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BABYMETAL 必勝の方程式 ~ 狐火的ネタ帳 

Posted by 高見鈴虫 on 25.2016 BABYMETAL☆ベビーメタル   0 comments

「最初に書いてしまうあと書き」


いやあ、かみさんのいないうちに、
というか実は、
6月20日のゆいちゃんの誕生日までに間に合わせようと思ったのだが、
時間を見つけてはIPHONEにチコチコと打ち込んでいたものの、
それをなんとか形にまとめられればと思っていたのだが、
読めば読むほどに面倒くさくなって、
あるいはそう、
実はもっともっと、書かねばいけないことがある筈じゃないのか?
なんて気にもなってきて、
まあいいや、そのまま羅列してやれ、とそのまま切り貼りしてみた。

結果、一貫性もなにもないなくまさに狐火
おまけにテーマを欲張りすぎて、自分でもなにがなんだか判らない。
まあそう、今後のためのネタ帳代わり、にしようと思っている。

ので、そう、これはネタ帳である。
これを読まれてしまうと、それこそネタが明けてしまうわけなので、
それをバラしてしまうというのからして本末転倒。

ただそう、IPHONEのメモ帳、割りと間違えて消しちゃうことを多くてさ。

なのでまあバックアップ代わり。

そのうちまたなんか判ってきたら、
ちょっとふくらませるなりツギハギするなりしてみようか、
とも思っています。


♪ ♪ ♪ ♪




「ベビーメタル 絶対に滑らないバンドの伝説」

ベビーメタルを巡る神話の一つに、
絶対ライブを滑らない、という伝説がある。

そう、ベビーメタルはライブを滑らない。
それが例えどんな状況においても、
ベビーメタルはその観客を500%必ず満足させる。

例えばそれが、蒸し風呂のような密室の中、今にも酸欠卒倒しそうな過酷な状況であっても、
あるいはそれが、開演直前にいきなり集中豪雨に見舞われた嵐の中であっても、
あろうことかそれが、開始直後のテクニカル障害から三十分も中断、
漸く再開はしたものの、予定されたセットリストが半分になってしまった、
なんて時でさえも。
そしてそう、
母国から遠く離れた見知らぬステージで、
ひょっこり迷い込んできた余所者風情を、
十万もの「敵」が手に手にペットボトルを持って待ち構えている
そんな絶体絶命の土壇場においても。

ひとたびベビーメタルがステージに姿を現すや、
そのあまりにも圧倒的なパフォーマンスを前に、
観客は一挙に脳停止状態。
そのグルーヴの中に我を忘れ、
飲み尽くされては踊り狂い、
言語を超えたその説得力を前に感動の涙に咽んでは、
ついには熱狂的にこの異邦のバンドを迎え入れることになる。

どんな状況においても
絶対にライブを滑らないバンド、ベビーメタル。
その条件が悪ければ悪いほどに、
ハンディを逆手に取り、
二倍三倍のパワーに変えて弾き返してしまう。

ベビーメタルとはまさにそういうバンド。
まさに奇跡の大逆転バンドである、という訳だ。



「ベビーメタル・ライブ必勝伝説の謎」

絶対にライブをすべらない、
つまりは勝率十割の奇跡のバンド、ベビーメタル。

がしかしながら、
これまで俄バンドマンとして、
数々の滑った転んだを繰り返して来た経験から、
勝率百割、俺にはそれがどうしても、信じられないのである。

こと人間である以上、
調子の良い時もあれば悪い時もある。

特にこれまでのロック界において、
伝説的なキワモノと謳われて来たバンドの多くは、
一か八かの大博打系。
良い時は凄く良いが、
滑った時はもう無茶苦茶。
途中でステージを投げてしまっているとしか思えない程に、
酷い時は、まさに酷い。
ロックなんてまあそんなもの
つまりは生もの。
酷い時があるから良い時がより凄くなる。
それこそがロックの醍醐味、
とかなんとか。

特にそう、エアポケットと言われる神降ろし状態
そんなものをライブで体験できるのは一生のうちにもあるかないか。
下手をすればそのキャリアの全てを通じて、
一度もその神降ろしの瞬間を経験できなかったミュージシャン、
実は多いのではないか。

そう、これが今までのロックの定説、あるいはレベルでもあった。

がしかし、あろうことか、このベビーメタル。
そのステージに滑りはない。

そして奇跡とまで言われたあのグルーヴの神様、
つまりはステージにおけるエアポケットの神降ろし状態。
それが実に、
このベビーメタルのライブにおいては、
毎回毎回、当たり前のように出現しては、
呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃん。
次々と舞い降りた神々はすでにすっかり常連さんモード。
夜な夜なベビーメタルのライブを襲っては、
この世の花とばかりに躍り狂う。

そう、ベビーメタルのライブにはハズレがない。
そして、世界中のミュージシャンたちが、
あれほどまでに追い求めたグルーヴの神様の、
その第一のお気に入り、と来ている。

まさにそう、世界一のライブバンドに相応しい、
絶対神話に飾られたこのベビーメタル。

がしかし、
と飽きもせず穿った考えが心を過る。
これはどうも眉唾ではないのか?
いくら乗りに乗っているバンドとは言え、
この勝率まさに十割。
それが本当であれば、
神懸かり、なんて言葉ではとても言い表せない、
まさに起こってはいけないことが当たり前に巻き起こっている、
というわけで、これを奇跡と言わずしてなんと言おう。
まさに世界の七不思議の筆頭にもあげられる、まさに人類の謎。
まさか、そんなことが、な訳である。

そう、ベビーメタルといえども、
あるいは神とまで名のついたスーパー・バンドであろうと、
詰まるところ人間なのだ。

人間である以上、間違いはあるし、
あるいは、体調が悪い、疲れた、気分が乗る乗らない、
二日酔いだ、歯が痛い、かあちゃんと喧嘩した、
犬のうんこ踏んだ、腹が減った、どうも身体のキレが悪い、

人間なんだぜ、
それぐらい、誰にだってあるだろう?

がしかし、
このベビーメタル全勝伝説。
いやしかし・・・
絶対にありえない。 ありえてはいけない・・・

と、こんな難問に直面した時、
大抵の人々は最も簡単な答え、
つまりは迷信と言うブラックホールの中にすべてを丸投げしては、
つまり神様がついているんだよね、
なんてところで脳停止してしまう。

或いは、

物知り顔に、
あっそれ、つまりはマニュピレーター。
つまりは音被せてんの。お皿回してるだけ、
なんていうド畜生なデマさえも乱れ飛ぶ事にもなる。

がそう、
俺はどうしてもその秘密が知りたい
迷信でもなく中傷でもない、
その本当の秘密。
ベビーメタル その必勝の方程式。



「ベビーメタル必勝の方程式」

とそんなことをつらつら考えるに、
仮説として一番信憑性があるのが、
つまりはそう、
ベビーメタルはそれを、見つけ出したのではないだろうか。

絶対にライブを滑らない方法論、
そして
必ず神様を降臨させ得る、その術を。

では果たして、
ベビーメタル必勝の方程式、
それが一体なんであるのか。
日夜考え続けているのではあるが、
どうにもこうにも納得の行く答えがみつからない。

という訳でそう、
例によって徒然なるままに駄文を書き連ねながら、
ちょっと考えを整理してみようか、
と思いついた。

どうせ答えなど出ないであろう。
またいつもの奴で脈絡の無い無駄な長文を綴ることになるだけ。
ああそう思うだけでもうんざりだろう。
だがそう、
俺はこの問題だけは、ないがしろにする訳には行かない。

