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ハロウィンを疾うに過ぎて ~ 世界の変わった瞬間に、日本やばいぞ、のメッセージが届いた

Posted by 高見鈴虫 on 09.2016 日々之戯言(ヒビノタワゴト)   0 comments
雨の水曜日、ニューヨーク中を沈黙が包んでいる。

普段はあれほど、罰当たりなまでに騒がしいニューヨーカーたちが、
今朝のこの地下鉄の中、
むっつりと口をつづんだまま、眠そうな目をこすりこすり、
そして、誰もがそっと息をひそめては、
互いの視線を曖昧に受け止めて、
あるものはふっと苦笑いをして肩をすくめ、
あるものは一心不乱に新聞を読みふけり、
あるものはそう、つとめて何事もなかった、という風を装いながらも、
そこには確実に、一種の当惑、あるいは、不安の影が潜んでいる。

この不穏な静けさ。
それはまさに、嵐の前に、迫り来る雷雲をみつめる、
怯えた小動物の眼差しをも思わせて、
そんな宙ぶらりんな沈黙が、ニューヨーク中を包んでいる。

なにを今更、と、嘯く者もいる。
だから言っただろ、彼女は傲慢過ぎたんだよ・・・
まったく、あの、無教養の貧乏人のホワイト・トラッシュどもめ。、
あんな奴らが同じアメリカ人だなんて、信じたくもない・・・

ただ、そんな怒りの矛先をいったいどこに持っていって良いのか。
そのやるせなさ。
宙に浮いた言葉が、行く宛もなくふわふわと漂っているばかり。

思い起こせば、あのブッシュの再選した選挙の時・・・・
などと、言うことに事欠いては、2004年、
いまから十年以上も前のことを持ち出す輩もいる。

アメリカ中があれほどまでにヒラリーを望んでいた、その時、
あの女は、その声を無視したんだ。
もっと確実に大統領になれる時まで待つために。
そして見ろよ、このザマだ。
あんな最低最悪のクソ野郎を相手にしてだ、
これだけの好条件、そのお膳立てを全て整えて貰ってだ、
それでもこのザマ、なんだぜ。
そもそも、あの女は・・・

そんな言葉、誰も聞いてやしないのは、本人だって十分に承知している。

ただ、そう、この朝の地下鉄。
この不穏な沈黙の理由の、その矛先が、違うのである。

人々の陰鬱、その不安の源泉が、

民主主義の崩壊?
ファシズムの到来?

まさかまさか。

人々のその恐怖の元、
なんてことはない、
ただ、株価、であったりしたんだよね。




改めて、昨夜の衝撃。

全米中で、誰一人として予想だにしなかったこの展開。

だって考えても見ろよ。
全米中のメディアというメディア、その殆どが、
あからさまに、ヒラリーの支持を謳い上げ、
当選確実、どころか、
当のヒラリーに至っては、ニューヨーク随一の巨大コンベンション・センターを丸々と借り切って、
盛大な祝賀会用に花火を上げる用意まで済ませていたのだ。

そう、この結果、全米で、誰一人として予想していなかった。
当のトランプサポーターは愚か、ドナルド・トランプ自身でさえ、
まさかこんなことが本当に起こるなど、予想さえしていなかった筈である。

そして、なんの用意すらしていなかったその勝利者宣言、
隣りのファースト・レディの、そのあまりにも眠そうな顔。

何言ってるよの、あたし嫌よ、ファースト・レディなんて。
そこまであなたの冗談につきあってられないわよ。
元モデル、どころか、ポルノ女優でさえあったこのファースト・レディ。
その不満げな顔が、まさしく、この誰も予想さえしていなかった結果のへの、
トランプ自身の当惑を物語っているようだ。

ただ、そう、心配はいらない。
誰もあなたになど、なにも期待などしていないのだから。

そう、人々のこの不穏な沈黙。
その、不安の理由とは、まさに、株価、な訳である。

これまで、あれほどまでにヒラリー圧勝、が予想されていた選挙である。
遅ればせながら、とばかりに、なけなしのタンス貯金を、
どころか、これほどまでにボロい出来レースも見当たらない、とばかり、
全財産を株に突っ込んだ、そんな人々である。

