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オスカー・ナイトを疾うに過ぎて ~ 突如の高熱に七転八倒こいたその理由

Posted by 高見鈴虫 on 05.2018 読書・映画ねた   0 comments


三月にも入ったというのに、まだジクジクと意地の悪い寒さの続く日曜日、
早朝からまたいつものようにセントラルパーク。
普段からの犬仲間たちと集っては、
そう言えば、今日はオスカー・ナイト、アカデミー賞授賞式よね、
そんな箸にも棒にもかからない囀りが耳に入った途端、
いきなり、またまた、てやんでぇ、と、思い切りの大咆哮。

てやんでぇ、アカデミー賞がなんだってんだよ。
あのなあ、2017年の最高にして最優秀の映画、
そんなものは、誰にどう聞いたって、

あの、ベイビー・ドライバーに、決まってるじぇねえか、と。





音楽が聴こえていないと生きていけない、
音楽が流れ出したとたんに、世界のすべてが疾走を始める。
リズムに乗り、メロディに乗り、
歌詞のストーリーがみるみると目の前の情景に溶け込んで、
そう、俺達にとっては生きることの全てが音楽。
つまりは、LIFE MUSIC LIVE MUSIC。

そうさベイビー・ドライバー、
これこそが、俺達の日常。
これこそが、俺たちの暮らすこの世界そのものなのだ。
そう、この主人公であるベイビー君。
まさにこれ、俺そのもの、俺そのものじゃねえかよ、と。

唯一の違いと言えば、つまりはその音楽。

ああ、可哀想なベイビー君。
つまりはこの映画が撮られたのが、
2017年4月よりも以前であった、ということなのだろうが、
そう、言わずと知れれた、あの、「アトランの奇跡」
-> ベビーメタル 「アトランの奇跡」 ~ この星屑の海、完敗の衝撃に嬉し泣き

もしもこの映画のクリエイターであったエドガー・ライトが、
もしもあの時、あのベビーメタルの奇跡に遭遇してれば・・・

その時であれば、迷いもせずに、
「ベビー・メタル・ドライバー」
そんなとてつもない映画になっていた、その筈なのである。

そう、そうなってこそ、本当に本物のベイビー・ドライバー。

ベビーメタルなくしては世界は成り立たず、
ベビーメタルが鳴り止んだ途端に世界が倒壊を始める、
そんなベビメタ・メイト的な日常に思わずバッチグーのドンピシャ、そのものではないか、と。

改めてこのベイビー・ドライバー。
その挿入歌を、すべて、ベビーメタルのナンバーに入れ替えてみて欲しい。
このスピード感、このドライブ感、この疾走感、このピカレスクな背徳感。
そのものズバリが、ベビーメタルの美学そのもの。

まあそう、このベイビー・ドライバーがアカデミー賞を逃したのは、
制作がちょっと一年早まったばかりに、
この挿入歌に、ベビーメタルを使えなかったこと、
それ以外にはなにも思いつかない。

それほどまでに、このベイビー・ドライバー、
俺から言わせる所の、最高の最高の映画であった、その筈なのに・・・

つまりはよお、アッカデミー賞だかなんだか知らねけどさ、
その選考委員は脳みそに苔の生えたジジババばかりってことだろ。
つまりは、そんなスピード感やらドライブ感やらリズム感やら、
つまりはぶっちゃけ、ベビー・メタル・ドライバー的な世界には、
完全の完全にぶっち切られているだけって、それだけの話だろうが、と。

という訳で、アカデミー賞?
徹底的にクソ食らえだぜ、と。








ただ、今回のアカデミー賞、その唯一の望みと言えば、ゲットアウト。

ええ、あの、ゲットアウトが?まさかのアカデミー賞候補?
うっそだろ、と思わず大爆笑。






そう、このゲットアウト、実は公開当時から、
なんだかんだで、俺の周りではちょっとした話題であった。

そう、この映画、日本の方々は、なんてこたあねえ、ホラー映画、
としてご覧になっているのだろうが、
ここアメリカにおいては、このゲットアウト、
まさに、大爆笑に大爆笑を重ねる、あるある、の集大成。

つまりはそう、人種間の障壁という奴。

いやさ、この人種の坩堝のアメリカにおいて、
異人種間交流ってのは、まあそう、避けるに避けられぬこと、
ではありながら、
それと同時に、きっと誰もが感じているであろうその妙な違和感。
つまりはそう、それはどことなく、
他人の家庭の冷蔵庫を覗いてみちゃった、あの気味悪さ。

つまりは、表向きは仲良く楽しく和気藹々に、ではあるのもの、
ぶっちゃけ、その心の奥の奥に、どうしても横たわっている、
異文化、あるいは、異人種間にある、
その一種のちょっとした気味の悪さ、という奴。

で、このゲットアウトを観ながら、そう言えば、と想いだしたちょっとした逸話。

遂に念願の日本人のガールフレンドのできた黒人のロジャー君。
ちょくちょくと彼女のお宅にお邪魔しては、
そこでご馳走になる日本食に舌鼓。
この人ね、なにを出しても美味しい美味しいって。
それこそ、納豆から鯖塩焼きからイカの塩辛から卵かけご飯から、
なんでも喜んで食べていたのに・・・

そのロジャーくんが、よりのよって「おでん」の鍋を開けた途端、
いきなり卒倒こいてぶっ倒れた、と。

おでん?おでんがどうして?