まあどんな答えが出るか、やるだけやってみることにしよう。

ベビーメタル必勝の方程式 その秘密を探る旅、である。



「フロント三人というこの布陣」

前回の、若くて可愛いベビーメタル、でも触れたのだが、
改めてこのベビーメタル、
そのトレードマークとなるところが、
三人娘のユニット、である。

若くて可愛いベビーメタル。

初めてベビーメタルを見た人々が、
一様に受けるこの印象、
若くて可愛い、というこの絶対的なイメージ、
それが果たしてどこから来るのか、と言えば、
言わずと知れた、
スーユイモアの三人、
その若くて可愛い三人娘、その構図。



「ベビーメタルのというひとつの偶像 ~ モンタージュ効果について」

なんという名前が付けられていたか思い出せないのだが、
女子グループには相乗効果の鉄則があって、
見知らぬ女子グループに接した際、
見る者はその印象の中で、
グループの面々から、良いパーツだけを寄せ集めて即席モンタージュ、
ひとつの妄想型理想的な偶像を作り出してしまう、
という心理効果のトリックがあるらしい。
女の子たちが群れて歩きたがるのは、
実はそれが理由、ってな話。

この女の子グループのモンタージュ効果、
例えばそう、よくある話、
海で出会ったイケイケ集団が真夏の太陽の下ではとてつもなく魅力的に見えて、
思わずお調子こいてはまんまと誘い込まれた暗がりの駐車場、
いざその一人ひとりを選ばねばじゃんけんぽん、とやりながら、
改めて見てみれば・・・むむむむ・・・つまりは全てが一長一短。
思わず、んだこれっ?と目を覚ましても後の祭り。

あるいは、
旅先の街ですれ違う女の子たちがみんな綺麗に見えてしまったり、なんてね。
ただ、
街に着いたばかりの頃は、あれ程までに魅力的に見えていた女の子たちが、
数日の滞在の間にいつしかその印象がばらけて細分化し、
なんだ良く良く見ればやっぱりいいのもいれば悪いのもいるな、
という当たり前の現実に気づかされて苦笑い。

どう?そんな経験誰にでもあるよな?

だがしかし、そう、だからこそ、
その中でもこれぞ!という、
つまりは絶対的なまでの美人オーラに包まれた逸材が、
つまりは、その土地、その民族の美の基準に沿ったご当地美人が、
自然と浮かび上がって来たりもして、
その時になって初めて、
見知らぬ土地の人々と価値観を共有する
密やかな愉しみを知るわけである。

と言う訳で、この女子グループの相乗効果であるところの
モンタージュ的偶像イメージ、

実はそれ、まさしくベビーメタルにも当てはまる訳で、
例えばよく居る大ボケ野郎、
ユイとモアの見分けがつかない、やら、
二人は双子なんだろう、から、
ともすれば三人みんな一緒に見える、という輩は、
つまりは良いところ取りのモンタージュの中に、
ベビーメタルというひとつの偶像を見ている、ということなのである。

そのモンタージュ効果におけるイメージ戦略。
揃いのコスチュームから髪型から、
そしてその超絶的なまでにシンクロしたアクション。
その心理的イメージ戦略の効果は、
確かに絶大な成功を見ていると言える。




「国民的美少女、という存在について」

改めて言えば、
ベビーメタルは純日本産の美少女、その三人娘のユニットである。

海外の人々には良く分からない奴も居るのだろうが、
ベビーメタルのスーユイ最愛。
この三人は、まさに全日本国民が太鼓判を押す、
正真正銘本家本元の純正的日本の美少女である。

例えばミス・ユニバースやらに象徴されるように、
外人受けする日本美人というのは、ともすると、
日本人的美の基準においては、思わず????
と首をかしげるどころか、いきなりお茶を吹く、
あるいは、ざけんなよ、と湯のみを投げつけたくなる、
そんななんちゃってまがい物系、ばかりに思えるのである。

そう、その国固有の美意識は世界の標準とは違う

海外で認められた日本美女、そのどれもが、
我々日本人にとってみれば、
なんともバタ臭く、田舎くさく、わざとらしく、
知性と洗練とナイーブさに欠けた、ただの馬鹿っぽいブス、
に見えてしまうのも、つまりはそう、
その国々、民族における美の視点が、
グローバル基準とはちょっとずれたところにあるから、なのである。

そんなグローバル向けの日本美人を、俺は偽物、と断定する。
改めて美人とはなにか?
つまりはそう、幼き頃から、たまのような美少女と育まれ、
誰からも美人、と認識されたまま、美人の王道を突き進んだ、
そんな正真正銘の純正美女だけが自然と身に付ける、
まさに美人オーラ
その美人オーラこそが、美の真髄の最もたるもの。

その辺りのとってつけたようなグローバル美人、
あるいは、どこぞの国で整形手術を受けて、
わたし、生まれ変わったの!なんていう即席美女やら、
あるいは、
ここニューヨークによくいる化物クラスのブスが、
雨人さんの腕にぶら下がってご満悦。
へーん、もう日本人なんて目じゃないわ、
という例のあれ。
そういう類と、この純正美女達の根本的な違いは、
まさにその、美人オーラなのである。

そして改めて言えば、
このベビーメタルの三姫たち。
押しも押されもせぬ、美人オーラの塊りである。
さくら学院という、選民的アイドルエリート養成所の特待生、
そこで磨きに磨き抜かれた、
まさに、日本一の美少女たち。

この手加減なしの純国民的民族的美意識に貫かれた、
この正真正銘の美女たち。
その、一種高貴とも取れるまでの純正美少女パワー。

そんな民族的純正美学の結晶を前にした異人さんたち。
当初の異文化的な物珍しさ、
そしてその象徴であるところのモンタージュ的イメージ、
その幻想に浸りながらも、
いつしかその呪縛から離れ、
三人娘達、その個々の魅力、
つまりはそう、幼き頃から育まれ続けたその美の結晶である、
その凄まじいばかりの美人オーラ、
その神々しさに気付いた時、
改めて、このベビーメタルという奇跡と、
そして、そんな彼女たちを純正美人と定義した、
日本という国の美的感覚、あるいは美意識、
その価値基準の座したるもの
その魅力の深淵の中に引き込まれることになるのである。

ベビーメタルこそは、
つまりは日本というガラパゴス的美意識、その結晶。
誰も知らぬ山奥の底の底で、
静かに水を称えるエメラルド色の湖を思わせるような、
そんな日本美の真髄への、入り口であったりもするのである。

ベビーメタルを知った海外のメイトたちが、
思わず日本への移住を決断するのは、
まさにそういった理由なのではないだろうか。



「ベビーメタルはなぜ三人か」

ベビーメタル。
そのトレードマークはもちろん、
若くて可愛い三人娘。
で、改めて、果たして、何故に三人なのか。

ベビーメタル必勝の法則を考える上で、
まずはそのあたりから探っていく必要がありそうだ。

では改めて聞こう。
なぜベビーメタルは三人である必要があるのか?