だって、ほら、見ろよ、どこのなにを見たって、ヒラリーの圧勝、って書いてあるじゃないか。

そう、人々はヒラリーの勝利を信じて疑わなかった。
トランプ当人でさえ、こっそりと、ヒラリーの株に金を突っ込んでいたであろうとさえ思う。

そんな人々に、俺が不安要素を上げる度に、
人々は途端に態度を豹変させては罵倒の限りを尽くしては、
これ以上なくヒステリックに騒ぎたて始める。

あんた、バカ?
空からお金が降ったって、ニューヨークにガッジーラが現れたって、
トランプが勝つ、なんてことは、絶対に絶対に有り得ないのよ。
なんてたって、あのクソ野郎。
あいつがなにを言ってるか、あなた知ってるの?
あんな最低最悪のクソ男が合衆国大統領?
絶対の絶対にありえないわよ。
ねえ、あんたさあ、なにも知らない癖に、
そんな好い加減なこと言うの本当に止めたほうがいいわよ。
バカ、って言われるわよ、バカって。友達だと思って忠告して上げるけど、
二度とそんなことを口にしたらあたしだってあなたの正気を疑うことになるからね。

実は俺がトランプの勝利を確信したのは、
なにを隠そう、そんなヒラリー・サポーターたちに見る、
その傲慢、あるいは、慢心から、なのである。

虫の知らせ、というよりは、デジャヴを見るように、
俺はそんな、慢心しきったヒラリー・サポーターたちの姿に、
アル・ゴア 対 ブッシュ の、あの史上空前のペテンによって、
世界の運命の捻じ曲げられた、あの悪夢の再現を感じていたのだ。

という訳で、悪夢は正夢になった。

そして、人々は、改めて、来るべき嵐の予感に息を殺しながらも、
実は最も心配しているのが、株価の暴落、であったりもするのである。

という訳で、この全米が一挙に持って行かれたいかさま博打。
その親の総取りとなった、親、とはいったい誰だったのだろう、と考える時、
あのトランプの悪意を演出した影の黒幕の、そのどす黒い思惑に、
思わず戦慄を隠し得ない。

という訳でトランプ氏。

その暴言に飾られた公約を実行に移すのだろうか。

メキシコとの国境に壁を作れ。
イスラム教徒はすべて隔離して強制送還にしろ。
移民二世の子どもたちから国籍を取り上げろ。

そしてそう、在日米軍の費用をすべて日本に払わせろ、から、
中国、そして、ロシアとの、親密な関係の構築。

これを真に受けたとしたら、
なにからなにまでが、ちょっと笑い事では済まされない、
世界中をそんな疑惑が渦巻いているはずである。

こうしているいまも、全米の各都市で、反トランプのデモ行進が始まっている。

そのあまりにもやるせない光景に、全米の人々が怒り、は愚か、
恥辱をも含めた絶望の中に凹みまくっているのである。

という訳で、世界の変わったその第一日目。
夜更けのドッグランに足を踏み入れた途端、
いきなり犬どもに囲まれた。

ドッグランの暗がりの下、
飼い主たちは自身の犬もそっちのけで、
互いに肩を落としては身を寄せ合って、
ひそひそと陰鬱な会話を続けているからだ。

そうか、お前らも色々と苦労が耐えないな。

そんな中から、ようやく俺の姿を認めた人々。

あんたの予言が現実になったわね・・・
わたし、本気でカナダに移民しようかしら・・・
ねえ、みんなで日本に移住ってよくない?・・・

そんな脳天気なことを言っている人々。

あのなあ、と思わず。

このトランプ・スランプ、本当の本当にやばいのは、その日本、なんだぜ。

あらなんで?と首を傾げる人々。
おまえら、徹底的に判ってねえんだな、と思わず吐き捨ててしまう。

そう、洒落にならないのはアメリカ人ではない。
そう、メキシコ、そして、中南米の人々。
つまりは、衛星国の国々である。
そして、そのしわ寄せが一挙に、極東に向けられることになる、
そうなった時、いったいなにが起きるのか。

その筋書きのあまりの邪悪さに、
思わず言葉を失っては深い溜息をついてしまう。

たぶん、日本の人々もまだ気付いてはいないだろう。
これは下手をすると、まじでとんでもないことになる。

安倍首相がトランプとのご機嫌伺い会談を申し込んだらしいのだが、
その予定が、中国との会見に押しやられていきなりドタキャン、
なんてことにならないことを、祈るばかり。

