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Born to Loose! ~ ブッチ The ロッキンロール・マッド・パピー‏

Posted by 高見鈴虫 on 16.2009 犬の事情


うちのバカ犬、じゃなかった、ブッチ君、
ケンネル咳と診断されて気を揉みましたが、
おかげさまで順調に回復をしております。

が、病気が治ってきたのはいいのですが、
いやはや、ちょっとこれはこれは、
と思い切り頭を抱えている毎日。

皆さん、ごめんなさい、
我が家のブッチ君、
なんて、
そう、くん、なんて呼んで甘やかしたのがまずかった。
まさに、
この、馬鹿ブッチ、或いは、ブッチ野郎、
最近では、糞ブッチ、略して、糞ブー。

こいつは、カワイイ、なんて、
皆様から可愛がって頂けるような、
そんな生易しい輩ではありませぬ!

なんてったって、オーストラリアン・キャトル・ドッグ。
その腕白さ。まさに筋金入り!

ここ数日、病気療養で外に出られないからか、
もう欲求不満が大爆裂。

まさに、ブッチ切りの全開バリバリ状態で、
家中でこれでもか、というぐらいに破壊の限りを尽くしております。

手の届くものは手当たり次第に引きずり下ろし、
噛みつけるものはなにがなんでも噛み付いてかかり、
振り回せるものは例えそれがなんであっても
問答無用に振り回しまくります。

これ、まさに、エクソシスト!悪魔憑きの世界。


唯一の救いは、我が家で「カリカリ」と呼ばれている
コリコリの骨、というか硬い皮。
こちらでは、RAWHIDEと言われているのですが、
これを与えているうちは、まるで魔が落ちたように
カリカリ、カリカリと飽きもせずにやっているのですが、
始めのうちは一度与えていれば半日も黙っていてくれていた筈が、
最近では噛み噛みのコツを覚えたらしく、
15分もするとペロリと平らげてしまって。

で、平らげた途端に、
うりゃ、終わったぞ!
もっとよこせ、なにかよこせ、食い物よこせ、と騒ぎまわる訳で。

で、あんまりうるさくて、渋々と別のカリカリを与えた途端、
むむむむむ!と目を白黒させたかと見るや、
ぐへっと、お腹の中のものを一挙に吐き出してしまって・・
で、思わず驚いて駆け寄ったところを、
捕まえた!とばかりに飛びついて来ては、
ズボンのすそからシャツの袖からに
噛み付いてぶらさがって振り回しにかかって・・

おいおい、と。

お前はまさに、悪魔の憑りついたリーガンか、と。

ああ、モーツアルト、なんて言っていた俺が馬鹿だった。
こいつの頭の中は、そんな流暢には作られていない。

まさに、パンク・ロック!
ロックンロールが大音量で響き続けているに間違いない!

それが証拠にこの糞ブー、
試しにセックス・ピストルズをかけた途端、
まるでジョニー・ロットンさながらに両の目をひん剥いて
家の隅から隅まで、
キッチンの端からリビングからトイレから寝室から、
廊下をつっきり玄関までを猛ダッシュ。
瞬く間に一周二周三周四周、
見ているこっちがまるで目が回ってしまう。

しかしながら、この糞ブッチ。
天敵がおります。
なにかと言えば、それはうちのかみさん。

ごはん担当のかみさん、
キッチンの奥から、
ぶっちー、ごはんよー!と言った途端、
まるでふと我に返ったように、
きょとん、と首を傾げるやいなや、
はいはいは~い!とつぶらな瞳で舌を出して駆けつけてしまう。

で、この糞ブー、
かみさんの前では絶対に悪さをしない。
噛みつきもしなければ、吠えもせず。
かみさんの足元できちんとお座りをしては、
可愛い子ぶりっこ全開。
くねくねと身を捩じらせながら
千切れるばかりにしっぽを振って。

