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ニューヨークの凍りついた夜 ~ 悪夢のスーパーボウル・ウィークエンド

Posted by 高見鈴虫 on 07.2017 アメリカ爺時事   0 comments
なんかよお、この月曜日、
ニューヨーク中が真っ白だよ、真っ白。

誰もなんにもやる気しねえってか、燃え尽きってよりも、
ただただ、昨夜からの悪夢の中を漂っている、とそんな感じ。

なんのことかって?
言わずと知れたスーパーボウルだよ。

言わせてもらえれば今回のスーパーボウル、
よりによってペイトリオッツと、んで、なに?ファルコンズ?
んだよそれ、って感じでさ・笑

なによりもこのペイトリオッツ、
言わずとしれたボストンのチームで、
つまりそう、MLBのヤンキースとレッドソックスじゃないけど、
ニューヨーカー、ことにこの、ボストンのチームってのと仲が悪い、
ってのはまあ、フットボールも野球もおんなじ。

でこのペイトリオッツのクオーターバックたる、トム・ブレイディ、
賭けても良い、あなたがもし、このトム・ブレイディのユニフォームを着て、
ここニューヨークにやってきたら、はっきり言って、どこにいっても何をやっても、
徹底的にろくな目には合わない、筈。

タクシー、と手を上げたら乗車拒否、レストランでは入店拒否、
道ではぶつかられ、お釣りは誤魔化され、挙句の果てに、
よおよお、俺もボストン出身なんだよ、気が合うな、一緒に飲まない?
とか誘われては、身ぐるみ剥がれてコニーアイランドにポイされるのがオチである。

そう、ニューヨーカーはトム・ブレイディが嫌いだ。

モデルのように格好良く、頭も良さそうで、
NFL史上空前の名クオーターバックで、当然のことながら大金持ち。
女優の愛人と、スーパーモデルの奥さんとの、二人同時に子供ができて、
で、その二人の子供を一緒に認知、
とまあ、やることなすこと、ぐうの音も出ないほどの良い男。

つまりはそう、全米の男ども、
とくに、アメフトなんてスポーツが好きな、つまりは、男の子、
そんなアメリカの男の子たちが、嫉妬と敗北感にのたうち回る、
トム・ブレイディとはまさに、そんな男。









で、このトム・ブレイディ、今更ながら、まさに、ニューヨーカーの天敵。

なんで?

決まってんだろ、この世の男という男のすべてが、
こんなトム・ブレイディなんてやつには、この世に存在して欲しくねえからだよ、
わざわざ言わせんなよ。

で、しかも、で、ある。

このトム・ブレイディ、そのセレブリティ暮らしの中で、
かの、ドナルド・トランプから大親友呼ばわりなんてされちゃって、

え?あれ、トム・ブレイディって、確か、デモクラットだって言ってたよな、
と首を傾げる人々の中で、んにゃろ、この裏切りもの風見鶏の、
挙句の果てに、トランプとの黒い癒着、なんて感じで、
もう、そう、全米から完全に総スカンの、超モテモテ男、
であった訳なのだが。

という訳で、今回のスーパーボウル、

トム・ブレイディとマット・ライアン?勘弁してくれよ、んなもの知ったこっちゃねえよ、と。

どうせまたペイトリオッツの圧勝、で、あの、トム・ブレイディがまたあの得意の猿ヅラ晒して、
とまあそんな訳で、今年のスーパーボウル、ニューヨーカーは誰も見ていなかった。
話題にさえしていなかった訳だ。

ただね、そう、そんな事情もあって、今回のスーパーボウル、
にわかに、ハーフ・タイム・ショー、この、レディー・ガガのパフォーマンスが、
妙な感じで全米の期待を集めるようなことになってしまった訳である。



あ、で、実はさ、
この日、朝の犬の散歩の時に、
いきなり、リンカーン・センターでのマチネのチケット、
ブダペスト祝祭管弦楽団:Budapest Festival Orchestra
なるもののタダ券が舞い込む形となって、
いやあ、演目はベートーヴェンだったんだけどさ、

