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しぇきなよろしく・べいびいめたる ~ おことわりにかえて

Posted by 高見鈴虫 on 08.2016 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments
嘗て東京で売れないバンドマンをしていた頃、
下北沢に住む友人宅によく転がり込んでいた。

そいつは元高校の同級生。
学生当時から鼻摘まみの鑑と謳われた俺、
登校拒否というよりはバンドとバイトと不良活動が忙して、学校に行っている暇も無かった、
そんな俺とは対照的に、
そう、あいつは成績優秀の美術部の生徒会長。
何一つとして接点の無い俺たちだったが、
互いに実は隠れ読書家であり、
それぞれがジャンルのまったく違うレコードを、
しこたま所持している関係から、
物珍らしさ半分、なんか勉強のためにはそういうのもいいのかもな、と。
奴の村上春樹と俺の村上龍。
奴の泉谷しげると俺の萩原健一
奴のムーンライダースと俺のジョニールイス・アンド・チャー。
奴のニール・ヤングと俺のイギー・ポップ、
奴のジョニ・ミッチェルと俺のプリテンダーズ
なんてのを貸したり借りたり、とそんな付き合いだった。

学校帰り、そんな友人と一緒に歩いていたりすると、
後輩たちからは、若い奴らにしめしがつきません、とかなんとか。
つまり、格好悪いからあんな奴とは付き合わないで欲しい、
なんてことを言って来られたりもしたが、
当然のことながら、俺はそんな後輩を問答無用に〆た。

俺のやることに良いの悪いの言うのは一億年早え。
すっこんでろ。

後になって、奴は奴で、先公どもから、
あんな不良とつきあうのはやめなさい。馬鹿が染りますよ、
なんてことを言われていたらしいが、
俺と同じ対応で、突っぱねていた、らしい。

そう、ガキの付き合いなんざそんなものだ。
横から下手な口を挟んでもろくなことはない。
友情なんて言葉は嘘くさいが、
まあそう、俺の付き合いに要らぬ口を出すな、が、
年頃のガキどもの独壇場。

その聖域に下手な無理強いをかけようものなら、
ガキは自分自身さえもうっちゃって、
他人の言うことしかできねえロボトミー化してしまうか、
或いは、そう、徹底的に己の道だけを暴走し始める。

そんな友人は、高校卒業後、
数多の推薦入学すべて断り、
そして東京に出て、漫画家になる、と宣言し、
この俺でさえがまさか、とは思ったが、
なんとしたことか、
奴はそれを、まじの本気で実行に移し、
下北沢から徒歩20分、
まさに昭和といよりは、
明治大正時代からの文化遺産のような、
窮極的な貧乏木造アパート、なんてところに居を構えることとなった。


当時から俺は、食うや食わずどころか、
宿なし、職なし、脳みそなし、の三拍子揃った特攻バンドマン。

キセルと恫喝、逃げ足だけを頼りに電車を乗り継ぎ
スタジオとハコを行き来しながら、
ギグの打ち上げが長引いたり、
リハが終電を割りこんだり、なんて時、
そして、転がり込むオンナにあぶれた、
あるいは、今日だけはどうしてもおまんこしたくない、
つまりはすべったギグの後、なんて時に、
ちょくちょくとそいつの下北沢のアパート、
玄関・便所共同の風呂無しの三畳間に転がり込んでは、
汗臭い身体のまま、前世紀からダニの住み着いたような古畳に転がり、
一心不乱に漫画を書き続ける奴の迷惑も顧みず、
あれやこれやと寝際のおしゃべりに付きあわせたりしていたものだ。

宿代は、と言っても、
まさかそんな野郎になんのサービスをしてやる訳にもいかず、
かと言って金も食い物もなく、
ともすると、奴の虎の子の食パンの食い残しを、
知らぬふりして勝手に食ってしまったり、
なんてことを繰り返していた関係上、
そのお礼はというと、俺の出るギグのフリーパス。
バンド関係者ってことにして、
ほうぼうのギグにちょくちょく呼んでやったりしたものだ。

そう言えばさ、と奴が言った。
この間話してた、ほらあの話、
なんてったけ、あの、そう、
神社にあった歴史遺産の沼を勝手に埋めちゃったって。
ああ、あの正義の少年建設隊な。
ああ、あの話が某社の担当者に売れたんだよ。
どこぞの漫画家さんが面白がって使ってくれたそうでさ。

その頃、奴はさすがに漫画家では食えず、
なんたら業界紙の穴埋めに挿絵を書いたり、
あるいはコラム欄にできそこないの記事を投稿しては小銭を稼ぐ、
なんていう方法を編み出したらしく、
また、知り合いの漫画家たちに当たり障りのないネタを提供しては、
そのお礼のような形で、別の仕事先を紹介してもらい、と、
なんだかんだ言いながら、それなりにぎょーかいにコネを広げつつあった。

いやあ、ボクの高校の同級生にほんと、どうしようもない奴がいましてね、
なんて風に、担当者との打ち合わせの席で、

あっはっは、そいつは、ほんと、まさに、どうしようもない、ほんまものの、馬鹿、って奴だね。
あっはっはっは、そこまでの、馬鹿、は、ほんと、最近珍しいよね。笑った笑った、とか。