というわけで、もはやありふれた感のある仮説。
もしもベビーメタルが、スーメタルのワンマンバンドであったなら
果たしてどうなっていただろうか。

つまりはそう、
スターであるところのスーメタルこと中本すず香、
彼女がソロシンガーであったとしたら。
あるいは、
ステージの全てが全て、
そんなスーメタルの独断場で、
あとの二人はまさに添え物。
神バンドならぬ、神ダンサーズ、
名前も知られないぐらいに目立たない存在で、
スケジュールやギャラの都合で好き勝手に差し替可能、
そんな派遣従業員のような存在に過ぎなかったとしたら、
果たしていったいどうなっていただろうか。

いや、と諸氏は笑うだろう。
それはありえないね。

そう、確かにありえない。
であるならば、
なぜそれがありえないのか。

つまりはそこにこそ、
ベビーメタルの必勝の法則の謎が隠されているのではないだろうか。



「絶対の三人娘という、ベビーメタルの特異性」

これまでの音楽史に、
三人娘というユニットは数あれど、
しかし、ほとんど大抵の場合は、
スターであるところのリードシンガーと、
そしてあとは、いったいなんのためにそこにいるのか、
当人たちでさえ釈然としないような、
そんな添え物的な二人、というパターンが主であった気がする。

たとえばそう、
かのダイアナ・ロスとシュープリームス。
スターであるリード・シンガーのダイアナ・ロスとは一線も二線も画し、
他の二人は大して意味のないお飾り的存在。
その中央のスターとの間のあまりにも大きな存在感の落差。
まさに刺身のツマ、という揶揄がぴったりなぐらいに、
意味のないケースが多かったと思うがどうだろう。
例えばそう、
ダイアナ・ロスの名は誰もが知っていたとしても、
果たしてシュープリームの二人の名前、
貴方は知っていますか?
少なくとも俺は知りません。

がしかし、このベビーメタル。

改めてその特異性はと言えば、
リード・シンガーのスーメタルの存在はもちろんのこと、
それを挟む二人のメンバー、
ユイとモアのその存在感が、
時として主役と同等というぐらいにまで、
まさに半端ではない重要な位置を占めているという点ではないだろうか。

これまで、中央のスーメタルと、
それを巡る二人の天使、
という構図であった筈が、
すでに17歳を迎えるユイとモアイ。

いまやすっかりと育って存在感バリバリ

まさに三役揃い踏み、と言った感じで、
その冴え渡るシンクロ。その切れ味。
日々日々成長を続けるその美貌も相成って、
ただでさえ凄いベビーメタルのパフォーマンスに、
ますます狂気じみた迫力が加わるにあたり、
この三人娘というユニットの持つ意味が、
これでもかと重要さを増している訳である。

それを踏まえたうえで改めて聞こう。

このユイそして最愛の存在感が、
もしもこれまでの従来の三人娘ユニットのように、
ステージの添え物というぐらいにまで、
存在感の薄いものであったとしたら、
果たしてベビーメタルは、
ここまで成功し得たのだろうか。



「改めてスーメタルのソロ独立について考えて見る」

今更言うまでもなく、
ベビーメタルのリードシンガーであるスーメタルこと中元すず香嬢は、
千年万年にひとりの卓越した天才歌手である。

その澄んだ高音は、
神バンドの奏でる重圧的且つ破壊的な爆音の中にあって、
押し負けるどころか、その演奏が激しければ激しいほど、
ますます輝きを増すかのように、
会場の空気そのものをびりびりと震撼させるほどのパワーを持って凜々と響き渡る。

そしてその麗しい表情、そしてその歌詞の説得力。
そのテクニック、その声質、その表現力、
そして特筆すべきは、彼女の歌に存在するそのドラマ性である。

思わず感動の涙がにじむほどにまで、
その姿は、そしてその歌は、切なく美しく、
時として魔性さえ感じる程の、
圧倒的な魅力を持って、聴く者の心を虜にする。

その一種神懸ったとしか思えない中元すず香の歌声こそが、
ベビーメタルの表看板であり、その魅力のコアであるということに、
異論を挟む者はいないであろう。

がしかし、と改めて問いたい。

もしも、ベビーメタルのステージ、
その最初から最後までが、
この中元すず香嬢のオンステージ・リサイタル、
独唱会であったとすれば、
どうだっただろう。

人々はその美声に酔い痴れ、
涙を浮かべてハンカチを噛み千切り、
割れんばかりの拍手をしては、
その歌声に酔いしれるだろう。

がしかし、

例えば今のベビーメタルのステージにあるような、
あの一種狂気を孕んだ熱狂。

紙芝居の垂れ幕が落ちた瞬間から、
いきなり頭がスパークして茫然自失。
たちまち巻き起こったモッシュの中にもみくちゃにされながら、
怒号と絶叫と汗と涙と鼻水の中にぐっちゃぐちゃ、
まさに会場のすべてが洗濯機状態と化す、
あのあまりにも圧倒的なステージは、
果たして現出することができたのであろうか・・・



「改めてニューヨーク公演の回想」

忘れもしない5月4日、
ニューヨーク・パワー・ステーション・シアター。
ベビーメタルを初めて観た、
あのニューヨーク公演の後、
いくつかのことを俺は本気で悔やんでいた。

その筆頭にあげられるのが、
俺はそう、あまりにもステージに肉薄してしまったが為に、
モッシュに次ぐモッシュの中で揉みくちゃにされるばかりで、
果たしてベビーメタルのパフォーマンス、
その全体像を、把握することができなかったのである。

できることならば、最高尾、とまではいかなくても、
せめて卓のあるあたりで、
サウンドスポットにおける音のバランスやらも含めて、
もうちょっと冷めたところから、
このベビーメタルの全体像を「観察」しても良かったのではないか、
と思っていたのである。

以前のニューヨーク公演直後の糞駄文にも書いたが、
情けない話、俺はあのとんでもないステージをまさに目の前、その鼻の先で体験しながら、
頭の中は空っぽ、まさに脳波がスパークしたまま
綺麗さっぱりおつむてんてん・カランカラン状態であった。

だがそう、そういう経験に限って、
後になって、
実はこの目でみていたもの、聴いていた音が、
じわりじわりと反芻を繰り返しては
氷河の氷が溶け出すように、
少しずつ少しずつ、解明されていくことにもなる。

いま思い返しても、
ライブ中はもろにスーメタル嬢、
及び、ゆいちゃん最愛ちゃんの、
あの麗しい姿と萌え萌えスマイル攻撃にすっかりノックアウトされては、
壮絶な押し競饅頭の中で虫の息。
まさに一時間半に渡って頭真っ白けっけ。

当初考えていた、
ベビーメタルの秘密を探る、やら、
神バンドのお手並み拝見やら、
或いはマニュピレーターとの融合のその接点を見極める、
なんていう小賢しいことには
一切気の回る余裕がなかったのであるが、

だがそう、いまになって改めて思う。

なぜだろうなぜかしら。

なぜ俺の頭はあれほどまでにスパークしてしまったのか。



「ベビーメタルのカリスマ性」

このベビーメタルのライブにおける頭真っ白け状態。
よくよく聞いてみると、割りと俺に限ったことだけでもなさそうなのである。

イントロが鳴り響いてから、幕が落ちた、ところから、
さっぱり記憶がないのだが・・・
そういう人が、実は割りとたくさん、
あるいはほとんど、というぐらいにたくさんいる。

スーメタルがあまりにも美しかったから?
ゆい最愛のあのスマイルに頭くらくらで、
おまけにあの神バンドの超絶プレーが、
全ての予想を凌駕していたから。

確かにそれもある。
そう、確かにそればかり。

というわけで、
まずはそう、
ベビーメタルの持つカリスマ性について考えてみたい。

ベビーメタルのステージにおいて、
まず最初に発した言葉は、まさに、

げげげげ、かっこいい!であった。

あの血のように赤く滾るスモークの中、
シルエットになって浮かび上がった三姫の姿。

あれほど格好良い情景を、
俺はこれまで見たことがなかった。

もうその時点で、完全に頭はスパーク。

これはもう、どんなことがあっても、
ステージ袖までたどり着いて、
そしてあの三姫を、この目で、しっかりと見届ける。

そう決心した途端に、気がついた時には、
目の前の肉弾戦、その末期的なモッシュの中に、
飛び込んでいたのである。

というわけで、押し合いへし合い、
ようやくたどり着いたステージ袖。

で、目の前に存在する実物大のベビーメタル。

実際にその姿を生で見た時、思わず発した言葉は、

げげげげげ、かわいいい!

