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地下鉄で アイーン

Posted by 高見鈴虫 on 19.2016 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments
夜更けの緊急呼び出しで午前様。
で、時間差攻撃の午後出社。

と、
昼を過ぎて間の抜けた地下鉄に、
いきなりとんでもない美女、
それはもうモデルとか女優とかであって当然、
ってぐらいにまでもはや完全な超一級のグローバル・クラスの美人。
白人痩せ型。アップにした亜麻色の髪に、緑の瞳。
ファッションモデルにしてはちょっと背が低くもあるが、
その分ちょっと肉付きを加えてまさにそう完璧に加える事の永遠、のような、
息を飲む、どころか頭真っ白になるぐらいの美女、
ってのが、まさかよりによって、俺の隣に座ってた、事さえも気がつかなかった。

そう、おれはiPhoneでベビメタの動画を見ていたのである。

なぬ?
向かいに座った人々のなんか妙なざわざわ感に気づいた俺。
ふと、ん?と隣を見れば、
なんじゃこりゃ、と今にも床に転げて松田優作してしまいそうな、そんな美女。
それがこともあろうにどういう訳か、
俺の方に顔を向け、思わず鼻と鼻がくっつきそうな程に、
そのファンデーションのハケ跡からミクロの毛穴までがくっきり鮮明、な程のどん近さで、
しかもなにやら薄っすらと微笑さえ浮かべているのである。

んんんんん!?

思わず、頭真っ白、どころか、感電死。
微笑み返し、どころか、眉間に三本皺を刻んで、むむむむ????モードである。

いや、そう、なにかの間違いであろう。
そんなことが少なくともこんなおさーんの身に起こる訳がない。

そして再び手元のiPhone。ベビメタ動画。
とふとそんな隣の美女、気がつけばいきなり耳元に熱い吐息を感じる程までに大接近。
その桃色の唇がふと耳たぶに触れた気がして、思わず、ぞくっとして振り返れば、
なんとその絶世の美女のそのクリンクリンの睫毛が目の中に入るほどの大接写状態。
おっと顔を引いては見つめ合い、思わず吸い寄せられるように唇を重ねて、
の代わりに、ああどうしたことか、俺はなにを考えていたのか、
いきなりそんな美女の鼻先で、事もあろうに、アイーン、をしてしまったのである。。。

アイーン!

しばし流れる沈黙。
ああこのままなんのリアクションも無かったらどうしようと焦りが来るほどの長い長い沈黙の後、
ようやくその美女のまるでマシュマロか絹ごし豆腐か、というぐらい滑らかな喉が、
くっくっくと揺れ始め、そして絶世の美女は、
突如としてその分厚いお化粧の顔中が、一面の亀裂に覆われるぐらいにして、笑い始めたのであった。

良かった本当に良かった。あのまま一生、アイーンの顔をして生きる所だった。

と思いきや、
ねえねえ、とその白魚のような指を俺の謎のアトピー荒れの醜顔の前に翳すや、
いきなりのフォックスサイン!!!
ああ、美人はそのフォックス・サインまでがとてつもなく美しい。

ランダン、と美女は言った。

LONDON THE FORUM!
2014!

ええええ!?

I was there!! いたよの、そこのその中に!

美女は、BRITISH であるらしい。

貴方もFOX?
と促されて、
ああ、ニューヨーク プレイステーション、と答えながら、
俺、口臭く無いかな、なんて余計なことを考えている。

BABYMETAL、生涯最高のショーだったわ。
あの時ね、と言った途端、

いきなり、アタタタタァ!と飛び上がった美女。

車内の人々の間を、アタタタタ~ とすり抜けて、
ズッキュン! じゃね、BABYMETAL デス!

と閉まりかけたドアの間から飛び出して行ったのである。

夢というにはあまりにも呆気なく。
気がつけば俺は、未だにアイーンの顔のままだった、の、DEATH。

ああ、俺ってやっぱ、とことん日本人なんだよな、とそんなことを思いながら、
でもなんで、それがアイーンか、と。

ああ、そうか、あの青山神の変顔、あれが乗り憑っていたのか。

と思ったとたんに、やれやれ、神バンド、ろくなもんじゃねえな、と舌打ちをひとつ。









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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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