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ドナルド・トランプ ロックンロール・スター! その二

Posted by 高見鈴虫 on 15.2016 アメリカ爺時事

そんなドナルド・トランプ氏。

不動産王として巨万の富を築いた筋金入りのニューヨーカー。

その経歴は、億万長者から破産寸前、の繰り返し。
と、まるでジェットコースター。
数々の危機を乗り越えながらしかしいつも不屈の意志の元、
不死鳥のような復活を遂げてきた奇跡のひとである。

その絵に描いたような成金風情、
歯に衣着せぬ傍若無人ぶりから、
恥も外聞もないもない好色ぶりから、
なにかにつけて話題を攫う、
ニューヨーク社交界の悪童の中の悪童。

そんなドナルド・トランプが、こともあろうに共和党から大統領選に出馬?

いったいあの基地外、なにを考えているんだ、と世間の度肝を抜いたのもつかの間、

その共和党の候補者選びのディベートの席で、
よりによって、いきなりの暴言をがなり立て始めたのだ。

俺は本当のことしか言わねえ。

いいか、誰もが判ってるだろう、この国の政治家は馬鹿揃いだ。

てめえもてめえもてめえも、雁首揃えて、てめら全員、どうしようもねえ、嘘つき野郎だ。

これ以上馬鹿で糞汚えメキシコ人のドラッグディーラーが入国しないように国境に壁を作れ。

イスラム教徒は全て国外追放にしろ。

この神をも恐れぬ暴言がまさに憤懣やるかたない共和党支持者たちの琴線に触れた。

自称良識者たちの潜める眉を尻目に、そんなトランプの暴言が怒れる人々に鬱憤に火をつけた訳だ。







こいつ、面白い、と誰もが手を叩いた。
あのいけ好かねえ黒人野郎に牛耳られて腸の煮えくり返っていた赤首、
つまりは、貧民白人層。
金もなく、仕事もなく、頼れるものは自分が白人である、ということだけ。
そんな名誉人種である白人でありながら、この体たらくはいったいなんてことだ。
全てはあの、いけ好かねえ黒人と、そして、頼みもしねえのにどかどかやってくる移民の奴ら。
あいつらが俺たちの仕事を、ふんだくっては、よりによってそんな奴らの為に税金を毟り取ってやがる。
まったくやってられねえ。世の中おかしすぎる。すべてぶっ壊してしまえばいい。

そんなホワイト・トラッシュと言われる人々。
共和党の支持層を支える、そんな無学で貧乏で、まったくどうしようもない人種差別主義者たち。
トランプの暴言こそは、まあ言ってみれば、そんな程度の低い共和党支持者を照ってきて気に馬鹿にした上で、
まあ、てめえらのオツムのレベルと割りきった上での暴言であった訳なのだが、
有ろうことか、そんな策略にまんまとのったホワイト・トラッシュたち。

あっという間に、そんなトラッシュたちの目がトランプに集中した訳だ。

これはまあ、まさに日本で言うネトウヨとあべしんぞー政権の構図そのもの。
チョーセン、馬鹿野郎、から、チュー国、ぶっ殺せ、から、
そんな戯言で熱狂してしまう、あるいはその程度でしか社会を理解できない馬鹿を相手にした糞政権、
その手口とあまり変わらないあまりのレベルの低さ。
つまりは、この複雑怪奇な現代社会から切り捨てられたルーザーたち。
あるいは、民主主義というものが面倒う臭くなってしまった人々の不満の捌け口、
それを馬鹿にでも判る簡単な言葉で代弁してやってる、ということで俄なに流動票をかき集めたせこい手口。

東西を問わず、馬鹿はそんなちょろい手口に騙されやすい。
騙されやすいからこそ馬鹿な訳で、それが理由でお前らはいつまでたってもカモられてばかり、
な訳だが、そう、馬鹿はそういうことさえにも気づかない。

という訳で、そんな馬鹿どもを相手に、トランプが吠え続ける。

この嘘つきども。テメエらはどいつもこいつもろくでもねえ馬鹿ばかり。

共和党のディベートにおいて、よりによって対抗馬である他の共和党員に徹底的な罵倒攻勢。

てめえ、誰に金貰ってんだよ。言えないなら言ってやるよ、誰から幾ら、誰から幾ら、違うか?
たかが資本家の操り人形の癖しやがって、偉そうな事言うんじゃねえよ。

この嘘つき野郎が、うるせえぞ!
その場その場で調子の言いことばかり抜かしやがって。
てめえは何年にこう言って、その後に、こう言って、またこう言って。
いったいお前の主張はなんなんだよ。言えないのか。俺が言ってやるよ。
何年には誰々に金を貰った。その後には誰々に金を貰ってまた言うことを変えた。
ただ買収されては提灯宣伝をしてるだけじゃねえか。
馬鹿野郎が。お前は共和党の、アメリカ人の恥だ。死に腐れ。


という訳で、この暴言王の姿に、
有ろうことか現代のヒトラーの幻影を見たパープーたちの熱狂を浴びたトランプ。
挙句の果てに、米国の癌とまでなっていたあの御茶会集団、
つまりは、狂信的キリスト教徒のカルト集団が、そんなトランプの尻馬に乗るにあたり、
共和党候補者の中ではダントツの人気ナンバーワン。
この暴言王、ドナルド・トランプの存在が俄に脚光を浴びることになった。


そんなトランプの予想もしなかった大人気ぶりに、
さすがに慌てた共和党のパトロン達。
この暴言王を、共和党を分裂させるために忍び込んだトロイの木馬、
つまりは、撹乱目的のスパイ野郎、と決めつけては、
徹底的なトランプ潰しにでた訳で、
共和党候補者争いがまさに罵倒に次ぐ罵倒のデスマッチ。

そんな中で孤軍奮闘を続けるトランプの姿が、
いつの間にかブチ切れた暴言王から、まさに憂国の義勇人。

俺は、俺のアメリカを立て直したいだけなんだ。
その為に私財を投じてここに立っているんだ。
文句があったら言ってみろ!

まさにトランプの強みはそこである。
不動産王として巨万の富を築いたドナルド・トランプ。
まさに私財を投じている以上、紐つきではない。
つまり、誰かの為に何かを言わされている、というその後ろめたさがない。

俺は自分の金を使ってここに来たからには、
言いたいことを言わせてもらう。
その為に、十億もの金を払ってるんだ。
そのあまりの傍若無人ぶりに、一種の後光さえもが差し始めていた今日このごろ。

この見事なほどの道化ぶり。

まさに、馬鹿の馬鹿による馬鹿のための政治。
テメエら馬鹿どもには、これぐらいで十分だろう、と鼻で笑いながら、
民衆を馬鹿にすればするほどに、その興奮に油を注ぐそのやり口。

これって、まさに、ロックンロール、そのものじゃねえのか?










プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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