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黒人が寿司を食うと頭が良くなる?

Posted by 高見鈴虫 on 30.2016 ニューヨーク徒然
ひところまで、黒人の食べ物と言えば、
もうこれは、徹底的にというぐらに、
フライド・チキン、と相場が決まっていた。

黒人と言えばフライド・チキン。

いつでもどこでも、そこに黒人が集まれば、
そこには必ず、フライド・チキンがある。

そう、黒人とはつまりはそんなものであった訳で、
それは人種差別とかなんとかそういうものでもなく、
事実、これだけ黒人=フライド・チキン、と揶揄されながら、
しかし黒人は、むきにでもなるように、
あるいは、どんなもんじゃい、と言った風に、
正々堂々と、徹底的にフライド・チキンを食っている。

そう、がしかし、実はそれは一昔前までの黒人である。

今日日、黒人の主食は、と言えば、これはもう、徹底的にチャイニーズである。

チャイニーズ?黒人が?

そう、ここニューヨークに置いて、黒人たちの暮らすゲトー街には、
必ずと言って良いほど、こ汚いチャイニーズ・レストランがあり、
テーブルから椅子から壁からがすっかり油まみれのゴミだらけ。
時として食い逃げされ、時として強盗に合いながらも、
そんなゲトー街のチャイニーズ・レストラン、
なんだかんだ言って必ず繁盛している。

で、そんな黒人街のチャイニーズ、
なにが人気か、と言えば、勿論フライド・チキン、である。

ポーク・フライド・ライス、つまりは炒飯の上に、
フライド・チキン・ウィング、つまりは手羽先のフライを乗せて、
それに、エキストラ・グリース、わざわざ油を注ぎ、
そのギトギトの奴に、黒人たちはかぶつりつくのである。

このフライド・チキン・ウィングと炒飯のコンビネーションは、
実は、カリブの島々でも定番化していて、
それを逆手に取って、ラテン系のゲトー街には、
ラテン・チャイニーズと称して、この手羽先+炒飯が不動の地位を占めている。

という訳で、カップラーメンからチャイニーズから、
アジアのメニューが完全に市民の生活に密着している訳なのだが、
ここに来て新たな風潮が広がりつつある。

近所にある安売り自慢のなんちゃって日本食レストランに、
なんと黒人の家族が行列を作り始めているのである。

黒人が寿司?ありえねえ~、と思うのはシャローなステレオ・タイプである。



そう、今や世界のジャパニーズ・クイジーンである。

俺の友人たちは、それこそ寿司でもラーメンでも天麩羅でも、
下手をすれば、大戸屋の常連でメニューを全部喰った、やら、
或いは、最近ブイブイ言わせているリッチ・ニグロの連中は、
俺が手も足もでないような高級寿司屋のカウンターで、
うーん、だったら次はハマチを貰おうかな。これ、まさか養殖じゃないよね?
なんてことをさらっと言ってしまったり、なんていう小憎たらしい輩も出現しているこの21世紀。

で、そう、最近、どう観てもリッチに見えないゲトー色ムンムンの黒人一家が、
時として日本食屋に行列を作ったりするのが、
果たしてどんな事情か、と改めて聞いてみれば、

寿司を食べると頭が良くなる、と思っているらしいのである。

寿司を食うと頭が良くなる?
それって、もしかして味の素の間違いなんじゃねえのか?

そんな馬鹿な、とは思いながら、確かに、
ガイジンが箸を器用に操っては、
醤油びとびとなれどもお上品に寿司を頬張る様は、
前歯を剥きだしては手づかみでハンバーガーやらフライドチキンを食いちぎるのに比べれば、
確かにちょっと文明っぽく見えたりしないこともない。

がしかし、だからと言って、寿司を食うと頭が良くなる、
なんて話は聞いたことがない。

俺なんか寿司大好きだけど、まるっきしバカだし、
寿司食うだけで頭が良くなるなら毎日だって食ってやるよ。

そりゃ、そう、黒人にだって色々いるように、日本人にだって色々いるでしょうよ、
というのは手痛い指摘ではあるのだが、そう、そんな黒人一家、
親たちは、天麩羅やらサーモン照り焼きやら、竜田揚げ、なんてものを手づかみで食いながら、
ビーズ編みにカラフルな数珠をぶら下げた子どもたち、
どう見ても寿司やら刺し身よりは、
フライド・チキンを齧りながら縄跳びでもやっていた方が似合いそうなのだが、
しかし、見るからに大地の母と言った感じの親たち。
はい、あんたたちはしっかりスシを食べなさい、
お父さんみたいなバカになりたくないでしょ?
なんてことを真顔で説き伏せたりしてる。

ところでこの店、EBTカード使えるのか?

なんて言ったらまじめに怒鳴られそうなのでやめておいたが、
そのうち、ゲトー黒人街になんちゃって寿司屋が立ち並ぶ、
なんて時代が来るやも知れず。

そう言えば、LAの吉野家は、メキ公ばっかりだったしな。
そう、日本食もいまやしっかりと地元に浸透したということなんだろうが、
ねえねえ、カップラーメンばっかり食ってたらすっかりアトピーになっちゃったよ、
なんて声が聞かれないことを祈るばかりだ。

なんてことを書いていたら、無性にポパイのピリ辛フライド・チキンが食べたくなって来たのだが、
そう、人種に寄らず、バカはバカ、それで良くねえ?と思ったりもしている。



プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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