ぜんぜんまったくこれっぽっちも期待してなくて、
まあそう、スーパーボウルまでの時間つぶしというか、
どうせそのスーパーボウルだって、なんの期待もしてねえし、
なんていう、ちょっとした不貞腐れた気分ででかけた
この午後のシンフォニー鑑賞、
実は実は、これ、凄かったんだよ、まじで。

コントラバス10人、チェロ10人をずらりと並べて、
まさに、重音ストリングス軍団って感じ。
で、なんと、指揮者の目の前に、ティンパニーが置かれていてさ。
何故に、この、出番のあまりない筈のティンパニー奏者が指揮者の目の前なのか。
まるで、授業中によそ見ばかりしている劣等生が、
いきなり罰ゲームで一番前の教壇の前、なんかに座らされてしまった、
とまさにそんな感じで、見るからに所在なげなそのティンパニー奏者。

ただね、そう、全然期待していなかったんだけど、この演奏、凄く良かったよ。
やっぱ、クラッシックって凄いよな、と、まじで、大感服というか。

実はさ、このパンカー上がりの与太者であっても、実はしっかりニューヨーカー。
なんだかんだで、友人のロック・ギタリストのカミさんが、ニューヨーク・フィルでバイオリン弾いてたり、
或いは古い友だちがメットオペラの関係者だったりとか、と、色々と腐れ縁が多く、
という訳で、この全くの畑違いと思われるクラッシックやオペラやらにも、
なんだかんだでいきなりのご招待、なんてる機会が多かったりするのだが、

という訳で今回のこのブタペスト・フェスティバル・オーケストラ、
いきなりの大化け的なキワモノステージを見せて貰った、と。

あ、で、そうそう、実はこの公演で、
コンサートの最後の最後で、ジュリアード音楽院に学ぶ学生さんを、
ステージでの演奏に飛び入り参加、なんてことをやっていて、
で、そう、演奏中、それも、終奏の一大クライマックスのところで、
さあ行け、とばかりに、飛び入り参加した子どもたち。

その前で、世界よりすぐりのプロの中のプロ、のような技者たちが、
思いっきり本気も本気、ギリギリの土壇場演奏やっている中に、
飛び入り出演、となった訳で、
ただ、この子どもたちが参加しても、オーケストラの音がまったくぶれない、
揺るぎなく、まったくもって、本気も本気、超ウルトラぎりぎりの演奏をぶちまけている訳で、

で、改めて、子供たちの教育って、こうあらねばな、と思った。

つまりは、大人たちが妙に子供たちに合わせて、手加減したり、なんていうのは、
まさに、子供だまし、というか、そういう変な気配りって、子供たちのためには全然ならない。

そう、大人が本気の本気でやっている姿、それこそが、子どもたちへの一番の教育なんだよね、と。

嘗て、キューバに居た時に、世界的にもトップクラスのアーティストのステージに、
実にちょくちょく、子どもたちが飛び入り出演、ってのをよく見かけて、
下手をすれば、スタジアムでの一大コンサート、その演奏者たちの隣りに、
子どもたちが、わけも判らずウロウロしてたり、踊りを踊ってたり。

大人たちがその仕事場、それも、土壇場ギリギリの真剣勝負の場を、
敢えて子供に疑似体験させる、これ以上の教育ってないだろう、と。

そんな中に、俺は俺なりに、キューバの健全さを見た思いがしていたんだけどさ。

まあいいや、そう、何の話だったっけ、ブタペスト?いや、そう、スーパーボウルだ。

そうそう、で、そのブタペストのシンフォニーを満喫した後、
なんだかんだで、軽く飯食ったりしながら、そう言えば今日これからスーパーボウルだよね、
なんだよ、どうせあのトム・ブレイディだろ?知ったことじゃねえよ、と苦笑いの男たちの気も知らず、
ええ、トム・ブレイディ?だったらあたし、見たい、という無情な女たち。