そう、俺には判る。俺には実は判りすぎるぐらいに判る。
それはつまりは、煮られた大根の匂い。
あのおでんに煮られた大根の芳醇な香りが、
よりによって事情を知らぬ者にとっては、
あの、ゲゲゲの鬼太郎の、例の匂いに、そつくり、だったりもするのである。
 おでんぐつぐつ人肉鍋

そう、実はこのグローバル世界、
なんだかんだと言いながら、俺たちはそんな人種間の障壁の間をいったりきたり。

いや、ほら、俺とか長らくヒッピーやっていたなんてことからも判るように、
大抵の目新しことは、気味悪がって物怖じするよりは寧ろ、
面白じゃねえか、とやる気まんまんのなんでも見てやろう食ってやろう、
そんなゲテモノ精神の塊り、
でもあるのだが、
それでもしかし、どうしても、食うに食えないものもあるには、ある。
→ 犬を喰った男の話

そう、そうしてみれば、このグローバル世界、
世界は一家、人類は兄弟、とは言いながらも、
その内心を一皮めくってみれば、実は気味の悪いものばかり。

このゲットアウト、当初はそんな異人種間交流の”あるある”を、
思い切り膨らましては大爆笑コメディに仕立て上げようとした、
とのことなのだが、
どういう訳か、スポンサーさんの横やり的なご意向で、
これ、ホラーにしよう、と、いきなり脚本の変更を求められ・・

という訳で幸か不幸かこのゲットアウト、
腹を抱えて笑えるホラー・ムービーという、
妙に新しいジャンルを創出してしまった、という訳なのだが、
なんとなく、見終わってからの後味の悪さ、
これではどうにも、洒落にならない、オチにならないな、
という気がしないでもなく。

という訳で、このゲットアウト、
企画・脚本、そして監督であったジョーダン・ピール
この成功を架け橋に、ぜひとも次回作はそのコメディ作家としての本領発揮、
思い切り笑って笑って笑いまくれる人種間あるある映画、
ご期待申し上げ候、と言った次第。





とまあ、朝からそんな憎まれ口三昧の後、
その犬の散歩の帰り道、ちょっとスーパーに立ち寄っては、
遅い朝食の買い物、なんてのをしてきた訳だが、
量り売りの各種ハムの切れっ端を集めてパックにしたお徳用セットに、
同じようにチーズの切れ端ばかりを集めたものを合わせて、
この本来ゴミである筈のお徳用切れ端コンビを掛け合わせ、
これまた冷蔵庫の奥でカビ生えかけていた食パンの上に載せては、
ピザトースト、なるものを作成した訳なのだが・・・

それを食った、食った、食いすぎたのかな、のその後に、
また例によって日曜時事放談なんてのを見るともなく眺めながら、
ふと手元のIPHONEで、そう言えば、ベビーメタルのワールドツアー、
その日程が発表になっていた、その筈なのだが・・・・
どうもその当たりから、不思議なことに意識が無かった、消え失せていた日曜の昼下がり・・

ふと目が醒めた時に、いったいどうしたのか、この今にも頭蓋骨が割れそうな頭痛。
と同時に、食いすぎた腹の中がパンパンのままに、
消化され切らなかった朝食が胃袋の中でもんどり打っては暴れまわり、
途端に、全身の毛穴から一挙に吹き出した冷や汗が、
いまにもコメカミを流れ、脇の下を流れ・・

おいおい、俺はいったいどうしてしまったのか、と思ったと同時に、
やばい、と立ち上がって駆け出したトイレ・・・

という訳で、その七転八倒の悪夢から醒めた時、
オスカーどころか、日曜日そのものが、既に疾うの昔に過ぎ去った後であった、と。

ぐっしょりと濡れたダウン・コンフォーターから這い出して、
うへえ、まだ生きている、と一時の、生まれ変わっちゃった自分、気分。

ではありながら、改めて、この体調異変、その原因がなんであったのか、と。

改めて、鉄の胃袋の異名を誇ってきた俺である。

あのインド亜大陸において、ほとんどすべてのツーリストが、
末期的な下痢にやられては七転八倒、
旅行中にはインド人もびっくりな程に痩せ細って帰る、
というのが定番である筈のこのインド旅行で、
俺はよりによって、下痢どころか、毎日食い過ぎに食い過ぎを重ねては、
あろうことか、帰国時には太って帰った、というまさに、強者の中の強者。