その一言。

そしてそう、改めて、このひとたち、
もう無茶苦茶に格好良い!の感嘆の雄叫びであった訳だ。

この実物大のベビーメタル。

普段見慣れている広告用の写真や、
あるいは、海賊版動画、あるいは、盗撮スナップ写真、
がしかし、そこにはどうしても写り込まなかったもの、
それと実物、果たしてがなにか、といえば、

そう、まさしく、前述した美人オーラ、そのもの。

顔など見なくても、
乳の大きさや尻の形などみなくても、
あるいはそう、
その存在が100M先にあったとしても、
美人オーラは確実に届く。

そう、美人のオーラとは得てしてそういうものなのである。


「美人オーラについての追記」

またまた古い話で誠に恐縮なのだが、
かつて友人が早朝のセントラルパークでジョギングをしていた際、
ワインディングした舗道のその先の先、
丘の向こうのその向こうから走ってくる女性がひとり。
そのまるで豆粒のような姿を見ただけで、
あ、この人は美人だ、と確信した、という。
で、思わず、
豆粒サイズでさえ美人とわかる美人がいったいどんな美人であるのか、
どうしても確かめたくなって、
さりげなくも靴の紐を解いたり結んだりしながら待ち構えていたところ、
目の前を通り過ぎたのはなんと、
まさしく当時ハリウッドでナンバーワンのスターであった、
ジュリア・ロバートその人であった、ってな話を聞いて、
へえ、と思わず本気で感心したのだが、

実はそう、そんなのはまだ甘い。

かのニコル・キッドマンなどは、
目隠しフェンスの向こうでテニスをやっているその気配だけで、
むむむ、このフェンスの向こうには、どうもとてつもない美人がいるらしいぞ、
と、全ての人々に確信させるほどの美人オーラの塊りであったと言う。

なんてことを言ってしまえば、

そう忘れもしない、ハリウッド界で誰もが認める、
史上最高級の美女、であるところの、メリル・ストリープ。
実はこの俺は、何故かそのメリル・ストリープと妙な縁があって、
そこかしこでその姿を見かけたりするのだが、
このメリル・ストリープという人。
齢70を前にして、しかし、
どれだけの群衆の中にあっても、
あるいは、世界中の美女の見本市のような、
ハリウッド関係者のパーティ会場においても、
こと、このメリル・ストリープの姿だけは、
どこにいてもすぐに目に飛び込んでくるのである。

近づいてはもちろん、遠く離れれば離れるほどに、
その美人のオーラだけが明確に際立つ。

つまりはスター、つまりはそう、その輝きが、半端ではない。

で、そう、長くなったが、
この中元すず香嬢、
その姿を実際に見た時、
その存在の、あまりの輝きに、思わず絶句。

この18歳の痩せて華奢な少女。
腕から肩から背中から、
膝から足首から、その何もかもが、
いまにも折れそうなほどにか細い少女。
そんな少女が、しかし、
その全身に纏っていたのは、
まさに全人類に共通する、
正真正銘の美女の中の美女だけが持つことのできる、
まさに、美人オーラ、その塊り、のような人であったのだ。

中元すず香嬢の盗撮スナップ、なんてのを見ながら、
うーん、この子、もしかすると、あんまり好みじゃないかも、
とか、したり顔でつぶやいているバカ。

お前はなにもわかってはいない。

少なくとも美人というのはそういうものではない。

美人というのはまさに存在そのもの。

その後ろ姿からでも、あるいは100M先からでも、
あるいは、壁の向うにいたって、
美人は美人として、そこに確実に存在するものなのである。

そしてそう、生でみた中元すず香は、
まさに、そういう人であったのだ。

がそう、それだけならまだ理解はできる。

そう、中元すず香は、もはや全世界の人類が認める、
スターの中のスターである。

彼女のカリスマ性に、もはや疑問の余地のあるものはいないだろう。

がしかし、そう、特筆すべきは、
彼女の両隣り、その、もしかしたら添え物にすぎない筈のふたり。

つまりはゆい、そして、モア。

実はこの俺は、最愛メタルと、ほとんど、ツバキが飛んでくるのがわかる、
ぐらいにまで、接近を果たした覚えがあるのだが、
そう、まさに、その毛穴から、喉元を流れる汗の雫まで、
まじまじで見つめられるぐらいの至近距離で、
こ、こ、この子は、かわいい、と思わず、
耳が火を吹きそうなぐらいに真っ赤っ赤。
ともすると、悪魔くんではないが、
この薄くなり始めた頭髪からもくもくと煙が立ち上るぐらいに、
思い切り、そう、思い切り切り、照れに照れてしまって、
で、彼女がなにかを言うたびに、え?なに?と聞き返してしまう、という、
そんな醜態を晒してしまったのであるが、
それこそがまさに、今日のお客さん、良く判らないね?と言われてしまった、
その理由であったのだろうか、とも思っていたのだが・・・

とそして、実は、いや、あの、こう言ってしまうとなんなのだが、
ゆいちゃんである。

前にも言ったが、俺は実は、そう、もしもお嫁さんにするなら、
迷わずゆいちゃんである。

俺はそう、ゆいちゃんみたいなタイプを選ぶ、そういう人なのである。

そんなお前が、ゆいちゃんの何を知っているのだ?
さくら学院さえも良く知らない癖に、というやつ。

へっへっへ、抜かせ。
俺はな、実はゆいちゃんにも、その細く尖った指先が触れ合うぐらいにまで、
接近遭遇したのだぞ。
そう、お前らとは違う。なんといっても小箱観戦の人なのだ。
ニューヨークの人なのである。
どうだ判ったか。
それこそが、僻地在住の強みなのである。
悔しかったらひとりで西海岸ツアーに来てみろ。
俺の言ってることがすぐに判るぞい!

で、そう、ゆいちゃん。
そのまさに、純正美少女の風格はもちろんのこと、
そんな美少女の塊りのようなゆいちゃんが、
実は実は、とても一生懸命な人であったのだ。

よくよく見ているうちに、
その一生懸命さが、辛そうにさえ思えるほどにまで、
そう、それは多分に、その痩せすぎなまでの華奢な体つきによるものなのだが、
真剣そのもの、まさに、命を削ってステージに立っているとしか思えないほどに、
まさに気迫の人であるな、と思っていた。

そう、俺は実は、こういうタイプに弱い。

スーメタルのあの溢れるような才能。
最愛メタルのあのなんとも愛くるしい笑顔。
がしかし、そう、俺はそれでも、実は実は、ユイちゃんなのである。
そう、俺はそういうタイプなのだ。

という訳で、後々になって、
あの大間違いの腰痛事件のさい、
思わず上げてしまったあの魂の叫び、

ゆいちゃん、がんばれ

はまさに、このともすると、悲劇の美少女、さえも連想させる、
その切羽詰まるほどの美しさ、その残像に向けた叫びなのである。

ああ、そう、実はね、いまだから言える。
ゆいが一番かわいい(笑
それだけは言っておく。

で、そう、なにが言いたかったか、と言えば、

そうこのベビーメタルの三姫。
まさに、三人が三人ともにスターのオーラの塊り、
なのであるが、
がしかし、改めてここに一つの疑問を定義したい。

果たして、そんなスターのオーラに包まれた三姫が、
果たしてステージに一人で立った時、
つまりは、ソロのアーティストとして独立したとしたら、
と、そんな姿を、想像する時、
思わず、ん?と首を傾げてしまう、という矛盾に気づく。

そう、そうなのである。

こと、ゆいと最愛、
このまさしく、輝くようなスターの二人。
がしかし、
このベビーメタルのそのスター性は、
実は三人が三人、揃って初めて、
あの一種特殊なまでの、魅力を発揮できる、
その微妙なバランスこそが、ベビーメタルの魅力なのである。

で、そう、改めてゆいと最愛。
この二人はまさに二人で一人ではない、
二人になることによって、まさに無限大の威力を発揮する、
まさに奇跡の増幅器。

女王であるスーメタルの、その意志を、その歌声を、その言葉を、物語を、
まさにその投影機として、
あるいは、百万ワットのコンサートアンプのようにして、
中元すず香の姿を百倍千倍にして増幅し続ける、
まさしくそんな人達なのである。

