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イワン・レンドルの男の花道

Posted by 高見鈴虫 on 10.2012 テニスねた
やっぱ、テニスを見る上で、
そのコーチとの関係に目を向けると、
ますますテニスが面白くなる。

俺たちの見る試合風景ってのはテニス選手の日常の中ではほんの一瞬のことであって、
当然のことながら、テニス選手は試合以外のほとんどすべての時間を、
練習コートにおいてそのコーチと共に過ごしている訳であって、
言ってみれば、試合中は、コーチから離れられる唯一の時間であったりもする訳だ。

と言うわけで、テニス選手とコーチの関係。
これなくしてはテニスは語れない、という訳だ。

古くは
ステファン・エドバーグを育てたトニー・ピッカードの愛憎劇から始まって、
ピート・サンプラスとティム・ガリクソンの師弟愛、
ロジャー・フェデラーとピーター・ランドグレンのドロドロネタも、
天涯孤独の天才少女・ジャスティン・アナを拾って育てたカルロス・ロドリゲスのドタバタ親子ぶりも、
レイトン・ヒューイットとトニー・ローチから、
名選手の影には必ず名監督あり。
このテニス選手とコーチの関係、人間ドラマとしては最高のもの、と言える。

というわけで、
今回のUSOPENの覇者、アンディー・マレーとイワン・レンドルの絶妙のコンビはまさに圧巻。

あの意志薄弱のふにゃふにゃ小僧だったアンディ・マレーが、
イワン・レンドルの渋柿貧乏神面に気押しされていきなり金メダルからUSOPENタイトルをものにした、
ってのはまさにまさに感動の一言に尽きる。

ちなみにアンディー・マレー。

過去にブラット・ギルバートがコーチだった時代には、
練習の時から、顔を見るのもいまいましい、といった風で、
コート際からブラットが声をかける度に、
うっせえ、馬鹿、黙ってろ、と舌打ちばかり。
それをまたあのブラット・ギルバート、
あの皮肉なニヤニヤ笑いを浮かべながら、
糞ガキ、俺だって金のためにやってんだ、へーん、といった感じで、
俺から言わせれば、
アンディ・マレーがグランドスラムを取るのにここまで時間がかかったのは、
ひとえにあのブラット・ギルバートの悪の轍を断ち切るのにここまでかかってしまった、
といえるのではないか、と思っている。

ちなみにブラット・ギルバート、
かのアンディ・ロディックにUSOPENを取らせたことで名を上げた訳だが、
それと同時に、あのアンディ・ロディックのその後のキャリアを綺麗サッパリ見事にぶっ潰してしまった訳で、
アンディ・ロディックは最後の最後になって、
ブラットとは対照的にな技巧派コーチであるラリー・ステファンキを雇ったものの、
ついにはあのロケットサーブ一発、打った後はすっかり足が止まってしまう轍からは抜けられなかったな。

という訳で、俺的にはUSOPENを見に行くと、
必ずそのコーチの表情やらを伺うのが大きな楽しみでもある訳なのだが、
今年は、選手引退寸前のヒューイットと、
これまたコーチ引退寸前のトニー・ローチのコンビ、
連日の熱戦についに力尽きた、という感じでヒューイットが崩れ落ちた時の、
トニー・ローチのあの一種、清々しい表情が印象的だった。

という訳で、
アンディ・マレーだ。

あのふにゃふにゃうなぎ小僧を、よくもまあここまで鍛え上げたものだ。
まさに、イワン・レンドルの男の花道、と言ってあげたい。

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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