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アメリカ社会にだってイジメはある

Posted by 高見鈴虫 on 23.2016 ニューヨーク徒然   0 comments
こう言ってはなんだが、
アメリカ社会にだってイジメはある。

特に俺のように、
たったひとりのマイナリティとして、
他人様の庭先にひょこひょこと間抜けな面を晒してる、
なんて思われる時、

なんのかんのと、中傷や、冷笑や、侮蔑や、
時として恫喝とも取れる、
そんな向かい風にぶち当たることなど、ざらである。

嘗て勤務した会社でも、そんなことがあった。

アサインされたプロジェクト・チームの、
白人連中から徹底的な総スカンを食ったのだ。

二週間に渡るあの手この手の懐柔策、その七転八倒の後、
ついに音を上げて、当時の上司、今では親友でもあり、魂の師匠でもある、
デイヴに泣き言を並べた。

あの時も、いつものように、なにが起こってもまったく馬耳東風、
始終変わらぬ菩薩の薄笑いを浮かべたまま、
ふとすると、こいつちょっと抜けてるのではないか?
と疑いたくもなるほどの、あの大仏笑いのそのままで、デイヴはこう言った。

ところで、お前のゴールってなんだ?

ゴール?ゴールって、つまりこのプロジェクトの完遂だろ。

違う違う、それはそれ、これはこれ。お前の、極個人的なゴールさ。

俺のゴール?俺のごく個人的なゴール?

そう、お前のゴール。

そう聞かれて、俺は改めて言葉を失った。

俺のゴール・・・・

あのな、とデイブが言った。

俺も含めて、お前の周りの全ての人間たちは、
そんなお前のゴールを達成するための、一つの道具に過ぎないんだよ。

道具?ツール?

そう、道具だ。ツールだよ。穴を掘るのにシャベルが必要なような、つまりは道具。

その為に、お前のゴールの為に、俺を、そして、奴らを、利用しろ。道具として、利用するんだ。

お前の英語を笑うやつがいれば、そいつに発音の先生を頼め。
お前のメールの文法の間違いに目くじらを立てる奴がいれば、そいつに英作文の添削を頼め。
お前のスキルに疑問を持つ奴がいれば、じゃあどうすればよいのか、そいつだったらどうするか、よく聞いてみろ。

全ての人間を、道具として使え。そしてどんな人間にも利用価値を見つけろ。
そしてそいつらを、使って使って使いまくれ。

なあ、お前はサムライの子孫だろ?自信を持て、自信を!


あの菩薩のような穏やかな微笑みの奥の、
どこにそんな一種冷徹とまで思える合理主義が潜んでいるのか、
改めてぞっとしないこともなかったのだが、

そうか、人間は道具か。いかにもアメリカらしい、いや、デイヴらしい意見ではあるな、と。

という訳で、郷に入っては郷に従え。俺は奴らを徹底的に道具としてこき使うことにした。

あからさまな冷笑を浮かべる連中に、思い切りガン見の真摯な顔で、教えてくれ、と頼み込んだ。

俺は俺のゴールを達成するために、お前らの力が必要だ。
悪いが俺は俺自身が勝手に決めた目標の為に、お前らを道具として使わせて貰う。

そう心に決めた時、不思議なことに奴らの目つきが変わった。顔つきが、そして態度が変わった。

WELCOME と奴らが言った。アメリカへようこそ

♪ ♪ ♪

未だに俺は、このデイヴの言ったことが、正しいのか、
あるいはそれはそれで一つの罠なのか、
判断がつかないままでいる。

俺がこうなってしまったのも、この程度でくすぶっているのも、
つまりはそう、人間は道具、なんてところで生きている、
俺の度量の狭いせいか、とも思う。

ただひとつ言えることは、少なくともここアメリカにおいて、
あるいは、そう、
もしかすると、日本でイジメにあっていたりする人々に、
ともするとこの方法は、一種の意識転換になるか、とも思ったりする。

奴らを道具として利用しろ。

そして奴らを利用するためには、
まずは自分自身が、ゴール、つまりは目標をしっかりと見据えることなのだ。
目標を失ってしまったところにイジメが発生する、と俺は思っている。

一つの目的に向かって切磋琢磨し続ける中での軋轢は、少なくともイジメとは言わない筈だ。
イジメられて、泣き言を並べている暇があったら、自分自身のゴールを、そして目標を、見定めることだ。

その焦点が定まった時、全ての奴らは、あのどうしようもないいじめっこでさえ、
いかにもちょろそうな、カモに見えてきたりもするものだ。

という訳で、俺はそう、いまだにまったくどうしようもない男である。
正直言って、世間がどうなろうが、トランプがどうの、ヒラリーがどうの、と、
知ったことではない、と思ってる。自身にそう言い聞かせている。

俺はそう、俺自身の目標に向けて、突き進むだけだ。
周りがどうあろうが、何を言われようが、知ったことではない。

ちょっと寄り道、回り道をすることもあるが、
その焦点を見失わないかぎり、少なくとも迷うことはない。そう信じている。

日々、東西東西のカニバケツの底で、青色吐息の徒労を繰り返しながら、
人間というものの、その浅はかさに、あるいは、業とも言える罪深さに、
とことんうんざりこいている、そんなカニ人間たちよ。
しかし、ひとたびゴールを見極めたとたん、
その足に絡みついていた呪縛が、
知らず知らずのうちにひとつひとつ、
滑り落ちていく筈である。

ええ、でも、俺、目標とかねえし、と言う奴。

じゃあ、とりあえず、ちょっとした思いつきで恐縮だが、
ニューヨークに行く、ってのはどうだ?

ニューヨークの地下鉄の中で、
この世のものとも思えない本ちゃんグローバル・クラスの絶世の美女を相手に、
会心の アイーン! の一撃を見舞ってやる、その為に、俺はニューヨークに行く。

その為に、金を貯め、英語を学び、空手とテニスと、そしてCPAの資格勉強を始める。

まあそう、我らがスーメタルの、世界制覇、の夢に比べたらミミズの小便のような目標ではあるが、
まあ、そう、滑り出しとしては、そうそうと悪くもねえだろ?

ガキども、夢を見ようぜ、いつでも夢を。見果てぬ夢を。

イジメ?駄目、じゃねえよ。
目標を見据えた時、
あんなあ、この珍カスのおぼっちゃま、
頼むから俺の放っといてくれねえか?
悪いが俺は忙しいだよ、
と鼻で笑える自信がつくはずだ。

或いは、そんな時、
望む望まざるに関わらず、
ちょっといかれたロック野郎なんてのが、
要らぬ助っ人に現れたりするかもしれない。

糞蝿のように絡みつくいじめっ子らの腹に、
いきなり蹴りの一発をぶち込んで、
悪いが、そいつだけは放っておいてやってくれるか?
そいつには目標があるんだ。邪魔しないでやって欲しいんだ。

目標を持つ者の元には、必ず目標を持った者が集まる
あるいは、目標を持つことの尊さを知った人間が、
必ずやお前を守ってくれる筈だ。

いじめられっ子。
くよくよするな。人間そうそうと捨てたものじゃないぜ。

自身の目標を定める事が出来た時、或いはその夢に一歩でも近づいた時、
そんな時代も笑って過ごせる、そんな日がきっと来るはずだ。

がんばろうぜ、俺もがんばらあ

合言葉は、BABYMETAL レジスタンス  DEATH!





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プロフィール

高見鈴虫

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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