こんなバンド、いままでにあっただろうか。

そう、それこそが、ベビーメタルの威力、その秘密なのである。




「ベビーメタルは主役が三人」

とまあ、そんなことを書いてしまうと、
妙に勘違いをする輩が出てきそうなので、
改めて断っておく。

俺にはロリコンの毛は微塵もない。

それはそう、かつての記事にも書いたが、
経験的な確証として、
俺はロリコンの趣味はないのである。

よってそう、
実はベビーメタルを知った当初、
俺の関心はバックバンドたる神バンドに集中していた訳で、
主役の三人娘に関しては、
あの三人のじゃり娘。
まあよくあるところのアイドル系。
割りとどこにでもいるアイドルっぽい女の子の、
ぐらいの印象しかなかったのである。

そう、俺はドルオタでもロリコンでもないし、
正直なところ、そういう趣味の人たちがなにを考えているのか、
今もってさつぱりと分からないところがある。

がしかし、

コンサートを前に、予習がてら、
動画サイトにあるライブ映像を垣間見るにつれて、
じきにこのリードシンガーである中元すず香嬢の、
類まれな才能に気づかされるに至った。

この子、見た目は平凡だが、その歌唱力、
そしてメンタリティ、ちょっと只者ではない・・・

日に日に募るそんなスーメタル嬢への興味が、
当初の神バンドへの尊敬を凌駕するに至り、
そしてコンサート当日、
実際にライブで目の当たりにしたベビーメタル。
その等身大の姿。

その末期的な肉弾戦の中、
捨て身の突撃を繰り返しながら、
ステージに近づけば近づく程に、
ベビーメタル、彼女たちの存在の、
その凄みを秘めたカリスマ性に気づかされることになった。

そして改めて、ステージ袖から見上げたベビーメタル。

思わず、げげげげげげ!!!
か、か、か、かばいいいい!!

そしてそう、我が中元すず香嬢、
当初の予想と反して、
彼女の姿はまさに少女、というよりはまさに、
麗しの美女そのもの。
それに加えて、その見事なプロポーション。
細く長い手足。
その長い首と、小さな頭。
まさに完璧なモデル体型。

それに加えてその表情である。
歌う曲、その物語るストーリーの全てを表現するかのように、
その眼差しが、口元が、まるで変幻自在。

全身全霊を持ってその歌詞に込められた想いを歌い込んでいるのである。

その姿は紛れもないカリスマそのもの。
スターのオーラの中で、真夏の太陽のように灼熱する、
まさに熱い熱い、美の塊り。

思わず唖然としては、口をぽっかりと開けて見惚れる俺。
とその時、ふと顔をあげると、
いきなり目の前に、太陽がひとつ。

耳に手をかざしたユイメタルが、最愛メタルが、
まさに炸裂するような笑顔で、笑いかけているではないか。

げげげ、なんだ、なんだ、なんだ。

そう、このバンドには主役が三人いるのである。

三人娘、そのどれをとっても、
まさに主役クラス、というよりはそう、
かのモンタージュ効果ではないが、
まさにその三姫が、まさにシンクロしては集合体となって、
ひとつのベビーメタルという完璧な偶像を作り上げているのである。




「ベビーメタルのライブはジェットコースター」

あのニューヨーク・プレイステーション・シアター。
今でもこの脳裏にしっかりと焼き付けられている、
ベビーメタルを初めて見たあの衝撃。

開演前、奇妙な胸騒ぎを感じさえするあの異様な興奮。
8:30を過ぎついに始まったオープニングの紙芝居はまさにジェットコースターで言う、
頂上までカタカタと登りつめていく、あの不穏なカウントダウンそのもの。

高鳴る胸に息の詰まりそうな緊張に身を強張らせながら、
地の底から響き渡るようなイントロ、場内はすでに興奮の坩堝。
湧き上がる歓声と怒号に煽られるように、
一挙に幕が落ちたその瞬間、

立ち込めたスモークの中、
血のように煮えたぎる逆光の中に浮かび上がる、
す~ユイモアの三つのシルエット。

B-A-B-Y-M-E-T-A-L!
DEATH! DEATH! DEATH!!!


これまで、数々のステージを見てきたが、
正直なところ、あれほどまでに格好良いオープニング、
あるいは、情景を、俺はこれまで、見たことがなかった。

まさにあの瞬間だけでも、
ベストの中のベストの中のベストのライブ、
それを確信させられたのである。

それからはもう、まさにジェットコースター。
掴まっているだけで精一杯の
前代未聞のジャイアント・スラローム状態

あの熱狂を生み出したものが何であったのか、
或いは俺達は何故これほどまでに熱狂しているのか。

果たしてこの熱狂こそが、
あのほとんど記憶喪失にも近い、
空白状態を生み出した理由なのだろうか?

今になってその記憶の糸を手繰り始めているのである。



「ベビーメタルに頭が真っ白、になるその理由」

ベビーメタルのパフォーマンス、
俺はあの肉弾戦を闘いながら、
ようやくステージ前まで辿り着いた時、
目の前に展開されるステージを目の当たりにして、
なんて忙しいバンドだ、
と思った。

その超絶的なドライブ感の中、
いきなりの急ブレーキとドラフトとスピンを繰り返すような、
あの曲の展開のめまぐるしさは言わずもがな、
ステージの上で見るべきものが
あまりにも沢山あり過ぎるのである。

前面のお立ち台に昇ったユイ最愛の二人に対し、
スーメタルの立ち位置が両脇の二人に比べ、ちょっと奥。
その布陣の中で、まさに、スーメタルの歌声、
そして、前面に押し出した二人の存在感。

ゆいと最愛。
その眩しいほどの笑顔とは裏腹に、
そのダンス、その躍動と、切れ味はまさに、
舞踏と言うよりは、拳法の達人の繰り出す必殺拳、
それでなければ、まさに、燃えさかる炎の如し。

その異様な気合に満ち溢れた二人のダンスが、
まさに神業のようにシンクロを繰り返し、
その狭間に垣間見える、女王スーメタルのその表情、
その不穏なまでの美しさ。

それに加えて神バンドである。
名人達人神業、そんな全ての賛美がありふれて思える程、
この人たちのプレー、まさに、人間業とは思えず、
片時も目を離すことができない。

という訳で、この狭いステージの上、
まさに見るものが、満載。
いったいなにを見ていれば良いのか、
目の玉がクルンクルンなのである。

そのs激しい動き。
その動きがあまりにもダイナミック且つ予想ができず、
ふと見ればそのフロントの三姫。
そのステップから指先からその笑顔から視線から、
片時も目の離せず。
そんな三人が、ステージ狭しと縦横無尽に走り回る訳で、
ああ、もう、頭は完全にパンク状態。
その動きが、展開が、あまりにも早すぎて、
まさに目がまわりそうとはこの事、
いったい何を見て良いのか訳が判らず、
つまりは、そのあまりの情報量の多さに、
脳味噌が一瞬にバーストしてしまった、
という訳なのである。



「ベビーメタルはロボットではなく有機体である」

実はベビーメタルのライブに行く前、
それは多分、よく出来たレヴュー、
例えば、得てして外人客たちに評判の高い、
あの新宿のロボットレストラン。
それに代表される、ジャパニメ文化を対象とした、
ロボットレビュー、に近いものなのかな、
と思ったりもしていた。

つまりはまあ全てが作り物。
最初から最後まで、
すっかりなにもかもがわざとらしくお膳立てされた、
予定調和のお仕着せ型のショー。

ここで何をしてここで笑ってここで飛んでここで回って。
観客もこなれたもので全ての合いの手を心得ていて、
そんな観客たちももしかして、しっかりとサクラなのかもしれないな。

