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地上げ屋の最終兵器「南京虫」!

Posted by 高見鈴虫 on 04.2012 ニューヨーク徒然
NYのCRAGSリストにこんな広告があった。

「研究のため大量に南京虫を購入したし。どこで買えますか?」

おいおい・・んだこれ・・

という訳で種明かし。

ここ数年来、ニューヨークでは南京虫が大発生しているそうで、
部屋中でいきなり大量発生、身体中刺されて痒くて寝ることもできず、
挙句に家具から本から衣類から、
持つものの一切合財を路上に放棄して難民扱い、
なんて話は良く聞いていたのだが、

そんな南京虫難民の方々、
よくよく聞いてみるとどうもおかしな共通点がある。

それはつまり、レントコントロールな人々であったりするわけだ。

ここでひとつニューヨークのレントコントロールについて知っておかねばならない。

近年のニューヨークの家賃の高騰はまったくキチガイじみたもので、
マンハッタン内でちょっとまともなアパートであれば、
どんなに少なくみつもっても1500ドルから2000ドルはくだらない、
筈であるのだが、
そんな中で、
セントラルパークを見下ろす3ベッドルームのアパートに、
家賃500ドルで暮らしている、なんていう人種がいる。
当然のことながら、
そんな住人の隣の部屋、それもクローゼットにも満たない小さなステゥーディオで3000ドルしたりする訳で、
これはまったく理解ができない。
それこそがまさしくレントコントロールな訳である。

ニューヨークには古くからレントコントロールといわれる法律があって、
大家の理不尽な家賃値上げから住民を守るために、
家賃の値上げの際には最高でも何パーセントまで、と決められていた。
その後、土地価格の高騰が進む中、
その家賃の値上げ率と市場価格がまったく食い違った結果、
古くからの契約を引き継いでいる住民は、
下手をすると市場価格の10分の一、なんて値段でもぬくぬくと住み続けることができる、
なんてことにあいなったわけだ。

で、この南京虫難民の方々、
どうも、このレントコントロールに乗っかって、
安い家賃でホクホクと暮らしていた筈の人々、であったりするわけだ。

という訳で、この俄かに巻き起こった南京虫大発生のニュース、
もしや!?
と思っていたら、やっぱそうだったみたい。

つまり、割があわないレントコントロールたちを追い出すための最終兵器であったりしたわけだ。

大家が気に入らない、つまり金にならない店子の部屋に
こっそり南京虫をばら撒いてるってのは、やはり本当だったようだな。

がしかしまあ、
ヤクザが脅しにきたり、いきなりトラックが突っ込んできたり火をつけられたりするよりは、
まあ可愛いいじゃねえか、と言えないこともないかな。

という訳で、地上げ屋の最終兵器「南京虫」

いやはや、なんとかは使いような訳で・・

プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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