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長寿の秘訣は、睡眠と、そしてスキンシップ

Posted by 高見鈴虫 on 29.2016 犬の事情
我が家の犬も今年で8歳を迎えようとしている。

動物図鑑なんてのを見ると、犬の寿命は、8歳から12歳、とかになっていて、
最近は飼育環境の飛躍的な改善から、その寿命もぐーんと伸びている、とは聞くが、
そう、8歳、ということは、通常の犬年齢で言えば、
そろそろいつお迎えが来ても文句は言えない年齢に足を踏み入れている、
ということなのだろう。

あのやんちゃ小僧がねえ、と思えば思うほどにまったく信じられない気分だ。

確かに、最近はさすがに喧嘩もしなくなったし、
昔、あれほどハイパーだったのも嘘のように、ドッグランのベンチでも、
俺の隣りに座ってそんな子犬たちの乱痴気騒ぎを斜に見ていることの方が多くなった。

そんな犬の姿を写真に取ると、明らかにそこに年齢に相応した落ち着きというか優しさというか、
ぶっちゃけ老化の匂いを感じ取ることにもなる。

まったくなあ・・
ついこの間まで、公園中の犬という犬に片っ端から喧嘩をふっかけていたようなこいつが、
いまやもうすっかりと老人の仲間入り、ということなのか。

今日明日というのではないのだろうが、
そこには確実に、折り返し点を過ぎて坂道を下り始めていることは確かのようだ。
つまりそう、別れの日に向けてすでに一日一日と時間が刻まれていっているというこの現実。

そんな、いつか迎えることになるのであろう日を思う度に、
俺はこいつを失ってまでこの世に生きていたいとは思わないな、
とついつい不穏なことを考えてしまったり、
あるいはそう、こいつを失ったが最後、正気を保てる自信がない、というのが正直なところ。

という訳で、傍らに眠る犬の寝顔を眺めながら、
死ぬときは一緒だぜ、どうせなら一緒の棺桶に入ろうな、
などと洒落にならないことをつぶやいたりもしている訳だが、
それは実は割りと本気であったりもする。

という訳で、そう、そんな日が来ないに越したことはない。

そう、それがいかに非現実的なことであっても、
俺はその億に一つの奇跡に頼らない訳にはいかない。

俺の犬は死なない。俺の犬は永遠に死なないんだ。

という訳で、改めて犬の長寿について調べ始めている。

嘗て寝る子は育つではないが、寝る犬は長生きするよ、と言われたことがある。

いやあ、なんかうちの犬、家にいるときはそれこそずっと寝てばかりいるんだが、大丈夫なんだろうか?
と相談した犬の先輩から、言われた言葉。

寝る犬は長生きするよ。

人に寄らず猫に寄らず犬に寄らず、
長生きの秘訣ってのはつまりは睡眠時間であったりもして、
つまり、生きている、つまりは覚醒している時間ってのが、
だいたいどいつもこいつも似たようなもので、
寝てばかり居るやつ、つまり、覚醒時間が短い奴は自然と長生き、
寝ないで遊んでばかりいたやつってのはやっぱり早死する、と。

そして寿命を減らす原因と言えば、まさにストレス。
なぜならこのストレスが睡眠を阻害する訳だからで、
そう、ぶっちゃけ、
犬にとってもっとも必要なことは、愛情よりも安心。
つまりはストレスの無い中で安心してぐっすりと眠れる、
そんな状況こそが、犬にとって一番大切なこと。
それさえ守れば、犬はずっとずっと長生きするもんだよ、とのことらしい。

だから、寝ている犬を見ながら、
これはこれで長生きをするために大切な仕事をしているんだ、
と思うことにしている。

そう思えば思うほどに、
寝ている犬の寝顔が可愛くて可愛くて仕方がなくなる。

がんばれ~、頑張って寝て、どんどん寿命を伸ばせよ~!
と呪文のように唱えながら、
いつまでもいつまでも眠り続ける犬の寝顔を眺め続けていたりもする。

そんなこんなで八年がたった。
本当の本当に信じられないことなのだが、
この犬が、そしてふとすれば俺自身も、老年期、と言われる時代を迎えようとしている。

で改めて、知人の獣医さんに聞いてみた。

子犬期、つまりは4歳ぐらいまで一番大切なことは、まさに運動。
しっかりと運動をさせて健全な身体が作られているか。

その後、4歳から8歳までは、食事と健康。
健全でバランスの取れた食生活で病気にもならず、
適度な運動とそして良質な睡眠が取れているか。

そして老年期からの犬に必要なのはスキンシップ、つまりは愛情なのだそうだ。

十歳を過ぎた犬はもう徹底的にかわいがること。
もう手加減なしにベタベタにスキンシップ。
撫でまわしてキスして抱きしめて、を繰り返せば繰り返すほどに長生きするのだそうだ。

そっか、スキンシップこそが長寿の秘訣か。

だったら任せとけ、と思う。

そう、この犬をかわいがること、に関してなら誰にも負けない。

撫でれば撫でるほどに長生きしてくれるのであれば、
一日中だってずっと撫で回してやっても良い。
まさに渡りに船、望むところだ、というところ。

あと20年とは言わなくても、少なくともあと15年。
いやいやそれを言うならあと25年。

そう言えば、このあいだ三十歳を越えて大往生を遂げた世界最年長の犬、
あれもオーストラリアの犬であったっけ。

そうだ、素質は十分だ。ギネスブックに挑戦して貰おうではないか。

こいつが長生きをしてくれるなら、俺はなんだってやる。本当だ、なんだってだ。

何と言っても、俺はこいつが死んでしまったら生きて行く気がないのだ。
こいつが死んでしまった後に金などいくらあっても知ったことではない、とまで思っている。

そう、俺の人生など所詮はその程度。キャリアなど金など、俺にとっては所詮はその程度の物。

つまりは、犬の命とは比べ物にならないほどにチンケなもの。その程度のものなのだ。

さあ、こんな下らないことを書いている暇があったら、せっせと犬を撫でてやらねばならない。

撫でれば撫でるほどに長生きするのだ。
この先、何年でも何十年でも、一晩中でも一日中でも、撫でて撫でて撫で続けてやろうと思う。


プロフィール

高見鈴虫

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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