だったらそう、わざわざそんなサクラ共に乗せられる事もない。
客席後ろ、或いは袖のVIPラウンジ辺りで、
ワインでも飲みながら鑑賞をしていよう。
だってさあ、アイドルだぜ。
俺がキモデブのドルオタの仲間入り?
あり得ねえよ。

そんなことを考えてた俺は、
正直、ベビーメタルのライブに、
あろうことか一張羅のHUGO BOSSのジャケットを着ていた。

さすがにワイシャツにネクタイとまでは行かなかったが、
緩い会社であれば、そのまま会議に出られる、そんな出で立ちで、
普段からのキメキメグッズ、HUGO BOSSの一見業界風助平グラサンも、
もちろん忘れては居なかった。

まあこれでなら会社の奴に会っても、
取引先やら昔のメンツに会っても早々と恥ずかしくもない、
そんなちょい悪系バブルおやじ的な緩い立ち位置であった。

がしかし、
会場が埋まるにつれ、
俺はそんな半端なスタイルでのこのこ顔を出したことを、
死ぬ程後悔する事になった。

フロアに客が埋まれば埋まるほど、
会場はなぜか、一種不気味なほどの静けさに包まれていった。

ガヤガヤとした喧噪、鳴り響くMC。
だがしかし、その妙に静まり帰った観客たちが、
固唾を飲むように幕の引かれたステージを凝視している。

ああ、つまりこいつら、
ロックに慣れていない普通人。
メタルどころか葉っぱも吸った事のない、
そんな幼気な一般人達が、
ライブハウスというこの雰囲気に面を食らって居る、という事だろう。

知り合いの姿を探して会場をうろつきながらも、
ステージ前、早くも犇めき合っては押し競饅頭の始まったその中で、

俺は会場を包む妙な緊張に気がついた。

緊張?そう、人々は緊張しているのである。
で、そして、俺も。

え?俺が?緊張?

これまで幾多のステージをこなして来た俺が、
ステージは喧嘩だと嘯いていた俺が、
本番前、しかも自分自身が出演することもないライブを前に、
なぜか緊張しているのである。

あの緊張感が何であったのか、
あの不穏な胸騒ぎが何であったのか、
今ははっきりと判る。

それはまさに、
史上最大のジェットコースターを前にした、その戦慄きだったのである。

そしてベビーメタル。
その予感そのものに、
そのライブは、まさに絶叫に次ぐ絶叫のジェットコースターだった。

怒号と絶叫の中、空高く舞い上がった身体が、
いきなり落下しては地面にぶち当たり、
その浮遊の躍動と激突、その衝撃に次ぐ衝撃。

これがレヴューだって?
これがレストランだって?
ワインを片手にベイビーメタル?

そんな当初の予想がまるで悪い冗談のように、
ライブが始まった途端に頭にかけたサングラス、
あのHUGOBOSSの299ドルもするあの一見業界風助平グラスが、
一瞬のうちに宙高くに跳ね飛ばされ、
千ドルとまで言わなくてもまあその半分ぐらいはするであろう、
勝負用のジャケットが、あれよあれよと汗塗れ鼻水まみれ涎まみれで滴るよう。

糞ったれ、俺としたことが、といくら舌打ちをしても後の祭り。
こうなれば自棄だ、とモッシュの中に飛び込んだ途端に、いきなり手を取られ足を取られ、
そして身体どころか脳味噌ごと、綺麗に持って行かれてしまった、という訳なのだ。

改めて、BABYMETAL。
そう、それはロボットでも、
あるいは可愛い子ちゃんアイドルでもなんでもなかった。

それはまさに、メタルとアイドル、どころか、
世のショービジネスのまさに集大成。あるいはごった煮。

その目の回るような激しい躍動の中、
そこに巻き起こされる超絶的グルーヴ。
そのスピード感。ドライブ感。その熱狂。
まさに煮えたぎる魔女の鍋の底で、
グラグラと煮られ煮詰められているような、
錯乱にも近いこの錐揉み状態。

そのケイオスはしかし、
計算されつくされていることは判るのだが、
そのあまりにも激しい動きは、ロボットと言うよりはまさに有機体。
細胞分裂と核融合と、分裂と破裂と再生。
衝突と爆発と融合と分離が、
まさに目の回るほどのスピードで繰り返される、
そんな宇宙創造の過程にも匹敵するような、
凄まじいばかりのドラマを、
いきなり倍々速の早送りスピードで再生されている、
まさにそんな気分。
そしてあろうことか、
そんな映像の中に自分自身が巻き込まれては、
まさに全身がバラバラである。

ベビーメタルというジェットコースター。
乗ったら最後、降りることのできない絶叫マシーン。

その瞬時も静止する事のない、絶え間無い躍動を繰り返しながら、
しかし、そこに完璧な制御、あるいは、厳密な計算が支配している。



「ベビーメタルのピラミッド・パワー」

ベビーメタルのステージにおいてまず目を見張るのは、
三人娘、つまり、フロント三人というその布陣である。

その三人が、時として、2+1 あるいは、1+2 そして、3 となり、
1となり、2となり、そして3に帰着、それを目まぐるしく繰り返す。

その様ははまさに核融合。
組んず解れつ、かく消えかく結びててしかし絶対にとどまることを知らぬまま、
分子同士の激しい摩擦の中で、とてつもないエネルギーを巻き起こしていく。

そのスピード感、ドライブ感、
そのめまぐるしさ、その怒涛のような展開、
それがまさに、一挙に壁のように押し寄せては、
会場の全てを壮絶な錐揉みの中に巻き込んでいく。

このパワー。この熱。この輝き。
ベビーメタルのステージにおける、
この前代未聞のとてつもないパワーの秘密とは一体何なのか。

それはつまりは相乗効果なのである。

ベビーメタルと神バンド。
或いはそう、このフロント三人という布陣。

その布陣にこそベビーメタルの、
その一種異常なほどのパワーの秘密が隠されている。

♪ 

「ステージの結界」

コンサート前半に置いて、フロント三人の立ち位置は、ピラミッド型の三角形。

両脇のユイモア。
眩いスポットライトに浮かび上がる二人に比べ、
やや奥まった位置に立つスーメタル。
その整然としたシンメトリカルな構図。
それはまさに祭壇の配置であり、
前面の敵を前にした戦闘態勢の布陣でもある。

場内に響き渡るそのなんとも腹の底からが震えて来そうなバイブレーション。
そんな魔力を秘めた歌声の主。

ライブにおいて、そんなスーメタルの姿が見たくて見たくて、
身を乗り出せば乗り出すほどに、
なぜかスーの姿が隠れてしまう。

スー、すーちゃん、もっと顔を見せて。
その姿がもっともっと見たい。

そう思って思わずステージに向けて身を乗り出せば、
いきなり目の前に現れるユイモア。
その余りにも眩い、まさに炸裂するような笑顔のフラッシュ。
思わず頭がスパークして目が潰れるとはこのことか。

そんなことを繰り返しながら、
ああ、これはつまりは、とあることに気がついた。

これは結界なのである。

この2+1の布陣は、
ユイもあの前、そこに結線を引き、
スーを中心とした三角形の結界、を作っているのである。

その結界の中に封印され、摩擦と衝突を繰り返しては、
煮えたぎるだけ煮えたぎり、渦を巻いたパワーが、
更なる興奮と熱狂を煽る。

焦らすに焦らされた観客の前に、
ついに御本尊が進み出る。
スポットライトに照らしだされたその姿はまさにクィーン=女王。
或いは弥勒菩薩。
あるいはまさに、世界の創造主。
その生まれかわりとなる巫女の姿である。

結界の中で煮えたぎり臨界寸前であったパワーが、
ひとたびスーメタルが一歩進み出た瞬間に、
一挙に会場に放射されては、世界がパワーの津波に巻き込まれていく。

ベビーメタルのそのステージは、
会場中を縦横無尽にうねり回る重低音の巨龍。
そのあまりに暴力的な大怪獣の頭に跨った、
まるで天使のように無邪気な少女達が、
キャッキャとはしゃぎながら戯れている。

