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夏の初めのニューヨーク ~ 美の神様 と 白い天使たち

Posted by 高見鈴虫 on 27.2016 ニューヨーク徒然   0 comments

いきなり弾け散るような、
夏の初めのニューヨーク。

世界はハレーション。
目眩を誘う閃光の中に、
これでも喰らえ、と言うかのような、
思い切りに剥き出されたその白い御御足が、
ああ、街中に溢れている、
そんな夏の初めのニューヨーク。

それにしてもだ、と思わず。

あのなあ、ねえちゃん、その脚、ちょっと長過ぎだろう。

と呆れ返る、ここニューヨークは、夏の初めの一日目。



なんかどうもね、この夏は「白」が流行りらしい。

いや、たぶん俺が、この俺が、
何故か白い服を着た子ばかり、目についてしまうから、
だけなんだろうが、
がしかし、
勝手に言ってしまえば、この夏は白。断然に白。

その清純そうな、いかにも涼しげな、白。
そして日に日に輝きを増すその太陽の光の中、
眩しいスパークを繰り返す、その白。純白の白。
夏の白。

そんな白い服に身を包んだ女の子たち。
まるで天使、がすっかり年頃を迎えたような、
そんなイケナイ妄想さえくすぐる、
その純真無垢の象徴の白。

でも、どうしたんだろう、
嘗てロッカーであった俺が、
これまで惹かれる女は、決まってちょい悪、小悪魔系。
ちょっとはビッチな、ちょっとミーンな、ちょっと生意気な、
でも好奇心に瞳キラキラの、そんな女の子、
つまりはロックな子ばかり。

そんなロックな子で、白い服を着たがる子は、
確かいなかった、筈なのにな。

さてはまたベビーメタル。
あの超絶悶絶錐揉みビートの中で、
レーザービームの視線に当てられて、
すっかり俺の好みのタイプまで、
塗り替えてしまったものなのか。

ベビーメタルを観て以来、
次々と襲い始めたこの生理的変化。
まるでDNAの配列ごと組み替えられてしまったように、
なにからなにまで、
日々、俺自身が全く違ったものへと、
作り変えられて行く気さえする。

ああ俺はいったい。。。 と溜息をつきながら、
ついついまた、
目の前を歩く白いワンピースを着た女のこ。

腰まで届く栗色の長い髪。
まだまだちょっと小さめのそのキュートなお尻。
そのすれすれぐらいまで伸びたワンピース。
まあその下には、ショートパンとか履いてるんだよね、たぶんね。

ああそれにしても、その脚の長いこと長いこと。

ふと見れば隣の相棒。つまり犬。
目があって、なんだよ、と思わずニカニカ笑い。

お前はいいよな、美人もブスも、
白い服もワンピースも、
ミニスカートもショートパンツも、
まったく関係ないんだからさ。

とかなんとか言ってる間に、
おっと、と前を見れば栗色の髪の白い天使。
それが目の前。

うわ、可愛い!

ちょっとお茶目そうな、ちょっと悪そうな、
その絵に描いたような小悪魔な表情。
まじタイプ、もろに、と思わず絶句、
そして神様に大感謝。

ああ、ニューヨーク、
ああ、この女の子、
ああ、夏の天使よ、
眩しすぎる。その白。
夏の白。

そんなおさんの想いなど、まるで眼中に無いように、
信号も変わらぬうちから、光の中に歩み出る純白の少女。

夏なんだよな、もうすっかり、
と、陽射しに焼かれながら、

ん?え?
なんか、いま、妙なもの見なかったか?

そう、あの子、あの白い女の子。
改めて見ればその女の子、
白いワンピースを着た、栗色の髪の、
その後ろ姿、揺れる栗色の、
その白い薄布のその中に。。。

げえ、黒のTバック!
それが丸見え!!

えええ、あんな女の子が、しかも黒の、しかも、Tバック!
それも、あのキュートなお尻に、食い込みまくり!