ハマったと言えば、メキシコ・シティのモクテスマの逆襲ぐらいなもので、
ただそれも、地元のねえちゃんに聞いたロモティル飲んだら一撃で治ったし、
果たしてグアテマラはティカルの遺跡の、その経由地であったフローレス島、
あそこのバス停前の土産物屋、あそこまじで下水垂れ流しの湖の水を、
そのままバケツで汲んで出していたんだぜ。
通常であれば二三日、どころか、一週間は熱出して入院騒ぎになるところを、
トイレに駆け込んでえいやあと一発、だけで済んだだけでもめっけ物。

世界各地を歩きながら、こと、お腹を壊した、と言ったら、
まさにそれぐらいしか思いつかないこの俺様が、
たかだか腐ったハム、ごときでこれほどまでにダメージを受けるものか、と。

では、果たして、なんだったんだか、このオスカー・ナイトの体調大異変、
その理由は、その原因は・・・

まさかそれ、もしかして先日のオリンピック、
メドベージェワの銀メダルがそれほどまでに精神的なトラウマとなっていたのか、
あるいは・・・

とここまで来て思い当たったその真相、
頭痛と腹痛と吐き気に苛まれながら七転八倒、
その悪夢の中で、知らず知らずのうちに繰り返し繰り返し唱え続けていたこの呪怨。

なぜなんだ、ベビーメタル!

おいおいおい!
なぜだ、なぜなんだ、ベビーメタル、って、三姫に罪はないのだろうが、
そう、だったらコバさん、コバメタル、小林さん、てめえこのやろう、
どうしてなんだよ、なにがあったんだよ、なに考えてんだよ、と。

なんで、ベビーメタルのワールド・ツアーに、
ここニューヨークが、入ってねえんだよ、言ってみろ、コラ。
ふざけんのもいい加減にしろよ。
で、なんだ?よりによって、テキサスだ?
なんで、それが、テキサスじゃなくっちゃなんねえんだよ。
テキサスがどんなところか知ってるのか?
知らねえからこんな予定を組んだのだろうが、
なんだよこれ、まじでこれ、赤首ステイツ、ばかりじゃねえか。
あんたもしかして、トランプ・サポーターの露助の差し金か?
ああ、我がベビーメタル、
麗しの三姫が、よりによってあんなクソみてえなど田舎をドサ周り。
わざわざそんなとこを回るぐらいであれば、
その間中、ずっとずっとニューヨークはビーコン・シアター、
そこを一ヶ月間借り切って連日公演していた方が、
ずっとずっと宣伝効果がある、って筈なのに・・・

ああ、判らない。今度という今度は、まるっきりなにがなんだかさっぱり判らない。

コバさん、答えてくれ、俺のなにが、俺たちニューヨーカーの何がそれほど気に障ったのか。

つまりはこれか、このタップンピッタン、これが、三姫の逆鱗に触れた、と、
つまりは、そういう訳なのか・・・

という訳で、オリンピックだ? アカデミー賞? んだそりゃ、んなこと知った事か。

そう、俺的には、俺の問題は、俺的に一番気に病んでいたのは、
実は実は、まさしくこれ!
つまりは、ベビーメタルのワールドツアーの日程に、
なんでどうして、何故に、ニューヨークが含まれていないのか、と。

つまりは、マジソン・スクエア・ガーデン。
あそこを一週間ぶち抜きでソールドアウトするまで、
ニューヨークには戻りません、とそういう訳なのか?・・・

という訳で、最後の最後になったが、そう、このいきなりの体調不良、

エジプトで鳩を喰らい、モロッコで羊の脳みそを喰らい、
グアテマラでは下水入りのドブの水を、
メキシコではモクテスマの逆襲にも勇猛に立ち向かい、
広州ではよりによって我が魂の友たる犬さえも食らってさえへこたれなかったこの俺を、
ものの見事に打ち倒したのは、
なによりもこのベビーメタル、
今回のワールドツアーに、何故にこのニューヨークが含まれてはいないのか!?

ちょっとコバさん、今度という今度は、まじでちょっとまじのまじめに、
すっごく悲しい、熱出して魘されちゃったぐらい・・・

という訳で、オスカーも既に終わった日曜の深夜。
熱に呆けた頭を掻きむしりながら、なぜなんだ、なぜなんだと繰り返しては、
おいおい、そんなこと思っていたら、またまた熱が出てきちまったぞ。

という訳で、テキサスかあ・・ うーん、と唸り続けながら、

で、果たして、なぜにテキサス?と思い当たったこと、
気を取り直して次回当たりにちょっと書いてみようかな、
とかと思っているオスカー・ナイトを疾うに過ぎて・

で、なんか閃くことがあったら、教えてたもれ、この、全米ツアーの謎の謎・・・




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プロフィール

Author:高見鈴虫
日本を出でること幾歳月
世界放浪の果てにいまは紐育在住
人種の坩堝で鬩ぎ合う
紐育流民たちの日常を徒然なく綴る
戯言満載のキレギレ散文集

*お断り 
このブログ記事はフィクションであり実在の人物・団体とは一切関係ありません藁

©終末を疾うに過ぎて...
無断丸々転載・そのまま転写はご勘弁ちょんまげ

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