そのケイオスの中心。
祭壇となるステージ。
両脇のユイモアという巨大なマグネシウムのような輝きのその間に、
世界の核=コアとなる御本尊が、これ以上もなく魅力的な、
一種サディティックとも思われるほどに不敵な微笑みを浮かべては、
まるで赤く燃えた溶鉱炉の炉心のように、
眩いばかりの発光を繰り返しているのである。



「3 という数字の意味」

改めてこのベビーメタルの布陣を理解する上で、
フロントが三人であることこそが重要な意味を持つ。

この 3 という数字。

2で割り切れる偶数が、時として対立を象徴するように、
この3という数字は、調和の象徴であり、あるいは、絶対の安定。
と同時に、それは、回る車輪、つまりは陽動の象徴にもなりうる。

絶対の安定性を保ったまま、激しい陽動と、結合と分裂を繰り返し、
決してとどまることなく、衝突と摩擦と調和を絶え間なく繰り返し、
がしかし、3という絶対的なバランスに守られたそのパワーは、
四散することなく、ますます熱を持って膨れ上がっていく。

ベビーメタルのパワーの源泉とはまさしくこの三という数字。
そしてその象徴たるピラミッドの形。

底辺という結線に守られ、
その内部の結界の中で増幅したパワーが
一度、その三角形が逆さまになり頂点が剥き出しになった途端、
その尖った剣先から恐ろしいまでのエネルギーが放出されるという、
このベビーメタルのパワーの法則。

改めて、BABYMETALのこのフロントの 3、
それも、ピラミッド型三角形の構図を考えた人はどんな計算があったのだろう。

もしかしてそれは、偶発的なものであったのかもしれないが、
まさに、その絶対比、まさにステージの上に黄金比率を創造せしめた、
偶発と言うにはそのあまりにも宿命的な発見。

そして定位置となる、2+1 の構図。

全面に貼りだした両脇の祭壇となるユイ最愛、
そこでまさに、燃え上がる炎のように、激しい旋回を繰り返し、
中央に控えたご本尊、つまりは、巫女たるスーメタル。

そのお告げ、そしてその、声質の変化に乗じて、
全面の二人の炎が、脳波をシンクロさせては凄まじい乱舞を続ける。

そして、全面に進み出る巫女。それはすでに、依子の殻を破り、
最早、神そのものとして姿を現し、それと同時に、
神の分身と化した左右のユイ最愛との間で、
まさに息も詰まるような、壮絶といういはあまりも衝撃的な、
あの、脳波が完全にシンクロした、超絶な空間を現出するのである。



「インテグレーション(統合)こそがベビーメタルの肝」

改めて言うまでもなく、
BABYMETALはテンション系のバンドである。
DRUGでいうところのアッパー系。
つまりは、そう、メタルという音楽がそうであるように、
テンションとスピード、そしてドライブ感、
それを極限まで高めに高め、
その興奮状態の中でグルーヴの神を呼び出す。

よって、BABYMETALのステージにおいて、
例えば曲間にメンバーが水を飲んだり、タバコを吸ったり、
チューニングを直しながら、顔を寄せあって会話をしたり、
という、一種人間的な、あるいは、和気藹々とした、
そんな妥協的な瞬間はまるでない。

ステージ開始前から会場中に立ち込めたあの異様な興奮、
そして一種不穏とも言える緊張感。
ステージが開始された同時に、まさに怒涛のような、
圧倒的な迫力を持って襲いかかる絶対的なパフォーマンス。

全ての妥協を配し、全ての戯れ会いを廃し、
徹底的に計算され、刹那的なまでの全力疾走を繰り返す、
あの圧倒的なステージ。

音と舞、躍動と均衡、衝突と融合、狂気と覚醒

そして、全てのパワーというパワーが大きなうねりとなっては、
そこに壮絶な乱気流を発生させては、
異次元の中に会場全体を叩き込む。

それはまさに、ピラミッド・パワー。
まるで宗教的とまで思える程に、
奇跡にも似た未知のパワーがこのステージを目指して、
とんでもないエネルギーを放射しているような、
そんな幻想さえも起こさせる超次元的なパフォーマンスである。

がしかし、そう、ベビーメタルは、自然愛好家的な、
慣れ合いの中と互いの譲歩の中で偶発的な接点を見出す、
そんな他愛もなさを徹底的に排除した、
まさに計算に計算をされつくされた、
キメキメ、というにはあまりにもキメキメ過ぎの、
レヴューというにはあまりにもギリギリの、
まさに、キワモノ的なステージ。

そこには一切の馴れ合いを排除し、
一切の偶発の入り込む余地を切り捨てた、
まさに計算に次ぐ計算、それに導き出された、まさに黄金比。

つまりはベビーメタルのケイオスは、
まさに計算によって導き出されたケイオスであり、
ベビーメタルに降臨する神は、
まさに頭脳によって創りだされた一つの創作神なのである。

ベビーメタルのステージに、必ず舞い降りるあのグルーヴの神々たち。

それはつい以前までは、
10に一つ、あるいは100に一つの偶発的なものでしかなかったエア・ポケットという奇跡。

それがベビーメタルのステージにはまさに当たり前のように存在している。

その神は、最早偶発でもなんでもない。
計算によって必然的に導き出され、
そしてベビーメタル、
ピラミッド・パワーに支えられた絶対値である2+1の法則に裏打ちされたその布陣と、
そして、神バンド、そしてそのサウンドを裏から支えるマニピュレータの完璧過ぎる融合。

頭脳と情熱。
計算と技術と気合と実力。
その全てが統合された、まさに総合芸術。

そんなベビーメタルと、そして神バンドの発したエネルギーによって、
ステージ狭しと神々が狂気の乱舞に荒れ狂うのである。

ベビーメタルは、つまりは統合のユニットである。

確かに、スーメタルは凄い。ユイも最愛も凄い。
そして神バンド。
この人たちには、凄い、なんて言葉が失礼に当たるぐらい、
そう、世界中のバンドマンのまさに、鏡。偉大過ぎるお手本である。

がしかし、ベビーメタルの絶対値とは、それだけ、個人的な力量だけ、とはいえない。

つまりはそれを支える技術と、そしてそれを最大限に発揮させるための頭脳。つまりは戦略。

その全てが一体となって初めてBABYMETAL あのパフォーマンスが可能になるのである。

と同時に、そのあまりにも奇跡的な融合を果たしたこの統合性こそが、
ベビーメタルのアキレス腱であったりもする。



「ベビーメタルのアキレス腱」

先のヨーロッパツアー、
そのクライマックスたる、ロンドンのダウンロードでのステージにおいて、
ユイメタルのまさかの腰痛が懸念されていた。

もしかしてこの一世一代の大勝負において、
ベビーメタルは、ユイ無しでのステージ、
その絶対値たる三角形ピラミッドの定則の破られたステージを、
あえて敢行するのだろうか、とやきもきして見守っていた覚えがある。

ゆい、ガンバれ、俺がついているぞ、とこれでもかと腹筋に力を込めながらも、
と同時に、もしもそうなった時、果たしてベビーメタルはどうなるであろうか?
とも考えていた。

と同時に、
その翌日のパリにおける技術障害。
もしかして、マニピュレータ無し。
モニターや、クリックや、シーケンサーや、
その他、諸々のテクノロジー的な下支えなしで、
まさに、生のまま、そのまんまで、ベビーメタルはステージを乗り切ることができるのであろうか、

そんなことを考えては、いきなり襲いかかるその超絶的な動画を前に、
小賢しい猜疑心はまたもや一瞬のうちに砕き散らされてしまうのであるが。


という訳でベビーメタル。

このあまりにも絶対的なバンド。
その絶対値と黄金比、その必然によって導き出されたこの奇跡的な融合バンド。

そのあまりにも絶妙なバランスであるが故に、
それが一つ足りないだけでも、しかしそれはベビーメタルには成り得ない。

つまりはそう、
ベビーメタルこそは、
頭脳と情熱。
計算と技術と気合と実力。
その全てが統合された、まさに総合芸術。

そして、それが、奇跡的な摩擦を繰り返しては、とてつもない相乗効果を作り上げる、
その相乗効果にこそ、ベビーメタルの本来の秘密があるのである。

ではその相乗効果の源とはなにか?