思わず、おい、行くぞ!、と犬を急かして、
いや、いや、いや、馬鹿な、目の錯覚だろ。妄想だろ。
だってあんな可愛い子が、しかもまだ、若い、若すぎる、
そんな少女が、純真無垢な、白い少女が。

と思いながらも、思わず追いかけるその後ろ姿。
えぇ、まじで?嘘だろ、の確かに黒いTバック。

がしかし、
ああ、ニューヨークの神様、こいつ本当に意地悪過ぎる。
観光バスから降りてきた、かぼちゃかじゃがいもか、
まさにゴロゴロと転がるような、田舎の観光客たち。
いつの間にか白い夏の天使は、
そんな人垣の向こうに消えて行くばかり。
幻のように、蜃気楼のように。。

くそったれ、と舌打ちを一つ。

そんな俺に、はっはっはっ、と赤い舌を出して笑う相棒。

なあ、見たろ?凄かったな、あのお尻。そしてあの黒いTバック。

あ?と犬。知るかよそんなこと、と。
どうでもいいけど、そのあたりで水くれねえかな、水。
暑くてやってらんねえんだよ、このうざい毛皮。


♪ ♪ ♪


という訳で、とつらつら木陰の遊歩道を歩きながら、
改めての女性心理の不思議を想う。

この間までの、あのローライズ・ジーンズ。
そのお尻から、これでもか、とむき出しになったTバックのそのライン。

そのたびに、おおおっ!とあの衝撃。いまだに忘れられない。

だが、だがだがだが、
あれ、まさに、まざと見せているとしか思えない、
それ以外には考えられない、
あの露骨な露骨過ぎる、下着見せ見せ。

そしていま、
今度は白いワンピース。
それこそシースルーのTバック。

改めて、女性陣、なぜ貴方達はそれほどまでに下着を見せたがるのか!?

そう言えばそんなこと、嘗てのマブダチと話したことがあったりなかったり。



やっぱさ、女ってさ、外見はツンとしてるけど、頭の中ってそればっかり、なんだろ?

ああ、それ違うよ、全然違う、と言い切った嘗てのマブダチ。

男の視線?ぜーんぜん!そんなもの考えたこともないよ。なに言ってんのよ。

だったらなぜ?なにゆえにそのTバック?と聞けば。

ただね、お尻を綺麗に見せたい。
そして、足を長く見せたい、ってただそれだけ。

Tバックで?

そう。このお尻、綺麗にすっきり見えるでしょ?
足もほら、ここ、ここの部分も入れて、ここまで、長く見えるしさ。

誰に?いったい誰に君のお尻を綺麗に見せたいの?

誰?誰なんか考えたこと無いけどさ。
男じゃないことは確かだね。少なくともあんたじゃないよ。

だったら?

だったら? うーん、敢えて言えば、美の神様かな。

美の神様?

そう、自分の中の、美の神様。
まあ、
女のプライドって言ったらなんだけど、
己の美意識なんだろうけどね。
それだけは譲れない、みたいな。

そういうものなのか?

そういうものってゆーか、ただそれだけ。

だったら、その際どく切れ込んだVネック。
どうでも良いけどおぱいの谷間見え見えなんだけど。

ああ、これ?これはね、首を長く見せたいの。

首?首なんかどうでもいいんだよ。
問題は谷間。そのおぱいの谷間だろ。

あんた馬鹿ねえ。
谷間?そんなものぜんぜん気にしてないってばさ。
まあ、見え過ぎちゃうと野暮だけどねえ。そのあたりの兼ね合いがさ。
でもね、ほら、このラインから、ここ通って、
で、そう、この顎まで。判る?
この長さ、つまり、首の長さ、な訳よ。

ん、なんで?

なんで?決まってんじゃん。
足と腕は首はより細く長く。
で、その目的は、と言えば、じゃーん、顔をなるべく小さく見せたい。

顔を小さく?

まあ全体的なバランスだけどね。
まあほら、私的にはだけど、顔を小さく見せるために、
髪にボリューム加えたり、あるいはアップにしてまとめたり、
上はVか、あるいはボタンふたつ外して、まあ鉄則だよね。
ちょっと無理してもヒールの高い靴履いたりとかさ。
これでもいろいろ大変なんだよ。オンナはさ。

で、それが為の、Tバックと、そしてその谷間まるみえ。

だからあ、そんなこと考えてないって。
だってさ、お尻にパンツのライン?最低じゃない。わたしは許せないね。

いや、違うな。違う。そんな理由である訳がない。
どう、あたしのお尻、最高でしょー、よってらっしゃい見てらっしゃいって。
そうやってちやほやされたいだけなんだろ?

あんた馬鹿じゃないの?
ねえ、言わせてもらえばさあ、
あんた、最近ますますおさん入ってきたよね。
なんかそう、思ってることがストレートに出てこないっていうかさ。

思ってることがストレートに出てこない?
いや、俺は思ったこと言ってるじゃんかよ。
ストレート過ぎるぐらいに。

なにを?

