくなくともあの経験がなかったら、
JAZZなんて一生聴かなかっただろうしさ。
同時に、
ROCKに冷めたりも、しなかっただろうな、と。

そう言われて見ると人生はつくづく旅と同じ。
拾う旅、捨てる旅。
荷物をなるたけ背負い込みたくなければ、
何かを得たら何かを捨てなくっちゃいけない、と(笑

今こうして安い給料を拾いながら、
何を捨てているのか、気づいていないだけの話でさ、と。

と言う訳でさ、
だから、
いい年こいてから、下手な旅はしないほうがいいよ。
悲しくなるから、気づいてしまうと、帰ってくるのが、つくづく。
俺なんかまだ引きずりまくってるのかな。
ああ、まだ治ってないんだね。
でも、もういいや、って感じ。
そう、一生引きずることになるのです。
こんな風に。あんな風に。
今更、そう云うの流行らないぜ、って(笑


と言う訳で、21世紀のオトナのためのアジアの旅。

今はベトナムなんだってね(笑

すごく面白いらしい。
インドに比べて楽。素直に楽しめるって。

安くて、何食ってもおいしくて、安全で、
で、男はいい奴で女の子もきれい。

こないだ行ってきた奴、
そいつも元々大陸ヒッピー、が、
無茶苦茶よかったよー、ひたすらに優しかったよって。

と言う訳で、
俺はベトナムを勧めるな。
帰ってくる気があるなら、特にね。

南米とか中米は薦めない。

スペイン語喋れないと凄く苦労するよ。
たぶん。

俺はツレ(連れ)がスペイン語OKなんで助かったけど、
それに味をしめて、で、ツレ連れないで一人で行ったら、
酷い目にあいました(笑

どんな、酷い目って?
それは内緒。まだ思い切り真っ最中だから(爆)

と言う訳で、
どうせならアジアに行っておいで。
たぶんなにかを思い出すぜ。

んで、ちゃんと帰ってくるのだよ。
それだけは約束な。

☆た

*************

  ~職を休して旅に出るんだ、と云った友へのメールより。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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