という訳で、これまでご指摘を頂くたびに、はぐらかしてきたその最悪のシナリオ。
そろそろ現実味を以って検討する時期に来ているのかもしれない、
そんなことを思う秋雨のドッグラン。

という訳で、今更ながら、シン・ゴジラの中のこのセリフ。

「先の大戦では、旧日本軍の希望的観測、こうあってほしいという願望により、国民に三百万人もの犠牲者が出ました」

その希望的観測、そして、こうあって欲しいという願望、その暴走。
その元凶となるのが、なにか、と言えば、まさに、情報力、であるわけだろう。

先の大戦で、希望的観測ばかりが暴走した理由は、
端的に言って情報不足。
あるいは、当事者たち、政治家や、そして軍人の、
その情報収集能力の欠如、
ぶっちゃけ、誰ひとりとして、独自に情報を収集する、
あるいは、敵国の言語を理解する、
あるいは、敵の関係者と腹を割って話す、
そのコミュニケーション能力の徹底的な欠如、によるものではなかったのかな?

それは諜報、というのではない。
他国の文化をしっかりと理解する、という謙虚さ、つまりは、知性、である。

正直なところ、これまでご指摘頂いた様々な脅威論。
そのほとんどのお言葉の中に、
徹底的な知性の欠如、
まさに、敵を見ずして敵の影に怯え、
空元気に希望的観測を振り回す、あの先の大戦の大間違い、
その同じ轍をひしひしと感じてしまっていた。

こいつら、また同じ間違いを犯してはドツボることになるな、
というのが俺が、これまで、そのご意見をはぐらかしてきたその理由である。

改めて言わせて頂ければ、今回の大統領選の愚を見るまでもなく、
依頼して提出されたデータはすべて、
依頼者の趣旨に迎合した詭弁のでっちあげに過ぎない。
もしもヒラリーが、
そのヤブ蚊のようにつきまとうお取り巻きのふりまく幻想の霧を抜け出して、
自らの足で、自分の目で、米国中西部の現状を見る機会があったのなら、
あるいは、トランプ・サポーター、あるいは、バーニー・サンダーズのサポーター、
その人々の輪の中にひとりで飛び込んで、
膝を合わせて腹を割って、話し込むような度量があれば、
まさかこんな不様な醜態を晒すことはなかっただろう。

治世者を、お取り巻きに囲まれたお友達サークルの中に密閉してはいけない。
そのお友達同志の高笑いの中にこそ、希望的観測の暴走が生まれるのだ。

シン・ゴジラにもあったように、若き官僚たちのその情報能力とは、
つまりはそのところどころで覗き込む、手元のIPHONE。
それを使えない老醜たちと、その情報のフィルター能力に長けた若き官僚たち、
その運命の差はまさに歴然としていた筈だ。

いま時、英語が喋れない、タイプが打てない、自力でグーグル検索ひとつできない、
そんな人間は、カタワ、である。

盲の唖の聾、そんな輩が日本の中枢に巣食っては、
与えられたでっちあげのデータだけを鵜呑みにしては、
希望的観測の妄想を暴走させ、
ゴリラを相手に、気合と根性で丸腰で立ち向かうような愚行の中に、
引きずり込まれることになるのだ。

そんな茶番じみた妄想の中で、勇ましい脅威論を唱える人たち。
本気で国を憂う気があるのなら、いますぐに敵国に飛べ。
そこで、ガイドブックにも、メディアの戯言にも乗っていない、
本当の民衆の姿を、
その敵国のパワーの源と、そして、その限界と弱点を、
自身の目と、自身の足と、その肌で、学んでくるべきだ、と俺は思う。

長文のおっさん、トランプの勝利を予測したのはあんただけだよ、さすがだな、

そんな、おべんちゃらとも、冷笑ともつかぬお褒めの言葉を頂いたようだが、
ありがとよ、のお礼の言葉の代わりに、
おまえらなあ、そんなこと言ってる場合かよ、の罵倒の言葉を、
と同時に、
ささやかなお礼の意味も込めて、
昨夜、俺の「邪悪系」の情報筋から届いたメッセージを共有させて頂く。

日本、やばいぞ。
国籍、取ったのか?

ハロウィンを疾うに過ぎて、
今更になって、ちょっとまじめに、
背筋がぞっとする思いに駆られている、
そんな秋の夜更けである。



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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

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無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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