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笑う犬・ブッチの大騒動

Posted by 高見鈴虫 on 10.2009 犬の事情


明けましておめでとうございます。

いきなりですが、
新年早々から我が家はとんでもない大騒動。
それというのもこの厄介者。

名前はブッチ(BUTCH)、生後3ヶ月。

西部劇のならず者・BUTCH CASSIDYからの命名、
などではなくて、
ただ単に斑柄のぶち犬だからなし崩し的に。

血統は不明。ジャックラッセルかビーグルか、と思っていたのだけれど、
ものの本によると、どうもオーストラリアン・キャトル・ドッグ、という犬種らしい。
まあ雑種なんで、とは言いながら、
そう、雑種なんでこの先、どんなことになるのか、
まったく見当がつかない。

で、このブッチ君。
見かけに寄らずとんでもないきかんぼ小僧で、
正月早々からもう家中がひっちゃかめっちゃか。



ちょっと目を離した隙に、
トイレシートをちりじりにして床一面が紙吹雪状態。
かと思えば、電話線をひっぱって電話が倒壊、
ついでにコンピュータのケーブルを手当たりしだいにガチガチやった上に、
勢い余って外付けHDDをぶん回し。
シャワーカーテンは落とす、タオルはボロボロ、マットに穴を掘り始めたかと思えば、
澄ました顔してソファからクッションからにおしっこを振りまいてぐしょぐしょ。
あのなあ、と。

と言いながら、
いざ外に連れ出した途端、
聞きしに勝るニューヨークの雑踏の騒音に驚いて腰を抜かし、
交差点の真ん中でしゃがみこんだまま梃子でも動かず。
思わず赤信号の通りの真ん中で両手を広げて、
おいそこ、止まれ止まれ!と大騒ぎをした挙句の大交通渋滞を巻き起こし・・

とは言うものの、この厄介者、
愛嬌だけは一丁前で、
道行く人々にいちいちじゃれ付いては、
身体中をくねらせてだっこをせがんで。

そんなニューヨークの人々。
身を切るような真冬の木枯らしの中を、
これ以上なく不機嫌な表情で闊歩していた人々が、
そんなブッチの姿を見かけるや、
思わず、そう、もう堪えきれずに、と言った具合に、
一瞬のうちに顔中がもうメロメロ。

パピパピパピ、と黄色い歓声を上げながら
思わず抱き上げて頬ずりしてはキッスの嵐。

ビッチなお姉さんからヒップホップのお兄さんから、
ドカタのおっさんから杖をついたご老人から、
携帯相手にどなりちらすエリートさんから、
ピザのデリバリのちゃりんかーから、タクシーの運ちゃんから、
もう、人種を問わず性別を問わず、
思わず足を止めて、ありゃりゃりゃりゃ、と。

で、決ったように質問の嵐。
名前は?年は?なんていう犬種?
あれあれ、まあまあ、なんて可愛いだ、こいつ、こいつ、こいつ、
と、もう、本当に、全身がとろけてしまいそうなぐらいに甘い声。

そんなこんなで我が家のブッチ君。
今ではすっかり近所の名物犬。

下手をすると出勤の途中の地下鉄のホームで、
買い物中のレジの列で、
煙草屋の店先で、赤信号の交差点で、

あれまあ、ブッチのおとうさん、と声がかかる始末。

で、部屋のドアを開けた途端、
倒壊した部屋の真ん中に鎮座ましました我が家の大魔神。
途端に飛び上がってすっ飛んできて、
ズボンの裾にかじりついて膝によじ登って、
顔中を嘗め回しては鼻に耳に唇に噛み付いて、と大騒ぎ。

で、思わず、痛いぞ、この野郎、と睨んだ途端、
そう、こんな顔してニマニマと笑っているんだよね、こいつがさ。尻尾振りながら(笑

まさに世界一可愛い小悪魔そのもの。
まったくもって、世話が焼ける、と言っているそばから、
はしゃぎ疲れたブッチ君、いきなり電池が切れるように、
ぱたり、と倒れ込むや寝息を立て始めて。

そんな寝顔を眺めながら、
もう頭中がアルファー波でひたひた状態。
で、思わず隣りに添い寝なんてしてしまって、
ふと気がつくと床の上で抱き合って寝ている、なんて感じの毎日。

ああ、これもう、完全に子犬に人生を乗っ取られている。

という訳で、
笑う子犬・ぶっち君。
まだまだ何をやっても初めてづくめですが、
後は立派なボールボーイ、
テニスのボール拾い犬に育てる予定。

今後とも何卒宜しくお願いします。



            ~遠方の友に宛てたメールより



プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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