だから、そのTバックと、その胸の谷間。

だからそれがなんだって?

え?だから?それが?

そう、だから、それがなんなのよ。

そう、だから。なんか、凄えぇ! とか、おおおっ! みたいな。

凄え、なに? 素敵ってこと?

うん、まあ、そう、そうかな、素敵、ってことなのかな。

でしょ?素敵でしょ?そう、素敵なのよ。
だったら最初からそう言えばいいのよ。
今日の君は素敵だねって。
それをさあ、いろいろゴタゴタうるさいのよおさんは。
ああ、男もここまで落ちると、ああ、悲しいもんだよね、この時の流れ。

そこまで言うかよ。

言うよ、だって、なによ、そのTバックとか谷間とか。いやらしい。
馬鹿じゃないのって。
本当にあんたって、まあ今に始まったことじゃないけどさ、
オンナの気持ち、ぜんぜん判ってないよな。



ああ、あの小娘。糞生意気なあの小悪魔。
あいつはいまでも、世界のどこかで、
例えばそう、お尻すれすれの白いワンピースに、
きちきちの黒いTバックをこれ見よがしに食い込ませて、
そして世界の男たちを、あっ!と言わせながら、
そんなこと素知らぬ顔して、
おつーん、と顎あげて、闊歩しているんだろうな。
そうあって欲しい、とも思っている。思いたい。

なんてことを考えていたら、おっと、なんだ!

辿り着いたシーダーヒル。
その若葉の芝生の上には、
まさにビキニビキニ、ビキニの群れ。
なんだよまるであの黒いTバックの、その大集会。

ねえちゃんから、おばはんから、ばあさんから、子供から、
見渡す限り、ビキニビキニビキニな人々。
Tバックどころか、もうなにもかもが、丸見え。まあるみえ!

た、た、た、大漁だ!この白魚の群れ。

思わず声を失って、
いったいどうしてしまったのかここニューヨーク。

え?なにが?ただ陽に焼きたいだけよ。

でも・・・

え?これ?ああ、これはね、
だってみっともないでしょ、お尻に日焼けの跡とか。

だから?

そうよ、だからよ。決まってるじゃない。足が長く見えるでしょ?
ほら、ここから、ずうっと来てここまで。

ああ、まあ確かにねえ。

だったら、ごたごた言わないであっち行ってよ。
お願いだから邪魔しないで。
私と、私の美の神様との、素敵なひと時。


♪ ♪ ♪


という訳で、今年は白だな。
白のシースルー。
まさに最強だろう。

白は天使の色?

いや逆。

この時代、白こそはもっとも背徳な色。
そして、最も美の神様に正直な色。
ニューヨーク中の小悪魔達が、
これでもかとTバック食い込ませては、
上からはらりと羽織る白いワンピース。

これだよ、これ、そうこなくっちゃニューヨーク。

まあそう、だからと言って、このおさーん、この俺の身に、
どんなドラマが期待できるかって、意味じゃ全然ないんだけどね。
悲しいことに。

なんて考えてたら、お池の端のサックス吹き、
そんな俺の心の底、まるで見透かしたように、

BUT NOT FOR ME...

思わず口ずさんで、
ああ、ニューヨークなんだよな。
そして、ああ、夏なんだよな、
とサングラスの奥で目を細めるおさんなのであった。



どうだ、キモオタ。どうだ、ベビメタおたくの敗れ去ったおさんども。

俺はまだまだ大丈夫だぞ。

だって、そう、俺にはニューヨークの神様が付いている。

そう、俺は痩せても枯れても、ニューヨーカー。
くっそお、死んでもリア充だ。

誰にも相手にされていないが、それでもだ。意地でもだ。死んでもだ。

だがしかし、そう、だがしかし、

あのベビーメタルのコンサートで、こんな白魚のような姉ちゃん連中が、

まさに、ユイ最愛に合わせて、踊り狂ってたりしたら・・・

なんて考えても見るのだが、
ああ、でもなあ、そう、あのライブだもんな、
一度あれが始まったら、そんなことみんな忘れちまうんだよな、
そう、そこまで凄いBABYMETAL。

あああ、ニューヨーク、ああ、ベビーメタル。
また来ないかな、早く来ないかなあ。

行けBABYMETAL、世界にはばたけ、超絶悶絶錐揉みビート。

世界中を踊らせてくれ。狂ったように。

俺の為に、世界の為に。




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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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