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おめでとうの言えない正月 ~ 海外で正月を迎える、ということ

Posted by 高見鈴虫 on 05.2008 ニューヨーク徒然


明けましておめでとう、の舌の根も乾かないうちから、
というか、
あけおめの真っ最中、1月の2日からいきなり仕事。
あのなあ・・・とおもわずため息・・

改めて、アメリカで迎える正月は殺伐としたものがあってさ。
だってお正月だよ。
日本人にとってはわりと大切な日でしょ?
輝け日本レコード大賞から、紅白から行く年来る年から、
明けましておめでとう!の大騒ぎから、
除夜の鐘からカウントダウンから初詣から初日の出から、
ドアの前にしめ縄飾って、
鏡餅とお雑煮とおせち料理と、
お年玉付年賀状と初湯と初夢と、
コタツとミカンと下らないお正月番組と、
ああ、なんかもうあまり思い出せなくなってるけど、
あの鯱ばった、いちいち面倒くさて忙しくて、
でもやたらとダラダラと間延びして退屈で、
つまり、のんびり。心の底から。
なんかやっぱり、良かったよな、と、
しみじみ、しみじみ。

改めて思うに、
お正月って日本人にとっては国民行事。
素直に心の底から、
普段は不義理してごめんね、
日本のかみさま、今年もよろしくね、と言える、
割と素直に純粋にニホンジンに戻れる日、
であった筈。

という訳で、
おめでとうの言えない正月があっさりと過ぎ去り、
その翌日から疲れ切って出社。
さすがにガラガラの地下鉄。
みんな眠たそうで、そして判で押したように不機嫌・・・
つまり寝不足、寝すぎと、二日酔い、ただそれだけ。
申し訳程度に、ぼそぼそとおめでとうの挨拶、
で、自分の机に戻ると、
当然のことながら去年のまま。
やりかけの仕事、書きかけのメール、捨て忘れたゴミ。
そう、たった一日で世の中が変わるものか、
と思うけど、
でもね、変わるのが日本だったんだよ、
つまりはリセット。
ニホンジンにとって、正月ってリセットなんだな、と、
そうか、そうなんだね、なんて変なことに関心してさ。

という訳で、
おめでとうの言えない正月。
気持ちのリセットもできずに、
疲れきったまま転りっぱなし、点きっぱなし。
改めて、殺伐、というよりも、働き者というよりも、
逆に日本の神さまに凄く悪いことをしている気がしてきてさ。
お天道様、正月早々仕事なんかしてごめんなさい、と、
改めて謝りたくなるような、
そんな気分。

馬鹿やろう、どこに居たってニッポンジンはニッポンジンだ、
正月ぐらい休まなくてどうする!!
とか、
そのぐらいのこと言ってくれる会社、ないのかな、
なんて、今更甘えたことを、と。

いやいや、ここはアメリカ、
宗教的行事は自分で勝手に休暇を取るべきであって、
そう、つまり、ニホンジンである以上、
お正月は自分から有給を使って休むべきなんですよね、はい。

アメリカに来て、
クリスマスが純粋に宗教的な行事で、
つまり、
あれ、クリスチャンでもないのになんでメリー・クリスマス?
なんて言われて、
え?ああそう言えば、とクリスマスがなくなっちゃって、

ついでに、
あけおめ?
アメリカに居るんだから、正月は無いよ、とそれも取り上げられて、

なんだか、凄く、損した気分。

そしてそして、
正直に言おう、
あああああ、寂しい!
この正月、あまりにも寂しすぎ!あっさりし過ぎ!(笑

ああ、今年のレゾリューションの第一候補であった筈の
禁煙!が出会い頭にいきなりこけてしまって(笑
おいおいおい、と思い切り自己嫌悪。
今年もどうやらろくでもないぞ、とのっけからうんざりモード。
という訳で仕事はじめの夜、
空いた地下鉄に揺られてため息をつきながら、
ああ、来年の正月は日本に帰ろう、と、
思わず、固く誓ってしまったのでした。



            ~遠方の友に宛てたメールより

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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