おいで! はいっ!
気をつけ! はいっ!
おすわり! はいっ!
おあずけ! はいっ!
はいどうぞ! いただきまーす!
と、それはもう、見事なぐらいに素直なもの。

まさに猛獣使い。まさに悪魔祓い師・エクソシスト。


と言うわけでうちのかみさん、
ブッチの狼藉ぶりにはほとほと手を焼いていて、
ぶち壊された部屋をせっせと片付けながら、
まったく、うちのブッチは、
ねえ、こいつもうどっかに捨ててきてよ、
とため息をつきながら、
そんなブッチを見つめる目、
なんかどっかで見たような気がして。

うちのかみさん、
典型的な勉強メガネ。
学生時代は押しも押されもしない大優等生(爆
教室の席でも一番前で、いつも先生のお気に入り、
であった筈が、
なんでそんな輩がこんな俺なんかとくっついたのか、
と、日ごろからつくづく不思議だったのだけれど。

まったく、こいつ、腕白なんだから、
と、首から背中からお腹からを撫で撫でしながら、
顔中をキスキスキスと舐めまわされて、
やめて、やめて、と悲鳴をあげながら、
まるで子犬のような顔をしたかみさん。
つまりこいつにも子犬の血が流れていた、
と言うわけで。

子犬の目をした女の子。
そう、そういえば、
俺の周りって、そんなのばっかりだったような。
そうか、それが共通点だったのか、
と一挙に謎が解けた次第で。

と言うわけで、ブッチ君、飛ばしまくっています。

昨日はいきなり、
網タイツのお姉さんの一団に果敢にチャレンジしては
代わる代わるにハグハグされて全身から香水の匂いをプンプン。
かと思うと、
ピザのデリバリの兄ちゃんに唸りを上げて噛み付いてあわや転倒騒ぎ。
ドアマンの必死の静止をすり抜けて、
高級コンドミの大理石のロビーの真ん中で、ぶりぶりぶり、と特大のうんこ。

あのなあ、と。

お前はまさに、パンク!
ロックンロールの申し子か、と。

ここニューヨーク、
ただいま記録的な大寒波に見舞われて氷点下25度。
さしものブッチも外に出たとたんに凍り付いて
早朝の散歩、雪の公園に着いた途端にキャンキャンと片足ケンケン。
仕方なく抱えあげて、プルプル震えるブッチをえっさこらさと、
家まで抱えて帰ってきたのですが、
で、もしや凍傷?と思って部屋に駆け込んだ途端、
それ来た!とばかりに跳ね回り初めて・・・
あのなあ、さっきのキャンキャン、あれは演技か?と。

と言うわけでお陰さまで、
昨日は夜の10時過ぎから1時間以上、
アパートの廊下で永遠とボール投げに付き合わされて。
あのなあ・・とつくづく飽きれ返っていたところ、
ドアの奥から、ぶっち~!とかみさんの声が響いた途端、
ボールもおやつもほったらかして、
はいはい、は~い!と中に駆け込んでしまって。

暗い廊下にひとり取り残された俺。
心の底から苦笑い・・・

あのなあブッチ、言っておくけど、
それって実は俺のキャラなんだけどさ、と。

元気が良いだけが取り柄の大馬鹿野郎が、
今はかみさんの腕に抱かれてすやすやと寝息をたてていて。

いいよ、いいよ、不良でもなんでも、
ただただ、元気でいてくれたらさ。
健康優良不良少年!
ロックンロール・マッド・パピー!
格好良いじゃん。最高じゃん。
男の子、そうこなくっちゃ!
なんて、
親バカどころか、
バカ犬の親はバカ親でしょうか。
上等です。受けてたちます。

腕白でもいい、たくましく育って欲しい!

まさにその通り。ほんと、まさにその通りだよ、ブッチ。

最近の俺、
いつの間にか、ジャズだ、ラテンだ、ネオ・ソウルだ、なんて、
焼きが回ったことばかり言っていたけどさ、
なんか、そう、やっぱり元気が一番だよね、と。

ブッチのお陰でロックンロールが戻ってきたような気がします。




            ~遠方の友に宛てたメールより





プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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