つまりは、そう、ベビーメタルが、三人組である、というところに帰着する。

スー、そして、ゆい、そして最愛。

この三人の誰を欠いても、美しくはあり、可愛くはあるであろうが、
しかしそこに、あの奇跡のような相乗効果を生むことはできないである。

つまりそれこそが、ベビーメタルの核=コア、
つまりそれこそが、ベビーメタルの秘密なのである。

現代の産んだピラミッドパワーの奇跡。
ベビーメタルこそは、まさに生きる奇跡。
つまりは神とテクノロジーの融合の産んだ、
まさに現代の生き神様たち、なのである。



「ベビーメタル 必勝の法則」

なんだよ、結局は、神がかりってことか。
まあ多分、そんなことだろうとは思っただろうが、

まあそう、ぶっちゃけ、
ベビーメタルのそのあまりの凄まじさ、あるいは、その常勝伝説。

その理由というのが、
これまでのロック、あるいは音楽のレベルに比べ、
ベビーメタルの音楽性、そして、そのテクニックが、
あまりにも超然というぐらいにまで、飛び抜けすぎている、
つまりは、実力差がありすぎるのである。

凡人の凡人たちによる団子レースの中から、
突如として転がりでる天才という名のミュータント。
そんなミュータントの出現によって、
これまでの団子レース的な常識が全て覆され、
一挙にそのハードルを飛び越えてしまう。

そんな現象が、今までにも多々あったはずである。

エルビス・プレスリー、ビートルズ、
ストーンズが、レッド・ツェッペリンが、
セックス・ピストルズが、ガンズ・アンド・ローゼスが、ニルバナが、
そして、そう、エンターテイメント界に置いて、
真の天才と言えたのは、やはりあのマイケル・ジャクソン。

あの何からなにまでが飛び抜けていたこの天才中の天才の出現によって、
それまで不可能というよりも考えても見なかった様々なことが、
まるで魔法のように実現化されて行くにあたり、
音楽そのものが、それまでの常識から言えば、
まさに異次元というまで、グレードが跳ね上げられてしまった。

そんな天才たちに特有だったものが、
まさにその独自性と、そして、あまりにも常識から逸脱しているとしか思えない、
ミュージシャンとしての歴然とした実力の差、であった訳だ。

そしてこのベビーメタル。

改めて、ベビーメタルを知った当初のことを思い出す。

そう、俺はあのデジタル音源を生音でプレイする、ということに、
それは不可能である、と即断していたのである。

人間がプレーすることを想定せぬままに作られたデジタル音源。
そんなもの、人間に出来るわけないじゃないか。
それこそがまさしく、ベビーメタルが誕生する以前の、
団子レース的な凡人ミュージシャンの常識、強いてはレベルであったのだ。

そして今、ベビーメタルの出現、
不可能と言われたデジタル音源のアナログ演奏を、
なんの疑問も無いほどに完璧に演奏しうるテクニックを持った猛者たち。
それに加え、エフェクター類を駆使しては音のばらつきに補正を行い、
強いては、マニピュレータのプログラミンにおいて、
その下支えを完璧な物にする。

その全てが、これまでの音楽界の常識では不可能と思われていた、
あるいはそう、誰も考えても見なかった次元の世界。

がしかし、いま、ベビーメタルを目の当たりにするにあたって、
その不可能だと思われていたことが、あっけらかんと繰り広げられている訳で、
つまりはそう、

超絶的な演奏テクニックを持ったプロの中のプロが、
ガチガチに作りこまれたシーケンサーと芸術的なまでの融合を果たす、
そんなベビーメタル的なレベルが、すでに常識として認識され始めている、
ということなのである。

そして改めて言えば、
ガチガチに作りこまれたシーケンサー、その創造主であるマニピュレータと、
完璧な融合を果たせるレベルになって初めて、
滑らないためのテクニック、その相互援助が可能になる。
そのレベルの中で、滑らない、あるいは間違いのない状態の為に、
これでもか、とばかりの手段が打たれているのであろう。

よってそう、ベビーメタルはまさに、滑らないことを看板としてライブ・バンドであり、
観客の全てを唖然とさせ、打ちのめし、そして熱狂に包み込む、
圧倒的なピラミッド・パワーに裏打ちされた三人娘。

この法則こそが、ベビーメタル必勝の方程式なのではないだろうか。


「ベビーメタル THE ONE」

ただそう、このあまりに見事な統合性とは、
つまりは、あまりにも危ういバランスの元に成り立っている
まさにキワモノでもある訳で、
そのバランスが一度崩れれば、それはまさに、茶番どころか、
キャリアそのものが一瞬のうちに覆るほどの、大醜態を晒す危険も孕んでいる。

ベビーメタルを大絶賛したロブ・ゾンビーは、
そのキャリアの分岐点であった、MTV大賞の大舞台に置いて、
シーケンサーと、ステージ音源が、完全にずれてしまう、という大醜態を晒し、
表舞台から転げ落ちる、という挫折を味わっている。

その醜態を胸に秘めながら、ベビーメタルを絶賛して止まないこのロブ・ゾンビという男。

つまりはそう、未来を観ている、つまりはテクノロジーとの融合の中に、
未来の音楽像を信じてきたのだろう。

その一種の完成形であるベビーメタル。

一度その方法論を確立してしまえば、まさにアイデアは山のように溢れている筈だ。

と同時に、この方法論の秘密に気づいた多くの人たちが、
いま、この時点でも、第二第三のベビーメタルを目指して、
動き始めている筈である。

ベビーメタルもうかうかとしていられないな。
ただ、これで少しは、音楽界に活気がでてくれば、
それはそれで楽しみではないか。

アメリカの、イギリスの、ドイツの、スペインの、イタリアの、
あるいは、韓国の中国のインドのベビーメタルたちが、
まさに世界の頂点を目指してしのぎを削る、
そんな世界が巻き起こったとしたら、
それはそれでなかなか面白そうではないか。

がしかし、心配することはない。

ベビーメタルは偶発の産物であれ、
その絶対値、つまりは、ステージの黄金比率に気がついた、
まさにパイオニアなのである。

つまりそう、この方法論こそはベビーメタルの専売特許であり、
コピー品、まがい物は量産されども、その本質に気づく者、
というのはなかなか出てくるものではない。

ただそう、今はおしなべてただただ凄い、
としか思われていないベビーメタルが、
そのクオリティを果てしなく暴走させるが故に、
早々として燃え尽きて、あるいは、空中分解して、
という事態が遅かれ早かれやって来るであろうという悪い予感もついてまわる。

その時の為に、お節介な老婆心ながらも、ご意見を申し上げたい。

俺はベビーメタルに、
アイドルやメタルや、
あるいは、音楽=ポップ・ミュージック、
なんて小さな殻に収まってほしくはない。

まさに、世界を愛で包む伝道師。

政治も経済も、資本主義も民族主義も、
そして大国のエゴの言い訳と成り下がったグローバリ・ゼイションも越えた、
唯一絶対のTHE ONE。
つまりは、全人種がおしなべて臨むその一つの概念。
つまりは、愛 である。

ベビーメタル、その類まれな愛の力によって、
人類が初めて、戦いの無い境地に至る、
そんな普遍的な夢を実現させるその日まで、
戦い続けて欲しい、と、切に願うばかりである。


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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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