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冬のNEW YORKの必殺技!

Posted by 高見鈴虫 on 22.2008 ニューヨーク徒然

ねえ、ニューヨーク、いきなり寒くなったね。
そう、冬のスイッチが突然ONになったというか。
俺さ、冬は嫌いなんだよね。お祭り男だからさ、寒いの駄目なんだよ。
でもね、
そう、冬のNEW YORK、実は見上げる街が一番綺麗に見えるとき。
凍りついた睫に並んだ窓灯がキラキラと輝いてさ。
思わず寒さに滲んだ涙に、すれ違う人から、
おい、元気出せよ、なんて笑いかけられたり、なんて。
ああ、俺ってNEW YORKにいるんだな、って、一番実感できる季節。

今年は株の暴落とかガス代の高騰とかで、
クリスマスのイルミネーションも今ひとつ華やかさに欠けるけど、
それもNEW YORK。
大不況時のニューヨークを体験できたってだけでも、
まるで好きな女の子の別の一面に触れたみたいで、
それはそれでちょっとご機嫌であったりもしてさ。

でもね、今日の午後、ダウンタウンの摩天楼の谷の底、
気温はー5℃。
凍りついたつむじ風の中でぶるぶる震えて煙草を吸いながら、
思わず吐いてしまった暴言。

ああ、このまま地球温暖化がどんどん進んで、
NEW YORKがMIAMIみたいな気候になればいいのにな、なんて。

あ、でも、そうなると、
南極北極もなくなっちゃって、
MIAMIもテキサスも、下手をするとニホンも水没しちゃったりして、
なんて。
でもいいよ。そう、NEW YORKが良ければ、あとはどうなろうと知ったことか、とか。
俺ってつくづく、NEW YORKの人。
そう、NEW YORKに恋して止まない、ただのNEW YORKオタク、と。

でもさ、考えてみたら、
MIAMIやらニホンが水没するのなら、
当然のことながら、ここNEW YORKも水没だよな、うん。
あっ、なら、さっきの話、取り消し。

そう、冬のNEW YORKもいいよね。
氷の国の宝石箱の底。

NEW YORKのこの冬があるからこそ、
春と夏、あの爆発的に陽気な、
時として刹那的なぐらいにエネルギッシュなNEW YORKが生まれるのだよ、と。
そう、この冬眠の時期を知らずして、
本当のNEW YORKを知ることはできないのだよ、と。

という訳で、ホリデーシーズン、
メイシーズでスーパー・セールをやってるよ。
夜は12時まで開店、だってさ。
暇つぶしに覗いてみる?
クリスマスセールあのうんざりするような人ごみも、
実はそれはそれで稀有な体験だしね。
で、帰り道、
コートの襟を立てて背中を丸めながら、
ふと見上げたネオンサインの艶やかさに思わず見とれちゃったり、
肩を寄せ合った相方の体温がなんともありがたくて、
そう、冬こそは恋人達のシーズンであったりもする訳でさ。

という訳で、辛く長いNEW YORKの冬、
ここで、ちょっと、ウンチク。
冬のNEW YORKの必殺技をご紹介。

まずね、冬のNEW YORKに欠かせないもの。
METROPOLITAN OPERA HOUSE!

そう、METオペラ、
もしも観た事ない人いたら、是非是非、お勧め。
で、お勧めは、体験コース、
なんと、値段が15ドルから!!!これ凄い!

って言っても、パーシャルビューって言って、
そう、端っこの方で、ちょっと見えにくい席なんだけどさ。
でも、十分にMETオペラの魅力は体験できる筈。

身体中にオペラのシャワーを浴びた後、
呆然としながら歩み出たリンカーンセンター。
シャンデリアの輝きを背中に、見上げる凍りついた摩天楼の風景。
高く上がった月に思わず見とれてしまって。
身体中に残っている興奮がまるでフリーズドライで瞬間冷凍されるようでさ。
もうね、その風景、まさに絶景だよ。
ほんと、NEW YORKの魅力の全てって感じ。