お前の話、わりとウケを取ったよ、と大して面白くもない、と言う風に鼻くそをほじられては、
おお、あんな糞話でもいいんだったら、いくらでも話してやらあ、
という訳で、
最近珍しい、ほんまものの本当の馬鹿、そのとっておきの与太話。

ガキの頃の、やら、暴走族時代の、やら、この間のギグの、
あるいはそう、業界、つまりは当時の東京のアンダーグラウンド・ロックシーンの、
ここだけの裏話、なんてのを問われるままにくっちゃべっては、
なんとか、まあ、そんな宿代代わりにして貰っていたのだ。

その後、俺は本命と思っていたバンドがポシャり、
ちょっと息抜きに、とこじつけて香港に逃亡。
そこで教えを乞いた海外無手勝流無銭旅行の極意に則り、
アジアン・ハイウエイ、ケンケンパ旅行に出発した訳で、
すぐに帰る、と言い残して一年余。
セックス・ドラッグス・ロックンロールを極め、と言ったら大げさだが、
まあ俗にいうイケナイ遊びに手を出しては廃人同然。
さすがにそんな輩には東京一は世界一のバブル世間はあまりにも世知辛く、
小銭をかき集めてはまたバンコクに舞い戻り、とそんな暮らしが始まって、
そうこうするうちに下手を踏んでは本格的にケツに火が点き、
借金も本もレコードも、そしてドラムセットも、全てうっちゃったままの夜逃げ同然に渡米。

その際、最大の迷惑を被ったのが、言わずとしれたその漫画家志望の元同級生。
あっちが落ち着いたらすぐに帰ってくる。その時に荷物も整理するし金も返す、
あ、あと、俺宛になんか来たら、なにも知らねえ、で追い返せよ。
下手なこと言うと・・・まあお前なら大丈夫か。あとはよろしく・べいびいめたる。
とかなんとか言って、その後数年はなんの連絡もせず。

ようやく世界がインターネットと繋がったのを機会に、
ピポパポポパパのアメリカ・オン・ライン、なんていうものの出現と同時に、
よおよお、元気かよ、のタイプ文字が、最初はローマ字であったが、再開したという次第。

で、よお、ネタに困ってねえか、と。
例によって名前は出してもらっちゃ困るが、
おかげさまでちょっとカタギの方々には言えねえ糞話、山程仕入れてきたぜ、
なんて話から、だったら、まあなんか適当に書いて送ってみろよ。
その中で使えそうなものがあったら使わせてもらうから。
ギャラ?ギャラってなんのことだよ。
あのなあ、そんなこと言う前に、
お前、そんな暮らし、長く続かないだろ?
どうせそのうちてんぱって日本に帰ってくることになるんだから、
そのギャラってのは、
その時の為の家賃代ってことで、積み立てといてやるからさ、と。

このブログのそもそもの発端は、そんな話。

一般公開にしていたのはどうせ誰も見ない、と確信があったからで、
またプライベートとかにするにしても、パスワードの設定とかが判らず、
というか、あいつの為にそういうのわざわざやるってのが癪に触って、
事実、誰も訪れた形跡もないまま十年が経つに至っていた訳だ。

そう、あのうざってえのびたラーメン頭の美術部の生徒会長野郎、
あんな野郎のために、セコセコと書き続けてきたこのブログ。

そのあまりの文章の下手くそさと、内容の支離滅裂さ、地雷原のような誤字脱字の数々。
お前のメール、まじストレスで胃に穴が開く、と言わしめたそのくどい文体。

当のあのダチにしても、おい、読んだかあれ、感想送れや、
なんてのにも、ああ、判った判った、今忙しいから、また暇ができたらな、
と放置されたまま、裏の空き地に雑草がはびこるが如く、
誰にも知られることなく、誰に使っても貰えないネタ帳が、
好き勝手に自然繁殖しては、ジャングルのように生い茂るばかり。

今回のベビメタもそんな流れからで、
おい、ベビメタって知ってるかよ、あれな、凄かったぜ、まじで、
と書き始めては、書けば書くほどにオチも結末も見失ってしまったそのメール。
こんなものメールで送ってもどうせ読まないだろうし、このパケ代どうしてくれんだよ、
と腹を立てられてもつまらねえ、という訳で、
ほらよ、詳しくはこっちだ、よく読めよ、と投稿した、に過ぎず。

なのでまあ、そう、そんな理由から、
もしもそんな、俺と、そして俺のダチとのくだらねえ片道書簡、
その内容が気に障った、というのであれば、
心よりお詫びを申し上げ、なんてつもりは毛頭ないが、
あ、っそう、だったら、悪かったな、ぐらいの気持ちを示すぐらいの分別は、
ようやく・笑 身につけたつもりだ。

という訳で、そう、なんか妙な具合から、
そんなジャングル・ブックのようなこの糞ブログに迷い込んだ方々。
どうせこんなもの読んでも糞の役にもたたねえし、
普通の人には訳の判らないことばかり、な筈なので、
よほどのゲテ物好きの方以外は、あまりお薦めはしませんよ、
ってのが、まあ、最初に言っときますがね、ってところで、
なら、最初にそう書けよ、と(笑

お後が宜しいようで。

しぇきなよろしこ・べいびいめたる







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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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