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世界をお花畑に

Posted by 高見鈴虫 on 15.2016 アメリカ爺時事

そんな中、まるで徒花のように登場した男。バーニー・サンダース。

自らを「社会主義者」と定義するまさに筋金入りの民主活動家である。

嘗ては学生運動の闘士であり、アメリカの掲げる民主主義のその真髄であるところの、

国民の国民による国民のための、を地でいく、まさに馬鹿がつくぐらいの人権野郎。

嘗て、あの60年代のベトナム反戦運動の最中、
時代の人々の血を沸騰させた伝説の活動家であるところのこのバーニー・サンダース氏。

まさにタイム・マシーンのように現代の世に降り立っては、
理想の理想による理想のための社会変革を熱く訴える訳だ。





アメリカを北欧諸国のような福祉国家にしよう。

まあ、確かにねえ、気持ちは判るんだけどねえ、なのである。

言ってることは確かにいちいち魅力的ではあるのだが、
そう、理想主義だけでは世の中は動かない訳で。

つまり、理想と現実、あるいは、善意と悪意、正義の味方も悪者があって初めて正義足りうる訳で、

とそんな時、いきなりの爆弾発言である。

国公立大学の学費を全て無料にするべきだ!

まさにいやはやである。
あのなあ、そんな金、いったいどこから持ってこようっていうんだよ、
というそう、そのそんな金の出処、がこの人、完全に欠落している訳だ。

がしかし、そう、気持ちは判るのである。

その、全てをかなぐり捨ててまで理想を掲げる、一種乙女チックなまでの夢想ぶり。
その白痴じみた理想論が、自称民主主義者達。
つまりはそう、名も無き貧しく美しくの理想に萌えた、
自称平和主義者たちのその琴線に触れた訳である。

そんなバーニー・サンダースの熱弁を前に、まあねえ、と誰もが苦笑いである。

まあ気持ちは判るんだけどねえ。




このバーニー・サンダースさん。

民主党からの候補者でありながら、民主党員ではない。

つまりは客人。

いまや民主党内の女帝の中の女帝、最早西太后と化したヒラリー。
まさか現民主党の中で、そんなヒラリーの対抗馬として立候補するなど、
ライオンにネズミが歯向かうようなものである。

そう、つまりは、民主党内から誰もヒラリーの対抗馬として立つものがいない。
そんな中、まるで噛ませ犬のようにして連れてこられた感のあるバーニー・サンダース。
まあそういうことなら、とばかりに、まさに歯に衣着せぬ、とはまさにこの事。
なにからなにまで徹底的な理想論。

世界は、本来ならば、こうある、べき、なのだ。
諦めちゃだめだ。
もう一度、その理想に向けて、スタートを切ろう。
遅すぎる、なんて嘘だ。いまこそが最後のチャンスなのだ。
人類は再び、本来の理想に向けて歩み始めるべきなのだ。





が、そう、この時代、ちょっとまともな人間なら、そんなお花畑の理論だけでは、
この世の中が回っていないことぐらい誰でも判っている。

判っていながら、しかし、どうすることもできないそのジレンマの中で身悶えているのである。

そう、このオバマ政権の八年間、
そんな理想主義者は、どうすることもできないジレンマの中で身を窶し続た結果、
アメリカ社会はすっかり分断の最中。

黒人は勝手に黒人の黒人による人権問題の、つまりは、ただのたかり屋。
揉めれば揉めるだけ揉め得とばかりに、
結局言っていることは、生活保護のフードスタンプをもっと増やせ、
とそればかりで駄々を捏ね続けばかり。

企業は企業で悪戯にレイオフを繰り返して株価の上がり下がりばかりに奔走し、
全米のほとんどの人々が、仕事もモチベーションも失ったまま、
鎮痛剤と騙されて医者に処方されたヘロインですっかりジャンキー状態。

そうこうするうちに世界はすっかり中国の独壇場。
それに加えてISISが好き放題である。

内外、基地外共和党は愚か、同じ民主党内からも、そんなオバマのやり方に批判が集中、
あるいはそこ以外にもはやこのジレンマの欲求不満の捌け口を見出させないのである。

そんな中、いきなりのこのバーニー・サンダースの登場である。

その主張はまさに、世界をお花畑にしよう、である。

まさか、である。

まあねえ、確かにそんなお花畑で、朝からマリファナふかしながら、愛だ平和だ、地球意思だ、
なんてことを語り合うなんてのも、それほど悪くはないのだろうが、
で、いったいその費用を誰がどこから持ってくるわけ?

という訳で、今更ながらまったくやれやれである。



がしかし、そんな馬鹿がつくような理想主義者であるバーニー・サンダース、
果たしてこんな馬鹿が米国大統領になったら、
嘗てのベネズエラじゃないが、まともな人間はいっせいのせで国外脱出。
結果、アメリカは愚か世界中が破滅の危機に晒されるとは、
どんな馬鹿でも判っていながら、
有ろうことか、そんなバーニー・サンダースの人気がまさにうなぎ登り。

これまで不動の本命であった筈のヒラリーを脅かすどころか、今や完全に追い抜いてしまっている。

そう、つまりは、それほどまでにヒラリーが嫌われている、という事実。

と同時に、

民主党の人々でさえ、もう世の中のことなど徹底的にどうでも良くなっている、ということなのである。

そして実はそう、この俺も、そんなひとり。

もうどうにでもなれ、と思った人々の気持ちが、とてもとてもよく判ったりもする訳だ。


プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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