という訳で、
良かったら、METのTICKET OFFICEに足を運んでみてください。
あとね、
MET OPERA、これはちょっと上級編ですが、
インターミッションの時間、
止む終えない理由で途中で帰る人を呼び止めて、
悪い、そのチケットの半券、譲ってくれ、とお願いすると、大抵の人がくれる筈。
できるなら、なるべく上等な服を着た人を狙うこと。
良くすると、後半分をオーケストラシートでふんそりかえって堪能できる筈。

どう、色々ありますよね。

んなわけで、ついでだから、NEW YORKの裏情報。

まず、カーネギーホール、
ここ、午前中に並ぶと、
なんと当日のパーシャル・ビューの席が破格値で売られている。
で、
仕事にかまけて買い忘れたチケット、
どんなに混んでいる完売公演も、当日の午後からBOX OFFICEに並ぶと、
その日のキャンセルチケットを直前になって売り出したりしていて。
俺もここで並んでなんとパコ・デ・ルシアを前から2番目で観た!
本当に好きなアーティストだったら、
なまじっか、前売り買うよりも大満足だったりして。
あ、そう、ただし、キャッシュ・オンリーですね。
行列に並ぶ前に、ATMに寄っておいてね。
さもないと、並びに並んだ末に、あれ、金がない、ということに・・・

あ、で、
調子に乗ってもうひとつ、

同じように、マジソンスクエア・ガーデン、通称MSG(笑
ここも当日のドタキャンチケットを開演直前に売り出します。
俺はこの手でROLLING STONESを前から2番目で観たことがあります。
相当に値が張ったけど、
でも、後ろに座っていたのが、かのドナルド・トランプだったり。
ステージの袖でキース・リチャーズと握手したり、
調子こいて踊っていたら、ミックジャガーから、よお、調子はどう、
なんて声をかけられたり、とか。
そう、PAYした!ほんと、人生で最高の瞬間だった。

ただね、そう、同じROLLING STONES、
冬の真っ最中、朝一から並んで待つこと12時間、
で、結局手に入らなかったことがあった(笑
でも、そうやって待ち続けるダイハード・ファンの奴らとのおしゃべり、
代わりばんこにトイレ行ったり、みんなで頼んだピザを分け合ったり、
挙句に家からギター持ってきてみんなで歌って踊って、と、
割とパーティ気分。それはそれで面白かったり。
で、最後の最後、
みなさん、残り1枚だけ、750ドルのチケット、と声が上がった時、
みんな顔を見合わせて、うーん、と苦笑い。
その時、いきなり立ち上がったヘルス・エンジェルスのバイカー親父。
馬鹿やろう、棺桶は要らないぜ、と啖呵を一発。
ブーツの底から、よれよれになった100ドル札を一枚二枚。
勿論俺達拍手喝采!よお、大統領!って感じ。
ほんと、こんな体験、そうそうとできるものじゃない、でしょ(笑

そう、NEW YORKでは最後の最後まで諦めないこと。
大抵のことは時間さえかければぜったいにどうにかなる。
そう、時間さえかければ、の話だけどね。
だって、この街で一番高いもの、それは時間、なのだから(笑

でね、冬の必殺技、
そう、コンサートも映画も金がなくて、
でも家にヒッキーもつまらないし、
って時には、
迷わずMETROPOLITAN MUSEUM、
ここの入場料、20ドル、となってるけど、
これ、実は、SUGGESTION PRICEと言って、希望料金ってこと。
つまり、20ドル払ってもらえれば嬉しいですが、ってこと。
ちなみに、俺はいつもクォーター=25セント。
それでもなにもお咎めなし。
というか、ちょっと悲しい顔で微笑まれて、
で、はい、とチケット代わりのバッチをくれる筈(笑
そう、NEW YORKはアーティストにやさしい街、なのです。

ついでに、ブルックリン・ミュージアムも、自然史博物館も、
実はこの手で行けるのですよ。
で、真冬の暇つぶしに、
たった25セントで世界の一級品が、
あるいは、
人類の知己の集大成があなたの眼前に広がる、と。
間違いなく一日中楽しめます!

どうです、NEW YORK,つくづく素敵な街でしょ?
そう、やっぱり、地球温暖化は大反対!
冬のNEW YORKもやっぱり最高だから。

ではでは、お風邪にきをつけて



            ~遠方の友に宛てたメールより

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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