という訳で、妙な具合から、女たちに腕を引かれていやいやスーパーボウルを見させられる、
なんていう変なことにもなったのだが。

で、まあ、はい、結果はこの通り。


Super Bowl 51 Highlights 2017 New England Patriots vs. Atlanta Falcons



まさに、スーパーボウル史上、最初で最後のとんでもない大逆転劇、というやつで、
あの憎きトム・ブレイディが、またまたMVP なんてのに輝いちゃって、くそったれも良いところ。

あの、逆転のタッチダウンが決まった瞬間、ニューヨーク中がまさに、凍りついた、と・笑

黄色い歓声を上げては、なにを間違えたか涙ぐんでいたりさえする女たちにほとほと辟易した男軍団。
くそったれ、見てらんねえ、とばかりに、犬の散歩、なんてのにでかけてみれば、
もう、公園中、どこもかしこも、苦虫を噛み潰した酔っぱらい男たちが、
口々にFUCK!を連発しながらクダを巻いている訳で、
そう、改めて、ニューヨーカーはトム・ブレイディが嫌いだ。

それがどれほどの英雄であっても、なにがあっても、トム・ブレイディだけは、許せない、許してはいけない、
だってよ、あんな男がこの世にいたら、世の中の女、みんな、独り占めにされてしまうじゃねえか、と。

まあそう、そんな心配するまえに、てめえの女、よく見てみろよ、と。
という訳で、このトム・ブレイディを前に、舌打ちと自嘲を繰り返しては、悪酔いを繰り返す、
そんなニューヨーカーたちなのであつた、と。

で、あ、そう、それでそれで、実はここからが本題だったんだが・笑

あの、ハーフ・タイム・ショー、

見た?あの、レディー・ガガ。

すぐ消されちゃうと思うから、この映像 ↓ いまのうちにしっかりと見てみてちょんまげ。

Lady Gaga's FULL Pepsi Zero Sugar Super Bowl LI Halftime Show


でしょ?だろ?凄いだろ?

まさに、これが、世界の最高峰、って感じで、

ってか、まじ、ちょっと、これはもう、太刀打ちできねえ、と思わない?

これはもう、ほとんど、サーカス、というか、SFと言うか。

そのうち空中ブランコはおろか、綱渡り、あるいは、ライオンやらトラやら象やらが登場して火の輪くぐり、
それでもなければ、真面目にケツからロケット噴射して月までひとっ飛び、ぐらい、平気でやりそうな、
まさにまさに、世界中の度肝を抜くステージであつた、と。

そんなレディー・ガガのステージにまさに、唖然呆然としながら、

そう言えばさ、このステージに、ベビーメタルが競演する、なんて話もあったんだよな、

なんて思いながら、正直なところ、思わず、背筋につつつつっと、冷たい汗が流れた。

いやあ、はい、レディー・ガガ、やってくれた。ってか、やられた、とか、そんな次元じゃない。

この人、まさに、宇宙人、それ以外のなにものでもない。

ベビーメタル、世界はまだまだ広いぜ、というか、なというか・・・
ぶっちゃけ、金のかけ方が違いすぎる、という訳なのか・・

という訳で、はい、このレディー・ガガのパフォーマンスを前に、
世界のハードルがまた、一段も二段も、どころか、まさに天文学的にまで跳ね上げられました。

がんばれ、ベビーメタル、道はまだまだ険しいが、その全身全霊を傾けてでも、
相手にとって不足はなし!

このとんでもない世界、という奴を相手に、どこまで戦えるか、

この世界制覇、やはり、ハンパではねえな、と。

こうなったらねえ、もう、日本の国力のすべてをかけて、

そのテクノロジーと頭脳のアイデアと、サムライ魂と職人技と、愛と情熱と洒落心の全てを結集して、

このベビーメタル、心の底から応援しなければ、と、志を新たにしたのであった。






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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾年月。
世界放浪の果てにいまは紐育在住。
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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